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百鬼夜行抄 二次創作

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伶(蝸牛):絹の父・八重子の夫 覚:絹の兄・長男 斐:絹の姉・長女 洸:絹の兄・次男 環:絹の姉・次女 開:絹の兄・三男 律:絹の子 司:覚の子 晶:斐の子

297

朝、気分よく起きて出勤。
その気分も束の間、温かさと土曜日と言うのもあり怒涛のように荷物が動く。
ぐったりして時計を見上げれば8時過ぎだ。
早いなぁ。
あ、メール入ってる。
先生からだ。
今朝からemoji …ああ、生理かな? 月のマークか。
ちょっと残念に思いつつも残りの仕事を片付けて帰宅し、お稽古の用意をした。
さて先生のお宅へつくと先生はちょっとぴりぴりしてらっしゃる。
ま、この時期は仕方ないね。
八つ当たりされるかもしれないなぁ、気をつけて振舞おう。
意外とそんなこともなく、生徒さんにも優しげにお稽古が進む。
凄いな、お稽古だと大丈夫なんだな。
生徒さん達が帰られて水屋を片付けてたら何か不機嫌そうだ。
手を掴まれた。
「どうしました?」
手が白くなるほどに俺の腕を掴んでるけどそれほどには痛くない。
握力20くらいかな、この感じは。
「早く片付けましょう、足冷えますよ? ここ板の間ですし」
「あ、ああそうね」
「じゃなきゃ居間に戻ってコタツにもぐっててください」
「そうさせてくれる? 悪いわね…」
もしかしたら不機嫌じゃなくて生理痛だったかな?
手早く片付け台所を覗く。
「ああ、もうできるから食卓片付けとくれ」
「はい」
食卓を片付けていると先生がする、と言い出したが、そのままそのまま、と。
台所からおかずや味噌汁などを運び出して展開し、孝弘さんたちを呼んだ。
今日はご飯をよそうのも私だ。
先生は気だるげに黙々と食べている。
律君はそんなお母さんの様子はスルーだ。
いつものこと、と言うところか?
孝弘さんは、あれ? ちょっと気にはしてるのか。
おかわり、と言いにくそうにしている。
気配を察知して聞いてあげたり、先生の取り皿におかずを乗せたり。
食後、先生はこたつに横になった。
「布団敷きましょうか?」
「ちょっとこうしてたいだけだから」
眠いのかな。
背中が冷えないようハーフケットを掛けて、片付けに立った。
洗い物を終えて戻ると八重子先生が痛み止めまだ持ってるかと聞く。
「あ、ありますよ、鞄に。どこか痛むんですか?」
「絹がねぇ…」
「ああ、生理痛ですか。それじゃあ先日の薬でいいですね、取ってきます」
「悪いわね」
渡すと八重子先生がお白湯を渡して飲ませている。
横に座ると先生が俺の手を握る。
痛いときって心細いのかもしれない。
そのうち薬が効いてきたのか、あふ、とあくび、そして寝息。
握る手から力が抜けて畳の上に落ちた。
可愛いなあ、とついニヤついてしまった。
「布団、敷いてきます」
「あ、お風呂どうする? 入る?」
「最後に浸からせて貰っていいですか?」
「ん、それならお湯は落としといてくれるかい」
「ついでに風呂洗っときましょう」
「そうしてくれると助かるよ」
寝間に布団を敷いて先生の寝巻きを出す。
さて、部屋につれてきて着替えさせるべきか。
あちらで着替えさせ布団に突っ込むべきか。
とりあえず居間にもって行くか。
戻ると八重子先生は既にお風呂に行った様だ。
先生の横に座って寝顔を眺めて。幸せ。
髪をほどいて帯を緩めて行く。
帯締めをほどいて、帯枕を抜いて。
さて、帯は流石にほどけないな、起こさないと。
髪を撫でて人の気配がないのを良いことに軽くキス。
ゆったりとお茶を飲んでいると八重子先生がお風呂から上がってきた。
交代で入る。
ぬるめの湯にしっかりと温まって、湯を落とし風呂を洗う。
先生は明日はいるだろう。
ん、ピカピカになったはずだ。
体を拭いて浴衣を羽織って出れば律君と行き会った。
律君は顔を赤くして立ち去る。
ん?と思ったら羽織ってるだけだから見えてたか、いろんなものが。
先生も裸でうろうろしないから見慣れないのだろうか。
苦笑し、居間に戻る。
まだ先生は寝ていて八重子先生にここで着替えさせていいか聞いてみた。
構わないというので上体を起こして抱きとめて帯を解く。
紐をすべて抜いてまとめて脱がせ、浴衣を着せる。
「相変わらず上手にするもんだねえ」
「着せるほうは無理ですけど脱がすんなら簡単ですよ」
「さて、寝ようかね。ああ、火の始末と戸締りはもう確かめてあるから」
「ありがとうございます、おやすみなさい」
コタツを切って先生を担いで寝間へ行こうとしたらさすがに目が覚めたようだ。
「お手水行ってくるわ…」
と、よろけて柱にぶつかった。
苦笑して手を引いてトイレにお連れする。
「中で寝ないで下さいよ、着物片付けてきますから」
「ん…」
片付けて寝間に戻ればまだいない。
一応トイレに声を掛けるとやっぱり寝てた。
ちょっと笑って出てくるのを待ってつれて帰る。
先生は布団に入ってすぐに寝てしまった。
俺も寝よう、おやすみなさい。

