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百鬼夜行抄 二次創作

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伶(蝸牛):絹の父・八重子の夫 覚:絹の兄・長男 斐:絹の姉・長女 洸:絹の兄・次男 環:絹の姉・次女 開:絹の兄・三男 律:絹の子 司:覚の子 晶:斐の子

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翌朝、特にメールはなく普段のとおりの仕事。
いい魚が入ってはいるものの、今日は稽古日でもなく。
苛立ちをぶつけるためジムに行くものの、混んでいて順番待ちに遭った。
いつものように追い込もうにも休憩が長くならざるを得ず不快。
帰ることにした。
きっと風呂も混んでるだろう。家で入ろう。
帰宅すると草履が玄関に…え?
「あぁお帰り、遅かったね」
「なん…だ、八重子先生。驚きました」
「お昼食べるだろ?」
「あ、はい。ですがお稽古は?」
「言ってなかったっけ? 今日はお休みだよ」
「そうでしたか」
「絹はお稽古だけどね。今日は研究会」
なるほどなるほど、来ないわけだ。でもなんで八重子先生が来るのかな。
味噌汁が冷めないうちに、と汚れたまま食べさせられてそれから風呂。
ふと気づけば洗濯されていて、掃除もされてた。
さすが親子、やることが一緒だ。
でもさ、先生はいいんだけど八重子先生にされるのはちょっと微妙。
風呂から上がると八重子先生が帰り支度している。
「じゃ私は帰るから。明日ちゃんとお稽古いらっしゃい」
「気をつけてくださいね」
「大丈夫だよ、じゃあ」
ちょっと心配なので一応先生にメールを入れた。
稽古中では見もできないだろうが。
どっかりとベッドに転がる。
シーツまでも洗濯されていた。
うーん…。
まぁいいか。
そのまま寝て、夕方起きる。
冷蔵庫を覗くが何もない。何か買いに行かねばなぁ。
と思ってたら玄関から物音。
「ただいまぁ。あぁ疲れたわぁ」
「先生?」
和室へ入ってポイポイと脱ぎ始めた。
「お腹すいちゃった。何か作って頂戴よ」
突然来て何かと思えば。
「何食いたいんです?」
「さっぱりしたの」
「はいはい」
買物に出て物思う。
もしかして八重子先生の掃除と引き換えなのかこの便利使い。
まぁ聞くわけにも行くまい。
取敢えず何を作ろうか。
野菜の南蛮かな。なますと。
あとはマグロの山かけ。
会社へ寄って100gばかり切った。
ついでに冷凍庫から俺用の味噌漬けを出して買物して帰宅。
「まだなのー?」
「はいはい、ちょっと待ってて」
先生は寝巻きに着替えて俺のベッドに転がってた。
おーい。
せかされつつも作って配膳して呼ぶと…完全に寝てる。
少しいらっとした。
飯作らせといて寝るなよな。
冷蔵庫にしまいこみ、飲み屋へ行った。
唐揚、豚キムチ、餃子、揚げ出し豆腐をアテに飲む。
暫くして先生からメールが入る。
冷蔵庫に入れてあるの食えと返した。
飯を食って飲んで帰宅すると先生が不機嫌だ。
「作ったのに寝てるからだろ。そんな顔するならまだ遅くないから帰れ」
「ひどいわ…」
「俺は寝る」
寝間に入ってドアを閉めた。
あーあ、明日稽古行きたくねーな。
サボるか。
酔いもあってそのまま寝てしまった。
翌朝、出勤の支度をする。
帰ったようだ。
と思っていたら草履がまだある。
和室に布団敷いて寝たのか。
まぁ稽古日だし仕事から帰ったらもういないだろう。
サボろうかなぁ…、稽古。
テンション低いまま暇な火曜日、仕事は暇。
昨日のマグロを事務に計上してもらい支払った。
暑さにげんなりして帰宅。
あ、まだ草履、ある。
「ただいま」
「おかえりなさい、お昼もうすぐできるから」
風呂に入る。
涼しくなるまで浴びて上がるとテーブルに先生が色々並べてる。
「昨日はごめんなさい、折角作ってくれたのに」
「もう帰らないといけないんじゃない?」
「ごめんなさい、迷惑だったわよね…」
「いや、稽古。良いのか?」
「えっ、今日お休みよ?」
「八重子先生、昨日稽古に来いって言ってたけど…」
「ちょっと待って」
慌てて携帯で家にかけてる。
「え、あ、そうなの? あ、はい。はい、わかったわ」
電話を切って俺に向き直った。
「お稽古は今日はないわ。ついあなたにそう言っちゃったって」
「なんだ…」
サボろうとか思ってたのにな。
「ご飯食べてくれる?」
「あぁ。いただきましょう」
少しぬるくはなってしまったが久々の先生の作る飯だ。
やっぱりうまいな。
少し機嫌が良くなったのを見計らって先生がもう一度謝った。
「いや、俺も悪かった」
双方謝り、この話は終わったことに。
昼寝したいか聞くと朝良く寝たから別に、と言う。
「あの…し、したいなら、いいわよ…」
顔を赤らめてそんなことを言う。
「食事時にする話じゃないっていつもは怒るでしょう」
「あ、そ、そうね」
まったく。
食事を終えて洗い物をしようとすると私がする、と言い出した。
「いいから。座ってて」
ちょっと気まずそう。
洗い終えてコーヒーを入れて持って出た。
「ん」
「ありがとう」
ほい、と一口羊羹を渡す。
「貰いもん。俺食わないから」
客から箱で貰ったとらやの一口羊羹。
先生がいるなら消費するのは今しかあるまい。
「おいし…」
笑顔になって随分空気がほぐれた。
コーヒーを飲み終える。
「おいで」
「あ…はい」
そそくさと割烹着を外し、帯を解いた。
紐を外そうとする手を取り抱え上げベッドに連れて行く。
「あ、あの、脱いでからじゃいけないかしら」
そのまま組み敷いて何事か言おうとする唇をむさぼる。
着物の上から胸を揉んだ。
少し抵抗されてまた少しいらだつ。
ベッドに座り背を向け、脱ぐように言うと先生は慌てて脱いでる。
脱げたようなので押し倒し、抱いた。
それでも気を抑えて抱いているのにいつまでも身を硬くして怯えてるのがわかる。
何かもう面倒くさくなって寝かしつけて一緒に寝た。
夕方、起きて夕飯の買出し。
二人分だから、と考えつつ買物して帰ると先生が不安そうな顔で俺を待ってた。
「飯、作りましょう」
「うん…」
こりゃ、駄目かな。一度家に帰したほうが良いかもしれない。
そう判断して食事の後、車に乗せて自宅へ送り届けた。
「じゃ、またあさって」
別れて自宅へ戻ると見せかけ、いつもの部屋へ。
流石に疲れた。
ピンクのシーツ、相変わらず微妙だな。
そう思いつつ酒を出しつまみを食う。
ぐいぐい飲んでいると八重子先生から電話だ。
何があったというけれど別に特になく。
どこにいるかと聞かれてここにいると答え電話が終った。
そのまま暫く飲み、寝る。
寝ている間に何か気配がして目を覚ますと先生がもぐりこんできていた。
起きたことに気づけばまた気を使って怯えるか?
