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百鬼夜行抄 二次創作

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伶(蝸牛):絹の父・八重子の夫 覚:絹の兄・長男 斐:絹の姉・長女 洸:絹の兄・次男 環:絹の姉・次女 開:絹の兄・三男 律:絹の子 司:覚の子 晶:斐の子

248

サイドテーブルにとりあえず置いといて、続き続き。
指を入れて中を探る。
声の沢山出るポイントを捕らえて責める。
お腹がひくひく動いて必死に息を吸って喘ぐ。
少し悲鳴のような、普段聞けないような声が出て逝った。
足首の縄を外す。
涙と少し鼻水。吸ってやろうとしたが足首に使った手拭を奪われた。
息が荒いのが落ち着くまで待つ。
っと、ティッシュ頂戴、と言うので渡した。
洟をかんで捨てて、少し咳をして、俺の飲み差しのペットボトルのお茶を飲む。
少しして落ち着いたようだ。
ベッドに伏せて大きく一息つき、こちらをちらっと見て手招きする。
横に行くと首を絞められた。
え…何を。
突然のことに身動きもとれず呆然としていると苦しくなってきて先生の手を掴む。
ほんの少し時間を置いて放してくれた。
「けほっ…なんで?」
「これくらい苦しかったんだから…。はい、お茶」
一口飲んで蓋を閉める。
「何をするのかと思った。殺したいくらいうらまれたかと」
「殺したりなんかしないわよ、ばかね」
息が落ち着くとそろそろ寝ましょ、といわれる。
先生は寝巻きを着てトイレに行った。
枕元にもう一本お茶を用意して先生が戻ったので俺もトイレに。
ふと洗面所の鏡を見ると首に指のあと。
明日残ってたら襟巻きするしかないなぁ。
ベッドに潜り込んで先生の背中を撫でると、あふ、とあくびが聞こえる。
「もう一度、って言ったらどうします?」
「え?」
目をあわせ見つめる。
先生は目をそらせて少し赤くなった。
「身体、持たないわ」
そういって俺の懐に顔を埋めた。
可愛いなぁ可愛い、やっぱりもう一度したくなる。
顔をあげさせてキス。
耳を舐め、齧る。
「だめ?」
そっと寝巻きの上から胸を揉む。
太腿の上から手を這わす。
手を潜り込ませて突起に少し指を掛けるといい声が出る。
ちょっと声が出る程度になぶって楽しむ。
暫く焦らせば諦めたのか、中に入れてとおねだりされ、中の良い所をなぶる。
今回はちゃんと息も出来るよう見図りつつ逝かせた。
汚れた股間を舐め取り、先生が落ち着いたので懐に寄せて寝た。

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h19

さて。
まずは家に帰るか。
タクシーに乗り込み自宅へ。
家に入ってストーブをつけてあたたまる。
流石に火の気のない家は寒い。
少し温まったので昼寝。
やはり人の家というのは疲れる。
先生もうちに滞在すると疲れるのかな。いや体力と言う意味じゃなくて。
うとうとして夕方、腹が減って目が覚めた。
食事に出ようか。
電話。
先生からだ。
京都駅に着いたらしい。
迎えに行きます、と言ってストーブを消し着替えを持って駅に向かう。
駅近くの喫茶店を指定しておいたのでそこに向かい先生を確保する。
宿に連絡をする。一応のためだ。
ちゃんと予約は取れていて、二人で一緒に向かう。
「飯、食いました?」
「ううん、まだよ」
「じゃ、チェックインしたら食いに行きましょ」
今回取った宿はホテルだ。
普通のダブルの部屋。
衣桁を二つ、組み立ててセットし、その下に敷きたとうを置く。
先生の持ってきた、明日お稽古で使う紋付を掛けて広げた。
「ね、あなたは明日どうするの?」
「仕事終わったらすぐ着替えて向かいます。昼の最初に間に合えばいいとは思いますが」
「わかったわ、先に行ってるわね」
部屋を出て降りる。
レストランはどこが空いてるだろう。
日本料理にまずいってみよう。
幸い空いていて、二人お願いして席に着く。
懐石の一番高いの、と思ったらすっぽんが嫌だと仰る。
ワンランク落としたものを頼んだ。
酒は、と言うといらないと。
炊き合わせも焼き物も美味しくいただいて最後の水物まで綺麗さっぱりお腹におさまる。
「お昼もラーメンだったから幸せ~」
「ああ、まだあちら流通が?」
「そうなのよ、私が買物出た頃には早朝に入った分すべて売り切れちゃってたの」
「こっちはこれこのように、と言うようですがでも値上がりはしてますね」
ふうっと一息ついて部屋に戻る。
先生は沢山食べてお腹が苦しい、と敷きたとうの上で脱ぎ、衣桁にかける。
肌襦袢を脱いで寝巻に。
…おいしそう。
食欲を感じ取られたのか急に目をそらされた。
うん、まぁもう少しお腹がこなれたらね。
「意外と早く来ましたね、明日になるかと思ってましたよ」
「お母さんが、いけそうなら早く行ったらいいって言うから」
「まぁ明日の予定を考えればそのほうがいいでしょうね」
「それに、心配だったから」
「心配?」
「その…あなたこっちに馴染みの方とか…」
「あーそういう心配ね。昨日も大丈夫って言ったでしょう?」
「それでも気になるものなのよ」
「そうみたいですね」
「怖い空気出さないで頂戴よ」
ちょっと引いてる肩を掴んで強引にキスする。
「…もうっ」
ふふっと笑って抱きしめた。
「明日の夜、沢山啼かせてあげます」
ああ、みるみる頬から首から赤くなってる。
可愛いなぁ。
「…今日は、しないの?」
「したくないならば。前日に乱れるの、あなた好きじゃないでしょ?」
先生はほっとした表情だ。
「そろそろ風呂入ってきたらどうです?」
「そうさせてもらうわ」
シャワーと浴槽、と言うホテルには珍しい風呂でそれなりにゆっくり入れるはずだ。
俺はその間にビールを飲む。
半分ほど空けると先生が出てきた。
「あなたも入って」
はい、と続いて風呂に入る。
ざっくりあたたまる。
出ると先生が俺の飲みさしのビールを飲んでいる。
「新しいの開けたらよかったのに」
「そんなに飲まないもの、これくらいがいいわ」
「飲み終わったら寝ましょうかね。移動、疲れてるでしょう?」
「そうね、あなたも明日早いでしょうし」
とクイッと飲み切る。
さっさと寝巻に着替えられてベッドに入られた。
俺はもう少ししないと汗が引かない。
寝巻に着替えるだけは着替え、横に腰掛けた。
ぐいっと首に腕をかけられ引き寄せられる。
「なんです?」
がぶ、と胸を噛まれて驚くやら痛いやら。
なのにくすくすと笑い声。
「噛むの好きですね、ったく。痛いですよ」
先生はうふふ、と笑いながら俺をベッドの中に引き寄せる。
横にもぐりこんで懐に抱いて、寝る用意だ。
ぬくいなぁ。
「おやすみなさい」
「はい、おやすみなさい」
髪をなでて寝かせる。
暫く寝顔を見て、俺も寝る。
翌朝、先にホテルを出る。
京都の市場だ。
久々の京都の市場、だが時化の影響で荷物が少ない。
ゆっくりと東京の概況などを報告できた。
客も引けたので食事を取って古馴染みと別れ、自宅へ。
紋付を着て袱紗等用意して直接稽古場へ移動した。
事前に聞いていた場所へ行くと着物姿が数人。
この方たちもかな?
「あら、もう来たの?」
後ろから先生の声。
「はい、なんとか間に合いまして」
横から声がかかる。
「飯島さんのお弟子さん?」
「ええ、そうなんですの」
「男の方教えるのって難しいわよね、でもここの先生男性だからいいわよ」
「ええ、一度灰形のときにお目にかかりましたんですの」
「ああだからこちらにいらっしゃったのね」
「みなさん、そろそろどうぞー入ってくださいな」
後をついて入る。
良く判らないので他の人のやることに従って挨拶をした。
台子が3つ出ている。
奥は真か。
先生たちがあそこかな。
この稽古場の主の先生が割り振ってゆく。
「飯嶋さんは真之行しましょう。山沢さんは行之行。あちらに座って」
指示が飛びみな移動する。
幸い一昨日お稽古したところであまり忘れてはいない。
どれを使うか聞き、用意を整えてお稽古をお願いしてスタート。
微妙な角度などを直される。
いい感じで終わり、絹先生のお稽古を気配で感じつつ。
先生も微妙な点を直されている。
どうやら家元代替わりのときにほんの少し変わったらしい。
そのまま3時間ほどお稽古も済み、先生のお話があり。
散会後呼び止められて残る。
夜のお稽古も参加しないか、と言うお誘い。
私をちら、と見る。うなづく。
「よろしくお願いします」
と夜のお稽古にも参加決定だ。
「飯嶋さんは綺麗なお点前をするね」
「ありがとうございます」
「山沢さんはもう少し肘を張って大きくお点前をするといいよ」
「はい、わかりました」
「最近の男の子はお点前が小さくてね。もっとおおらかにしなきゃいかん」
「この子、女ですの…」
「えっ」
「昨年の勉強会にこの格好で行ったらあちらで受けてしまいまして。
 それから男の点前をやるようにと勉強会で教えていただいたんです」
「男前だからわからなかったわねー」
あっけらかんと補佐の先生が笑ってる。
「ええと、まぁそれでも男の点前をするならおおらかにね、うん」
「はい」
「じゃ晩御飯食べてからおいで、夜は6時からね」
さっと時計を見る。40分ほどか。
ご挨拶して一旦稽古場から出て晩飯を食いに近くの店へ。
「先生、別に女とわざわざ言わなくとも…」
「あらだって同じホテルの部屋なのよ、うっかり知られたときに困るじゃないの」
「まぁそう言われればそうですが」
軽く夕飯を取り、トイレに行き身づくろいを整えて時間を待つ。
お茶を買って先生に。
少し飲んで私にも飲めと。
新しいの買いますから、と買って飲む。
暫く待ち、夜のお稽古に。
客層と言うかやはり昼と夜は違うね。
私は円草、と指示を受けて…やっぱり苦手だ円草。
絹先生は円真を指示されている。
先生はやっぱり先生で流れるような手つき。
夜は奥の点前をやる人が少ないようだ。
綺麗な点前をされるよなぁうちの先生は。なんて目を細めてしまう。
お稽古が終わり、お話。
台子と言うものはどういうときに使うものか、
だから着物もちゃんと紋付を着てくるべきだとかのお話。
夜なので数人仕事帰りのカジュアルな人が居るから釘を差したって所か。
ご挨拶して辞去する。
またこちらに来るならいらっしゃいとのことだ。
「さて、戻りますか」
「そうね」
「どちらから来られたんですかー?」
若いお姉ちゃんから聞かれた。
「東京からなんですのよ」
「うっわ遠いですねーってゆーか雪大丈夫でしたー?」
「大変でしたけど何とかなりましたの」
「あのお点前難しそうでしたよねー」
「そう?」
先生が鞄を整えている間にロッカーからコートを出し、先生に着せ掛ける。
自分も纏いつけて先生の鞄を持った。
「じゃお先に失礼いたします」
「お先です」
二人で連れ立ってタクシーに乗りホテルへ向かう。
「あぁ疲れた…」
「でしょうね」
「ホテルついたらお風呂入ってすぐに寝ていいかしら」
「よっぽどですね、いいですよ」
ホテルに到着し、部屋に上がるとすぐ先生は帯を解いて脱ぎだした。
長襦袢を脱いでばたり、とベッドに転がる。
「寝るなら化粧落としてからですよ」
「ん~化粧落しのシート買ってきてくれない?」
「はいはい、眠いんですね」
普段着に着替え、ホテルから出て一番近いコンビニ…より薬局があった。
薬局でふき取り化粧水のお勧めを聞くとシートよりこれ、とオイデルミン。
懐かしい。
そういえば先生の部屋にもあった気がする。
コットンとともに買って戻ると既に寝息を立てて寝ている。
寝ている先生を起こさないようにコットンに沢山とってそっとふき取る。
スゲー取れる、楽しい。
とりきった後は俺の化粧水で満遍なく拭くといい、と聞いている。
なんでかって匂いが強いから。
強烈だよね、この匂い。
それでも熟睡する先生はよっぽどの疲れだな。
化粧を落としたら髪を解いてあげてベッドの中にちゃんと入れて寝かせた。
さてと。
俺も寝巻き着て寝よう。
おやすみなさい。
翌朝、目が覚めたが先生はまだ寝ている。
時計を見れば6時半、まだいいか。
うつらうつらと二度寝を楽しむ。
次に起きたときは先生は風呂に入っていて風呂場に近寄ると一緒に入ろうと仰る。
まぁどうせ洗顔しないといかんからと一緒に入り、ほんの少し胸など触って楽しんだ。
「昨日はごめんなさいね、眠くて」
「しょうがないですよ、別にね、どうしても昨日しなきゃいけないわけじゃないし」
「でもしたかったんでしょ?」
「まぁね、でも土曜日の夜でもいいですよ」
「今日はいいの?」
「明日朝に先生がお稽古できそうな気がしません」
「あら、それは困るわね」
くすくすと笑って着替えて朝ご飯を食べに出る。
「やっぱりご飯は二人で食べる方がいいわ」
「そうですね、昨日はお一人でしたし」
昨日の朝は一昨日の夜入った懐石の店で昼はカフェに行ったらしい。
朝起きて飯食ってそれから風呂入ってゆっくりして、着替えて飯食って行ったとか。
「一人でホテルにいても面白くないのねえ」
「でもここ色々ありますでしょ?龍村の古袱紗とか宝石とか」
「あ、お茶買ったわよ。お抹茶になるボトル」
「なんであれを。歌舞伎座に売ってましたよあれ」
「あら、そうなの?でも面白いわよね」
「ま、それなりに美味しいですしいいんですが。宝石いりません?」
「していくところがないわ」
「…指輪とか」
「買ってくれるなら古袱紗の方がいいわよ」
連泊、と言うことで朝食の中身が変更されて懐石の店で美味しい朝ごはんをいただいた。
その後、土産物ブースを物色する。
お母さんに、といくつかお菓子などを買って送ってもらう。
古袱紗をこれが良いと言うものを2枚購入した。
そろそろ帰りましょ、と言うので部屋に戻って帰り支度をする。
荷物を纏め、フロントから先生のお宅へ送ることにした。
俺の家では不在が多いからだ。
10時、まだ早いけれどチェックアウトして駅へと向かう。
指定席をとりたいと思ったが1時間ほど先の新幹線のようだ。
それでいいからと発券してもらい、駅の茶房でお抹茶とお菓子をいただいた。
そして改札をくぐり、中で駅弁を物色する。
これが良い、と二つ別のものを買い込みホームへ。
5分ほどで来て、乗り込んだ。
さすがに平日の昼間、すいてる。
自由席でも良かったかもしれない。
「ねぇ、俺の部屋来ますか?それともそのまま帰ります?」
「部屋行ったら明日の朝までに帰してくれないんでしょ?ダメよ」
「そいつは残念」
そんな話をしつつお弁当をいただいて、時間が過ぎる。
後もう少しで東京駅だ。
惜しい。
もっと二人でいたい。
先生はそうでもないようで、明日も逢えるじゃないと仰る。
ここは我慢のしどころなのか。
頭を撫でてもらって土曜日までお預け、と言われた。
頑張ろう。
東京駅に着き、先生は一人で帰れるからと私を置いて帰宅の途につかれた。
いつまでも見送っていても仕方ないので自宅に帰る。寒い。
部屋が暖まると眠気。
もうフテ寝しよう。
小一時間してメールが鳴る。
先生から無事家に着いたとのお知らせ。
よしよし。
ちゃんと着替えて布団にもぐりこむ。
まだ時間は早いけれどおやすみなさい。
夜中二度三度と目が覚める。
先生としている夢。
そんなにやりたいか、俺。
苦笑して仕事に行く用意をして出勤。
やっと入荷もそろってきたそうだがまだやはり時化の影響は有る。
高値で取引されて荷物がなくなって終了。
京都への出張の報告。
あくび、暇だ。
そろそろ終了して帰宅。
飯を食って風呂に入って着替え、お稽古へ。
かったるい、と思いつつだからか乗り換えを少し失敗。
到着して水屋の支度をする。
よどみなく生徒さん方のお稽古がすすむ
つい先生の手や動きに目が動き、これはいけないと思っているうちにお稽古が終わる。
「じゃ山沢さん、お稽古しましょうか」
「いや、今日はやめておきます」
「あらどうして?」
「集中力がなくてどうもできそうにありません」
「そういう時こそしないと」
「いや、ほんと今日は勘弁してください」
「仕方ないわねえ」
じゃあ片付けて、と言うので水屋を仕舞う。
「お夕飯何が良い?」
「いや、も、このまま帰ります」
「…なにか拗ねてたりするのかしら」
「いや、その。違います」
「じゃどうして?」
「んー…その、あなたに触れたくてたまらなくて。だから今日は帰ります」
「あら」
ぽっと頬を染めて可愛い、くそう抱きたい。
「あの、もしよければ今からうちにこれませんか」
「無理よ。土曜ね?」
「そんなあっさりと…」
「明日、出稽古なのよ。だから無理なの」
「あー…それじゃ仕方ないですね」
がっくりきてると頭を撫でられた。
「土曜日、いらっしゃい。夜あちらの部屋でもいいわよ」
「いいんですか?」
「いいわ、だってあそこならあなた道具使わないでしょ?」
「持ち込んでもいいんですけどね」
「あなたに使っちゃうわよ」
それは遠慮する。
「じゃ俺、帰ります。また明後日来ますから」
「気をつけてね」
と頭をもうひとなでされて帰宅の途についた。
参ったなぁ…。
早めに寝るがまた先生の夢で目が覚めた。
仕事中もあまり忙しくないこともあり、どうしてもちらつく。
困ったものだ。
昼からどうしようか。
家にいても先生のことしか考えられないが外に出たら事故に遭いそうな。
溜息。
道具の手入れでもしよう。
納戸に入り、ドライシート片手に掃除をかねて。
いくつか劣化している道具を捨てたり。
ん?携帯が鳴ってる。
取ると先生、どうした?
「ね、暇かしら? お稽古早く終ったの、ご飯食べましょ。近くに居るのよ」
今銀座に居るらしい。
場所を聞いてそこまで行き、一緒に飯を食う。
そのまま先生を俺の家に回収した。
「どうしても抱きたいの?」
「ええ、抱きたいです」
「軽くにできる?」
「わかりません」
「それじゃ困るわ、明日お稽古だもの」
「八重子先生に」
「だめよいつもいつも」
むっとしたのがわかったらしい。
「…明日朝一番で帰れるようにして頂戴。それならいいわ」
先生が妥協してくれた。
「すいません」
恐縮しつつも脱がせて行く。
すべて脱がせて首筋に舌を這わせる。
先生は全くもって気が乗ってないようだ。
仕方ないから、と言う気分がありありと見えてちょっと悲しい。
「先生…土曜なら気が乗りますか?