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296

翌日、思い出してメールする。
ピーマンのことを。
使っておくか持ってくるかどっちでもいいとのことで持っていくことにした。
仕事が終わり、シャワーを浴び着替えて先生の着物とピーマンを持ってお稽古場へ。
台所にピーマンを置き居間へ行って着物をお渡しする。
「あ、今日は濃茶で花月するからわかってるわよね」
「そうでしたね。うっかり折据回しそうです」
「ん、最初の正客は私がするから」
「お願いします」
ほっとして用意をする。
生徒さん達が来られて濃茶付花月をする。
4回して、やっと時間が来て終了。
やっぱり苦手だなぁ。
片付けてるとご飯食べて帰るでしょ?と言われたが…。
やっぱりピーマン。
肉詰めね。いいけどね。
野菜の炒め物と。
美味しくいただいて今日は帰る。
「じゃまた土曜日お邪魔します」
「またね」
と軽くキスされて。
いや律君に見られたらどうするんだよ。
最近大胆だなぁ、と思いつつゆっくりと帰宅した。
翌朝の支度をして就寝。
うちの布団にも先生の匂いがして、いないのにいるような気がする。
だからいないにもかかわらず幸せな気分で眠れた。
翌朝、金曜なのにそれなりに荷物は動き。
仕事が終って外に出れば天気もよく温かい。
こんな日は散歩しようか。
昼を食べた後、掃除を済ませ散歩へ。
汗ばむ程度の散歩だが清しい。
桜が咲きはじめていて思わず写真にとって先生へ送る。
久々に思い立ってトレーニングもしてしまった。
風呂に入ってのんびり。
浴衣をまとって出てみるとメールあり。
先生からお花が綺麗に活けれたから、と写真が来ていた。
うーん、春だなぁ。
2通目は、と見ると八重子先生の仕業だな、先生が花を抱えているところの写真。
ん、綺麗だ。
八重子先生もそう思ったのかな?
そうじゃなきゃ俺が見たがるだろうから送ってくれたのかな。
嬉しくなってパソコンにも転送した。
ゆったりと気分のよいまま夕方になって、何を食べようか。
まだピーマンの佃煮はある。
味噌汁は久々に作ることにして…あ、味噌がない。
ってことは味噌屋に寄って来ないといかんな。
塩鮭あるから納豆と卵。
ん、朝食になってしまうな。まぁいいか。
買い物へいこう。
夕方とはいえまだ温かい中買物を済ませ帰宅してシャケを焼いて味噌汁を作る。
ごはんはレンチンだが…久々に食べるとまずい。
炊き立てご飯にはかなうわけもないな。
なんて思いつつ平らげて、ごちそうさま。
歯を磨いたらおやすみなさい。