ならば知らぬ振りとしよう。
寝返りを打った振りして抱きつくと一瞬びくっとして…緩んだ。
よしよし、寝ろ。
暫くすると落ち着いた寝息になってほっとした。
やっぱりさ、ゆったりとしててほしいわけよ。
イラつくけどさ、怯えられると余計に腹が立つんだよな。
すこしむらっときて抱きたくなった。
起こさない程度に乳をまさぐる。
寝てるときは抵抗もない。
昼もこうだったら…。
もぞもぞと先生の尻が動く。
そろそろ股間に手を伸ばしてもいいだろう。
濡れている。
身体的反応ってやつだろう。
「ん、ぁっ、ちょっ、と…寝てたんじゃ、なかったの?」
「寝てた寝てた。そのままそのまま」
適当にいなして抱く。
「あっうぅ、き、つい、そんなに入れないでっ」
「力、抜いて。締めようとしないで」
いつもより一本増やしただけだから大丈夫だろう。
中をゆっくりほぐす。
入り口が狭い。
いけるかと思ったがこれは無理かな。
指の付け根まで入れるのは諦めた。
息をついたら謝られてしまったのでむっとして指を舐めさせた。
すがるような目つきで指を舐めている。
愛しくなって、それとともに気がついた。
「…そろそろ生理?」
「えっ…あ。今日何日だったかしら…」
「まだ26日」
「あ、じゃ明日からかも」
「なるほどね。俺も多分そろそろだ。あなたの情緒不安定と、俺の苛立ち、多分これ」
「あら…」
「どうして欲しい? このまま寝たい? 抱かれたい?」
「あの…酷くしないなら…抱いて…」
「うん。わかった」
ゆったりと丁寧に抱いてるうちに先生の体もほぐれてきた。
あ、指、入るね。付け根まで。
ここから先は無理だろう、まだ。
「きつくない?」
「ん、大丈夫、気持ち良いわ」
急に揚げるのではなくゆっくりと逝かせた。
眠そうな気配に変わって行く。
体を入れ替えて先生を上に乗せ、肌掛けをかぶせて背を撫でると寝息に変わった。
俺もそのまま寝て翌朝目が冷めると涼しさに先生は俺にしがみついている。
意外と今朝はひんやりしていて肌掛けでは少し寒かったようだ。
何時だろう。
10時半…えらく寝てしまった。
先生を起こすか。
直接股間に手をやり、弄るとすぐ起きた。
「もうっ」
「ふふ、そろそろ起きませんか」
「何時なの?」
「10時半、いや11時前だな」
「あら。寝過ごしちゃったわねぇ」
もう暫く先生の体を楽しんで、昼飯を食いに出た。
けだるげで色っぽい。
店員さんがいるときはしゃきっとしてるけど。
しっかり甘いものを食べた先生は気力を取り戻したようだ。
俺とごろごろして居たいらしい。
涼しくてなんとなくまったりと懐に抱いて夕方。
「ねぇ、今日うちで夕飯食べてくれるの?」
「そうだね、いただこうかな」
「じゃお母さんに言って買物一緒に行きましょ?」
「はいはい、なら着替えておいで。俺が連絡するから」
寝巻きから着替えさせてる間に八重子先生に電話し、化粧を直す間に俺も着替えた。
「さてと。行きましょうか」
「ええ」
玄関を出て歩きつつ会話する。
「何にしましょう」
「青唐辛子の炒め煮が食べたいわ。あなたが良く作ってるの」
「ああ、あれですね。メインにはなりませんよ?」
「んーしいたけの肉詰め?」
「いいですね」
「アスパラが食べたいわ」
「ベーコン巻にしましょうか」
などと献立を決めて買物。
帰宅して二人で台所に立った。
律君も帰ってきて食卓におかずを並べ、食事を取る。
ご飯を終え洗い物をしてから別れ、帰宅した。
明日もお稽古はある。
また逢えるからと。
そして、寝た。
あまりの暇さに溜息が出るような、今日の仕事。
早々に終らせてお稽古へ行ったが生徒さん方も夏ばて欠席。
急に涼しくなったから風邪を引いたり。
先生も昨日の晩からアレでお稽古も早めに終えて別れた。
翌日は金曜と言うのに暇で思いやられる。
まぁ先生も稽古に来られる生徒さんにお休みが多く休養に当ててるそうだ。
遊びに誘ったら却下されてしまった。
やっぱりなぁ。
明日はどうなんだろう。
まだ終ってないからだめ、か?
仕方ないけど。
暇すぎて疲れてなくて眠れない。
涼しいから散歩に出る気になった。
ぶらりと。
寄席、いくか。
行ってみると丁度、太神楽が始まるところだった。
久々に楽しんでゆったりとした気分で帰宅の途中、夕飯を取った
あとは寝るばかり。
先生も夕飯を食べたら寝るとメールしてきている。
こんな調子では明日は望むべくもない。
諦めて寝ることにした。
翌朝も涼しく、もう秋なのかなぁという気候。
涼しいものだからハモが売れない。
何本かを持ち帰ることにした。
マツタケも売れ残ったので回収。
途中、ごぼうを手に入れて稽古場へ。
八重子先生に手を触れないようお願いする。
「今日は何するの?」
「柳川と土瓶蒸です、そのつもりで他のおかずお願いします」
ちゃんと柳川鍋、人数分持ってきたんだよね。
「どじょうはちょっと」
「ハモでやりますからおいしいですよ」
「そう?」
「ええ。じゃ、水屋の支度してきますね」
土曜と言うのにやはり生徒さんが少ない。
今日は俺のお稽古を少し長めにしていただいた。
「山沢さーん、そろそろ作って頂戴」
片付けてると八重子先生が呼びにきて交代。
今日は下処理を済ませてきてあるので前掛けとたすき。
いつも作るように柳川に仕立てて順次熱々を食べていただく。
今日ばかりはそろって食べる、をすると冷める。
最後に先生と俺で食べた。
土瓶蒸もおいしくて、八重子先生の作るおかずもおいしい。満腹で幸せ。
先生も満足そうな顔をしている。
さてそのかわり洗うものは沢山だ。
頑張って洗い物をしていると先生がコーヒーをいれに来た。
「あら。いつもの、もうないわ」
「ありゃ、そろそろ買わないとですね。
 取敢えずその緑の、そうそれ。それなら割といけますよ。フルでも」
「じゃいれてみましょ」
お盆に三つ、カップを載せて帰っていく。
暫くして洗い終えた頃先生がカップを持って戻ってきた。
「これもお願い」
そういって洗いあがったお皿を拭いて仕舞い始めた。
ちゃんと手伝ってくれる。いらだったりはすまい。
一緒に拭いて仕舞って、居間へ戻る。
ゆったりと過ごす土曜の夜。
秋だなぁ、虫の音が。
蚊遣りを焚いて思い思いに…。
先生は半襟をつけている。
そういうのを眺めるのも好きだ。
ふとこっちに気づいたようだ。
「あんたのも持ってきなさいよ、つけてあげるわよ」
「いや、いいですよ」
「いいから持ってきなさい」
「すみません」
つけてもらう代わりといっちゃなんだけど、と肩を揉んであげた。
気持ち良さそうにしている。
律君が風呂に入って、八重子先生が入って。
先生と一緒に俺も入った。
アレは終りかけているようだ。
触っていたら怒られた。
舐めようとしたらピシャッと頬をぶたれた。
打ってからしまった、と言う顔をする。
無言で手を濯いで先生の体を洗った。
湯に浸かって膝に先生を乗せ、ゆっくり揉み解すと縮まりこんでいた体がほどける。
怖いなら気をつければ良いのに。
そろそろ、と出して俺も出た。
体を拭いてやって手早く寝巻を羽織らせ、始末をさせた。
それからゆっくりと俺も体を拭いて寝巻を着る。
その足で戸締りをし火の元の確認をして居間へ行き、八重子先生に先に寝ることを告げた。
先生が追随して俺と布団に入る。
俺は背を向けて寝た。
背中に先生の胸が当たり、手が俺のお腹に回される。
「ねぇ、怒らないで…」
「怒ってない」
「でも…」
身を起こした。
「悪いけど…濃茶、飲みたい」
「あ、わかったわ」
「いや、寝てて。自分で点てるから」
「点てさせて頂戴よ。ねぇ」
「ん。ありがとう」
先生と台所へ行ってお湯を沸かし、点てて頂いた。
「うまいな…」
落ち着く。
「飲む?」
半分を残して聞く。
「うん」
先生もおいしそうに飲まれ、置かれた。
「ごめんね、叩いて」
「いや…あなたが嫌がることしたのは俺だから」
ちょっとキスしたくなって軽くすると抵抗もなく俺の懐に入ってくれた。
茶碗を洗って片付け、寝間に戻る。
布団の上に座ると先生が俺の体のあちこちに触れた。
「なに?」
「冷えちゃったわね」
「あぁ。大丈夫、こうしてたら」
先生を懐に抱いてくっつく。
「ほら、暖かくなってきた」
先生が上気して、俺も少し興奮するから体温が上がる。
「さ、寝ましょう」
先生を寝かせて肌掛けをきっちり掛けて、俺ももぐりこんだ。
柔らかな体を撫でて寝かしつける。
心地良さそうな寝息に心が癒されて俺も良く寝れた。
朝になって先生と二人台所に立つ。
玉子焼きにたこさん・かにさんウインナー。
なんとなく作りたくなったらしい。
今日のおかずはお弁当に入ってそうなもので揃えられた。
律君も何で?と言う顔をしている。
いつも和食ばかり作ってるからたまには作りたいのか?