 も、いいです、こうやってくっついてるだけで今日は」
「しないの?」
「全然やる気ないですよね?」
「したくてしょうがないんじゃなかったの?」
「反応薄いときにしても面白くもなんとも。男なら射精したいからするんでしょうけど」
「困ったわねぇ」
「したくないの我慢してされてもね」
「あらいつもしたくないことさせるくせに」
「あれは恥ずかしくてしたくないことでしょう? 今日のは気分が乗らないんでしょ」
「しないんなら帰ろうかしら」
「それは駄目です。気が乗らないならってだけで俺はあなたに飢えてるんですから」
「あなたってよくわからないわ…」
「する気がないあなたのテンションをあげれるほどの自信はないってことです」
何か言いたそうだけど一つ溜息を落とされた。
「じゃ、こうして一緒に寝てたらいいのかしら?」
「ええはい、それで結構です」
思い通りにならず少しいらつきつつも、先生に触れて。
先生もこちらへの感情はすっきりしないようだ。
触れても嬉しそうでもない。
時計を見る。そんなに遅くはない、往復しても少しは寝れる。
「着物、着て下さい。うちまで送りますから」
「そうね」
ささっと身づくろいをしてすぐ車に乗り込まれる。
先生のお宅まで無言のドライブ。
おうちの前につけてそのまま別れた。
帰宅してすぐに寝る。
翌朝、仕事。
寝不足だ。
少し考えて八重子先生が電話に出そうな時間を選び、電話した。
お稽古を今日は休みたいと。
疲れが出たと言うことにして。
許可を得て電話を切る。
仕事が終わり、帰宅して昼も食べずに寝た。
夕方目が覚めたがメールも着信もなし、ふーん…。
所詮は。
と、良くない方へ考えが向く。
起きているのはよくない。何か食ってもう一度、寝よう。
冷蔵庫から常備菜を出して軽くお腹に入れ、それから寝る。
夜、また目が覚めた。
メールは、なし。着信、なし。
先生のことだから疲れが出たと言うのを信じ込んでいる可能性も有るのか?
鬱々としていると突然玄関が開いた。
ぎょっとすると先生だ。
「こんばんは。具合大丈夫?」
「え。来るなら来るで電話とかメールとか…下さらないと」
「どうして? 浮気してるんじゃなければ突然来ても問題ないでしょ?」
「うちにいないかもしれないでしょうが」
「具合悪いのに?」
「仮病で遊びにいってるとか考えませんか」
「あら、そんなことするの?」
「昔はそれなりに」
「駄目よ、そんなことしちゃ。それよりご飯は食べたの?」
「えっあぁ、はい、食いました」
「それなら良いのよ。まだだったら作ろうと思ってたけど。それで具合は?」
「…なんでもありませんよ」
「そう?」
くしゃり、と頭を撫でられる。
「寝癖、酷いわよ」
そのまま引き寄せるとダメよ、という。
「脱がないと皺になっちゃうわ。ちょっと待ってて」
なんだ、そっちか。
その間に手を洗って口をすすいで戻れば先生が寝巻きを羽織って戻ってきた。
「その前にお茶いただいていい?」
「どうぞ。あ、でもお湯沸かさないと。ペットボトルでよければありますが」
先生はケトルに浄水器の水をとり、沸かして急須にお茶葉をいれた。
「ペットボトルよりは温かいお茶がいいわ」
お湯が沸いて、急須に注いで湯のみを二つもって台所から戻ってきた。
「二つ?」
「あなたも飲むでしょ?」
「いただきます」
温かいお茶をすすってなんとなくささくれた心が落ち着く。
見計らったのか、すっと先生がもたれかかってきた。
キスして抱き寄せる。
温かい。
「おうちの方、いいんですか」
「お母さんが…様子見てきなさいって。だからいいのよ」
「あなたはどうなんです?」
「逢いたくなければわざわざここまで来ないわよ」
「本当に? だとしたら嬉しいな」
先生はふふっと笑って俺の手を先生の胸へ。
やわやわと揉めばゆったりと体重をもたせ掛けてくる。
そのままお茶を飲み終えて、お手水、とトイレに行ってしまった。
うーん。
急須を片付けてるとベッド行きましょ、と誘われた。
今日はする気あったのか。
ベッドの横で先生が寝巻きを脱いで畳んでる。
俺は脱ぎ捨てて先生をベッドに引き込んだ。
「もう、まだ紐…」
「そんなのいいじゃないですか」
しっかりとむさぼるかのようにキスをする。
肌をまさぐり、乳房を掴む。
唇から離し、首筋をなめ、乳首まで来ると先生の息が漏れた。
少しがっつき気味に、それでも先生に傷をつけないように抱く。
二度ほど逝かせて一旦落ち着く。
先生にもそれなりに気持ちよくなってもらえたようだ。
少し経って落ち着いて、顔洗ってくる、と先生が洗面所へ。
それでもちゃんと寝巻きを羽織っていくのは女らしいと言うか。
俺なら面倒くさくて。
しばらくたって戻ってきた。
するり、とベッドの中に入り込んでくる。
「ねぇ?一昨日の化粧落とし。なに使ったの?」
「痒くなった?」
「ううん、化粧のノリがよかったから」
「あなたの部屋に有るのと同じの」
「あら? あれでそんなに落ちるの?知らなかったわ」
「意外ですよね、あれ。安いのに」
そんなことを言いつつ胸を触る。さわり心地良いなぁ。
やわやわと揉んでたのしむ。
「胸、すきねえ」
「感触もいいし、あなたが感じてるのもすぐわかるし、好きですよ」
ぽっと少し頬染めて可愛らしい。
「まぁ、こっちのほうがいい声は聞けますが」
と先生の股間をなぶる。
鼻にかかった甘い声。
潜り込んで舐めつつ中を弄る。
思わず先生は俺の頭に手を掛けて足をじたばたとし、ちょっと蹴られてしまったり。
いてててて。
「ごめんなさ、あ、きゃ、そこ。ん…」
謝る声も中途に喘ぐのが可愛いね。
もう二回ほど蹴られた後、言った。
「ちょっと足縛らせてください、いいですよね?」
縄を取ってきて足首を縛り、ベッドの下をくぐらせてもう片方を縛った。
先生は嫌がりつつも、蹴ってしまった自覚があるから断りきれず。
一応手拭越しにはしてある。
「手は縛らないであげますね」
縄をかけている間ずっと手で隠し、俺が縄を引くたび足を縮めようとしていた。
恥ずかしがってるさまは中々にいいものだ。
その足の間に入り込んで手をどけさせて眺める。
触りもしないのに先生の目が潤み、肌が紅潮して美しい。
膝を折らせて腰を引き寄せ、膝を開かせた。
陰部がはっきりと見える。
「やだ、見ないで…」
「今さらでしょう? おいしそうだ」
ちゅっと濡れているものをすする。
そのまましっかりと舐め、舌をねじ込む。
音を立てて舐めれば恥ずかしげで、膝を閉じようとする。
両手で私の頭を押さえつけて逝った。
あ、白髪。ぷつっと抜く。
「痛っ」
「痛かった?」
「何したの、今…痛かったわ」
「一本頂きました。ここの」
ふさふさした毛を指で触る。
「やだ、そんなのなにするのよ」
「お守りかな」
「やだわ、もう。捨てて頂戴よ」
「大事に仕舞っておきます、ふふふ」

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h18

朝、仕事を終えていつものように先生のお宅へ向かえば、メールが来ていた。
お宅ではなくあの部屋に直接と言うことだ。
どうしたのだろう。
到着し玄関を開ける。既に先生が居た。
「どうしたんです?こっちって」
「お母さんには台所用品の手入れがしたいって言ってきてあるの。だから」
「だから?」
キスをされて懐にくっついてきた。
「抱いていいわよ」
「抱かれたい?」
ピシャリと額を打たれた。
「私はどっちでもいいのよ? あなた物足りなさそうだから」
「そういうことか。じゃ、有り難く」
着物を脱がす。
「あ、衣桁がないな。着物ハンガーでも買っとくべきでしたね」
「そうねえ」
とりあえず敷きたとうの上に皺にならないように置いて、布団に入る。
「あら、これ寝心地いいわね」
「ほんとだ。こりゃいいや。でもずっと寝てみないと寝具ってわかりませんからね」
「そう?」
「沈みすぎたりね。硬すぎて痛かったりとか」
「山沢さんのおうちのベッドも結構好きよ」
「おや、ベッドの加減を見るほどゆっくり寝たことあったんですか」
「朝、あなたが行った後はお昼近くまで、なんてこともあったでしょ」
「ああ、なるほど」
やわやわと胸を揉み、徐々に手を下げていく。
熱い息が漏れ出す。
こりっと下の突起を指で押さえれば、んっと言う声が出た。
耳を舐めるとくすぐったそうにしている。
「あそこ、舐めてあげよう」
そういってそのまま股の間にもぐりこんで舐める。
「あっだめ、もう」
ぴちゃぴちゃと音を立てて舐めると我慢している風だったが突起に吸い付くと声が出た。
暫く舐めて、軽く逝かせてから指を入れる。
最初は緩やかになぶる。
少しずつ中がほぐれだすと先生の緊張も緩まり声も少し出る。
中を楽しみつつ、徐々に先生のいいところを刺激してゆく。
一旦緩んだ体がまた力が入ってきて抱きしめさせて、とお願いされた。
シーツ掴んでるより俺の背を引っかくほうがいいらしい。
仕方がない人だな、と抱き締めて手を伸ばして中を弄れば背に爪が立つ。
結構に声が出て気持ち良さそうだ。
激しく中を弄れば泣き声に近く喘ぐ。
先生の家ではやらないようにしていることだ。
傷はつけないように、丁寧に。しかし激しく玩弄する。
沢山に声を出させ、何度も逝かせる。
息の荒さからしてそろそろ限界か?
それなりに満足できたからいいけれど。
背を撫でて落ち着かせる。
「もう、いいの?」
「限界でしょ?」
「しばらくしてからなら…」
「そうするには勢いが足らない。ある程度満足したからいいですよ」
「もっと体力つけなくちゃいけないわね」
「俺とするためだけに? 体力の維持だけでいいですよ」
「だって物足りなさに他の人とされたらいやだわ」
「他の人としても楽しくない。あなただからだ。だから。体力の維持は頼みます」
「そう?」
「もしかしてそれで今日呼んだのかな」
「違うわよ」
そういって先生は俺の胸を掴む。
「…まさか抱きたいとかいうんじゃないでしょうね」
「だめなの?」
「そういうことは先言ってください。手をださずに帰りますから」
むっとした顔で乳首を捻られた。
「いやなの?」
「いや、あの…本気ですか」
「冗談で言うと思う?」
「俺は冗談だったほうが嬉しいんですけどね」
にーっこりと笑って俺の乳首を弄りだした。
最初に比べればぎこちなさは少し薄れて。
ちろり、と首筋を舐められた。
……ぞくっとくるものの少しまどろっこしい。
普段自分でするときはとっとと終らせているからだな。
かりっと耳を噛まれる。
いつも俺がしてるのをなぞろうとしているのだろう。
でも齧ったりなめたりすると手がお留守になる。
どうしようか、と迷ってしまう。
このまま抱かれるには煽られようが足りない。
突き放せば拗ねるだろうし…。
遊んでいる手を玩ぶと、胸に置いた手を動かしてないことを思い出したようだ。
俺も昔はそうだったな。
先生はいつそういう余裕が出来るだろう。
いや、そうなったら逆転しそうだからなぁ。このままでいい。
っとキスされた。
指が動けば舌が止まる。初々しくて可愛い。
そろりと下腹部に指がすべる。
焦らしたいというよりはまだどうするのが良いのかわかりかねているんだろう。
翳りに先生の指が侵入する。
突起に指が触れ、俺は少し身じろぎした。
先生は俺の顔を見つつゆっくりと中に指を入れる。
暫く中を探り探り、俺の反応を見ていたようだが…少し俺が反応したものだから、
そこを刺激し始めた。
先生のやりようは茶器を扱うように丁寧で、俺にとってはもどかしい。
まぁそれでも少しずつ追い詰められて、逝ってしまう。
先生は俺が無言なのが気に入らないようでまだ責めてくる。
3度ほど逝かされたが俺の反応が薄いとぼやく。
「そろそろ諦めて下さいよ。やっても面白くないでしょうが」
「…どうしたら声を出してくれるのかしら」
「さあ…とにかく風呂入りましょうよ」
「そうねえ」
やっと諦めがついたようだ。
よっこらしょ、と布団から出て風呂に行く。
バスタオルやタオルは有るが、まだ浴衣を持ってきてないことを思い出した。
まぁいいか、二人だし。
二人でシャワーを浴びて先生の身体に泡立てたソープを撫で付ける。
先生も俺に同じようにしてきた。
「くすぐったいな」
股間も洗ってあげると声が聞こえる。
キス。濯いでタオルで出来るだけ拭いてバスタオルで覆う。
「ああ、そうか。着替えもいくつか置かなきゃいけませんね」
「そうね。折角御風呂入ったんだものねえ。私はいいけどあなたは、ねえ」
「ま、手拭かさらしでもあれば何とかなりますから。持ってる手拭今日は潰します」
「あら、うちまで別にいいじゃないの。穿かなくても」
「…心もとないですよ」
「長襦袢も着てるんだから見えないわよ。すぐそこなんだし」
まぁなぁ。
しばらくしてあらかた汗も引いて着替える。
その後先生は少し台所のものを片付けて、それから一緒にお宅へ。
八重子先生には先生が、片付けてたら俺が来た、と話している。
俺はそそくさと部屋に入り下帯を締めた。
やっぱなんとなく落ち着かん。
居間に戻って先生の横に座ると八重子先生がお茶を入れてくれる。
ちゃんと最近はぬるい。
「お夕飯のお買物、そろそろ行かなきゃねえ」
「なんにしようかねえ」
「山沢さん、泊まってくでしょ?」
「よろしければ」
「ね、そういえば何でいつも白ばかりなの?柄物売ってるでしょ?」
「え?」
「下帯」
「ああ、売ってますね。ただ古い晒の在庫が沢山ありすぎるので、今。消費中です」
「もっと可愛いのにすればいいのに」
「豆絞りとか手拭の古いので作ることもありますよ」
「そういえば昔は皆六尺や越中だったけどねえ。物がない時代は古い浴衣解いたりね」
「六尺はちょっと面倒で。たしかに針も糸もいらないから急のときにはいいんですが」
「そうなのねえ」
「今は褌だとズボン穿いててもすべて脱がずに穿きかえられると言うので自衛隊とか、
 暫く風呂に入れない状況が続く人にも人気だそうですよ」
「へぇ。意外だねえ」
「ああいう人たちはズボンの上からブーツも履いてるでしょう、
 脱がないでいいのは凄いメリットらしいです」
「確かにそうねえ」
「それより何にする?ご飯」
「山沢さん何食べたい?」
「ん、そうですね」
「何でもとかじゃダメよ」
「…ほうれん草の胡麻和えとか、白和えとかどうでしょう」
「メインは?」
「メイン、って俺に聞いたら肉しか言いませんよ」
「ほんっと毎日考えるのが邪魔臭いのよね」
「でしょうね。青椒肉絲とかどうですか」
「ピーマン沢山だからいいねえ」
「じゃあ買う物は…」
とメモに書き出していく。
「俺、行ってきましょう」
「一緒がいいわ、他にも買いたいものあるし」
二人で買物に出る。外は相変わらずの寒さだ。
あれやこれや買って戻って、夕飯を作る。
ご飯が炊けた頃、律君が帰ってきた。
「あれ?今日月曜日だよね」
「こんばんは、律君。そう、月曜日。休み前だからね。
 先生がご飯食べさせてくれるって言うから来たんだよ」
「山沢さんほっとくと野菜食べないから」
「青汁じゃだめですかねえ」
「ちゃんと食べた方が良いに決まってるじゃないの」
律君が笑っている。
「環姉さんも昔よくおばあちゃんに言われてたわよ」
「今は言われないんですか?」
「会社に住んでるくらい家に帰らないのよね。開兄さんが作ってるみたいよ」
「へぇ開さん料理できるんですね」
「一人暮らししていたのよ、だから出来るんじゃないかしら」
もしかして三食カップめんとかじゃなかろうな。
律君が手を洗ってきて、孝弘さんを呼びに行く間に配膳する。
うまそうだな。
先生は胡麻和えを俺の分だけ先に小鉢にとってくれる。
最低これだけは食え、と言うことだ。
小鉢から先に頂き、青椒肉絲を食べる。合間に更に胡麻和えを。
美味しくいただいてご馳走様を言い片付ける。
洗い物を終えて居間に戻り団欒に混ぜてもらった。
テレビを見ているうちに先生が思い出した。
「ねえ山沢さん、明日浴衣縫わない?寝るときの」
「あ、いいですね。でも反物がないですよ」
「買いに行きましょうよ。律もいる?」
「えっいらない、僕はパジャマでいいよ」
「そう?」
お風呂を沸かして順番に入り、各々部屋へ。
先生方と一緒にしばしおしゃべりをして、そろそろ寝る時間だ。
昼、楽しんだのでスキンシップの範囲でいい。
懐に抱いて、キスして撫でる。
先生もそれくらいで良いようだ。
息も穏やかだし、鼓動も早くはない。
先生がうつらうつらして、そのまま一緒に寝た。
翌朝、すっきりと目が覚めるもやはり寒い。
布団から出たくない。
と言えば私も、と先生が言い顔を見合わせて笑う。
時間も時間、あきらめて布団から出た。
最近先生は俺の部屋である程度身づくろいをする。
暖房を入れてない部屋で着替える気にはなれないよね。
俺の支度は手早いのでとっとと台所へ行き、朝食の支度にかかる。
というか寒いのには慣れている。
八重子先生も出てきて、お味噌汁や玉子巻を作ってもらった。
先生は居間に暖房を入れ、食卓を拭いたりお茶碗をだしたりしている。
律君が起きてきて、孝弘さんを呼びに行った。
てきぱきと配膳されている。
「お父さん、部屋で食べるって」
「じゃ持ってって頂戴ね」
お盆に孝弘さんの分載せて、渡す。
「あ、先生、味噌汁」
「あら、そうそう、やあね」
先生の分を孝弘さんに回されて、律君が運んでゆく。
俺は台所へ行き、孝弘さんの汁碗に味噌汁をついで先生の前へ置いた。
お二人とも変な顔をされる。
「なにか?」
「いやなんでもないよ」
律君が戻ってきて朝食を取る。
やっぱりうまいな。
和食の朝食はなんかいいよね。
お漬物で〆て洗い物に立つ。
洗い終わって戻るとお買物行きましょ、と先生が仰る。
「近くだからそのままでいいわよ、コート着てらっしゃい」
上着を羽織って玄関へ。先生もコートをきてショールもして完全防備だ。
先生に連れられて近所の呉服屋に行く。
「浴衣地をいくつか見せていただけますかしら」
「こんな季節にですか?」
「ええ、この子が襦袢代わりにいくつか作りたいと言うので」
「じゃ採寸などは」
「自分で縫うと言いますから」
そう先生が言うと奥からいくつか浴衣地が出てきた。
藍染のものばかりだ。