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295

朝、やはり寝過ごして8時前。
はらへった。
パンを焼いて蜂蜜をたっぷり塗って食べる。
ぬるいエスプレッソ。
しばらくして先生も起きてきた。
頂戴、と言うので新たに焼いて蜂蜜かバターか、といえば蜂蜜。
コーヒーかエスプレッソ、と聞けばコーヒー。
ミルクはこの家に今日はない。
まだ眠そうだ。
「もうちょっと寝てたらどうですか?」
「あなたも一緒に寝ましょ」
「俺は別に眠くないですよ?」
「いいから」
「はいはい、甘えたいんですか?」
「悪い?」
「悪くない。良い気分ですよ」
ふふっと笑って抱きしめて、抱き上げる。
「でもえっちはだめよ? 眠いんだから」
「しょうがないなぁ」
ベッドに入り頬をなでる。
「キスくらいはいいわよ」
そう言われたから深くキスした。
「まだ眠い?」
「ばか。寝かせてっていったのに」
「一度したらまた眠くなるかもしれないね」
軽く乳首に触れるとビクッとして。可愛いなぁ。
「ちゃんとするか、直接こっちで軽くかどっちがいい?」
「…軽くでお願い」
「OK」
するりと股間にもぐりこみ、突起を舐めて逝かせた。
汁を舐め取り先生にキスすると叱られ。
怒るところも可愛くてつい懐に抱きしめてしまうと叱る声が止んだ。
「可愛いなぁ、愛してる。寝てもいいですよ」
ぐっ!乳首つねられた。
「だ・か・ら! なんでそこを抓る」
「痛がるからかしらね。じゃおやすみなさい」
はいはい。
汗が引いてきたころ布団をかける。
寝息。気持良さそうだな。
眠くはなかったのに誘われるように寝てしまう。
次に起きたら昼過ぎだった。
先生にお手水行きたいから手を離して、と起こされた。
一緒についてって抱きしめてトイレに入ろうとしたら脛を踵で蹴られた。
思わず放した隙にトイレに入られてしまった。失敗。
出てきた先生にランチの美味しいところ連れて行ってとねだられ、着替える。
和食、とのことで懐石系のお店へ。
外は雨だった。
入店し、コースを頼む。
先生が幸せそうに食べてて俺も幸せ。
食後、このまま帰るか聞いてみた。
雨の中また出てくるのがいやだというかもしれないし。
「そうねぇ…そうしようかしら。着物とか明日持ってきてくれるわよね」
「お持ちしますよ」
「だったら、うん、もう帰るわ」
「俺としちゃ、帰したくないんですけどね」
「あら」
頭を混ぜられ髪を崩される。
「可愛いわ、そういうところ。いつも可愛かったらいいのに」
「あなたを可愛がるほうが好きですから」
ぽっと頬を染めて、ん、可愛らしい。
電車の乗り場まで送って別れる。
さて、と。晩飯の惣菜は一昨日のがあるし。
飯もまだ一膳分はある。
そのまま帰ろうか。
いやプリンだ、食われたプリンを買いなおそう。
コンビニへ寄って帰宅して。
後は縫い物を少しして夕飯を食べておやすみなさい。

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294

「先生、夜、どうなさいます? 食事にどこか、ってんならこのまま行きましょうか」
「んー…あなた何か作って頂戴よ」
「いいですけどなに作りましょうかね」
「お魚の焼いたのと、煮物とおひたしでいいわよ」
「煮物、うぅん、何作ろうかな。大根はどうです?あと南瓜とか」
大根と昼のちくわの残りを炊いてしまえ。
南瓜を炊いたら彩りもいい。
おひたしはホウレン草だ。
魚は昼に食おうと思って持って帰ってたメバルがある。
酢橘か何か買って帰ろう。
算段をして帰り道に買物をし、帰宅。
着替えて手を洗ったら調理開始。
先生は居間でテレビを見てる。
しばらくしてご飯も炊けて魚が焼けた。
先生が台所に来て盛り付けて配膳してくれる。
冷蔵庫から佃煮を出した。
食卓について、いただきます。
「味付けがうちとはやっぱり違うのねぇ。けどおいしいわ」
「あぁおいしいならよかった」
ぺろりと食べ切ったが佃煮は流石に残った。
冷蔵庫に戻してお茶を入れる。
先生にもお茶を渡して横に座ると頭をなでられた。
なんだ?
そのまま俺の頭を先生の膝へ持っていかれて、ああ、膝枕ね。
先生の手が頬をなでる。
唇を細い指がなぞる。
その指を少し舐めると手が止まった。
先生の膝頭をなでる。
びくっとしているが…着物じゃ何も出来ないんだよね。
寝巻きの浴衣なら割と簡単に突っ込めるんだが。
「ねぇ先生。お腹落ち着いたら抱かせてください」
「あ…」
何も言わずに俺の腕をなでている。
一時間ほどして足が痺れた、と膝から下ろされた。
その足をつついてみたりとじゃれて、立てるようになったころ。
「脱いで」
「あ、うん…」
肌襦袢一枚になって着物を片付けてる先生にむらむらとして襲い掛かりたくなった。
片付け終わってこっちへ向いた先生が後ずさりするほどに。
抱き上げてベッドへ。
今晩は割と普通に抱いて、でも少し羞恥を煽って。
先生も軽く煽るとますます濡れて、どこか被虐のケがあるようだ。
リバってやつか? 俺を弄って楽しむところもあるからな。
「自分でして見せて」
そういうと出来ない、したことがない、という。
「俺を泣かせたいなら稽古が足りないな。
 自分で稽古してどうすれば気持ち良いかしてみればいい」
そういって先生の手を掴んで先生の股間に持っていくものの、やっぱりできないようだ。
泣きそうになってて可愛くてたくさんキスをしてしまった。
そのままもう一戦して眠い、と言うので寝かした。