ま、おいしかったけどね。
食後トイレに行くとどうやら始まったようだ。
始末をしてから戻り、先生に甘える。
「どうしたの?」
「なんとなく」
適当にいなされつつまったりと休みを満喫。
律君は食後すぐ遊びに行ったらしい。
若いなぁ。
途中八重子先生によるあんかけうどんをお昼に頂いてのんびりと。
ついつい先生のどこかを触ってしまう。
夕飯の買物に出てる間もつい手を触ってしまって困った顔をされた。
流石にご飯を作っている間は触れなかったが。
食後辞去しようとしたら八重子先生に先生を連れて帰るよう言われた。
「いやお稽古は」
「明日もお休みの方多いから大丈夫だよ」
「しかし…」
「いいからいいから。じゃまた明後日連れてきてやっとくれ」
先生は慌てて外着に着替えた。
今日ずっと浴衣だったしね。
「車ですし着替えなくとも…」
「駄目よ、途中でどこか入りたくなるかもしれないじゃない」
コンビニとかスーパーとか?
明日の朝飯調達かなぁ。
取敢えず後部座席に乗せて発進した。
やはり途中のスーパーに入りたいと言われて駐車場へ入れた。
先生と大型スーパーは初めてのような。
商品を見て微妙な顔してる。
商店街で買ってる奥さんにゃ大型スーパーのものは悪く見えるんだろう。
値段も値段だけどね。
それでも吟味してあれこれ買って帰宅した。
「さてと、風呂入って」
「じゃお先にいただくわね」
冷蔵庫に片付けて、先生の寝巻きを出した。
タオルとバスタオル、生理用品を脱衣所にセットしてアイスコーヒーを作る。
すぐに先生が上がってきた。
「はい、これ」
「ありがと」
交代に風呂に入る。
俺が入ってる間に先生も俺のを用意してくれたようだ。
「すっきりしたわ~」
「さてと」
「ん? え、す、するの?」
「いや寝ましょう」
「良いの?」
「だってあなたまだ終ってないでしょう。それに俺明日仕事ですしね」
ほっとした顔してる。
そういうわけでベッドに連れ込んで寝た。
おやすみなさい。
朝、目が覚めてもっと寝ていたくて。
それでも仕事に渋々起きた。
先生のぬくもりが恋しいまま支度して出勤する。
やる気なく暇な仕事を終え、帰宅。
「お帰りなさい、早かったわねぇ」
「うん、ただいま。暇だった」
「ご飯まだ作ってないのよ」
「どこか行きますか?」
「買物してあるから。今から作るわ、待っててくれる?」
「はい」
風呂に入って温まる。
少し長めに入った。
上がると脱衣所にちゃんと用意してくれてあって嬉しくなる。
着替えてご飯を食べてゆったりしてると痛くなってきた。
ベッドに追い立てられて寝ているが寒い。
先生をベッドに引き込むことにした。
帯だけ解いて俺を抱きかかえて寝てくれる。
多分、子供みたい。そう思っているはず。
小一時間くらいして先生が音を上げた。
「暑~い…」
「あ、風呂入ってきていいですよ」
「大丈夫?」
「うん、そろそろ大丈夫」
「おとなしくしてなさいよ?」
俺の頭をなでて先生が部屋を出て行く。
浴衣が皺になって背中に汗染み。
よっぽど我慢してくれてたようだ。
暫くして上がってきた気配がして冷房の風が感じられる。
流石に暑いらしい。
俺も落ち着いたからもう一度入ろう。
起き上がって先生にそう言うと、その間に少し布団を干すといわれた。
布団乾燥機で良いと言って出せば変な顔をする。
「マットついてないじゃないの」
「あー…これは無しでできるやつですよ。こうやって…」
セットしてスイッチ入れといた。
シャワーに入って出てくると先生がその様子を観察している。
「何やってんですか」
「本当に乾燥できるのか気になって」
冬場、頭のほうから差し込むと足元が暖かくないことならある。
「一時間くらいかかるから。そんなとこにいないでこっち来ませんか」
「あら、やっぱり時間かかるのは一緒なのね」
「だけど手軽で無精者にはぴったりでしょう?」
「やぁね」
あはは、と笑って先生はおやつを用意してくれた。
先生は羊羹、俺には求肥。
甘くてうまい。
お茶を頂いてゆったりとする。
あくび、つられた様に先生もあくびをした。
手招いて床にごろ寝をする。
笑って横に添ってくれた。
うつらうつらして途中で目が冷め、乾燥機を送風にしてトイレへ行く。
また先生を抱っこして寝ていると先生のお腹の音が聞こえる。
…何時だ今。
時計を見れば5時過ぎ、そろそろ飯の支度をすべき時間だ。
そっと寝かせたまま台所に行き冷蔵庫を確認する。
朝の買物で夜の分は買ってあるのかな。
うーん、微妙?