襦袢地にするならそれがいい。
いくつか見て5反ほどこれがほしいと言うものがあった。
先生もいいと思うものがあったようだ。
あわせて6反を購入し支払う。
帰宅すると針箱を八重子先生が出してきた。
「裁ちあわせ出来たかねえ?」
「どうでしょう、ま、失敗したところで寝巻ですし」
「それもそうだね、じゃどれからする?」
んー、まずはこれかな。立湧。
「私はこれがいいわ、桜」
決まったので裁ち落とす為に物差で計りつつしるしをつけつつ。
着物と同じ、と言うわけではなく対丈だから寸に悩む。
「3尺半くらいでいいんじゃないかねぇ」
「まだ若いから胸の分1寸取った方がいいわよ」
褄下の寸のとり方などを教えてもらいメモに控えつつ裁断。
裁断が一番難しい。
なんせ後は8割はまっすぐ縫うだけだ。
八重子先生はおこたに入ってしまわれた。
先生とちくちくと縫う。
時たま俺が針を指に刺し、先生が心配そうな顔をする。
先生は流石に突いたりしない。
お昼の時間になり八重子先生が簡単なものを作ってくださる。
三人でいただいた。
食後、縫い物を再開。
ひたすら直線縫いである。
「うっ」
「あら、大変」
親指の爪に刺さってしまった。
と言うか爪を貫通して身までいった。
「大丈夫です、これくらい」
と針を縫い、針先をぬぐってまた縫い進める。
「私もうすぐ衿だから手伝いましょうか?」
「いや、一つの着物を二人で縫うのはいけないと言うじゃないですか」
「そうだねぇ、昔はそんなこと言ったねえ」
黙々と縫い先に縫い終えた先生が炬燵に入る。
八重子先生がお茶を入れて、先生がお茶請けを出して居る。
「あなたもちょっと一息入れたら?」
「後もう少し、ここ縫えたら頂きます」
ちくちくちく…。
よし、後は衿だ!一休みだ。
伸びをし立とうとしたらよろけて先生に笑われた。
へへ、と笑って炬燵に入る。
ううー、あたたかい。ぬるめのお茶と、お干菓子をいただいて暫く休憩。
しばし談笑し、先生方は夕飯作るわ、と台所へ。
私は衿付けをする。
半分ほどつけた頃、先生がそろそろご飯にするわよ、とおっしゃった。
切りの良いところで針を止め、少し片す。
待ち針の数を数え、ちゃんと有ることを確かめてから食卓についた。
孝弘さんも美味しそうにご飯を食べている。
律君はもう食べ終わったようだ。
俺と孝弘さんが食べてる姿を見て、先生はにこにこしている。
律君は課題残ってるからと部屋に戻ってしまった。
食後片付けに立とうとしたらとどめられて残りを縫う。
やっと縫えた頃には夜も10時。
寝ましょ、と誘われた。
針を数えてちゃんと有ることを確認して針箱を仕舞う。
身体がきしむなぁ、流石に。
「随分手が早くなったわよね」
「そうですかねぇ」
「最初の頃は背縫いだけで半日つぶれてたじゃない」
「もう少し早くなりたいですね。先生は早い、うらやましいです」
「お母さんはもっと早かったわよ」
そんな会話をして寝間に入る。
着替えて布団を敷き先生が髪を解くのを待つ。
後ろからそっと胸に触れる。
くすっと先生が笑う。
「昨日したのにまたしたいの?」
「明日の朝からあちらでたっぷりのほうがいいですか?」
「疲れてるくせに」
「疲れてるから、ですよ」
「今日は寝なさい。明日お昼からならいいわよ」
では、と布団の中へもぐりこむ。
頭を撫でられてキスされて。
たまに子ども扱いをしたくなるらしい。
今日のところはいいとするか。
キスのお返し。
「すっかり冷えちゃってるわね」
「あなたを抱いたら温まりますけどね」
「ばかね」
そういって私の胸に頬を寄せる。
かわいいなぁ。
だけどやっぱり眠くなった。
先生もうつらうつらとして寝息に変わり、つられるように自分も寝てしまった。
翌朝、起きると先生はもう部屋にはいなくて時計を見ればいつもより1時間遅い。
台所に顔を出せば孝弘さんを呼ぶように指示を受けた。
ほんっと先生そういうところ気になんないんだなぁ。
孝弘さんを連れて居間に戻ると配膳はすんで律君も座っている。
朝御飯をいただいた後、昨日縫った浴衣を八重子先生が点検してくれる。
ここの仕上げが甘いとか、縫えてないとか。
そのあたりを直して着てみる。
いい感じだ。
OKが出て普段着に着替えた。
さて。
あちらの片付け名目で先生を連れ出そうか。
そろそろ、と先生に言うとお昼からに、と仰る。
少しむっとした。
「じゃ先に行ってます、昼は適当に食うからいいです」
と先生のお宅を出た。
先に入ってベッドの位置を少し調整したり、戸棚の中身を整えたり。
冷蔵庫、必要だな。
時計を見れば10時。よし、ちょっと電気屋に行こう。
バス通りに出れば先生に遇った。
「あら?」
「どこ行くんですか」
「あなたこそ」
「俺はちょっと冷蔵庫、買おうかと」
「いるかしら?」
「電子レンジとトースターも欲しいかなと。でどこに行かれるんです?」
「髪結さん。そろそろカットしてもらおうと思って」
「へぇ、楽しみにしてます。じゃバスきたようですのでまた」
バスに乗ると窓の外で先生が小手を振っている。
暫くバスに乗り、降りて電気屋へ向かう。
量販店だからそれなり。
そんなに食品を入れはしないから、いわゆる一人暮らし用程度の、と思っていると
フレッシャーズセールをしていたようだ。
だが洗濯機は別段必要ではない。
まぁ構成的には似たようなものなので店員を捕まえて洗濯機を抜いた交渉をする。
10万と言うところに落ち着いて、配達はと聞けば今からなら1時間後にOKとのこと。
配送をお願いし、食事を買って戻った。
中でもそもそと食べてごみをひとところに纏めた。
しばらくして配達員が来た。
中に入れて設置してもらった。
うん、いい感じだ。
先生の希望する部屋の色彩感覚から大きくは逸脱してないだろう。
小一時間ほどして先生が来た。
「…変わってなくないですか」
「ほどいたらわかるわ」
「ほどいていい?」
「いいわよ」
先生の髪を解いて。
「ねぇ?さっき苛々してたでしょ?」
「わかりますか」
「生理前なんじゃない?」
「それは…わかりませんね」
ほどきおわったのを見計らって先生が俺の胸を押す。
「やっぱりそうよ、胸張ってるじゃないの」
そんな気はしてた。
「マッサージしてあげるわ」
「却下、いらついてるの知ってていいますか、それ」
「だってした方が楽なのは知ってるでしょ」
「知ってますけどね、そんなことより抱かれて欲しいです、俺は」
ぱっと先生の頬に朱が差す。
そうっと頬に手をやりキスした。
そのまま舌を絡め、抱きしめて背を撫でる。
唇を離すと頬を染めたまま、脱ぐから待って、と言った。
「嫌ですね、そのまま抱かせてくださいよ」
「…ベッドにも連れて行ってくれないのね?」
「勿論」
「じゃあさせないわ」
手が止まった。させてもらえないのは困る。
うぅ、だったら脱がしてしまえ。
帯締めを解いてお太鼓を崩し、先生が脱ぐ手伝いをする。
肌襦袢まで全部脱がせ、ベッドに押し倒した。
しっとりと汗で湿っている肌を舐める。
どこを舐めてもいい反応で気を良くして乳首を舐めて、軽く歯を当てる。
あぁ、と少し高い声。
虐めたくなる。
腹をなめてひっくり返して背も舐める。
足も。
先生はされるがままになってくれている。
尻を舐めて、軽く開いてあわいを舐めるとほんの少し抵抗が有る。
手を差し込み尻を突き出させて尻穴を舐めると、そこは違う、やめてと仰る。
少し舌を押し付けると身体が逃げる。
暫くなぶって楽しみ、それからそっと突起を舐める。
気持ち良さそうな声が出てやはり尻穴よりはこっちのほうがいいようだ。
目を瞑って喘ぎ声を上げている。
指を入り口のあたりで入れたり出したりしていると押し付けて自分で入れようとする。
それでも入れずになぶってるとお願いされた。
可愛いね、可愛い。
そっと指を入れて中を楽しむ。
中のいいところを探って刺激を与えると尻やおなかの筋肉がぴくぴく動く。
指を増やし更に強く刺激すると喘ぎ声も高くシーツを握り締めて逝った。
脱力してつぶれそうになってるのでひっくり返して仰向けに。
手が伸びて抱き寄せられた。
「後ろから、いやって言ってるのに」
まだ何か言いたそうな唇にキスをして封じる。
そのまま中をまさぐると苦しそうだ。
ンー、ンンと鼻から声が漏れていて流石に辛そうなので唇を離す。
離した途端大きく声が出て、我慢してたのが可愛くて。
思わずなぶる手に力が入る。
沢山なぶって啼かせて楽しみ、先生も何度も逝って満足そうだ。
抱え上げてお風呂に連れて行く。
よだれと汗にまみれた身体をソープで優しく洗い、ふき取る。
風呂でも一度逝かせてしまった。
ついつい楽しんでしまう。
なじられつつ浴衣を着せてリビングにつれて出た。
まだ腰が立たないようで俺にもたれている。
「髪、確かに短くなりましたね」
「でしょ」
「でもセットするとよくわからないな」
「あなたもそろそろ切らなきゃだめよ? ほら、目に入りそうよ」
「あー、後ろに流してるとわからないんですよね」
つんつんと前髪を引っ張られる。
確かに長くなってた。
「今度切ってきます」
くしゃくしゃっと頭を撫でられてキスされた。
「もう一度したくなったな」
「ダメよ、そろそろ戻らなきゃ」
「いやだ」
「お夕飯のお買物行かなきゃいけないもの」
「あー…」
「あなたも食べてから帰る?」
「八重子先生にお願いしてもうちょっと抱かれてくれません?」
「外寒いんだから風邪引いちゃうわよ、お母さんが。
 そうなったら暫くこんなこと出来なくなるわよ?それでもいいの?」
「うぅ…仕方ないな」
「もうちょっとしたら戻りましょ」
あきらめて暫く先生の立てるまで寄りかからせたまま話す。
「そろそろ立てそうだから着替えるわ」
そろっと私の肩に手をかけて立ち、襦袢とって頂戴、と仰る。
肌襦袢や襦袢、長着を着るのを手伝い、帯を締める。
先生が髪を直す間に俺も着替えて。
ベッドを整えて、シーツを回収する。
明日洗うわ、と仰るが洗濯乾燥機も買ってきておけば良かっただろうか。
一旦お宅に戻り、夕飯の買出しに行く。
今日は肉じゃがだ。
…なるほど、肉じゃがも豚肉なのか。
切り干し大根と五目豆と肉じゃがとかぶの炊いたん。
こういうメニューはすきだな。
帰宅すると既に八重子先生が切干と五目豆を作っている。
かぶと肉じゃがを作るだけである。
ジャガイモの皮をむいて、玉葱を切って。
かぶの皮もむいて葉は刻んだ。
それを先生が煮炊きする。
美味しそうな匂いが段々してきて孝弘さんが台所に来た。
先生が戸棚から饅頭を出して渡し、居間で待っててと言っている。
さすがに長年の付き合いで操縦に長けている。
肉じゃがが煮えて、ご飯が炊けた。
そろそろ律君も帰ってくるかな。
「ただいまー、あー寒かったー」
丁度良く帰ってきたようだ。
「律ー、手洗ってきなさい、もうご飯できてるから」
配膳を終えて八重子先生も座り、後はご飯を入れてもらうだけだ。
いつだったろう、お茶碗とお箸が客用じゃなくなったのは。
などと思いつつごはんがうまい。
食後一服してから帰る支度をした。
「明日お稽古だからちゃんと来てね」
「はい、ではまた明日」
別れて帰宅。
寝る準備をしていたら、来た。
ピルはなぁ…面倒くさいんだよな。
などと思いつつセットして寝る。
翌朝出勤し、仕事をこなす。
明日は稽古がないから今日チョコを持っていかねば。
なんて思いつつ仕事をこなして帰宅し着替えてチョコを持って出発。
どんよりとした空だ。
先生のお宅へ着き、部屋に荷物を置く。
渡すのは帰りでいいだろう。
居間に顔を出し今日来られる方の用意について聞き水屋の支度をする。
最初のお弟子さんが来られて、先生が戻ってきて時間だ。
今日はその後もすいすいといい感じでお稽古がすすむ。
最後に私の稽古をつけてもらって水屋を片付ける。
「あなたご飯食べてくでしょ?」
と言っていただいて食事をいただく。
おいしいなぁ、相変わらず。
その後、先生に台所でチョコをお渡しした。
頬を染めて嬉しい、と言ってくださって俺も嬉しい。
あのね、と仰って冷蔵庫から。
俺にも下さるそうだ。
本気で嬉しくて、そのままさらいたくなる。
先生から軽くキスだけ。
後は土曜日に、と。
別れ難いが明日も仕事、と送り出されて駅へ。
電車が来ない。
聞けば事故でいつ回復するかの見通しが立たないようだ。
タクシー呼ぶか、と電話するもどこも捕まらず配車できるのは夜中になるとのこと。
社長に電話し、明日遅れる可能性を連絡する。
『明日、雪酷いらしいぞ。お前こっちに辿り着けないんじゃないか?
 道で動けなくなったら俺ら男ならいいがお前はなぁ。
 もし稽古場に泊めてもらえるなら泊めて貰え。心配するよりはいい。
 どうせ雪なら客も来ないしな』
社長がそういってくれたので駅前の薬局で生理用品を買い込み、戻ることにした。
お宅まで戻って先生にお願いした。
「すみません、泊めてください」
「あらどうしたの?」
手短に理由を告げるとじゃお風呂、いま入っちゃいなさい、と仰る。
ありがたく風呂をいただく。冷えた身体に気持ちがいい。
ほかほかになって出てすぐショーツと生理用品を身につけて、それから浴衣をまとう。
俺の寝間に暖房を入れておいたから、と言っていただいた。
暫く居間で歓談し、そろそろ寝ましょうか、と部屋に連れ込む。
先生は抱かれる、と思って頬を染めて部屋に居る。
可愛らしいな、そういうところが好ましい。
おいで、と膝の上に先生を乗せる。
後ろからふわっと抱く。
「今日、抱いて欲しい? 別に、と言うのなら今日はいいですよ」
「どうして?」
「明日積もるんでしょう? 男手必要じゃないですか? 男じゃないけど」
「私を抱いたら疲れちゃうかしら?」
「そんなには疲れませんが…」
「だったら…」
と、先生は俺の手を懐に自分から持っていった。
「ね?」
抱かれたかったようだ。
ふふっと笑って少し胸を触って楽しむ。
「布団、入りましょうか」
中に入って先生を下に、キスして胸を揉む。
やわらかくて、乳首はピンと立って。
ふっふっと弄るたびに息が漏れる。
「先生、可愛い」
「やだ…ばか」
乳首を舐めて軽く歯を当てて先生の息の乱れを楽しむ。
手をあちこちに這わせば先生の腰もうねる。
そろそろいいか、と股間に指を差込みなぶるとキスして、と言われた。
キスしながら突起をしごいたり中に指を入れたりして楽しむ。
二度、逝かせて今日は終了。
懐に抱いて背中を撫でながら明日の雪は深刻だろうか、など話して、そして寝た。
翌朝、居間のテレビを先生がつけた。
なにこれ、雪こんなに酷いのか。
「あなた泊まって正解だったわねぇ」
「ですねぇ」
台所に入り朝食の支度を整えた。
「後で保存食系、買ったほうがいいかもしれませんね」
「そうね、お父さんのお米だけでも買わないと」
ラーメンだと3,4箱くらい買ったほうが無難だが、この天気図。
カップラーメンなんて食うのだろうか、先生が。
いまいち想像できない。
「あと灯油、どれくらいありましたっけ」
「今のところは10日分は有るわよ」
「あ、じゃ大丈夫ですね」
「そんなに降ると思うの?」
「ま、一応ですよ。雪国の友人がね、東京はすぐ雪で基幹が止まるから備蓄しろと」
「おはよう」
「あ、おはようございます」
「凄い雪だねぇ都心の方も」
「そろそろ律起こしてくるわ」
八重子先生と支度を続ける。
「八重子先生、カップラーメンって食べます?」
「何度か食べたことは有るけどね。チキンラーメンは一人のときに食べたりするよ」
「あぁやっぱりチキンラーメンですか。脂っこくないです?」
「ちょっともたれるねぇ、だからあんまり食べないんだけどたまにね」
「この雪、もしかしたらラーメンのお世話になるかもしれませんよ」
「そんなに降るかねぇ」
「雪国に住んでる友人がそれくらいのつもりで居るほうがいいとメール寄越しました」
先生が戻ってきて配膳する。
皆そろって食事を取り、片付けを終えて外を見る。
「積もってきましたね」
「そうね。今日のお稽古の生徒さん、来れるかしら」
「ああ、今日は上級でしたっけ。若い方少ないですもんねえ」
「律、今日帰ってこれるかしらね」
「無理かもしれませんねえ、こないだのように積もったら」
「そうなったらお友達のおうちに泊めてもらわなきゃいけないわねえ」
「とりあえずまだ降りの少ないうちに買物出ましょうか」
「そうね」
冷蔵庫を漁って見積もると3日分は有る。
であれば6パックほど買えばいいか。
先生が雨ゴートを着て出てきた。
傘を差してゆっくり滑らないように気をつけて歩く。
スーパーはまだ商品豊富だ。
6種類にわけて袋麺を取り生鮮食品を買いまわり支払い。
米屋に立ち寄り30キロを購入して帰宅する。
先生が滑ったのを転ばないうちに支えたり、自分が転ばないように歩いたり。
帰宅して片付け、水屋の準備にかかる。
炭をおこしたり台子を用意したり。
会社から電話がかかってきた。
『今日出勤しなくてお前正解。いつもの2割だ、客自体来なかったぞ。
 それからこのまま降り続くなら暫くこっち戻れないだろうと思うが、
 どうせ時化と道が通れなければ魚も来ないからな、除雪されてからでいいぞ』
「あー了解、そんなに客いないの?」
『客先もキャンセルばかりだからな。ピザ屋ははやってるらしいぞ』
だろうなぁ
雪が終了するまでこの家か。
まぁしんどければあっちへ逃げればいいし。
11時、一人目の生徒さん到来。
ちゃんと紋付色無地だ。
先生もいつものクラスの生徒さん相手とは少し違い、ほんの少し厳しい。
俺相手のときよりはかなり優しいけれど。
二人目の生徒さんを終えて先生と食事に立つ。
八重子先生が夕方の生徒さんは無理だと電話があったと言う。
やっぱりなぁ。
お昼からの生徒さんお二方は俺の臨席を禁止され、水屋のみお手伝い。
3時半、次の生徒さんから電話。
立ち往生して引き返すしかない模様。
先生にそう伝えると吃驚されて、お稽古の終ったところの生徒さんも慌てて帰宅された。
外を見れば結構に積もっていて、先生にスコップが有るか聞けば蔵に有るはずという。
借りてとりあえず家から道路まで少し雪をよけておく。
滑ったらやだしね。
この降り方なら4時間に一度くらいしておくべきかな?