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293

まぁいつもの暇な火曜日、と言ったところである。
仕事が終りそうなころ、先生からメール。
そろそろ終るから帰ると返事をする。
しかしピーマンを食べさせたがるのはなぜだろう。
別に苦手ではないんだが。偏食のイメージ=ピーマンなのか?
ゴーヤは遠慮するが。
帰宅すると先生が炒め煮をしていて、3色+ちくわだった。
待ちきれない、と言うとこれ食べる?とくれたのはピーマンのチーズ焼き。
「あ、冷蔵庫に佃煮もあるから明日食べるなら食べて」
「どんだけピーマンかったんですか」
「だって安くていいものだったからつい、買っちゃったの」
えへ、と笑ってるのはかわいいんだけどさ。
「明日半分持って帰るから、ね」
メインは生姜焼きだった。
飯がうまい。
お味噌汁は麩と人参少々。
佃煮に入りきらなかったようだ。
手は掛けてない、と言うがちゃんと美味しくて、その辺が長年の主婦と言うことか。
おいしくいただいてごちそうさまをする。
お茶を飲んでふうっと一息ついた。
「そろそろ着替えてお化粧直すわ。洗い物してくれる?」
「はい」
フライパンや鍋を洗い、味噌汁の残りは冷蔵庫へ。
夜うちで食べるのなら温めなおそう。
あ、佃煮。こんもりと鉢に入ってるな。
台所も食卓も片付いて、じゃ俺もそろそろ用意をしようか。
着替え終わったころ先生も化粧が終わり、トイレに行ったようだ。
一応袱紗なども用意しておく。
「さ、そろそろ行きましょうか」
「はい、そうしましょう。忘れ物ありませんか? 袱紗とか懐紙とか」
「あ、一応確認しなきゃね、うちなら予備有るけれど」
確認して二人連れ立つ。
まずは新宿アルタ前へ移動した。
暫くすると和服の奥さん二人が見える。あれがそうだろうか。
先生も気づかれて会釈を交わす。
それから近くまで寄ってご挨拶を。
弟子の山沢です、と挨拶し、男の方って珍しいわねーなどと話題にされる。
女の先生と男の弟子、と言うのが珍しいのである。
いや年寄りの女師匠に男弟子、というのは良くあるんだが。
その方々にご案内いただき連れて行ってもらった。
結構なお宅で、茶室もしっかりとしたものだ。
いらっしゃい、と迎えてくださったのは老齢の先生で、七事式がお好きな方だとか。
後お二方見えるから、と和室に通され、昆布茶をいただいた。
うーん、うまい、体が温まる。
ほどなくしてお二方が見えられた。少し先生より上くらいかな。
その方々も用意されて少しお茶を飲んで落ち着かれて茶室へ入る。
さぁ、見学だ。
大変にややこしい花月の一種をスムースにこなされるのを見るとやはり凄いと思う。
見とれているとあちらの先生からお茶を一服いただいた。
あ、濃茶。お一人でどうぞ、と仰っていただき一口。
お服加減は、と聞かれる。
大変に甘くて美味しい、と答えすべて飲み、どこのお茶か聞いた。
あぁ、お家元好みか。
器は黒楽。口当たりが良くて素敵だ。
お返ししてお礼を言えば、濃茶を美味しいといわれるのが嬉しいと仰る。
自分はまずい濃茶を練ってしまう確率は高いから…美味しいといわれるのは嬉しい。
だけどこの先生方だとそういうことじゃないのでは?
と思えば、最近の方は濃茶の美味しさを知らない、と仰った。
一番最初が安い薄茶だと、あれが濃くなったもの=苦そう、または本当に苦かった。
そうなっちゃうから仕方ない。それに…練るの下手なもの同士で飲むわけで。
先生方が練られたお茶を最初にいただければ、お茶の甘みがわかるのかもしれない。
お稽古は進み、〆に数茶、との事で先ほどの先生と私も席へ。
これは絵合わせの趣向で同じ絵柄を引いた人が飲める。
煙草もOK。
って煙草盆回ってきた。
スルーしようかと思ったら吸いなさい、と仰って一服いただく。
ちょっと辛いのは乾燥してるんだな。
ゆったりとしたお茶のお稽古が終わり、一旦和室へ。
そこで生姜湯が出されて、いただく。
「外は寒いから」
とのことだ。
亭主の気遣いとはこういうものか。
ではそろそろと皆さんで辞去し、各々別れた。

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