何を作るつもりだったのかがわからない。
一応炊飯器を見るとご飯はある。
取敢えず肉が食いたい。肉。
起こすのもなんだからさっと着替えて肉屋に走った。
ヒレ肉3枚を買い、サラダになりそうな野菜をついでに八百屋で買う。
急ぎ戻ってそっと玄関を開けるとまだ寝ている。
よしよし。
できるだけ静かに支度をして肉を焼いていると匂いで起きたようだ。
「んー…いつのまに起きたのー?」
「さっきの間ですよ。と言うことでステーキとサラダです」
3枚焼いてサラダもたっぷり。
あとはスープ。
定番定番。
机を拭いて配膳し、先生を座らせた。
「おいしそうね、いただきます」
「いただきます」
サラダから食べるから先生は太りにくいんだろう。
んー、うまい。
俺は勿論、肉から。
途中先生がお箸を置いた。
どうしたんだろうと思うと冷蔵庫から何かを出して温めている。
「はい、これ。食べなさい。サラダじゃ体冷えるわよ」
南瓜と大根の炊いたん。
いつのまに作ってたのだろう。
「お昼に間に合わなかったから出さなかったの」
「でも肉と合わな」
「黙って食べなさい」
「…はい」
好き嫌いは許しません、のお母さんモードだ。
サラダも煮物も食べて肉も食べる。すっかり満腹。
煮物がないつもりだったからちょっと多かった。
洗い物を先生がしてくれてしばしくつろぐ。
水仕事を終えて懐に来た。
「ねぇ…していいわよ」
「終った?」
「多分…」
キスして、といわれて軽く。
それからしっかりと。
ゆっくりと脱がせて抱く。
今日はそんなに疲れさせてはいけない。
明日、お稽古だからね。
「一週間くらいうちに居て欲しいなぁ。たっぷりかわいがってあげるのに」
「そんなの、無理よ…死んじゃいそう」
「大丈夫。あなたの限界、もうわかってるから」
ほんの少し超えさせるけどね。
「さてと。そろそろ寝ましょうか」
トイレに行ったり寝床の支度をしたり。
布団乾燥機を仕舞って寝巻きを着た。
ベッドに二人、潜り込む。
「乾燥、ちゃんとしてるのねぇ」
「いいでしょう? 簡単で」
肌掛けにケットを足して寝る。
そろそろ朝方は肌掛けだけでは冷えるだろう。
ワッフルケットが好きだけど、先生は顔に跡がつく、と言う。
年々跡が残り易くなっているとは言うが…。
どうせつけるなら縄の痕を付けてあげる、と言うと困った顔をしている。
「お母さんに見えないようにするの、大変なのよ?」
「見えても良いじゃないか」
「いやよ恥ずかしい」
「可愛いな」
沢山キスをして愛してると言うと嬉しそうだ。
「好きだよ。このまま閉じ込めておきたいほどにね」
頬を赤らめているのがまた可愛らしくて、良い。
でも実際閉じ込めて置いたら先生、壊れる。壊しちゃうからやめておこう。
壊すより清楚なままがいい。
そのまま寝かしつけて一緒に寝た。
先生の寝息が熟睡の気配に変わる頃、そっと股を広げさせ鋏で白髪の陰毛を切る。
根元から一本一本より分けて。
いま瓶を出して仕舞うとばれた時が怖いので紙に包んで引き出しに隠した。
それから暫く先生の股間を舐めていじって楽しんでから寝直す。
朝方起床し、穏やかに寝ているのを見つつ支度を整え出勤。
暇な暇な仕事でやる気が出ないが帰れば先生が待っていてくれる。
そう思えばやる気も少しくらいは沸く。
何とか定時。
帰宅してすぐ先生を乗せてひた走る。
「お腹すきましたね」
「そうね、お母さん何作ってくれてるかしら」
バックミラーに映る先生と会話しつつ、先生のお宅へついた。
「先食べる? お風呂?」
「臭いでしょう?」
「…そうね、先にお風呂入ってらっしゃい」
ふっと笑って風呂を借りた。
手早く濯いで浴衣を引っ掛けて居間に戻れば先生方が食べている。
「おいしそうですね」
「はい、ごはんどうぞ」
先生がよそってくれて、いただきます、と食べた。
うまいなー。
飯を食い終えるがまだ先生は食べている。
さっさと水屋の支度をしてから用を足して着替え、生徒さんを待つ。
いつものように生徒さんが来て先生が入って、スタート。
今日は夏も終わり、と言うことで風炉の平点前を。
基礎大事だからねー。
拝見時の会話などの指導をされた。
皆さんを見送ってから夕飯を頂いて先生方がお風呂に入り、そして就寝。
先生を抱こうとすると鼻をつままれた。
「ん?」
「またここ、切ったでしょ」
自分の股間を指差してそう言う。
「あはは、わかりましたか」
「白髪、有ると嫌なの?」
「嫌じゃないですよ」
さわさわ、と先生の脇をくすぐる。
「きゃっ」
「ここにもあって問題ないですし」
「もうっじゃなんで切るのよ」
「んー、自分にあるとげんなりしません?」
「するけど」
「なので」
なんとなく程度に納得された。
と、言うことで…抱く。
声が出ない程度に気をつけつつ少し責めて。
先生の荒い息が寝息に変わる頃、一度トイレへ行ってから俺も寝た。
一人台所をするいつもの朝。
先生はいまだお休みだ。
いつものように朝食を食べ、今日は草むしりをしっかり目に。
ちょっとサボったものだから酷い有様だ。
汗だくになってお昼、おにぎりを縁側でいただいた。
お漬物と汐吹き昆布がうまい。
麦茶で潤って再開、気づけば先生は買物に出てしまったようだ。
晩飯何かなー楽しみだなー。
先生の作る飯はうまいから期待しつつ、草をむしった。
頑張っていると八重子先生から声がかかった。
そろそろ片付けてシャワーを浴びたら、と。
甘えて片して縁側から上がる。
「洗濯するから頂戴」
八重子先生に脱がされて風呂へ。
気持ち良いー。
汗が冷えるまでに風呂に入るのがやっぱり良い。
さっぱりして着替えて食卓へ。
あっさりと肉のタタキや酢の物などでお夕飯をいただいた。
冬瓜もせめて一切れと言われて食べた。
おいしいんだけどね…。
後片付けをして昨日の服を持って帰宅した。
家に着いて昨日出た時は気づかなかったけど…。
合掛布団に換えられていたようだ。
疲れさせないように、と思ったが全然余裕だったか。
苦笑して布団にもぐりこんだ。
糊のきいたシーツ。俺が帰ってくるまでに干して取り込んだらしい。
うーん。
昨日もうイッパツしとくべきだったな、うん。
取敢えずは寝ることにして布団にもぐりこんだ。
あけて木曜日、暇だなぁ。
仕事をなんとなくこなしてお客さんと喋る。
どこも暇そうだ。
一週間くらい休んでみたいなぁ。
そういうわけにもいかないから仕事をこなして帰宅した。
シャワーを浴びて先生のお宅へ。
いつものようにお稽古をして、飯を食って。
日常。
「あ、そうそう。あんた今度の土日熱海行かない?」
「はい? 熱海ですか?」
「これこれ、いただいたんだよ」
展覧会の券だ。
「先生方で行かれませんので?」
「どっちか残ってないとお稽古あるからね」
「と、仰るという事は先生とでいいんですか?」
「いっといで」
「日帰り?」
「お泊り」
やった!
「ホテル、取ります」
タブレットを出して検索する。
さすがに近日で良い宿と言うのは少ないが部屋露天付を見つけ、部屋を取った。
先生が台所から戻ってきたのでその話をする。
「あら、温泉? いいわねー」
「いやメインは展覧会ですから」
「そういえばあんた前に広島に出張って言ってなかった?」
「あれは別の営業が行きたいって言うから代わりました」
「そうだったの?」
「ええ。先生と一緒なら断りはしませんでしたが」
その後しばしお喋りをして旅行の段取りを決めてから帰った。
翌朝出勤し社長に旅行へ行くと話しを振ると二泊したら? と言われた。
この暇な折、一日くらい何とかなると。
仕事が終わったあと宿に連絡して部屋を一度キープしてもらい、八重子先生に電話した。
部屋も空いてて仕事が休める、と話すとすぐにOKが。
久しぶりに堪能できそうだ。
気分良く昼寝をして夕飯を食べて。
荷物の用意をした。