屋根を振り仰げばまだ大丈夫そうか。
明日の雪かきのときは屋根雪を下ろすほうがよかろう。
安全帯はさすがにないだろうが縄かロープは有るかなぁ。
八重子先生に聞けば庭木用の縄が有るとのこと。
命綱になる。
屋根から落ちるとかイヤ過ぎるし。
どうしてもとなれば青嵐に乗せてもらう手が有るがそれはさすがに夜中だけにしたい。
夕飯をいただいた後、仕事着に着替えた。
ある程度除雪し、部屋に戻り濡れた服を乾かす。
「あとは寝る前にもしておくほうがいいでしょうね」
「そうね、助かるわ」
ゆっくりとお茶を飲みあたたまる。
いい感じで外は更に降っている。
「外、凄いわね…律から電話あったのよ、さっき。帰れないって」
「そりゃそうでしょう」
先生の体温で暖を取るかのように手に触れたりして時を過ごす。
そろそろいつもなら寝る時間が来て、再度防備を固める。
スコップでがんがん道を掘って広げておく、せめて外の道路へ。
その後塩をかけておいた。
戻って服を吊って寝間にもぐりこむ。
先生は起きて待っていてくれたようだ。
一緒に布団に入れば俺の身体が冷えてる、と抱きしめてくれる。
あったかいなー気持ちいい。
柔らかい肌。
暖かい肌。
いい匂いがする。
疲れもあり、すぐに寝てしまう。
翌朝起きると銀世界、どんだけ積もってんだこの野郎!
とりあえず身支度整えて雪かきだ。
道路までの道をつけ、うちから雑木林の太い木までの道をつけた。
一旦火に当たって朝飯をいただく。
そして一服して気を入れなおし、屋根の雪下ろしをする。
まずは腰にロープを結わえて2階の柱に括りつける。
窓から足場を作りつつ出て雪を落とす。
まずはロープの範囲を落とした。
そして先生に新たにロープを投げ勾配と反対側の雑木に端を結んでもらう。
OKが出て八重子先生に柱につけたロープを緩めてもらった。
そうやって雪をあらかた落とし、2階のロープを引いてもらいつつ戻った。
先生はおやつを餌に孝弘さんが縁側近くの雪を蹴散らしているようだ。
上手だよな。
テレビでは都心部のことしかやってないようだ。
7時ごろ律君から様子伺いの電話があったそうだがこちらの状況を伝えたところで、
この雪では律君もこちらへは戻れないだろう。
お昼ごはんをいただいて、うつらうつらとしてしまった。
ふと気づくと先生の膝枕に毛布がかけられていて少し気恥ずかしい。
頭を撫でられて、もう少し寝てたら?と仰るがまた強く降ってる様だ。
後でもう一度、とお願いして身支度を整えて雪の中へ突撃する。
道を作ってついでに八重子先生の車から雪を落とす。
車輪幅をとって外の道路までの道も作った。
これで何とか出られるかもしれんし。
道路さえ除雪されれば。
しかしカーポートなくてよかった。
近所の家はカーポートがぽっきり逝ってるらしい。
さて余力はまだ有るか。有る。
道路に突撃だ。両隣の家までの歩く道!
えっさほいえっさほいと雪をどかし、排水溝を探してそこもあけておく。
これがあいてると凍結しにくくなるはずだ。
ふーっと身体から湯気を発しながら戻り、上着とズボンを脱ぐ。
先生がいそいそと干してくれて、八重子先生が着替えを出してくれた。
座布団を枕に先生の尻に背をくっつけるようにして少し寝る。
ふと温かみが消えた頃、お夕飯と起こされた。
買い置きのものばかりだから、と言うが十分美味しくて。
幸せな気分。
頼られて、甘やかされる。幸せだな。
さて、雪は止んで居るらしい。
そんじゃまあ本日ラストの雪かきしましょうかね。
あの後そう降らなかったようでササッと道路まで除雪。
隣の家までだった道を更に幹線道路へ向けて掘り行くことにした。
いけるところまで掘り進む。
有る程度踏み後が有るので随分楽だ。
汗でぼとぼとになる頃、道路に辿り着いた。
これでいいだろう。
疲れた、ととぼとぼと帰る。
ただいま、と入って服を脱ぐ。
「お風呂沸いてるわよ、入って」
と風呂に入れてもらった。
冷え切った身体にお湯が気持ちいい。
風呂から出てショーツに生理用品をセットして寝巻に着替える。
居間に戻るとテレビでは山梨の話が出ている。
あちらも凄いようだ。
あったまってるうちに寝るよう言われて、先生と寝間に入る。
懐に先生を抱いて、先生の温かさ、匂い、肌を楽しむ。
胸を舐めたら、そんなことしてないで早く寝なさい、と仰るが。
「だってこうしてたいんですもん」
そういうと仕方ない子ね、と仰って頭を撫でてくださる。
暫く先生の柔らかい胸を楽しんでると先生の寝息が聞こえ出した。
先に寝ちゃったか、先生も今日は孝弘さん操るのに疲れたのかもな。
綺麗だよなぁ、先生。
くっ寝息に引き込まれる。
おやすみなさい。
翌朝、警察の救助隊や自衛隊が各地に派遣され始めたと聞き、
ようやく落ち着きを取り戻す。
ただやはり今朝はラーメンになってしまった。
定番の醤油ラーメンから。
孝弘さんが更にご飯を食べている。
さてさて今日はどんなものだろうね。
先生と二人偵察に出る。
他の家の前は積もった雪で歩きにくそうだがうちは綺麗さっぱり除雪、道は乾いてる。
幹線道路への道も乾いていて、俺が昨日やったのは正解だったようだ。
道路は機材が入ったり人海戦術で少しは道になっていた。
スーパーまで行ってみるが、ろくなものがない。
やはり入荷できてないとのこと。
明日、もしかしたら入荷できるかもしれないようだ。
電車は、と思えば線路がまだ雪山らしい。
「こりゃあ…律君帰って来れませんね」
「あなたも帰れないわねぇ」
「帰らなくていいなら帰らないでいいんですけどねえ」
「そういうわけにいかないものね」
さくさくとおうちまで戻る。
途中ご近所の方と立ち話。
「飯島さんのところはいいわねぇ、うち屋根壊れちゃったのよ…雪で」
「あらぁ、大変ですわねぇ」
「車も屋根がへこんじゃってねぇ」
「あらあら…」
などと会話をしてお気をつけて、と別れて戻った。
「ただいまぁ」
「お帰り、どうだった?」
「道は有るけど大通りはダメねぇ、やっと今ショベルカーだったかしら、
 そんなのが来てたわ。スーパーは何も棚にないんですって」
洋服から着物に着替える。
先生はやっぱり着物のほうが楽みたいだ。
「横田さんとこ屋根が壊れたんですってよ。
 雪下ろししてもらわなきゃうちも壊れてたかしら」
「かもしれないねえ。それにしても。暇だねえ」
「ご飯作れないものね、暇よねぇ」
「ですね」
「そうだわ、山沢さん。お稽古してあげましょうか」
「あ、そりゃいいね、そうしようか」
「そういえば明日から京都、と言ってましたけど。どうでしょうね、雪」
「そうねえ。たしか明後日よね、お稽古。
 いけるのかしら、明日の様子見てお断りしなきゃいけないかもしれないわねぇ」
心配、と言いつつお稽古の用意をして、何度かお稽古してもらったり、
先生自身のお稽古をされたり。真之行のお稽古を見せてもらった。
お稽古にも先生が飽きてきた夕方、俺の筋肉痛が来た。
片付けはいいから、と許してもらって軽くストレッチをする。
血行を良くするほうが早く治るからね。
湿布貼ってあげるからおいで、と八重子先生に呼ばれてあちこち貼ってもらった。
水屋の始末が済んだ様で、お夕飯の時間になるからと先生がご飯を炊いている。
孝弘さんへはラーメンライス作戦だ。
今夜は味噌ラーメン。
先生はこんなの食べるの久しぶりだわぁ、最近のは美味しいのね、なんて仰ってる。
玄関に物音。
「ただいま」
「あら、律。良く帰って来れたわねぇ」
「うん、送ってもらって何とか。いつもの3倍くらい時間かかったんだけど」
「おかえりなさい、律君」
「あ、山沢さん。こんばんは。
 家が気になるからって環伯母さんに言われて帰ってきたんだよね」
「うちの雪かきは山沢さんがしてくれてねぇ、助かるよ、本当に」
「あ、そうなんだ。ところで何食べてるの?僕もおなかすいた」
「ラーメンよ、作ってあげるわ。一つでいいの?」
「なんでまたラーメン? ああ、うん、一つでいいよ」
「だってスーパーに何もないんだもの。お漬物も昨日で終わっちゃったし」
手早く作って先生が戻ってきた。
律君は熱いラーメンをすする。俺はぬるいラーメンを。
お風呂を立てて食事が済んだ律君を風呂へ。
順次入り先生が仕舞い風呂となった。
布団に入る。
身じろぐと痛む。筋肉痛め…。
先生が懐の中でくすくす笑っている。
キスするのに首を動かしても痛い、と思っていると先生からキスしてくれた。
「明日は痛くないといいわね」
「本当に」
「明日、行っちゃうの?何時から?」
「夕方からのつもりでしたがこれではね、昼ごろから出ようと思います」
「そう…。私も行けそうなら明後日のお昼までには行くから」
「だめでもこれそうでも連絡くださいね。迎えにいけたら行きたいですし」
キスされた。
「行けなくても浮気、しないでね」
「しませんよ。大丈夫」
「本当?」
「あなたほど可愛いと思う人はいません。だから大丈夫ですよ」
頬を染めて大変に可愛らしい。
背を撫でようと思ったけど痛い。痛いけど頑張って背を撫でた。
「そろそろ寝ましょう」
「そうね、おやすみなさい」
寝る前にもう一度、とお願いしてキスしてもらう。
今日はしたくとも何も出来ない。
懐に抱いて、温かさと匂いを楽しめるだけでもまあ幸せだからいい。
おやすみなさい。
月曜の朝、起きてテレビを見ると山梨が凄いことになってるとか。
タブレットで電車の状態を確かめる。
うん、動き始めている。
会社に連絡を取り、出張はそのまま行くことにした。
どのみち東京駅まで行かなければ新幹線に乗れないので一旦会社に寄り、
書類などを受け取る手はずを整える。
朝は今度は塩ラーメン。
いろんなのを買っておいて良かった。やっぱり同じのは飽きるからな。
脱出する準備を整えお暇を告げた。
「あら、もう行っちゃうの?」
「ええ。そろそろ行ったほうがいいでしょう、きっと遅延しますでしょうから」
「私もそこまで行くわ、スーパーになにか入荷してるかもしれないし」
「じゃ八重子先生。お邪魔しました。また木曜に参ります」
「気をつけてお帰り」
外は重機が入り流石に除けられては居るが日当たりの悪い所は雪が沢山に残っている。
「俺が戻る頃にはこの雪もないんでしょうね」
「そうねえ、そうなって欲しいわ」
バスも復旧し、間引き運転だが動いている。
乗って駅前まで二人で。
先生は俺の手を握っている。それを袂で隠して。
駅に着き、先生と別れる。
「気をつけてね、本当によ」
「先生も帰り道、気をつけてくださいね」
そういって別れて電車に乗る。
やはり延着、遅延。
なんとか会社に戻ればやっと帰れたか、とほっとした表情。
出張に必要なものを受け取り、一度帰宅。
鞄などを整え、着替えて一路京都へ。
腹は減るものの、駅弁は途中の駅で買うしか有るまい。
静岡で買い、食べる。
米原、そろそろ降りる用意をするか。
京都に到着して下車。

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h17

翌朝、さっくり仕事を終らせてシャワーを浴び先生のお宅へ。
挨拶をしてお昼からのお稽古の用意をする。
来るお弟子さんの順に道具をそろえて。
暫くするとお弟子さんが入れ替わり立ち代り。
と、一人インフルエンザで来られないとのこと、俺の稽古をつけてもらう。
少し直されてしていると次のお弟子さんが来たので切り上げた。
最後のお弟子さんが帰られてから俺のお稽古。
円草を、と言われてうっとなっているとお稽古してなかったでしょ?と。
大変に叱られつつ3度ほどお稽古をつけていただいた。
八重子先生に色惚けしているから、などと言われた。
言い返せないじゃないか。
お稽古の後、夕飯をいただいてお風呂をよばれる。
「山沢さん、ちょっといいですか」
律君に呼ばれた、なんだろう。
パソコン?
「学校で使うことになったけど何を買ったらいいかわからないんですよね」
と、必要スペックが書かれた紙を見せてもらう。
「なんだ、これならうちに有るやつとりあえず貸すよ?
 使ってみて不具合があってから買いに行けばいい」
「いや、僕、機械壊しやすいんで…」
「ならなおさら新しいのを買うなんて勿体無い」
「壊しても弁償できないですよ」
「壊れてもいいよ」
先生がお風呂から出てきた、色っぽいなぁ。
「あら、どうしたの?珍しいわね、二人で話してるの」
「律君が学校でパソコン必要なんだそうですよ。で、私の使ってないのどうかと」
「あら、いいの?」
「使ってないやつで壊れてもいいのがあります。
 使いにくければ新しいの買ったらいいんじゃないかと今言ってたんですよ」
「パソコンって高いんじゃないの?よくわからないけど」
「今4万とかそんなもんですよ?」
「昔おじいちゃんが40万のカタログ持ってなかったっけ?」
「高いから買わないって言ってたわ。今そんなに安いの?」
「ええと、広告。土曜日あたりの広告に電気屋の入るでしょう?あれ見てください」
「今ってそんなに安いのねえ」
「そりゃあね、いいものは25万とかしますけど。
 この紙に有る程度なら4万のやつ位でいけなくもないって所です」
「25万?何がどう違うんだろう…」
「うーん、たとえば絵をかくソフトや最近のゲームをするには結構パワーが必要で」
「あんたゲームしないでしょ?」
「うん、しないね」
「となれば別にいらないと思いますね。とりあえず使って慣れて壊すのがコツです」
「壊すのまでセットなんだ?」
「大体一度は壊すもの、私は5台ほど使い潰してるよ。だから壊れて元々」
「なるほど」
「いついるのかな。土曜日に持ってこようか?」
「あ、お願いします」
その後寝間に入ると先生からキスしてもらった。
「いいの?パソコン」
「あ、エロサイトの設定どうします? 見られない様にしちゃった方がいい?」
「律もいい年だから…そういうのと現実が一緒になることはないでしょうけど…」
「そうだな…無修正とドギツイところだけ見えなくしますか」
「無修正?」
「AVとかそういうサイトなんかはモザイクかかってるでしょ?」
「そうなの?」
「あー…見たことがない?」
「山沢さんが見せてくれたのとかかかってなかったわよ?」
「かかってないのが無修正。国内法によりかけねばならないんですよ、モザイク」
「ま、とりあえずは見れないようにしておきましょう」
「そうね」
「さて、俺の見たいの見せてもらいましょうかね」
と先生の裾を捲り上げて股間を舐める。
ん?
指を入れて出して見た。
「先生、生理今来たみたいですよ? どうします?」
「ええっやだ、汚れてない? どうしますってどう?」
「いや、このまま抱いていいのかどうか」
「あれの最中は汚れるからいやよ…」
「んじゃ、当ててきてください。手、洗ってきます」
先生がパタパタと部屋に帰っていって、俺は手を洗いに立つ。
戻ってしばらくすると先生も戻ってきた。
布団に一緒に入り、抱きしめる。
「私、こうされてるのも好きだけど…あなたは物足りないんでしょうね」
「まぁね、抱きたいのはありますが。こうしてるのも好きですよ」
頭を撫でてキスして寝かしつけた。
夜半、起きて暫くすると先生も目が覚めたようだ。
ぼんやりと抱きしめていると先生が俺の手を取って胸に差し込む。
さわり心地の良い先生の肌を楽しみ、乳首を弄る。
先生の息が荒くなってきて、詰まったかと思えば吐き出した。
逝ったか。
しかし珍しいことも有るもんだ、自分からとは。
生理だからかな。
そのまま抱きしめてるとまた寝てしまったようだ。
そして朝起きて、夜中のことを言うと覚えてないという。
寝ぼけたのかよ!
