忍者ブログ
百鬼夜行抄 二次創作

let

伶(蝸牛):絹の父・八重子の夫 覚:絹の兄・長男 斐:絹の姉・長女 洸:絹の兄・次男 環:絹の姉・次女 開:絹の兄・三男 律:絹の子 司:覚の子 晶:斐の子

546

二人とも話し合ったり、喧嘩をしたりの5年が経ち。
めっきり私がガチで切れることも先生の嫉妬も最近は少なくなり。
私は京都の拠点を引き払うことにした。
そろそろ東京に定着したといっても良いだろう。
大半が捨てても良い物でトラック1台、集積場を往復するだけで済んだのは幸いだった。
ここを借りて25年、か。
悪友くらいしか泊めたことはなかったな。
半ば物置にしていた自室を引き払った。
しかし築地の自室とて市場の引っ越しで通勤には不便を感じるようになったので、
よくよく相談して豊洲に住み替えることにした。
3LDK+納戸で実質の居住性は変わらず、防音もしっかりしている。
ガレージも近い。良い物件を紹介してもらえた。
月に25万ほど浮くようになり、今後を見越して貯蓄することにした。
いつか先生と二人暮らしするかもしれず、また振られて一人の老後もありうるからね。
先生宅へは電車は乗り換えが増えたのでもっぱら車で通うようになり、
会社にも公認、休出は基本なくなった。
ただ結婚は親からも社長からもせっつかれている。頭が痛い。いい加減諦めて欲しい。
もう50が近いこんな年だぞ。
時折先生と小さな見解の相違があったりもしつつ過ごしているうちに、律君が結婚した。
お弟子さんのお孫さん。
私の立場の説明はほぼ不要、と皆が思ってたのだが実際はお稽古が終われば家族のように扱われている私を見てずいぶんと驚かせることになった。
あと風呂から出たときに三度見くらいされた。
多分、普段の格好からつい男と思ってしまうからだろうが。
そんなこんなで先生には孫が出来て。
青嵐の使っていた体の消費期限が来た。
具体的には腐り始めたというわけだ。
先生にはそろそろ諦めて土に返そうと言ったのだが中々思い切られずに半月。
冬で良かったとは思うがやっと葬儀をした。
八重子先生は孝弘さんという相手がいなくなり少しずつ床に伏せることが増えた。
その頃からしばしば絹さんの兄姉たちが来て八重子先生と話し合っていた。
どうやら先生や開さんの老後を頼んでいるようだ。
律君達もいるとはいえ、母親としては娘の今後が心配なのだろう。
訪問介護が入ってはいるが家事は手伝えない決まりらしく、
先生の手の回らないところを補助することも増えた。
お稽古日も通院のため午前の日を一日減らすことになったがお弟子さんたちは皆さん、ご納得。
じわじわと起き上がれない日が増えて。
ある朝には事切れていた。
苦悶の表情もなかったそうで老衰として医師の死亡診断書も降り、
通夜、葬儀と私も手伝いに入った。
二、三日は覚さんたちが先生についてはくださるし、
夜も泊まられるとのことだがその後が心配になった。
やはりその心配が当たり先生は顔色悪く日に日に痩せて、クマが酷い。
少し迷いはしたが開さんを呼び出した。

拍手[0回]

PR