俺の分は今日のうちに宿へ配達を依頼、先生の分は俺が持てば問題なかろう。
楽しみだなぁ。
楽しみすぎて少し寝つけない。
先生もそう思ってくれてるだろうか。
うつらうつらと寝て、翌朝仕事に向かう。
土曜なのにそんなに荷物は動かない。
連休が控えているから仕方ないが。
カマスが高いなぁ。
9月になったら皆使うから。
高いわ売れないわでどんよりとしつつ仕事を終えた。
帰宅して風呂に入り着替えると先生が来た。
「お邪魔するわよー」
「いらっしゃい。飯食ってきた?」
「まだなの。どうする?」
「時間まだあるし喫茶店でも行きますか?」
「そうね」
近所の喫茶店で軽食を取り、一旦帰ってトイレを済ませて電車へ。
乗車すると先生は俺にもたれて寝てしまった。
昨日寝れなかったのかな。
寝顔、可愛いな。
なんていつまでも見ていたいけど熱海は近い、あっという間についてしまった。
先生を起こして駅から出た。
熱海は以前と変わらない…そんな気がする。
先生がそっと手を組んできた。
ゆったり歩いて宿へつく。
先生は気に入ってくれるだろうか。
部屋に通されて、あちこち見て。それなりに満足してくれたようだ。
早速、と部屋の湯に入られた。
幸せそうで嬉しくなる。
ちゃぷちゃぷと湯面を揺らすさまはなまめかしく、美しい。
夕飯まで結構に時間が有るから海岸へ行こうという話になった。
砂浜に下りるのを躊躇している先生にハイ、と渡す。
「なぁに?」
「履いて歩いてごらん」
見慣れぬ形の下駄を履いて歩くと砂浜に肉球が。
「あらあら、面白いもの見つけてきたわねえ」
「でしょ? どうせ海行くならって思って」
さくさくと踏みしめつつ歩いて適当な所で腰を下ろす。
懐からアルミシートを出して敷いて貰った。
最近手に入れたこれはがさがさしないから重宝だ。
「海なんて久しぶり…」
「俺も」
そっと先生が俺にもたれかかる。
軽くキスをするとこんなところでだめ、と言われた。
だけど逃げようとはしてないのが可愛い。
暫く抱き締めゆっくりとして、それからまた散策した。
足を波にくすぐらせ、楽しげだ。
娘さんみたい。
可愛くてニコニコしてると水掛けられた。
慌てて避けると先生が笑ってる。
そのままじゃれてそろそろ帰ろうか、ということで足を濯いで拭き、元の草履を履かせる。
俺は別に気にならないから濡れた下駄で戻った。
まだちょっと時間がある。
大浴場に先生と行くことにした。
幸い女湯には人影もない。
脱いで風呂に入り先生をくまなく洗ってあげた。
先生も俺の背を流してくれる…ついでに乳を触るんじゃない。
「こら、遊ばない」
「うふふ」
さっさと洗って湯に浸かる。
「うー…」
「そんなに熱くないでしょ?」
「熱い」
「そう?」
ぐいぐいと湯の出口に引き寄せるのはやめてくれ。熱いって。
湯をかき回すなっ。
唸ってるのに楽しげにしてる。
後でいじめちゃうぞ。
湯上り、先生が着替えて汗を拭いてるのが色気があって良いなと眺めてると叱られた。
「ほら、早く着なさい、いつまでも裸でいるんじゃないわよ」
「はーい」
「それとも着せて欲しいの?」
「いや、自分で着ますよ」
ぱぱっと着て、着たらすぐに出る。じゃないと他の人が来るとね。
夕食はやはり土地柄、魚尽くし。
俺は先に言ってあるから白身の魚と肉少々。
豪華さは先生のほうが見るからに。
おいしそうに食べてるのを見るだけでも幸せだ。
お酒を頂いてほんのり酔って部屋に戻れば布団は一つ。ダブルだね。
先生は少し頬染めている。
食後すぐはいやだと言ってたから少しのんびりとテレビを見たり。
良い感じで緊張感がなくなり俺にもたれてきた。
「そろそろ、いいね?」
「はい…」
着たまま、その場でゆるりと乳を揉んだり、太腿をまさぐったりして。
息が熱くなってきた。
「脱ぎなさい」
そっと立って帯を解き、紐をほどき脱ぐ。
「綺麗だ…」
色っぽくて、もうすぐにでも押し倒したくなる。
胸と股間を隠している手を後ろに組ませ、足を開くよう言った。
躊躇しつつも開く。
「いい子だね」
軽くキスしてやり、布団へ寝かせる。
ゆっくり焦らせつつ囁く度に指に先生のものがまとわりつく。
「早く…、ねぇ、お願い…」
「ペニバンでもいいのかな?」
「ぅ、それはいや…」
きゅっと太腿を閉めちゃってる。
「ふふ、持ってきてないよ」
ほっとしたのか太腿が緩んだ。
「あっ」
と言うことで指を入れて玩ぶ。
声が出すぎない程度にいじめて満足して寝た。
翌朝、のんびりと布団の中でまどろみ、朝風呂。
それから朝ご飯を頂いて、身づくろいをした。
きちっと装った先生は綺麗で手を出せない感じがする。
俺も先生に格を合わせて整えた。
「用意、良いかしら。行くわよ?」
「はい」
車に乗って移動し、入館する。
「ねぇ、先生。ここ覚えてます?」
「…覚えてるわ」
「もうすぐ、こうなってから一年経ちますね」
「そうね…こんな関係になるなんて思ってなかったけど」
「色々ありましたね」
「喧嘩も随分したわねぇ。あなた拗ねて出て行っちゃったり」
「最近も…俺が苛々しちゃったりして。ほんと酷い奴だな、俺」
「…でも好きよ」
手を握られた。
嬉しくて照れくさい。
「Hが?」
誤魔化したらバッグの角で叩かれた。
「わっ、暴れない暴れない」
「もうっ、ばかっ」
「拗ねないでくださいよ。俺も好きですよ」
そんな会話をしつつ展示室へ歩き、閲覧した。
先生は絵にはそこまで興味はないらしい。
残念ながら俺もあんまり。春画なら見るが。
まぁそれなりに楽しんでお昼を頂いて。
後はそのまま帰るのも、と仰るので熱海城へ行こうかと思い立った。
ロープウェイの券を買う時気づいた。
秘宝館…これは入らねばなるまい。
往復券とともに購入してロープウェイに乗る。
ぐんぐん上がるロープウェイの中から見る熱海も良いね。
すぐついたけど屋根に秘宝館と大きく書いてあるのがまたなんとも。
そのまま手を繋いで連れて入ろうとしたら抵抗された。
「まぁまぁ、そう仰らず」
引き寄せて連れて入った。
恥ずかしがったりドン引きしたり。
俺にはシュールにしか見えないものに反応してる先生のほうが面白い。
特におみくじは笑えた。
「こんなの持って帰れないわよ、どこかで捨てて頂戴よ」
お願いされてしまった。
「やぁさすが昭和って感じでしたねえ」
「もー、こういうのやめてちょうだいよ」
「うんうん、あなたが可愛かった。楽しかったですねー」
「ばかっ」
「ここ、まだエロくないからいいんですよねー。笑い飛ばせるもの多くて」
ほら、城。行きましょう、と手を引いて連れて行く。
「あら、綺麗ねぇ」
引き寄せてキスした。
「こら、こんなところで…」
「人、いないし」
抱きたくなっちゃって困ってしまった。
さすがにここではちょっとそこまでは出来ない。
気づいた先生が宿に戻ろうと促した。
優しいな。
今度は俺が手を引かれてロープウェーに乗り、バスに乗って戻った。
「お帰りなさいませー」
旅館に着いて部屋に入る。
布団は敷かれてないけれど、脱がせ、抱いた。
一度抱いてしまいさえすれば落ち着いて、先生を部屋の露天風呂に入れる。
「よく我慢できたわね」
ほっこりした先生から頭をなでられた。
「余裕ですね、夜はもうちょっと激しくても良さそうだ」
「だーめよ、うふふ」
もう一度キスして風呂から上がってもらう。
拭いてたら自分からキスしてきた。
「ほんとキス好きですね、あなた」
「ほほほ」
笑って着替えに立っちゃった。
「もうそろそろお夕飯かしらね」
「あ、そうですね」
「じゃあんたも着替えなさいよ、早く」
「はいはい」
さっと着替えて先生と夕飯を食べに行く。
今日もうまそうな食事で、連泊だからちゃんと料理が違う。
安い宿だと同じ物が出るんだよな。
先生の嬉しそうな顔、良いね。
お酒は女泣かせ、またこいつか。
先生がちら、と俺を見る。