頬を染めてお手洗いに行ってから身づくろいしてくる、と言う。
余裕が有るならもうちょっと落ち着いてからにしなさいと引き寄せた。
「だめ、落ち着かなくなっちゃうから」
そういって俺の手から逃れて部屋を出て行った。
苦笑し身支度して台所へ。
八重子先生に挨拶して朝食の支度。
追って先生も。
昨日はしてないのかと言われ、先生が生理来たのでと答えたら先生は赤面して怒ってる。
「もう、お母さんたら。そんなこと聞かないでよ。山沢さんも!」
可愛いなぁと思ってニヤニヤしてると額をピシャッと叩かれた。
それをみて八重子先生がほほえましそうにしている。
「大根おろし、かわりますよ」
と先生の手から取り上げた。
怒りに任せておろすと辛くなっちゃう。
で、今日は何を焼いたんだろう。
大根おろしと言うことは。
苦手な魚いろいろが浮かぶ。
八重子先生がグリルをあけてひっくり返すのを見れば鮭だった、助かった。
先生はお味噌汁を作っている。
具は、と見れば麩。
後は納豆に金平ごぼうと用意され、配膳して律君を呼ぶ。
孝弘さんは部屋で食うというので律君が持っていった。
おいしいなぁ、味噌汁。
「山沢さんって本当においしそうに食べるよね」
「一人暮らしするとわかるよ、きっと。
 朝から味噌汁を出汁とって作るなんて絶対しないから」
「あら山沢さんは朝早い仕事だからじゃないの?」
「独り者で朝から出汁とってまで作る気がしませんよ。誰も食わないんですよ」
「そういうもんかねぇ」
「食べてくれる相手がいてこそ作る気になるってもんですよ。
 美味しいなんていってくれればなおさらでしょう?」
「それはそうね」
「だから律君もお母さんに感謝したほうがいい、作ってくれる人が居るのは有難いよ」
くすくすと先生が笑ってる。
ごちそうさまをして、片付ける。
律君は学校へ。
大学生は朝があわただしくなくて良いねえ。
一限目がない日は。
居間に戻ってお茶を頂いていると先生が席を立ったすきに八重子先生から聞かれた。
なにをって、その、俺がまたされてないか、と。
一昨日された。けどトレードオフかと思って受け入れたと話す。
頭を撫でられた。
何とトレードオフかと聞かれたが言えずに居ると先生が戻ってきた。
「なぁに?なんで撫でてもらってるのよ」
「なんでもないです」
聞こうとする八重子先生をとどめて。
話を変えて来月の京都行きの話をする。
三週目の月曜に行き水曜に帰るのでどうか、と。
「あら、火曜日も?」
「こちらのお稽古日ですが…」
「ほら、お母さん、京都のお教室の先生。
 火曜か水曜ならいつでもどうぞって仰ってたじゃない?どうかしら」
「ああ、それはいいね、行っといで。山沢さんも連れて行ったらいいんじゃない?」
「何時からですか?」
「ええっとねえ、ちょっとまってね」
と引き出しをあさって目的のメモを探す。
「朝とお昼と夜と有るのよ」
「うーん、夜ならいけそうです。お昼は無理かも」
「じゃ私は昼と夜、あなたは夜でどうかしら」
「そういうことでしたら」
「ならあちらのお教室に連絡しないとねえ」
「宿、取りますね」
「あら、山沢さんのおうち行きたいわ。あちらにもあるんでしょう?」
「きったなくしてますからそれは勘弁してください」
「片付けてあげるわよ?」
「いや、マジやめたほうが。うちの納戸よりひどいんで」
「……やめとくわ」
「山沢さんの納戸ってそんなに散らかってるのかい?」
「違うのよ…片付いてるのに道具が…」
「道具?」
「いやいやいや、この話よしましょう」
「あぁ、エッチな道具だね」
「納得せんで下さいよ…」
がっくりして居ると二人して笑う。
ええい生理が終わったら悲鳴出させてやろうか。
昼をいただいたあと帰宅して昼寝、夕飯を食ってまた寝て翌朝仕事。
仕事の後はシャワーを浴びてお稽古へ。
お稽古の後食事をいただき、風呂から出た先生の足を居間でマッサージする。
裾を割って先生の片足を肩に引っ掛けて押していたら律君が見て絶句していた。
先生は気にしてないようだから、いいか。
帰宅して翌日は仕事のみ。家の掃除や洗濯を済ます。
土曜。
仕事の後、ノートパソコンを別鞄に入れもって行く。
お稽古、夕飯の後律君に手渡した。
使い方をざっと教えているとそろそろ寝ましょ、と先生に誘われた。
おっともうそんな時間か。
とはいえ今日も抱けぬわけだが。
ともに布団に入れば懐に。
風呂上りにしっとり湿った肌。
抱きたくなる。
先生はどうなのだろう。
キスをして舌を差し込めば絡めてきて、同じ気分なのかな、と思う。
「抱いていい?」
「だめ…」
だよな。
でもしっかり俺に身を寄せてくる。
「…火曜日、泊まっていくわよね?」
「勿論。どうして?」
顔を赤らめて俺の胸につけて何も言おうとしない。
「あなたも。俺に抱いて欲しいと思ってる?」
そう言うとかすかに頷いた。
嬉しいね、嬉しい。
でも自分の口から言わせたくなる。
仕方ないか。
言えないんだから。
先生からキスしてきてしばし感触を楽しむ。
背を撫でて二人、寝た。
朝も離れたくない様子で布団の中で珍しく先生がぐずついた。
これまで気づかなかったけど先生もやっぱり生理のときは精神不安定なのかな。
なだめて朝の支度をする。
食事の後、片付けに立つとついてきて、洗い物をする私の背に触れてくる。
困った、と思っていると開さんが内覧の誘いに来た。
近場にいい部屋が出たそうだ。
先生の目覚まし時計を借りて内覧。
中で鳴らして外に聞こえないことを確認してもらった。
出入りも人目に付かないようだ。
妙に安い理由はと言えば出ると言うだけだった。
その辺は開さんが片付け済みで入居実績が欲しいとのこと。
先生も気に入った様子なので決めて本日よりと言うことで家賃を手渡した。
開さんは不動産屋に戻るとのことで先生と二人。
その部屋にどんな家具とベッドを入れるか話し合った。
その間ずっと先生は俺から離れようとしない。
台所道具などはさほどいらないだろう。寝具はやはりダブルだね、など。
まずは明日、布団だけでも買って搬入することを決めた。
明後日来るときにベッドや家具のカタログを持ってこよう。
俺の寝床でも有るが先生もくつろげるほうが良いに決まっている。
「暖房器具もいるわよ?」
ああ、そうか。
今はエアコンかかってるから気づかなかったが床が冷えるな。
床暖はついてないというしホットカーペットでお茶を濁すべきか。
相談すると機密性はそれなりみたいだから食卓のあたりだけ敷いて、
後は絨毯かカーペットにしたら?と言う。
掃除が大変だから、と言ったら掃除位してあげる、と仰る。
うーん、と悩んでいたらキスされた。
人目がないと大胆だな。でもここは足が冷えて先生にはよろしくない。
帰りましょう、と言うと拗ねたような顔をする。
可愛い、といえば照れる。
戻ってからお昼をいただいて、八重子先生に近くに借りたことを話す。
床が冷えるのでと話しているとタイルカーペットはどうかと言われた。
ご友人のお宅で家の中で中型犬を飼っていて、タイルカーペットを敷いているとか。
なるほどあれなら汚れれば洗えばよい。
早速に発注をかけるべく、受け取りはどうしようと悩めば、
連絡先を先生のお宅にすればよいとのこと。
貰った間取り図を元に枚数を考え、発注をかけた。
少し多めに。
先生はずっと俺の膝に手を突いている。
ま、これくらいなら誰かが見ていても問題はない、多分。
何を置きたいか聞いてコーディネートしてゆく。
優しげな印象の部屋になりそうだ。
俺の家は何か硬質な感じがするらしい。そりゃ黒中心だからだ。
ベッドも黒いからなぁ。
だがピンクのベッドは却下だ!
結局白いベッドにしてシーツをピンクにしたらいいじゃないといわれてそう決まった。
シーツなら普段は別のに出来るから。
ピンク、やっぱりダメでも捨てれば済むからと。
先生も納得できたようだ。
さてそろそろ、と夕方。
先生は帰って欲しくなさそうだ。
ちゃんと明後日も来るから、と周囲をうかがってからキス。
別れて帰宅の途中、夕飯になりそうなものを見繕う。
少ししょんぼりとしていた先生は可愛かったなぁ。
家にたどり着いて食事をしながら、思い出して独り顔がニヤついた。
翌朝出勤し、仕事。
節分だ。いわし以外は大して売れず暇を託つ。
帰宅、さてカタログを集めねば。
あちこち立ち寄り5,6冊集めるだけ集め、鞄に入れる。かなり重いな。
なんだかんだ夕方になり食事を取って寝ることにした。
明日は会える。そしてえっちしていいはずだ。
翌朝仕事を手早く済ませ、稽古に行く。
早く行ったところでできるのはいつもと同じ時間だけれど。
着いて挨拶したところ、荷が届いてるそうで。
開さんが立会いで鍵開けて中に入れてくれたそうだ。
お稽古の水屋を手伝い、その後自分のお稽古をつけていただく。
少し厳しくは有るが先日よりは優しい。
それでも他のお弟子さんに言わせれば山沢さんには先生は厳しすぎるそうだ。
普段優しいから問題ないと思うんだが。
晩御飯をいただいて、時間もまだ有るのであちらの床だけでもしておきたいと言い、
団欒の家を出て寒い中、敷きに行く。
きっちり流し張りにして端の始末もして完了。
買ってきた布団も置いて。
汗も少しかいている。
先生のお宅へ戻るとお風呂丁度開いてるから、と直ぐに放り込まれた。
しっかり洗って寝巻きを引っ掛けて風呂を出る。
暑くて前を緩く着ていたら覚さんがきていて慌てられてしまった。
ササッと手直しをした。
「や、これは失礼、今晩は。もうこっち向いていただいて結構です」
挨拶を返されて懐から煙草を出して吸おうとされる。
「あら山沢さん、あなたそういえば煙草売ってた?」
「いや、そういえばまだ買ってないです」
「返したほうが良いかしらね?」
「え? 彼女、煙草吸うの?」
「今はあまり吸ってません。だからあれはそのままで構いませんよ、先生」
「煙管吸うのよ~。秋に縁側で、夜月を見ながら吸ってるのは格好良かったわ」
へぇ?とこちらを覚さんが見る。
「あれ、覚おじさん? 司ちゃんさっき帰ったよ?」
司ちゃん来てたのか。
「あ、いや今日は別の話なんだ」
チラッとこっちを見る。
ああ内輪の話ね、俺は寝間に引っ込んでおこう。
部屋にいますので、と声を掛けて出る。
暫くして先生が部屋にやってきた。
「覚兄さん、帰ったわよ。なに見てるの?」
「カタログ。一緒に見ましょう」
そういって招くと身を寄せるようにしてくる。
先生の体温にドキっとしつつ平静を装ってベッドのカタログを見せた。
「どんなベッドがいいです?
 背の高い、今くらいの高さがいいか、布団に近い感覚の背の低いのがいいか」
「そうね…低いと降りにくいかしら?…ん」
そっと、やわやわと先生の胸を楽しみつつ会話も楽しむ。
暫くこれが良い、あれが良いと言ってる内に本が先生の手から滑り落ちた。
「もうだめ、焦らさないで頂戴」
「まだ時間、早くないですか」
「あなたが煽るから…」
と俺の手を掴み股間に持って行く。
既に凄く濡れていた。
そのまま弄っていると布団に、とお願いされる。
暫くそのままでキスしながらなぶれば胸に爪を立てられ、諦めて布団に連れて行った。
布団の上でなら抱かれてくれる。
言葉にしないがいつもよりはもう少しして欲しそうなので沢山目にして。
疲れ果てて直ぐに先生は寝てしまった。
可愛いね。
翌朝流石に二人ともいつもの時間には起きられず久々に八重子先生から起こされる始末。
雷が落ちると思ったがそんなことはなく、肩透かしを食った気分だ。
先生はパタパタと身支度して何とか食事の時間に間に合い、俺は間に合わず。
除けておいて貰ったご飯をいただく。
既に律君は学校へ、孝弘さんは部屋に戻ってしまったらしい。
居候としては駄目な部類の食事をして洗い物を片付けて居間に戻る。
カタログを持ってきて、と言うので持ってきて一緒に家具を選ぶことに。
八重子先生も一緒に楽しそうだ。
箪笥は和ダンス半棹洋箪笥半棹程度でいいだろう。
たしかこのあたりに半々になったのが…と見る。色は先生のお任せだ。
後はちょっとした茶箪笥や小物類。
おおよそ決めて発注をかけた。
住むわけじゃないからね。簡易、簡易。
茶箪笥が来たら一緒に中に入れるものを買いに行って、台所のものもそろえよう。
不意に抱きたくなって、先生に床を見てもらえるかと誘う。
部屋について中に入れば一面カーペットを敷き詰めてあり素足でも冷たくはない。
布団のみ、ベッドを置こうと思っている場所に敷いてある。
鍵をかけて後ろから抱きしめる。
「どうしたの?」
「抱きたくなった」
「あらー…、こんな時間に? どうしたのよ」
「急にあなたを抱きたくなって。だから誘いました」
「そう…いいわよ」
ゆっくりと胸を揉み解し、帯を解く。はらりと着物を脱がせて布団へ。
吸い付くような肌。
沢山舐めてたくさん撫でて。
うなじを舐めるとビクッと反応する。
耳を齧ると息が漏れる。
ゆっくりと太腿をなで、お尻を撫でる。
ひんやりした身体もすぐに温まり、熱く燃え出す。
あぁ、と声が聞こえる。
もっと声を出していいのに。
窓の外に広がる青空を見て先生が固まった。
「や、だ…ここ、見えちゃう」
「大丈夫、見えない。先に周囲確認済みですよ。ベランダに出てしたら見えるけど」
そういいつつ乳首を噛んで。
手は濡れはじめているそこをなぶる。
いつもより濡れる量が多い。
見られてるかもと思うのが原因?
身体を入れ替えて敢えて外に先生を見せ付けるような形を取る。
いや、と言いつつずんと濡れて来た。
やっぱり、そうか。
「ねぇ先生? こんな姿、お弟子さんに見られたらどうしましょうねぇ」
「いや、いやいや…」
きゅうきゅうと指を締め付けて。
身をよじって俺の懐に顔を押し付けようとする。
「いじわる、いわないで」
「ふふ、見せません、そんな勿体無いことできないな」
暫く先生の身体を楽しんで、先生が落ち着くまでの間タオルを買いに走った。
シャワー浴びさせないと舐めすぎたよ…律君にバレても困る。
戻って風呂に入って貰い、着物を着た先生をつれて戻る。
八重子先生は何してたかわかってたようで…先生が恥ずかしそうだ。
うなじが赤く染まってて色っぽくて。
可愛いな。
ではそろそろ、と退去の時刻。
買物に行くという先生とともに玄関を出る。
スーパーまで同道してまた明日、と別れて帰宅した。
翌日、仕事が終る直前先生から電話をいただく。
行きがけに一人拾ってきて欲しいとのことだ。
この雪ではね。
場所を聞けば拾える場所では有る。
服装などを聞いて電話を切り、帰宅して着替えて車に乗り込む。
相手の会社の前に乗り付けて暫く待てばそれらしき服装の女性が出てきた。
降りて問えばやはりその人で、座席に乗せると先生とはどういう、と聞かれてしまった。
仲の良い弟子、と答えたが男のお弟子さんが迎えに来られると思ってなくて、と言う。
「はは、私、女ですよ。男装しているだけです。だからそう硬くならずとも」
「えぇっそうなんですか? やだ、ごめんなさい」
「そりゃこんな格好ですからね。てっきり先生から聞いてるものと」
「弟子を迎えに、としか仰ってなかったので…」
あはは、と笑って車を走らせる。
先生のお宅にたどり着いて、引き渡して。
水屋の準備にかかる。
「雪道をわざわざご苦労さんだったねえ」
「あ、八重子先生、こんにちは。まだ積もってなくてよかったですよ」
「今晩積もるって言ってたから電車で帰ったほうがいいんじゃないかねえ」
「電車が止まるんじゃないでしょうか。チェーンつんでますから。つけて帰ります」
「律につけるの手伝わせるよ。慣れてるからね」
「そりゃ助かります、あの辺つけるほど降らないから慣れてないんですよね」
「結構降ってきたねぇ…土曜日なら泊まっていったら済むのにねえ」
「ですねぇ…」
そういってる間にお弟子さんが来だして、八重子先生が相手をする。
お稽古の用意も整い、先生が戻って八重子先生と交代。
さあ、お稽古だ。
雪でこられない方が出て、その合間合間に私の稽古をつけてくださる。
そうなると"優しい絹先生"は"山沢さんにはとても厳しい"ということが
他のお弟子さんにわかってしまう結果となる。
あまりいいことじゃない気がするんだけど。
贔屓じゃないか、と言う噂にならないのが不思議だ。
有るお弟子さん曰く。
「あなたにだけ優しいなら贔屓に見えるけど逆じゃねぇ。むしろ可哀想かも」
ということらしい。そんなに怖いんだろうか。
最終のお弟子さんがお稽古を終られて円草再び。
八重子先生と二人がかりで見てもらえば、あれ忘れてるこれ忘れてると厳しい。
色々と直されて少し落ち込んだら、後で先生に頭を撫でてもらった。
水屋を片付けて律君にチェーンつけるのを手伝ってもらって、
手を洗っておにぎりを貰って帰路に着いた。
途中で渋滞には待っておなかすいたらいけないから、と握ってくださった。
お漬物がついていて、嬉しい。
外は寒いのにおなかの中が温まる。
ナビが言う道を走るがやはりチェーンをつけてない車による事故で少し帰宅が遅れた。
おにぎりをいただいていてよかったと思う。
軽く食事を取って風呂で温まり、そして就寝。
翌朝、出勤すると客が少ない。
やはり凍結等で来られない、配達よろしくと言うところがあった。
仕事を終えて帰宅する。
昼飯を食って一服。
今日は久しぶりに三味線を触ろうか。
ゆっくりと、いくつか弾いて見ると暫く弾いてない所為か手がうまく動かない。
それでも何度か弾いてるうちに滑らかに弾けて時計を見れば夕飯の支度すべき時間だ。
何食おう…面倒くさい。
焼肉でも食うか。
先生とは行けないしな。
ふらりと食べに出てガッツリ食う。
だが昔に比べれば量は減った。脂身は苦手になった。
帰宅してウーロン茶を飲む。
気休めでもいいんだよ…。
帰宅して布団にもぐる。外寒すぎ。
腹も朽ちて布団の中は暖かく、すぐに寝た。
さて本日も雪模様。
こりゃ週末にお出かけと言うのは少なくて料理屋が動かないな。
うぅ、寒い。
客が来ないと余計に寒いぞ。
今頃先生は起床した頃か。布団から出たくないだろうな。
ご飯の支度して、お稽古の用意をしている筈。
朝の方々は上級だから先生方もそれなりに気が張るんだろうし。
今頃焦っておられたりして。
そんなことを考えつつ、仕事を終わらせれば帰宅してシャワーを浴び着替えて移動だ。
先生のお宅についてご挨拶。
お食事に入られてその間に昼からの水屋の用意を済ます。
暫くすると昼イチの生徒さん。
時間になるまでお待ちいただいてお稽古開始。
今日は時間通り稽古がすすんで中々具合がよろしい。
夕方、最後の生徒さんを送り出して、さて俺のお稽古。
行之行、円草各2回。前回よりは怒られずにすんだ。
じゃ水屋よろしく、と先生はご飯拵えに台所に行かれ、俺は一人片付ける。
しまうものは仕舞い、茶室に雑巾をかける。
ご飯よ、の声が聞こえたので手を洗って食卓に着いた。
今日は筑前煮か、うまそうだ。
律君は大学生になった割にはお母さんとよく話す。
律が目を合わせてくれないの、とは言うが大学生の男の子だからそれくらいは普通、
他の家では家を嫌って出て行ったり暴言食らったり色々ありますよ、そう答えている。
そうそう、今日は…。
食事の後先生を部屋に連れて行く。
ちょっと八重子先生の前ではね。
鞄からコンドームを10種類ほど出した。
先生はなんだか苦笑している。
「これ、つぶつぶラムネ」
とディルドに被せてみせる。
「つぶつぶはわかるけどラムネって?」
「匂いがラムネです」
くん、と嗅いで納得の表情。
「でこれは脱落防止加工のみの。こっちはゼリーがついててスムーズにというもの。
 これ、光ります。こっちはミントの刺激つき。グレープの匂いのもあります。
 ピーチにストロベリー。これはオレンジ。あとこれは敢えて分厚いもの」
「い、色々有るのねぇ…」
「先生に使ってるのは普通のどこにでも売ってるやつですけどね。
 舐めてもらおうとか思ってない分。それに外れて困るということもないでしょ」
「そ、そうね」
頬を染めていて可愛い。
からかっているとお母さん、と部屋の外から律君の声。
と同時に襖が開いて、手を出してなくてよかったとほっとする。
が、先生と律君がなんとも言えない顔を。
あー、そうか、まだ仕舞ってなかった。ディルドは片付けてあったけれど。
「律君、彼女いたっけ?」
「い、いや居ませんけど…」
「おや残念。じゃこれ君のご友人にでもあげてくれるかな」
「…山沢さん、何を言うの」
「いや、どうせネタに持ってきただけで使う予定もないわけですし。
 だったらいざそういうときに持ってるのと持ってないじゃ違いますでしょ?