この銘柄をと俺が頼んだわけじゃない。
おいしい奴、と頼んだだけだぞ。
食事と酒に満足して部屋に戻った。
「ねぇ、散歩しない?」
「いいですよ」
そのままではひんやりするので、と羽織を着て外を歩く。
また、海岸へ。
さく、さく、と歩く先生の顔が月に照らされて美しい。
「綺麗だ…」
「いい月夜ねぇ」
「あなたがですよ」
先生の頬に朱が差して、恥ずかしそうだ。
「あ、そうだ。重陽の節句、やるんですか?」
「ん?」
「菊酒、被せ綿、菊湯に菊枕。あとは栗ご飯でしたっけ」
「あ、お風呂に菊の花を入れたり、おかずに散らしたりはするわよ」
「やっぱりするんですねぇ」
「それより覚えてる? お花。床の間のお花も菊をいけるのよ」
「そういえばそうだったような…」
「ちゃんと五行に添っていけるの」
「五行…お花にもあるんですね」
「お稽古の日も今度は当たるから御菓子も菊の形のものになるわね」
「いいですね」
「あなたの分のお干菓子もお願いしてあるわよ」
「嬉しいなぁ」
抱きついたら恥ずかしがってる。可愛い。
「体、冷えてきてますね」
「そう?」
「お風呂、一緒に入りましょうか」
うん、とうなづき先生は俺を従えて宿へ戻った。
大浴場は数人先客が。
脱衣所を先生が覗き込み今なら大丈夫と呼ばれ、急いで脱いだ。
それから入って先生の背中を流し、自分も洗って湯に入る。
「あぁ良い気持ちねえ」
そう言いつつ、俺が他の人を見ると水面下でつねる。
おばあちゃんの裸を見たからとつねられるのは勘弁して欲しい。
露天風呂にも入る。
月の下で見る先生の裸身は美しい。
これが外ならばきっと羞恥もあって色っぽくなるに違いない。
暫くして先生がもたれかかってきた。
「ねぇ…」
「ん?」
「他の人、見ないで」
「はいはい」
可愛い嫉妬だ。
そっと湯の中で膝小僧をなでる。
「だめよ…こんなとこで。他の人が見たらどうするの」
「足を開いて」
「そんなの…無理よ…」
くくっと笑いつつ膝裏をくすぐる。
「ね、もう上がりましょ。お願い、やめて」
「騒ぐと注目されますよ」
「でも、やだ…お願い、ねっ、上がりましょ」
「可愛いなぁ、本当に」
笑って引き上げて風呂から上がった。
すっかりされるがままに先生はバスタオルで拭かれてる。
少し股間がぬめっているのも確認した。
浴衣を着せて、それから俺の身仕舞いをする。
先生の手を引いて部屋に連れて入った。
布団が敷かれている。
「ちょっと飲みましょうか」
「そうね」
すぐに脱いでするのはやはり抵抗があるようだ。
軽く飲んでそれから脱がせた。
膝の上に乗せて、先生の手を持って自身の手で胸をなでさせる。
股間も同じように。
「ほら、自分でいいところ探って」
三つの突起を弄るのは何とか出来るようだが指を中に入れるのは抵抗があるようだ。
入れさせて、自分で良い所を探らせた。
自分の指で気持ちよくなる、と言う恥ずかしさに耐えかねて。
抱いて欲しいとお願いされた。
もう少し焦らしても良いけれど俺も焦れているから体位を入れ替えて抱いた。
二度逝かすと満足したのか眠そうだ。
キスを交わし背をなでると寝てしまった。
少し熱が冷めるのを待ち、掛け布団を着せて俺も寝た。
朝になって先生と風呂に入り、朝食を頂いて帰る用意をする。
ニュースを見ていると今日は白露、十五夜らしい。
「今日もうち、来る? 明日にする? お月見する予定だけど」
「行って良いですか」
「勿論よ」
うちで見るよりきっと先生のお宅のほうが綺麗に見えるだろう。
荷物を送ってもらい、宿泊費の精算をしてチェックアウト。
早く帰らねば昼からの稽古がある。
お昼は駅弁だっ。
電車に揺られて先生のお宅へ。
「ただいまぁ」
「お邪魔します」
「あら、お帰り。早かったね」
「着替えてくるわー」
「これ、お土産です」
「はいはい、ありがと。昼のお稽古、一人お休み。1時半からだよ」
「あ、じゃ俺も着替えてきます」
「お昼は食べたの?」
「はい、駅弁で」
部屋に行って稽古着に着替え、小用を済ませて水屋の支度をした。
上級の方ばかりなので俺は見学。
混ぜるな危険。
やはりいつもの日と違い、問答が細かい。
新鮮で聞き入ってしまったり、みとれたり。
いつかこの中に混ざれるのかな、精進しよう。
お稽古も終り、夕飯を頂いてお月見を。
団子を供えて一つはいただいた。
早めに今日は帰宅し、また明日と。
翌朝出勤し、土産を配る。
魚屋だけに魚を土産に出来ないのが難だ。
火曜らしく暇で、半分くらいはお客と喋って今日の仕事終了。
帰宅してお稽古に向かう。
玄関先から既に菊の香りが漂う。
今日は花の稽古はないからと茶室や部屋、玄関にしか飾ってないそうだ。
いつものようにお稽古を済ませ、今日はお風呂もいただく。
菊が入っている。
湯の中で「菊のませ垣、七重八重菊、御所御紋の菊は九重♪」
などと歌っていたら先生が変な顔をしている。
「菊づくしって曲ですよ」
「色んな事知ってるわねえ」
「三味線弾くの知ってるでしょう?」
「あら、そうだったわね。忘れてたわ。最近は弾かないの?」
「あなたのことでいっぱい一杯ですよ」
「やぁねぇ、ほほ」
「さ、背中流しましょう」
「ありがと、おいたは駄目よ?」
「はいはい」
背中を洗ってあげて一緒に風呂から出た。
浴衣を素肌の上に羽織り、腰巻をつけるのを見ていると早く着替えるよう叱られた。
綺麗なものに見とれて何が悪い。
その後、寝る段になって布団へ入り、胸を触ってると先生が寝てしまった。
またか…。
しょうがないなぁと暫く感触を楽しんで諦めて寝た。
翌日はいつものように食事の支度や家事をして夕方帰宅した。
旅行中の洗濯をしなければ。
普段のように何事もなく木曜、金曜が過ぎた。
今朝は連休前と言うことで忙しく、流石に稽古には間に合わない気がする。
電話を入れた。
衝撃の事実、今日はお休みらしい。
言ってなかったっけ、って聞いてないよ。
まぁ気を楽に仕事できるけどさ。
終ったらもう一度電話しよう、逢いに行って良いか。
仕事を終えて帰宅して、でもなんだか気が乗らず動画をDVDに焼く作業を始めた。
ぼんやりと眺めつつ。
画面の中では鞭打たれ、赤くなるどころか青痣を量産していたり、
陰部を縫われ出血している女性たちの姿。
悲鳴が心地よい。
久々に風俗へ行きたくなったものの、行って行為をすれば一ヶ月は先生と出来なくなる。
キスも出来ないとか後悔するのわかってるしな。
少し不満に思いつつ。

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h35

さてさて出勤。
魚、ほとんどないなぁ。
流石に台風。
こちらのほうに対して影響はなかったものの、波が高く出漁してないようだ。
客いわく野菜も駄目みたいで高いそうだ。
昨日の当てが外れた分、今日買わなきゃいけないほどの事もないようで売れない。
暇じゃないか。
仕事を終えて帰宅したが疲れてないから眠くもなく。
かといって外を散歩するのは暑い。
先生の家のあたりはもっと涼しいからなぁ。買物も行けてたけど。
少し縫い物繕い物を片付けるか。
それと掃除もしようか。
とりあえず繕い物をしなきゃ。ズボンの裾がほつれてるんだよな。
ミシンが使えればこんなものは一瞬なんだろうけど。
そう思いつつ絎けて。
縫い物する気力も掃除する気力も丁度失せた。
針をきちんと片付けてベッドに潜り込む。
お昼寝しよう。
あまりよく寝られずうつらうつらと。
何かだるい。
先生からメールがきた。
お夕飯の写真。
今日はだるくて素麺です、とある。
先生もどうやら具合がよくなく、早めに寝るそうだ。
明日早めに行けるようなら行った方が良いな。
俺も何か食って寝よう。
冷蔵庫を漁って常備のおかずで食った。
ベッドに潜り込めば先生がお風呂から膝の写真……なんで膝?
なんとなく、だそうだ。
良いけど。十分萌えられるし。
おやすみなさいの挨拶を交わし、先生よりは早く寝た。
翌朝は少し荷物が回復してきてはいるものの…少なくはある。
ハモが売れ残りそうなので数本持っていくことにした。
早めの帰宅、それから移動。
車で先生のお宅に着いて台所へ置いた。
居間でくつろぐ先生方に挨拶。
「それで土間に発泡の箱があるんですが絶対触らないでくださいね。噛まれますから」
「何持ってきたのよ。噛まれるって」
「ハモですよハモ」
納得された。
「で、体調どうです?」
「まだだるいのよね。お母さんも」
「生徒さんもそうみたいでキャンセル3人だよ」
「やっぱり台風の影響でしょうかね、気圧が一気に上下しましたし」
「そうなのかしら」
「やりくりしたから今日は3時くらいにあんたのお稽古して、仕舞うからね」
「あ、はい。そんじゃそのあと飯の支度、俺やりますよ」
「ご・は・ん。よろしくね」
「あー。…はい」
八重子先生が微笑んでる。
とりあえず支度をして先生を待つ。
若い方は流石に元気だが若くない方は夏の疲れもあるのかな。
茶杓を取り落とされたりふらつかれたり。
お稽古は軽め軽めに流して行くことに。
俺へのお稽古も復習程度だ。
さっさと水屋も片付けて着替え、食事の支度に台所へ入る。
先生方は遅い昼寝。
指定のメニューの下拵えをしてそれから土間の箱を外で始末する。
噛まれないよう〆て神経抜きで一本ずつおとなしくさせた。
シンクでかねたわしを使いぬめりを取り、板の上で一本ずつ開いて腹をあけ背骨を外す。
うん、まだ綺麗な色をして身も蠢いている。
すべて処理してナイロン袋に生ごみを密封した。
板を一度よく洗い、それから骨切りをする。
串を打ち、七輪へ乗せた。
細いハモは湯引き用に切ってある。
焼ダレを持ってきた箱に入れ、刷毛をセットした。
待つ間に今日の料理をして行く。
なぜか豚汁。
暑いときは熱いものを、なのかな。
他にいくつか作ったころ下焼きが出来た。
たれを塗っては焼くこと3度。
ん、良い感じだ。
9割方仕上がってご飯も炊けた。
食卓を片付け先生を起こして配膳する。
あとは湯引き。
律君と孝弘さんも出てきたようだ。
お櫃と湯引きの皿を持って出る。
先生は…ぼんやりしてる。
八重子先生はまだ寝てるか、しょうがない。
かわりにお櫃からご飯をよそって渡す。
「あ、ありがと…」
半分寝ぼけつつご飯を食べてる先生と言うのも結構可愛くて好きだが多分消化に悪い。
暫く食べているうちに先生が煮豆を取り落とした。
お箸を持った手を机に置いて止まっている。
「…寝てきます?」
「あ、ごめんなさい、食べるわ」
「お母さん寝たら?」
「変な時間にお腹すいちゃうじゃない」
「食べさせてあげましょうか」
ビクッとして慌ててる。
「良いわよ、自分で食べるから」
ちょっと目が覚めたようだ。
それでも食べている口が止まったり、お箸が止まったり。
「もうご馳走様にしたらどうです?
 どうせ八重子先生もお腹すくと思いますから一緒に食べたら良いじゃないですか」
「んー…そうするわ」
お箸を置いた。
「律君、ちょっと布団敷いて来るから」
「あ、はい」
急いで布団を敷いて先生を呼びに戻ると床に崩れてる。
「ありゃ」
「お母さん、布団で寝てよ」
「ぅーん…」
ひょいと抱え上げて寝間へ連れて行って布団に押し込める。
「ん、キスして」
「はいはい」
軽くキスをして寝かしつけて食卓に戻った。
あぁ…いない間に俺のお茶碗のご飯まで食われてるし。
「ごめん山沢さんっ。止めたんだけど」
「いいよ、いいよ。どうせもう一度炊くから」
「ハモって結構おいしいんだね」
「これついさっきまで生きてたからね」
「え、そうなの?」
「うん、八重子先生には触らないようお願いしてあったんだ」
「おばあちゃんじゃ料理できない?」
「じゃなくて噛むんだよ。コレ。もれなく化膿する」
「ええっ」
マジマジと見てる。
「結構魚って毒があったり噛んだり刺したり。だから手がね、傷だらけになるんだよね」
「道理で…」
ご馳走様をして台所を片付ける。
先生方の分は取り置いてあるから問題なし。
ご飯を3合炊く。明朝の孝弘さんのオヤツに消える予定。
さて、居間に戻ったところで俺一人か。
とりあえずコーヒーを入れた。
ぼんやりとしていると眠い。
身を起こして戸締りを確かめ火の始末をする。
いつ寝てもいいように。
律君達が風呂に入り、呼びに来た。
入っておくか。
軽く汗を流して出てくると八重子先生がおきていた。
「お腹、すいちゃってねぇ」
「ちゃんと取置いてありますよ」
ご飯をよそっておかずとお盆に載せ持ち出した。
並べる。
「うなぎ?」
「ハモです」
割としっかり目に食べられて、それからお風呂へ入られた。
一応出てこられるのを待って寝間へ引き上げた。
先生の寝息。
気持ち良さそうだ。
横にもぐりこむと先生が寝返りを打ち、俺の胸を枕にした。
髪が触れて少しくすぐったいが眠気に負けた。
おやすみなさい。
夜半先生が起きた。
「どうしました?」
「どうしよう…お腹すいちゃった」
「まだご飯あるよ。食べる?」
「こんな時間に? 太るわ」
「でもおなかすいたままでは寝らんないでしょう」
うーん、と悩んだ挙句やはり食べることに決めたようだ。
先生が先ほど手をつけそびれたおかずを並べる。
「あら、ハモ? おいしそうね」
うふ、とか笑って食べてる。
「そういえば。お母さんは食べたのかしら」
「あ、俺が寝る前に」
ギシギシと廊下が鳴る。
「電気ついてると思ったらこんな時間に食べてんの?」
「だってお腹すいちゃったんだもの。あんたもなんか食べる?」
「いらない…水飲みに来ただけだし」
そういって台所に行って部屋に帰っていった。
「ごちそうさま」
「お粗末さまでした」
暫くゆっくりしてから寝間へ引き上げることにした。
先生が歯を磨いてきて俺の懐に潜り込みキス。
かすかに歯磨き粉の味。
何かしようか、と思った途端のあくび。
「ごめんね、まだ眠いの」
諦めて再度寝かしつけた。
朝になって先生はゆったりと俺の懐で眠っている。
見ていると幸せな気分だ。
安心しきって俺にすべてを預けているようで中々に気分が良い。
もう少しこのままでいよう。
暫くしてもぞもぞと先生が動く。
あ、目を開けた。
「何時?」
かすかに唇が動く。
「6時ですよ」
「あら、もう起きなくちゃ」
先生が身づくろいしている間に先に台所へ。
さてと朝ご飯を作ろう。
うざく、じゃなくてハモと胡瓜の酢の物。コレは俺のだけ茗荷なしで。
…あじの南蛮出すつもりだったの忘れてた。
魚の酢の物2種? うーん。
先生が出てきたのでどうするか聞く。
あじは昼にまわすことにした。
先生が冷蔵庫を見てあれこれ指示を出すのに従って朝食を作った。
「律ーごはんよー」
八重子先生が律君を呼んで、律君がお父さんを起こしに。
おいしくいただいたら今日は平日、家事をせねば。
風呂も洗い、茶室の掃除に庭掃除。
途中にお昼ご飯をはさんで掃除をする。
明日からは人出入りが多いだろうから居間と客間も丁寧に。
まだまだ手を掛けたかったが先生がそろそろご飯にすると仰る。
配膳を手伝い男共を呼ぶ。
「そういえばさ、律君は海行かないの? 夏だけど」
「いやぁ海ってなんか怖いじゃないですか。色々とね」
「あぁ…色々ね、うん」
孝弘さんも席に着いた。先生がお櫃を持って出てお夕飯。
「お待遠様~」
お、肉だ肉。
俺にだけ。
嬉しいなぁ♪
がっついてると先生がにこやかだ。
しっかりと平らげて明日への体力の保持。