 相手の女の子が。持ってないけどしたいからする、それで出来た、ではね」
「それはそうだけど…」
「丁度いい、律君。彼女出来たら勢いのままにしたりしないこと。
 コンビニにも売ってるから。500円か1000円で。つけ方わかる?」
後頭部をバシッと先生にやられた。
「つけ方によってもれたり外れたりしますよ?」
「わかるけど…私の前でそういう話は」
「…ああ母親の前でする話では確かにないですね。
 律君、つけ方は友達に聞いて練習するといいよ~」
「ところで、なんで呼びにきたの?」
先生は拳骨を落としつつ律君に問う。
「ええっと、おばあちゃんがお菓子食べないかって、頂き物が有るみたいで」
「山沢さんちゃんとそれ片付けて頂戴」
「はい、どうせ餡でしょうからどうぞ先に」
ん、と律君とともに部屋を出て行った。
ちょいちょいっと袋に詰め込み片付ける。
すぐ後を追うと八重子先生が先生に何してたのか聞いていた。
「山沢さんがコンドーム持ってきちゃったのよ…こんなに種類が有るんです、って」
ぶっと八重子先生がお茶吹いてる。
「そういうことであれだったの?」
「山沢さんが全部見せてるときに律が急に入ってきたのよ…」
ひょいと居間に入る。
「片付けておきましたよ」
「山沢さん、そんなにいま色々有るのかい?」
「んー、一時に比べるとそうでもないですが匂い付が増えましたね」
「"家族計画"しか知らないからねぇ」
「でしょうね。わざわざ面白いのとか買ってきたんですよ」
「だからって」
「勿体無いじゃないですか。律君のお友達にあげてくれって律君に言ったんですよ」
「ほんと山沢さんってさばさばしてるよね…」
「というか羞恥心がない」
「確かに」
「でなんで突然にコンドーム?」
「以前何かの話のときにコンビニに売ってる自体ご存じなかったので、
 今は色々有るって話をしまして。で、現物お持ちしたわけです」
「コンビニにそんなの有ったかねえ」
「目に入りにくいんですよ、大体男性化粧品の辺りにあります」
「へぇ…律、あんたも彼女出来たらちゃんと使いなさいよ」
律君の顔が赤い、純情だなぁ。
先生もなんか照れてるが。
はい、と八重子先生がお干菓子を下さって食べる。
先生方は薯蕷を。
うーむ、お茶が美味しい。
と、見ていたら先生が薯蕷の皮だけくれた。
食べていると律君が引いている。
あ、先生の歯形ついてた。皮。
食べ物の口移しをやってるからまったく忌避感なく食ってしまった。
先生も気にしてないな、その辺は。
「雪、止んできたねぇ」
「あらそうねえ、明日積らないのかしら」
天気予報を見るとそれほどでもなく、夜半には霙、明日朝には晴れるようだ。
「お風呂そろそろ沸いたかしら。お父さんに先に入ってくれるように言って頂戴」
先生に言われて律君は離れに孝弘さんを呼びに行った。
律君が戻ってきて炬燵に入る。
先生は物足りなかったのか蜜柑を剥きだした。
四半分ほどを私にくれて食べる。
「うっ…」
「あら、酸っぱかった?じゃ全部食べて」
うなづいて残りも貰うと律君がお母さん、それはちょっと、と言う。
「食べかけとか酸っぱいのとか…酷いんじゃない?」
「あら、酸っぱい方が身体によさそうじゃない」
「なんとなくそういう気しますよね」
だが実は甘い蜜柑とそう変わらないんだよね。
先生が身体に良さそうだからとくれるものは断れん。
と思いつつ残りを食べる。
先生方が順繰りに風呂に入ってる間に律君と話す。
「部屋、来たときね、声を掛けてから良いというまで開けてくれないでくれるかな?
 多分ご家族だけで居たからついあけてしまうんだろうけどね。
 着替えとか見たいんなら別だけど」
「あー…はい、そうします」
なんて頼みつつお茶をいただいてると先生が上がってきた。
「あぁ良いお湯だった、律、あんたも早く入んなさい」
うん、と風呂に行く。
濡れた髪がちらりと首筋にかかって色っぽい。
ドキドキしているとふっと先生が笑って戸締りしてきて、と言う。
慌てて戸締りをして火の元を確かめる。
居間に戻ると八重子先生はもう寝たそうだ。
律君が戻ってきて部屋に行ったら寝ましょと仰る。
はい、としばしなんでもないような会話をしていると戻ってきた。
「じゃおやすみなさい」
と先生が律君に行って居間を出た。
律君も一服して部屋に戻っていった。
電気を消して俺も寝間へ。
先生が座って髪を乾かしている。
布団を敷いて先生を待っていると先に布団に入ってて、と言われた。
足だけ入れて待っているとくすくす笑ってる。
「なんで足だけなの?」
「うっかり寝たら勿体無いからかな」
「眠いんなら寝たらいいわよ?」
「嫌ですよ」
「子供みたいね」
苦笑して待つ。
暫くして乾いたようで落ちた毛を拾って捨てている。
「白髪増えたわねえ…」
「そうですか?」
「そりゃやっぱりこの年だもの…抜けるし」
「ああ、先生は髪長いから余計に沢山抜けてるように見えるんですよね」
「そうなの?」
「俺、いつももっと抜けますよ。風呂はいると」
「でも白髪ないじゃない」
「抜いてますもん」
「痛くない?」
「痛いですよ。気になるなら白髪だけ切ってあげましょうか」
「髪少なくなりそう」
「だったら染めるしかないですね」
「髪痛むでしょう?」
「一本ずつ染める方法ありますよ。マスカラなんかのブラシと染め液とラップ使って」
「面倒くさそうねえ」
「気になるんでしたらやってあげます」
「考えとくわ」
と布団に入ってきた。
「この間…あなたのここにも白髪見つけちゃったわよ」
「ああ、脇とかもありますよ」
「そうなの?」
「先生は脇とか鼻毛とかにはないですよね」
「そうねぇ、お母さんは眉にあるけど」
「そりゃ八重子先生は有るでしょ」
そんな会話をしつつ胸を揉んだり股間をなぶったり。
少し息が荒くなってきて声が出そうとのことで腕を渡す。
しばし楽しみ、腕を噛まれる。
3度ばかり逝かせて落ち着かせた。
先生は少し俺をなぶりたそうにしているが…。
胸くらいならいいよ、とされるがままに触らせる。
暫く触ってるうちに眠くなったようだ。
寝かしつけて俺も寝た。
朝、朝食を取ってゆっくりしていると電話があり、先生が出る。
荷物が届くそうだ。
先生が手伝ってあげる、と一緒についてきてくれた。
中でしばらく待つと宅配が来た。
開梱し、組み立てる。
茶箪笥と、洋箪笥の上が和箪笥になっているもの。
それからベッド。
箪笥類は一人で作れたがベッドだけはちょっと支えてもらったりした。
コイルマットを載せて、布団を敷く。
良い感じだ。
一緒に戻るとシャワー浴びてきて、と言われて風呂に入る。
さっと濯いで出てくるとデパートに行こうと仰るので着替えた。
30分ほど先の駅前のデパートに入る。
同じ系列のデパートはやはり売り場の空気も似ている気がする。
さて何を買うのだろう。
「さ、まずは催し物会場行きましょ。律とお父さんの買わなきゃ」
とついていけば沢山の人、人、人。
ここで待ってて、と言われて子供服売り場に取り残された。
こんなところにおいてかれても困るんだが、とフロアガイドを見ることにした。
この後上で呉服ちょっと見ようかな?
30分ほど待つと戻ってきた。
何も買わなかったのかと思ったが配送してもらうことにしたらしい。
「呉服売り場、ちょっと見ます?」
「そうね、ついでだものね」
見に行けばそれなりにものは置いて有るようだ。
うろついていると先生がこれ面白いわねえ、という。
「お稽古じゃ着られないけど…あなたとお芝居行ったりするのにどうかしら」
「それは…いいですね」
値札を見ると正絹7万と消費税。ふむ、まあ良い。
店員に言うと今日は仕立て・八掛・胴裏込みでこの値段と言う。
手縫いかミシンか聞けばミシンと言うので手縫いに変更してもらって追加1万5千円。
ついでに合う帯締めと帯揚げを買い10万を支払った。
仕上がりは三月下旬のようだ。
それから降りてキッチン・バス・トイレ用品を色々と買い揃える。
ついでにうち用のスープカップを二つおそろいで。
少し先生の洋装の服を見て、ブラウスを買ってまずは俺の借りてる部屋へ。
すべてを片付け、途中で買った洗剤やシャンプーなども設置して一気に簡易な所帯に。
後は足りないものは追々に、と先生と戻った。
早、夕暮れ。
寒くならないうちに帰りなさい、と言われて帰宅する。
帰り道、デパートにより先生へのチョコを購入した。
いや先に既に今日と限定品を送ってもらうよう話をつけては有るが。
帰宅し、食事を取って寝た。
明日、先生から仕事が終ったらいらっしゃい、と言われている。

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首筋を舐める。
「えっ!ちょっとまって!」
「へ?」
「うそっ…」
身を捻ってテレビを見ている。
「え、このニュース朝からやってましたよ?」
「そうなの?やだ、知らなかったわ」
苦笑して俺のシャツを先生の肩に掛け、膝から降ろして立つ。
先生がそのままテレビに見入っている間に着物を片付けた。
「テレビ、もういいでしょう?ベッドに行きませんか?」
「あっ、ごめんなさいね。つい」
「…ああでも素肌にカッターシャツも色っぽいな」
頬を染めるくせになんでまたテレビを見るんだ…。
「だってこのドラマ見たかったの…ね、お願い」
「しょうがないなぁ。でもそのままだと風邪引くから。寝巻着てください」
「うん」
そういったままテレビを見て動かない。
寝巻きを取りに行って渡すと着替えてくれた。
番組表を見ると1時間物か。
仕方ない、一緒に横で見るのがいいだろう。
って突っ込みどころの多いドラマだなぁ。
しかしこれ、いまの化学屋が当時に行って研究したら面白いだろうな。
ってこれ続き物なのか。
消化不良だ。まぁ結構良い部類のドラマだな。
忘れなければ来週も先生と見てもいい。
しかしだな。
こんなもの見てすぐやる気になれんじゃないか…。
トイレに先生が立ったのでテレビを消して、寝巻を着た。
って俺も行っておかねば。
入れ替わりに行って、戻るとすでに部屋の電気を消されていた。
寝間の豆球がついている。
ベッドに座って髪を解いている先生にキスした。
もうちょっと待って、と言うので眺めているとアレがサイドテーブルにおいてある。
「…なぜここにアレ」
と呟いたら俺が食卓に置いていったから、とか。
「納戸に捨ててこなかったんですか? 使っていいのかな」
先生は一気に胸まで赤く染まった。
「その、使わないでくれたほうがいいけど…」
「じゃどうして持ってきたの?」
「だってご飯食べるところにあんなの…」
そっちか!
「居間でするのはイヤだった?」
「ごめんなさい」
「ま、予想はしてましたが。
 布団の有るところ以外ではしちゃいけない気がするんでしょ?」
うん、とうなづく。
「俺はそういうあなた、好きですよ。でも居間で恥ずかしがるあなたも好きなんだ」
「よくわからないわ」
「あなたの羞恥心、感じてるところも好きだと言ってるんですよ。
 大胆な所も好きですけどね」
「大胆?」
「大胆になってる、と思いません?
 わざわざ俺の家に抱かれに来て。俺のベッドに一緒に入るんだから」
「あ……そうね、そうよね」
自覚はなかったのか。
「もっと大胆になってくれてもいいんですよ?」
そういって寝巻で隠された乳房を撫でる。
「恥ずかしいわ」
真っ赤になってて、可愛くてそのままベッドに倒れこませた。
「あなたからキスして。大胆にね」
ついばむようなキス。
「大胆に」
少し戸惑ったような間が空き、ディープキス。
唇を離すと目が潤んでいる。
そっと翳りをまさぐり、聞いた。
「どうして欲しいか言ってごらん?」
首を振る。
「大胆になって。俺に聞かせて?」
「あの…触って…」
「どこをどのように?」
体を朱に染めて、いやいやをする。
「ここかな」
すっと尻の穴に触れる。
きゃっと言って身をよじる姿が可愛らしく、つい軽く乳首にキスをしてしまう。
「言わなきゃ今日はここ、ですね」
「っばか…もうっ。そこはいやよ。もうちょっと上っ」
こっち、と濡れているところに触れると頷いた。
「で?ここをどうするのかな?」
「あの…入れて……」
「入れるだけでいいのかな? 動かして欲しいんじゃないの?
 気持ちよくして欲しいって言いなさい?」
目を瞑って真っ赤な顔で。唸ってる。
「言えませんか?」
そういうと、私を抱きしめて耳元で小さな、本当に小さな声で言う。
「入れて動かして気持ちよくしてっ」
触れてる体が熱くて、本当に恥ずかしくて仕方ないんだろうとわかる。
「もっと大きな声で…。と言おうと思ったけれど。よく言えましたね」
いい子だ、と中に入れてかき回す。
あっあぁっ、と喘ぎ声、びちょびちょになる手。
中も熱くなっていて凄くしまって気持ちいい。
突起もしごきつつ、乳首も舐めると喘ぎ声と言うよりは悲鳴に近くなって。
中の膨らんで居るところを擦ったり、奥をつついたり。
途中で手を止めると、やめないで、と言ってくれた。
嬉しくなって沢山にしてしまう。
求められるのは嬉しい。気持ちよくなってくれるのは嬉しい。
先生が逝くたび、俺も快感を感じ気持ちよくなる。
時折、触ってもいないのに逝くことすらある。
あまりの気持ちよさにくらくらするが、先生もそれくらい感じていてくれればと思う。
ひとしきり楽しんで、疲れて。
眠そうなのに私が触る物だから困った顔をしている。
あくび、ふふっと笑って瞼にキスをする。
「もう明日にしない?」
「寝かなさい…なんてね。睡眠不足じゃあなたのここにクマが出来ますね」
目のふちに触れ、頬に触れ。唇を撫でる。
かぷっと指を噛まれた。
ぎょっとする。
「寝かせてくれないなら…」
と乳首をつねられた。
「しちゃうわよ?」
「わかった、わかりました。寝ましょう。寝ましょう」
くすくすと笑って手を離してくれて、そしてキス。
抱きしめて、頭や背中をなでいてると寝息。
つられてそのまま寝そうになる。
暫く待って本格的に寝たところで腕を外し、トイレへ。
ああ面倒くさい…。
それからベッドに戻って寝た。
朝。
瞼の裏側に日光の明かりがちらちらして目が覚める。
ああ、もうこんな時間か。寝過ごしたな。
横を見れば先生もまだ寝ていて。
無防備なその姿が綺麗で、写真に撮りたくなるほど可愛い。
本当はえっちしているところも何もかも、ビデオに撮りたいが…。
誰かに見られるのが怖いからな、できない。
あ。今度テープを入れてないビデオ回してみようか。
先生の反応が楽しかろう。
いや、泣かれるか?
そっと瞼に触れると夢を見ているようで眼球が動いているのがわかる。
どんな夢を見てるのかなぁ。
ふっと息をついてトイレに起きた。
そろそろ終りそうではある。
手を洗って台所に立ち炊飯器の中を見る。
二人で食うには足りないな。
ラップにあけて冷まし、釜を洗って米をかし、炊く。
何を食おう…あ。昨日雑炊にするって言ってたなぁ…。
食卓を先に拭いて、米が炊けるのを待つ間、ベッドに座って先生の寝顔を眺める。
米がご飯に変わっていくにおいが流れてくる。
「ん…おはよう」
起きたようだ。
「おはようございます」
「ご飯炊いてるの?」
ふぁっとあくびをして伸び。
「ええ。どうします?昨日雑炊にするって言ってましたが」
「んーそうね、そういってたわね。あとどれくらいで炊けるの?」
20分くらいと言うと、じゃ着替える時間有るわねと言って着替えだした。
白い乳房が朝日に照らされて、美しくてつい触れてしまった。
当然ながら怒られました。とほほ。
髪を整えて着替えてそれから割烹着を着て。
「なんかすっかり"お母さん"ですよね」
「そうよ?だからご飯の支度してるときにえっちなことはしないで頂戴よ」
「いやだな」
頬に手を添えて軽くキスする。
「だめよ」
ぺちっと額を叩かれて、ご飯作ってるときとか食べてるときはしないように言われる。
ちゃんとけじめをつけなさい、と。
「しょうがないな、聞いてあげますよ。
 本当は家に居るときはずっと抱いてたいんですからね?」
耳まで赤くして可愛いなあ。
座ってて、というので座って待つと、炊けたご飯を鍋に投入して雑炊にしている。
うーまーそー。
「出来たわよ、動かないでね」
熱々の鍋ごと食卓に持ってきた。
中央の新聞紙を置いてある上に乗せる。
おたまで掬ってお茶碗に。
「さ。いただきましょ」
いただきますを言って食べる。おいしいなぁ。
ふと目線を上げると先生がにこやかだ。
俺がうまそうに食ってるのが嬉しいと言う。
俺は先生がにこやかなのが嬉しい。
そう返したら照れている。
夫婦茶碗にもすっかりなれて、次に気になるのは俺の箸の握り方だと言う。
ほんの少し、変だそうだ。
食後、ゴマを出してきて一粒一粒掴んで所定の位置にやらされる
「変ねえ。普通握り方がおかしいと出来ないのに」
と、次は手を添えて、ああだこうだと持ち方を修正されるものの…。
うまくいかない。
ゴマと対決するにも飽きて、先生にお出かけをねだるが却下され、
しばしゴマと戯れる。
「遊びに行きましょうよーねぇ、駄目ですか?」
「駄目よ、ちゃんとできるようにしないと」
「展覧会行きましょうよ」
「何かいい展示、有るの?」
「五島、どうです?取り合わせやってますよ」
「んーそうねえ…着物持ってきてないし…」
「お貸ししますから」
「展覧会どうしても行きたいの?」
「外出したくはないですか?」
「折角あなたとこうしていられるんだもの…おうちでいいじゃないの」
「…嬉しいですね。凄く嬉しい」
べったりと私の背にくっついて離れようとしなくて。
甘えてくれる。
「でもいい加減ゴマはあきました」
後ろから笑ってるらしき震えが伝わる。
耳たぶを齧られてびくっとすると、ちゃんとしないと、しちゃうわよ?と脅された。
「してもいいですがね。その代わり後が大変ですよ?」
脅し返して笑いあう。
お箸を置いて、先生もろとも寝そべってキス。
くっついてじゃれて。
そのうちしたくなってきて褄から手を進入させた。
裾を乱して内太腿をなめる。
「するなら脱いでベッドで、ね、だめ?」
「無理…我慢できない」
そのまま濡れ始めたところを舐めて喘がせる。
一度逝かせて脱力しているのを起こして帯を解き、紐を抜いて脱がせた。
先生はベッドに連れて行ってもらえると思ったようだが、風呂場へ連れて行った。
中に指を入れてある場所を重点的に擦る。
暫くして、喘ぎつつもお手洗いに、と言うが却下をして、
暴れる体をなだめながらしばし刺激する。
「だめ、でちゃうっ、よしてっ」
その悲鳴の後、出た。
真っ赤な顔して、涙目になっているがそのまま刺激するとそのたびに出る。
ニヤついてると胸をこぶしで叩かれた。
「ひどい…お手洗い行きたいって言ったのに」
ぐすぐすと涙声でなじられて、満足する。
「気持ちよかった?」
「今は気持ち悪いわ…流させて。お願い」
シャワーの温度を確かめて、ゆっくりとかける。
流しきって体も温まったようなので拭いて抱き上げ、今度こそベッドへ。
「なんであんなこと、するの?」
「してみたかった」
「理由になってないわよ…もらすなんて、そんな恥ずかしいことさせて…」
あれ?
「今の、なんだと思ってます?」
「お小水」
「違います、それ、違いますから」
「そんな」
「潮吹きって聞いたことは……なさそうですね」
「昆布くらいしかないわ」
「そっちじゃなくて鯨の。あんな感じでさっきのところを上手に擦ると出るのが潮。
 お小水ではなく、違う成分のものです」
「違うの?でも恥ずかしいわ…」
「やる側の技巧と、女性側の体によって吹く吹かないが決まるんですが…、
 前からなんとなく吹きそうな気がしてたんですよね。だから。風呂で試そうかと」
「もうやらないで」
「あなたがそう言うなら」
「お願いね」
「でも可愛かったな、あなた」
そういってキスをする。
「俺ね、あなたにならおしっこかけられてもいいですよ」
「なんなのよそれは…そんなことしないわよ」
笑われてしまった。
「なんで笑うんですか。それでもいいくらいあなたが好きなだけです」
くすくす笑いながら頭を撫でられた。
ひょい、と先生のお腹に触れる。
「…お手洗い行きたいわ。さっき出さされたのに…」
「だからあれはおしっこじゃないですから。我慢せずにどうぞ」
「そういいながら手を離してくれないのはどうしてかしらね」
「かけてもいいですよ?」
「……ばかね、後始末が大変じゃないの」
そっちかっ。
確かにベッドだとマットレスとか大変なことになるが。
「だったら後でお風呂場で、ってイテテテテ、わかった、わかりました」
乳首をつねり上げるのはやめて欲しいな。
手を離して開放してあげるとトイレに行った。
トイレに行くにもちゃんと浴衣を羽織っていくんだからえらいなぁ。
俺は面倒くさいからそのまま行っちゃうんだが。
ま、その浴衣をいちいち脱がせるのも楽しみである。
戻ってきて、まだ日も高いのにするのは、とか言い出した。
「だって夕方には帰るつもりなんでしょう?」
「お母さんに言って明日帰ることにするわ」
「そういうことはいけませんよ。ちゃんと家を大事にしないと」
「でも…一緒にいたいわ」
「俺もです。だけどけじめ、ちゃんとつけないと」
さびしそうな顔をする。
思わず抱きしめた。
「えっち、しなくていいから。肌を合わせていてもいいでしょう?」
うん、とうなづいてくれたので、ベッドに引き戻した。
キスして柔らかい素肌を撫でる。
気持ちいいなぁ。
先生も触れたいようであちらこちら指が這い、くすぐったい。
くに、と乳首を摘むと、あっと声が出てだめと言おうとする口にキスして塞ぐ。
暫く揉みこむと感じているのがよくわかる。
「しないっていったのに…」
「したくなりました。いいでしょう?」
言いつつ股間をなでる。
「良いも何も、する気の癖に」
ふふっと笑って弄ると気持ち良さそうな顔をする。
中を弄りつつ突起をしごき乳首を舐めるとすぐ逝ってしまう。
逝った後は敏感で、おへそを舐めるだけでも中が締まる。
あまり沢山逝かせると却って俺を触りにくるのはどうしたものか。
俺の股間に滑り込んだ手を取り上げては布団に押し付ける。
時折、敏感な部分に触れられて声が出そうになる。
「ねぇ先生?実はお仕置きされたいの?」
嫌がるくせに、なんで触ろうとするかなぁ…。
「されたくないなら触っていいのは胸まで」
って言ったら舐められた。
「なんで舐めるんですか…」
だめ?って可愛らしく聞いてきた。
「そんなことできるくらいの余力、有るならアレ入れましょう」
膝立ちになってペニバンを取りセットする。
「まって、待って、しないから勘弁して、ね、お願い」
「そんなに慌てるくらいならそういうことしないで欲しいな」
しょんぼりしてる。
何か可哀想になって撫でた。
「こんなもの、見えるところにおいてるから突っ込みたくもなるんですよ。
 納戸に戻してくるから待ってなさい」
納戸にとりあえず放り込んでから戻ると、落ち着かなさげに座り込んでいる。
先生の右足を取って足首から上へと舐めた。
膝の裏なんかもくすぐったいようだ。
「ここ、キスマークつけますよ。着物着たら見えないし」
そういって左膝の裏につける。
あとは…そうだな、太腿の付け根。
ここは股を開かない限り見えないはずだ。
キスをすると直ぐ横に滑らせて舐める。
突起に少し歯を当てると、やめて、という。
「痛い?」
「痛くはないけど…怖いわ」
「…噛み切ったりはしませんよ?」
敏感だから特に怖いのかもなぁ…。
そっと舌先で突くといい声が聞こえて、なんとなく満足する。
指を入り口に押し当てると吸い込まれる。
中は温かくて、子供を産んでいるのに緩くない。
入れたまま半身を起こしてキスした。
中が勝手にうねっていて、体は正直だと思う。
暫くそのままにしていると先生は動かして欲しそうにする。
指は動かさないまま、乳首を舐めたり噛んだり。
中のうごめくのを楽しんでいると焦らさないで、と言われた。
可愛いなぁ。
嬉しくなって中を責めだすと直ぐに逝き、そのまま何度か連続で逝かせた。
脱力している先生のあちこちを舐めるとそれにすら反応する。
肩や脇の下、腕。
肘や手首の内側を舐めるとうっとりしている。
胸の下や脇腹、おへそ。
くすぐったそうだ。
「ねぇ、おなかすかないの?」
「へ?もうそんな時間ですか?」
時計を見れば確かに昼飯食うべき時間。
「どうしますか?何ぞ取りますか?食いにいきますか?」
「何食べたいの?」
あなたを食べたい、といったら頭叩かれた。
「先生は何食べたいんです?」
「そうねえ、あ、そうそう、湯葉とお豆腐のお店、このあたりにないかしら?」
「銀座に有るやつですか?」
「そうそれ、一度行ってみたいのよ。美味しければ研修会の後とかいけるじゃない?」
「あー、先生方とのお付き合いって大変ですよね」
「そうなのよ。どう?」
「そうしましょう、じゃシャワー浴びて着替えてください」
先生が浴びている間に一応電話を入れると開いてるとのことで、予約。
手を洗い、着替えて髪を整える。
先生もさっと濯いで着替えられたようだ
髪を整え化粧を終えるのを待つ。
こちらを見てニコリ、と微笑まれた。
「格好いいわね」
「先生もお綺麗です」
でもちょっと、と着付けを直されてしまう。
車に乗って食事へ。
コースを依頼したので少し時間はかかるが、それなりに美味しく。
先生は上機嫌で、でも結構カロリーが有ることに驚きつつ。
ま、豆腐って結構脂質もあるしね。
お腹一杯になって、帰宅した。
部屋で先生はテレビを見ながら俺の膝に座っている。
俺の部屋だとこういうこともしてくれるから嬉しい。
あくび、眠くなったらしい。
お昼寝の時間(笑)
「ベッドにいきますか?」
と問えばこのままで、という。
布団に入ったら熟睡してしまって夜になりそうだとか。
疲れてるんだねぇ。
座布団を枕にして添い寝する。
直ぐに寝息。
いいね。
なんでこう、無防備に寝れるんだろう、とは思うけど。
先生の匂い、温かさ、寝息。
心が落ち着くときもあり、騒ぐことも有り。
暫くそのままでいると眠気が降りてきた。
うつらうつらと一緒に寝てしまう。
ふと気づけば早や夕方で、先生はしっかり寝てしまっている。
そろそろ帰さないといけないな。
でも。
帰したくない。
いや我慢だ我慢、どうせ明後日にはまた会えるんだぞ。
でも。
先生のお宅では大胆なことは出来ない。
しかしそれのために八重子先生に電話するのはきっと先生も恥ずかしいだろう。
諦めを付けて先生を揺り起こす。
が、起きてくれない。
困ったな…もう少し様子を見るか?
とりあえずベッドに連れて行って布団をかぶせておこう。
帯だけ解いて…いや長着も脱がせておくか。
襦袢姿にして抱き上げベッドに寝かせる。
布団をかけて着物を片付けた。
暇だから今のうちにシャワー浴びよう。
頭を洗って、体を洗う。
ふと鏡を見ると胸に噛まれた痕。
いつの間に噛まれてたんだ。
背中がしみるのは引っかかれたようだ。
濯いですっきりして風呂から出る。
タオルで頭をガシガシ拭きつつ先生がまだ寝ているか確かめる。
うーん、よく寝ているな。
寝返りを打ったようで、襦袢の合わせが緩んで…胸が見えている。
うん、いかん、いかんな。
したくなる。
とりあえずキスだけでも、と唇を重ねる。
しっとりとしてやわらかくて。
それから起こしにかかった。
ゆすっても起きなくて、どうしたらいいんだろう。
いっそ、抱いてしまえば起きるだろうか。
少し悩んで、先生のお家に電話をした。
「起こそうとしたんですが熟睡されてしまいました。すいません。
 明日朝か昼にと思うのですが」
「いいけどね、明日はお稽古ないから。あんたも疲れないように。明日仕事だろ?」
などと会話をして了解を取り付けた。
そろそろ晩御飯の支度をしなければならんな。何食べよう。
回鍋肉食いたいぞ。
と言うことは買い物は豚肉にキャベツ、ピーマン、長ネギくらいか。
豆板醤は、よし、まだある。
一応のため書置きを作って買物に出た。
野菜を籠に入れていると電話。先生からだ。
大根の半分のやつを買って来い?なにするんだろう。
買物を終えて戻り、何を作る気かと聞けば大根の味噌汁。
俺が好きなの思い出したらしい。
野菜を洗って支度していると大根の使わない部分を塩漬けしている。
ちょっとでも野菜を食べろと(笑)
ざっと作って、夕飯をいただいた。
「で、どうします? 今から帰りますか?」
「あら、お母さんに電話してくれたんでしょ?」
「しましたけどね、帰るのなら送ろうかと」
「帰らせたいの?」
「いいえ、可能ならこのままずっとあなたと二人で居たいですよ」
「あら…」
頬を染めて可愛らしい。
「さっきね、あなた起きないから。抱いたら起きるかなとか考えちゃいましたよ」
「やだ、もう…まだしたいの?」
「あなたがよろしければ」
「……あれ、使ってもいいわよ。だから触っても怒らないで」
「使いません」
「さわらせてくれたっていいじゃない…」
眉根に皺を寄せて拗ねられてしまった。
「そんな顔しないで。痕がついたらどうするんですか」
撫でたら胸を掴まれた。
…どうしてもしたいのか。参ったな。
「今日どうしても、ですか?俺、明日朝早いんですが…」
って言ってるのにずっと俺の乳を触って揉んでいる。
手が下りてきて敏感なところを掠めるようにつつかれた。
平常心平常心…。
かり、と爪を立てられたところで叱った。
「先生、重ねて言いますが俺、朝が早いんですよ? と言うか夜中ですよ?
 やるなら今度、来週の土曜日とかにしていただけませんかね」
「だめなの?」
「だめです。逝くの疲れるんですからね、今からじゃ絶対寝過ごします」
「わかったわ…」
「だったら手を離しておとなしく俺に抱かれてくださいよ。ね?」
こんなになってるて癖に、とか言ってそこを触って離そうとしない。
先生の携帯が鳴る。
「電話、出て」
「いや」
止んだ。うちの電話が鳴る。
先生の腕を外して電話に出た。八重子先生だ。
絹にかわって、と言うのでかわる。
途中から不機嫌そうな顔が嬉しそうな顔に変わった。
どうしたのだろう。
電話を持ったままくるっと振り向いた。
「ね、今から帰ってもいいかしら。昔のお友達が来てくれたみたいなの」
「ああ、はい。お送りしましょう」
電話に戻って今から帰るから、お友達を泊めるように言っている。
俺は服を着なおして、先生の着替えの用意を整えた。
終ったようなので着付けを手伝い、車に乗せて先生のお宅へ連れ帰った。
車から降ろして直ぐ帰ろうとすると引き止められたが、先生のお友達に会ってもね。
そんなわけで帰宅して、就寝。
翌日仕事して、昼寝して飯食ってまた寝て、火曜日。
仕事から帰宅して風呂、着替えて先生のお宅へ。
久々のお稽古だ。
初釜にこられなかった方もいらっしゃるので新春らしく茶会風味に。
これが木曜と土曜日にもあるんだな。
今日はそういうわけでいつもより早く終ってゆっくりと夕飯の支度まで暇が有る。
「この間は送ってくれて助かったわ。今朝までいたのよ」
「ああ、お友達でしたっけ」
「そうなの、あなたの話をしたわよ、吃驚してた」
「え?どこまで話したんですか…」
「どこって、その…させてくれないところまで」
「それはかなり驚くかと…と言うかなんでそんなところまで話したんですか」
「だってこんなこと他の人に相談できないもの」
「ん?八重子先生には」
「言えるわけないじゃないの」
「そういうもんですか」
「でね、相談したんだけど」
「ええ」
「今日、うちでする時に無理やり襲っちゃいなさいって言われたんだけど。どう?」
「むりや…ええと。それくらいなら今からホテル、行きましょう。
 うちまで行ってここに戻るには時間がかかりすぎますから」
さすがに八重子先生乱入してきそうで怖いよ、この家でされるのは。
さっと立って八重子先生を探して、夜までには戻ると告げて先生を引っ張り出した。
「ちょっと、ちょっとまって頂戴よ、ホテルって、ちょっと」
車に乗せて、近場のファッションホテルへ突入、先生の手を引っ張って部屋に入った。
うーん、こういうところ入るの久しぶりすぎて。
てかカラオケが有るんだな、今の。
とりあえず脱ぐか。
さっさと脱ぎ散らして先生を見ると困ったような顔をしている。
「どうしたんです? 私を抱くんでしょう? ほらあなたも脱いで」
慌てて脱ぎ始めたが脱いだところでどうしていいのか戸惑っているようだ。
「普段私があなたにしてるようにしたらいいんですよ。まずはキスしてください」
ベッドに引き寄せて俺が下になるように寝そべる。
キスをしているうちにそういう気分になってきたようで、
恐る恐ると手が胸に伸び、下腹部に触れ、下の毛をまさぐり敏感なところに触れた。
ふっと息が詰まる。
ぬるりと襞を弄られてびくっとなり、中に指が入ってきてうごめかされぞくっとしつつ。
我慢だ、我慢しろ。
音を立てて指をうごめかされ、突起を弄られて逝ってしまう。
はっはっ、と息をついてこれでいいか、と言うともうちょっとしたい、と言う。
やけっぱちでやらせる。
結局3回ほど逝かせられてくたびれた。
「つまんないわ…」
「なにがですか」
「だって声出してくれないんだもの」
「諦めてください、それは。あなたに逝かされる自体、なんというか…」
キスをされる。
「とりあえず、これでいいでしょう?風呂入って帰りましょうよ」
「そうねえ。今回はこれでいいわ、させてくれたんだし」
ほっとして起きてシャワーを浴びる。
しかし今回は、か。またする気か。やだなあ。
今度は声が出るまでとか言われそうだ。
俺が風呂から出ると先生は手を洗って着替えている。
さっと着替えて先生を連れて出た。
戻ると八重子先生が何か言いたげだが、時間も時間、ご飯をいただいた。
律君と孝弘さんが掃けたあと、先生は逃げてしまった。
八重子先生に何をどこでして来たのか聞かれてラブホでヤられました、と。
正直に答えると頭を撫でてなぐさめてくれた。
疲れました、と言うと今日は早く寝たらいいと言われたが流石にこんな時間からは。
ふと思いついてお薄のお稽古をさせて欲しいとお願いし、
空の釜でお稽古を見ていただいた。
やはり屈託が稽古に出ているようで八重子先生が心配そうだ。
それでも3回程お稽古を見ていただいてるうちに落ち着いてきて道具を片付け、
布団を敷いて先に休むと告げて寝た。
翌朝。
気づくと先生が横に寝ていて、気づかないほどくたびれていたのかと思う。
朝から抱く気になり、喘ぎ声が出ない程度に弄った。
逝かせてしばし抱きしめてると先生は昨日叱られたという。
まずは無理に俺を抱いたことと、そんな事を人に相談したこと。
もういいから、と撫でて宥めて身支度をして朝食を作りに立った。
さっと魚を焼いている間に先生がお味噌汁を。
今日は焼鮭と納豆と玉子と味噌汁。普通の朝食だ。
味噌汁がうまくて、やっぱり出汁取ってるからだろうなぁ。
ご馳走様をしたあと食器を洗ってお茶をいただいてゆっくりと。
律君は大学へ行って孝弘さんは離れで寝ている。
外は冬だがややつぼみが膨らんできていて、春が近づいているのを知る。
さて。掃除でも手伝おうか。
茶室の畳の掃き掃除をしたり、廊下の拭き掃除をしたり。
洗濯物は手伝わせてくれないからなぁ。
しかし座敷箒なんてこの家の掃除するようになって初めて使ったんだよな。
お掃除もあらかた終って片付けて手を洗い、居間に戻るとお買物行かない?と言う。
今晩はカレーだそうだ。
ジャガイモにんじん玉葱を籠に入れ、ルーを買い、肉のエリアへ。
私が牛肉のスライスを手に取ると不思議そうな顔をする。
「お昼にお肉食べたいの?」
「いやカレーに…」
「普通豚肉でしょ?」
「あ、そうか、関東は豚肉ですね」
「京都は牛肉なの?」
「関東は豚肉、関西は牛肉だったかと思います」
「そんなところも違うのねえ…どうしようかしら」
「別に豚でいいですよ。先生のカレー食べてみたいですし」
あ、なんか照れてる。
牛肉を戻して豚肉を…どれがいいんだろう。
肩ロースのスライスがいいらしい。
ついでにお昼何にしよう、と言うのでかしわの唐揚がいいというと何それって言われた。
鶏の唐揚、と言い直すと籠に入れてくれ、買物を済ませ帰宅。
さっと唐揚とご飯とお漬物でお昼を済ませ、カレーの下ごしらえにかかる。
ジャガイモやニンジンの皮をむいたり玉葱を刻んだり。
豚肉を炒めて皿に上げ、そこに玉葱を投入し炒める。
しっかり飴色になってから野菜をいれ、炒めて炊きこむ。
火が通ったらルーを溶かして火を止めて一旦冷ますことにした。
味がしみるのを待つばかり。
すっかりカレーのにおいがする。
おいしそうだ。
先生が繕い物や半襟付けをしているのをぼんやり眺めて幸せな気分なる。
ん?針に糸が通らない?はいはい。
通してあげて繕い物再開。
八重子先生はテレビを見ている。
まったりと時間が進み、はや暮れてきた。
目が疲れる、と繕い物を終えた先生にお茶を入れた。
一服して、台所へ。
付け合わせを用意するのを手伝う。
律君が帰ってきたのでカレーに火を入れて夕飯。
ご飯をいただいて少しゆっくりとくつろぎ、帰る時間だ。
明日も来るから、と別れて帰宅する。
翌朝仕事を済ませばまた先生のお宅へ。
木曜の生徒さんにも火曜と同じようにすませた。
ゆったりと先生と八重子先生とで時間を過ごし食事をいただいて帰る。
金曜は仕事を済ませたら昼寝、食事、また寝る。
最近はもっぱらこうだ。
寝れるときに寝る、それが必要だ。
そしてそんなに忙しくもない土曜の仕事を終えて先生のお宅へ向かった。
このお稽古で正月気分は終了、と言うところだ。
お弟子さんたちを見送り、晩の支度をするにはまだ間がある。
座ってゆっくりしていると先生が膝枕を求めた。
どうぞ、と膝を貸してテレビを見る。
先生はうつらうつらとしていたがいつしか寝息に変わった。
八重子先生がぱさり、と羽織物をかけてゆったりと時間が過ぎる。
律君が帰ってきてその様子に少し驚いたようだ。
今日は早く終ったらしい。
八重子先生が生菓子が残っているといってお茶を煎れた。
珍しいね、と律君が言う。
こんなところで寝ているのが?それとも膝枕がだろうか。
目を落とすとほつれた髪が口に入りそうだ。
よけてなでつける。
かわいいなぁ。
無防備に身体を預けられるのは気分のいいものだ。
しばらくして目が覚めた。
「あら、律。帰ってたの?」
「だって雪になるって言ってたから」
ふと外を見れば確かに落ちてきている。
道理で寒いはずだ。
もぞもぞと半身を起こして私の胸に身体を預ける。
まだ寝ているな、これは。
ぼうっとしているもんな。
5分ほどそんな状態ではっとした気配。
あ、中身も起きた(笑)
先生は慌てて離れて台所へ逃げて行った。
八重子先生と目を合わせて笑う。
「晩御飯の用意、手伝ってきますね」
そういって台所に追いかけると隅で顔を赤くしている。
「何します? 晩御飯。ほら、そこ寒いでしょう、こっち来ないと」
隅から引き出して軽く腕にキス。
「さっき抱きたくなりましたよ…ふふ、律君もいたのに」
「ダメよ…」
「何食べましょうかね、お鍋でもしますか? 丁度ふぐ持ってきましたし」
「あら、いいわねえ。お野菜とかあったかしら」
冷蔵庫を見ていくつか足りないものを書き出してもらい買いに出る。
野菜類と、俺のための肉少々(焼)
うへぇ、寒い。
さっさと買物を過ごして戻り、野菜を洗って切る。
鍋に出汁を張って火の通りにくいものから投入される。
火を通す間に俺の分の肉が焼かれ、皿に取った。
鍋が食卓へ。
ふぐを皆が食べる間に俺は鍋から野菜を取り、肉と食べる。
別に苦手じゃないけれど、ふぐ。
そうして雑炊。
俺はご飯を食べているのに雑炊もいただくことになってしまった。
食べ過ぎた。お腹一杯だ。
鍋の中身は綺麗さっぱり孝弘さんが始末して、先生が台所へ。
洗い物をして居間に戻りお茶を一服。
団欒。
先生の横に座る。
ぼんやりテレビを見ているとそろそろ部屋に戻れば、と八重子先生が言う。
「この後のドラマ、先生が見たいそうなので」
「後編だろ?前の見てないだろうに」
「見たわよ。続き見たかったの」
八重子先生が苦笑いしている。
不倫相手の家でドラマを夜に見るのはナシなのか。
先生の手を玩びながらドラマを見る。
へぇ、こう持ってきたか。なるほどね。
終ってふうっと息をついてトイレやお風呂。
そして、俺の寝間に先生が来る。
懐に抱いてゆっくりと胸に手を差し入れて揉む。
すべすべで、柔らかくて。
気持ちいいなぁ。
ゆったりとした気分で先生をなぶれば先生も気持ち良さそうだ。
軽いキスをして柔らかな唇を楽しむ。
布団に入って柔らかな胸に顔を埋めて舐めたり歯を当てても見たり。
先生を優しく抱いて楽しませて、そして寝た。
朝もいい気分で目が覚めて、同じ頃に先生も起きた。
寝起きのキスをして起きなければいけない時間まで肌を楽しむ。
起床して食事の支度。
ご飯をいただいていると八重子先生に展覧会にでも行けばと言われた。
それもいいな。
どこへ行こうか。
南部鉄器見に行きたい? どこだ?
汐留?うちの近くじゃないか。
一旦うちへ着て着替えてから行くのが良い?じゃあそうしましょう。
晩飯も食ってこい? なんなら泊まって?
いいのか、そうか。
着替えて先生を連れて出る。
着物は俺のでいいだろうという話になった。
うちについて少し一服し、着物を着替えていただいた。
「綺麗だなぁ、先生…」
思わず声が出る。
化粧を直す前に、とキスをしてもらった。
自分も釣り合う格好に着替えて汐留へ。
歩いて20分ほど、車で5分と聞いて歩きましょ、と仰る。
ゆっくりと昼の道を歩き到着した。
中に入ると釜や鉄瓶。
なるほど先生が見たがる理由がわかった。
色々見てるとこういう釜欲しくなっちゃうわ、なんて声が聞こえたりもする。
釜の展覧はこういうものなのか。
とすると先日京都の釜の展覧、見ないのは失敗だったか。
後半は現代もの。
こんなのありなのか。
これ、お茶で使ったら面白いな。ネタにはなるな。
なんて思いつつ展覧を楽しむ。
ピンクの鉄瓶なんて先生の家の火鉢の上においてみたい。
なんて楽しく見物した後、お昼ご飯をどこで取ろうという話になった。
魚料理の店に手を引かれて入った。
メインに肉が選べて助かったが。
先生がおいしそうに食べているのが可愛くてにこにこしてしまう。
苦手な魚を先生がすけてくれて、代わりのものをくれた。
今回だけよ、といいつつ。
「あのピンクの鉄瓶、面白いですね」
「そうねぇ。でも火にかけられないって言ってたわよ。残念だわ」
「あ、そうなんですか。それは残念。居間の火鉢に乗せたかったな」
なんて会話をしつつお昼をいただいて、ゆっくりと歩いて帰宅する。
手を洗って着替えて。
先生は寝巻姿になった。わかってるね(笑)
「昼間から寝巻、いいんですか?」
あえて聞いてみる。
「あら、だってしたいんでしょ?」
さらっと返されてしまった。
恥ずかしがるかな、と思ったんだけどな。
たまに、さらっと言ってくるところが怖い。
俺の横にすっと座りもたれかかってきた。
ん?あぁわかったぞ、さっき酒飲んでたからだな、この大胆さ。
唇にキスを落としてここでも良いのか?といえば頷く。
酔っ払いめとばかりに抱いて、いい声を聞く。
「あれ、使うよ?」
うん、というので取りに行きセットする。
このタイムラグがいやなんだが。
ゆっくりと入れてしばらく密着してキスをする。
前回より少し太くしたからそんなに急に動かしたら痛いかもしれない。
舌を絡めつつゆっくりと出し入れをすると気持ち良さそうだ。
そのまま先生の腰を掴み、持ち上げて尻の下に膝を入れる。
背中に腕を回して持ち上げ、膝の上に座らせた。
先生の尻を掴んで上下に揺さぶると辛そうに、でも気持ち良さそうな声が出る。
随分よくなってきたと思える頃、動かすのをやめた。
先生がもじもじとするのが可愛い。
「自分でいいところ、探って動いていいんですよ?」
「そんなのできないわよ…」
酔っ払ってても無理か、そこまでは。
「動かして欲しい?」
躊躇って頷く。
ぐいぐいと突くようにしたり、捩るようにしたり。
高まってきたようで俺を掴む力が強くなる。
ぐっと一瞬声が止みしがみつく腕にいっそう力が入る。
そして脱力。
なのに俺は休ませず、動かす。
「やだ、だめ、もうだめ」
といいつつ気持ちよいらしくしがみついたままだ。
2回目は早い。がくがくしている。
「もう一度」
慌てて立ち上がって逃れようとするが足に力が入らないらしく、
半分くらい抜いたところで俺の引く手に捕まり、腰が落ちて奥を突いたようだ。
それだけで逝けた様で動けなくなっている。
あまりに可愛くてそのまま落ち着くまで待ってあげることにした。
息が整ったのを見計らってキスをする。
一旦抜いてベッドに連れて行った。
自分が下になり、上に寝かせて入れる。
「これが茶臼のばしです。何なら今日は四十八手すべてしましょうか」
「四十八手って?」
そうだった、疎いんだった。
「体位ですよ、48通りの体位。先ほどのは唐草茶臼っていいます。
 つまりいろんな体位をしましょうか、と。後ろからとか、立ったままとか」
「そ、そんなのいやよ」
少し腰を突き上げると喘ぎ声。
「どうして? どれが気持ちいいのかわかりますよ。
 ふふ、後ろからが良いのかもしれませんしね」
くいくいと腰を突き上げつついじめればよく喘ぐ。
この体位は確か締まるからブツがしっかり擦れる感じがするとか聞いた覚えが有る。
「ほら、あなたも腰が動いてる。気づいてる?」
「だって…」
喘ぎつつ言い訳しようとする。
かわいいなぁ、つい唇をむさぼって。
逝かせた後、抜けばたっぷりと汚れていて先生は大変恥ずかしそうだ。
「舐めて」
といえば真っ赤になって嫌がる。
酔いはすっかりさめてしまったらしい(笑)
あんまりにも恥ずかしげで可愛くなって解放してあげた。
ペニバンを外すとそれがあった部分が赤くなっていて、
やはり何かクッション入れたほうがいいのかな?と思いつつ後始末をする。
ディルドを外し、洗って片付けた。
戻ると先生はすっかりくたびれてうとうとしている。
横に寝転べば手が伸びて抱きつかれ、そのまま寝息が聞こえ出す。
もう一戦したかったのだが…。
そのまま先生の肌に触れて感触を楽しんでいるうち、少し寝てしまったようだ。
いい匂いがして目がさめた。
隣に先生がいないところを見ると何か作ってくれているのかな。
起きて台所に顔を出すとやっぱり料理している。
「何、作ってるんです?」
「あら、起きたの。久さん、ハンバーグ好きでしょ?」
「よくそんな面倒くさいもん作りますね…」
「主婦だもの」
「それでも最近の主婦は買ってきて済ませちゃうものでしょうに」
「だって久さん、コンビニのは胃もたれするって言ってたじゃないの」
「ああ、そういえばいいました。嬉しいな、覚えててくれたんだ?ありがとう」
キスしたら叱られた。
「料理の最中はダメ、って言ったでしょ」
はーい、と受けてスープを出そうと冷蔵庫を見る。
期限期限、よし。
「先生、カボチャかコーンかグリーンピースかどれがいいです?スープ」
「ポタージュ? んーそうねえ、カボチャいただこうかしらね」
湯煎してハンバーグの用意が出来るまで待ち、配膳前に振り混ぜてカップに入れる。
しかしスープカップは一つしかないため、俺は味噌汁碗だ。
「あらあら、今度一緒に買いに行きましょ」
夫婦茶碗ならぬスープカップか(笑)
ハンバーグを一口いただいて美味しさに嬉しくなる。
やっぱり手作りいいなー。
しかし3つめを食べる頃気づいた。
「先生、茗荷。入れたでしょ…」
「あら今頃気づいたの? うふふ、食べられるじゃないの~」
きゃらきゃら笑っている。
まぁ、そのまま出さないところに愛を感じるがっ。
こぅたまーに嫌いなものを混ぜ込んでくるんだよな。
この間はツナになって出てきたな、マグロ。
なんだかんだ美味しくすべていただいて、満腹満腹。
先生がお茶を入れて飲んでる間に洗い物をして、俺にも一杯いただく。
ゆったりとしていい気分だ。
これで明日仕事じゃなければなぁ。
そう思いつつ、ハンドクリームで先生の手を揉みこむ。
「シャワー浴びたんですね」
「汗かいてたもの」
「また汗かくのに?」
「後で汗かくからって汚れたままでは出られないわよ」
「そういうところ、清潔でいいですね。あんなに乱れてたのに」
「それとこれとは別よ」
ひょいっと肘をつかんで引き寄せる。
「そういうところ、俺、好きだな」
耳元で言えば身体を預けてきた。
「本当言やぁこのままあなたと逃げたいくらいにね。好きだよ、絹」
「ばかね、そんなことしなくたって。お母さんだって認めてくれてるじゃないの」
「堂々と外を手を繋いで歩いたり、外でキスしたりしたい」
「…それ、夫でもいやよ。恥ずかしいじゃないの」
「あ。そうか、あなたはそうだよな、はは、そうだ」
「そういうの、したいなら他の人じゃないと無理よ?」
「他の人じゃやりたくないな、何も嬉しくない」
「私も、あんなこと…出来るのあなたとだけだわ…」
「誰とでも出来る、なんていわれたら泣きます」
「夫としてたわよ?」
「いやそれは当然でしょ、してなかったら律君いませんし」
「それはいいの?」
「旦那さんは仕方ないです。だけど他の人だと嫌ですよ」
今の孝弘さんとしてるといわれたら嫌だけどさ。
くすくす笑いながら俺の頬を撫でて、キスしてきた。
びくっとする。胸を揉まれた。
まぁこれくらいは。
太腿を触ったり、お腹を触ったり。
もしかして。したいのかな…これは。
と思っていればやはりそうだったらしく。
触れてきたが着物を着ている上に先生が膝に乗ってるからうまく出来ないようだ。
させてやるべきか、諦めさせるべきか。
さっき無茶をしたからトレードオフ、ってことかなぁ。
仕方ない。一旦手を離させて脱ぐ。
おいで、とベッドに誘って先ほどと同じ、先生を上に寝転ぶ。
「俺を抱きたいの?」
と聞けば頷く。
「いいよ」
そういうと嬉しそうにキスしてきた。
俺がいつもやることを思い出せる限り手を動かし、乳首を舐めて。
ぎこちないのは慣れてないからだろう。
そろりそろりと先生の指が翳りに分け入る。
一応少しは濡れているから指の一本や二本、痛くはないけれど。
中を探られるのは違和感だ。
それでも好きな人に触れている自体で身体は高まっているのでそう時間はかからない。
「あれ、私も久さんに入れてみたいわ」
「あなた俺いじめて楽しいですか?」
「ちょっと楽しいかも」
「ダメですよ、そんなことしたら。アレをこっちで味わいたいですか?」
とお尻の穴をつつく。
きゃっと声を上げて俺の中から指が引き抜かれた。
「あんなの入らないわよ…指でも辛かったのよ?」
「大丈夫、切れないように入れて差し上げます」
ニヤッと笑うとむっとして、汚れた指を口に押し込まれた。
先生の眼を見ながら綺麗に舐め取る。
手を外してそのままキス。
「俺の、舐めちゃいましたね、これで」
くすっと笑って反転、今度は俺が抱く番だ。
2,3回と逝かせて寝かしつけた。
翌朝、良く寝ている唇にキスをして出勤する。
仕事を終えて帰宅するとお昼ご飯の良い匂いが漂う。
うーん、いいなぁ、家に好きな人が俺を待っていて美味しいお昼ご飯が有る。
世の中の夫婦はいつもこうなんだろう。
ただいま、というとお帰りなさい、と返ってくる。
ご飯できてるわよ、と言われて食卓についてお昼をいただく。
「じゃ、今日は帰るから」
「もうちょっとうちにいませんか?」
「帰らさないつもりでしょ? 駄目よ」
「仕方ないな、お送りします」
「お昼間なんだから一人で帰れるわよ?」
「ちょっとでも一緒にいたい、と思ったんですが」
「あら。可愛いこと言うわねえ。じゃ送ってもらおうかしら」
「車か電車どちらがいいですか?」
「だったら電車の方がいいわね、車だと手をつなげないでしょ?」
「よくおわかりで」
くすくす笑って私の支度ができるのを待ち、一緒に家を出る。
駅まで行って電車に乗り、なんでもないような話をしつつ。
空いてる車内、先生と手を繋いでゆっくりと。
駅についておうちまで。
玄関先で別れようとすればお茶飲んでいきなさい、と仰る。
八重子先生にお茶を入れていただいた。
昨日はハンバーグを作ってもらった、茗荷が入っていたなどと話して笑われたり、
来月京都に行く用が有るが先生を誘っていいかなどと聞いたり。
少し話してから帰ることに。
誰もいない家に帰るのってさびしいなぁ。
かといってずっと、と言うわけに行かないから仕方ない。
結構に欲深だな、俺。
まぁひと晩寝ればまた明日は稽古、会える。
そう思って晩飯を買ってから家に戻った。
洗濯物を取り入れて畳む。
乾燥機有るんだから乾燥までしたらいい、と言ってあるのに必ず外で干すのは何故だ。
先生の湯文字や浴衣も畳んで引き出しに片付けてから風呂に入る。
ついでに風呂洗おうと思っていたのだがすでに先生によって洗われた後だったようだ。
出てきて一服し、飯を食って寝た。

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