早めに帰宅した。
翌日の出勤はいつもより1時間早く、他の社員たちも同じ時間に出てきて眠そうだ。
盆前と言うことで忙しく気づけば10時を過ぎているがまったく仕事は減っていない。
次から次へと来る仕事をこなして終わったのは3時過ぎ。
やれやれと帰宅した。
お昼を食べて暫くしても山沢さんが来ない。
「来ないわねぇ」
「ん?」
「山沢さん。いつもならそろそろ来るのに…」
「あんたお盆の間は来ないって言ってたじゃないの」
「そういえばそう言ってたかしら? でも今日は木曜よ」
「お稽古がなきゃ来ないだろ」
来ると思ってたから昨日見送りにも立たなかったのに…。
しょげてたら姉さんが来た。
「ただいま。久しぶり。おもて暑いわねえ」
「おかえりなさい。ほんと暑くてお買物とかつらいわよね」
「これお仏壇のお供え。律ちゃんは?」
「学校行ってるのよ」
「お休みじゃないの?」
「なんかあるんですって、しなきゃいけないこと」
「いつも片付いてるわねぇこの家」
「山沢さんが昨日気合入れて掃除してたからかしらね」
姉さんに冷えた麦茶を出しておしゃべり。
「あらあんた掃除もさせてるの?」
「そのかわり私が山沢さんの家掃除したりご飯作ってあげたりしてるわよ」
「今日は来てないの?」
「そうなのよ…」
「お盆だから遠慮するんだってさ」
「おうちに帰られるのかしらね」
「ううん、ずっと出勤ってぼやいてたわ」
「あらー、大変ねえ」
久々に姉さんと沢山おしゃべりして楽しく過ごし、お夕飯を作る。
玄関から物音。
覚兄さんかしら。
玄関に出てみたら山沢さん。
「あら」
「先生…」
がばっと抱きつかれれちゃった。
「ちょ、ちょっと、こら。重いわよ」
危なく押し倒されるところで姉さんが出てきた。
「あんたら何してるのよ」
「うぅ? あーこんにちは、斐さん」
「もうっ暑いから離しなさいよ」
「やだ」
「やだじゃないのっ、ほらっ」
唸りながら離れてくれた。
「この家やっぱ涼しい…」
「今日来ないんじゃなかったの?」
連れて居間に入る。
「昨日帰る前に晩飯のリクエストしたじゃないですか」
「…あらそうね」
お母さんが笑ってる。
「いつもより遅いから…」
「ああ、久々に15時間仕事したもんで。つっかれた…」
「家で寝てたらよかったのに」
「先生のご飯食べたいんですもん」
可愛いこと言うわよね。
「あ、でも来ないつもりだったからリクエストに沿えてないわよ」
「まじっすか」
「まぁ良いわ、なんか作ってあげる」
山沢さんを置いて台所へ。
「姉さん、冷蔵庫に牛肉あるの出してくれる?」
「はいはい、これでいい?」
なにしようかしら。
他のおかずの余ってるもの…大根があるわね。
ピリ辛でいためましょ。
銀杏に薄切りして一緒に炒めれば良いわ。
あとはピーマン1個あるからそれも。
「ねぇ絹?」
「ん?」
「山沢さん、いつもあんなことするの?」
「んー、普段はしないわねぇ。疲れてるとくっつきに来るわよ」
「子供みたいねえ」
「そういうと怒るのよ~」
「ますます子供みたいねぇ」
「私いないとお母さんにくっついてるわよ」
「そうなの? あらー」
「寝ててもしがみつかれるからお母さんは一緒に寝るの嫌なんですって」
「あんた大丈夫なの?」
「私? たまに暑い重いって蹴っ飛ばしてるらしいのよね」
山沢さんが畳の上で寝てたこともあるわね。
多分あれは私が追い出しちゃったんだと思う。
一応布団は譲ってくれてるらしくて。
「山沢さんは別に律でも良いって言うけど」
「さすがにそれは駄目でしょ」
「って律も言ってるわよ」
ご飯が出来たので姉さんに配膳を頼んでお父さんを呼びに行こうとしたら律が帰ってきた。
ついでにお父さんを呼んでもらう。
暫くして律が台所に顔を出した。
「お父さん部屋で食べるって。あ、今晩は」
「はいはい」
「久しぶりねぇ。どう?勉強頑張ってる?」
「えーと、はい」
「はい、これ持って行って」
「うん」
食卓も整ったみたいだしお櫃を持って私たちも。
律が戻ってきて食事。
山沢さんにだけお肉のお皿を。
「あれ、今日精進じゃないの?」
「山沢さんは別なの」
「ほら、まだうちに嫁に入ったわけじゃないからね」
「精進も悪くはないんですが…」
「来年はそうしましょ」
山沢さんがお肉のお皿を平らげたので積極的に野菜を食べさせる。
ご飯のとき幸せそうな顔をするから何か嬉しくなっちゃう。
「こういうの食べたらお盆って感じするわ~」
「そうだねぇ」
「今日はあんた家のほうは良いの?」
「うん、旦那は出張だし晶は合コンらしいから」
「良い人見つかると良いのにねぇ」
「そうねぇ」
「またお見合いの口が来たら言うよ」
「そうしてやって」
「おかわり? はいはい」
「よく食べるわねぇ、うちは晶だけだからこういうの見るの久しぶりだわ」
「みんな小さい頃は食卓は大変だったものねえ」
「あー男の子3人ですか、それは大変そうですね」
「大変だったわよ」
「でもちゃんと絹の分は取らないのよね、皆」
「甘やかされてますね」
「末っ子はそうなるわよね。女の子だし」
「よく環がおこってたよ」
あはは、と笑いあってる間におかずもご飯もなくなった。
ごちそうさまをして洗い物に立つ。
姉さんと二人で片付けて居間に戻る。
山沢さんがいないわね。
「眠そうだから寝るように言ったよ」
「あら」
「ご飯だけ食べにきたのかしら」
「そうなんじゃない?」
姉さんは結局うちに泊まることになった。
山沢さん、どうしよう。
しないでいてくれるかしら。
心配になりつつもお風呂に入って戸締りし、寝間に入って。
気持ち良さそうに寝てるわね。
そっと横にもぐりこむとふわっと腕がかぶってくる。
起きた? 違うみたい。寝息が聞こえてる。
心地よさげな寝息に引き込まれて良く寝て朝になると山沢さんはいなかった。
夜中の間にお仕事に行ったみたいだわ。
何もしなかったのねぇ。
お化粧をするのに鏡の前に行って気づいた。
キスマーク…。
着物を着たら見えないところに。
恥ずかしいわね。
見られないようにしないと。
身づくろいをして台所へ。
朝ご飯を作ってみんなと食べる。
「あれ、山沢さんは?」
「お仕事行ったみたいよ」
「あ、仕事なんだ?」
「そう」
姉さんたちとおしゃべりしてたら晶ちゃんが司ちゃんと来た。
「途中で晶ちゃん拾ってきたよー」
「あら覚は?」
「代理ー」
「まったくあの子は」
「兄さんはいつもそうよね」
お墓参りもしてお昼を作っていると山沢さんが来た。
「あら? 来たの?」
「うん、あっちいるから」
「わかったけど…お昼は?」
「いらない。寝てるから暇になったら来て」
「はいはい」
山沢さんを送り出して、お昼を食べる。
山沢
アラームの音に目が覚めると先生が懐の中でよく寝ている。
起こすのは可哀想だから胸元にキスを落とし、静かに身づくろいして家を出た。
車を走らせ会社へ。
注文FAXを見て各種取り揃え、水洗いしたり配達の指示を出したり。
9時半頃には電話も鳴り止み、片付けて帰宅した。
風呂に入って一服。
さて、行くかね。
また車を走らせて先生のお宅へ。
玄関から既に客が多そうなのが見て取れる。
丁度先生がいたのであちらにいることを告げた。
まだ、眠い。
蒸した部屋に入りクーラーを入れて快適になったところでベッドに潜り込む。
気持ち良く眠れる。
しかしながら夕刻になっても先生は来ない。忙しいようだ。
腹減った…メシ、どうしよう。
とりあえずメールを打つ。
近所の飯屋に行こうと思っている、と。
暫くして返事が返ってきた。
俺のこと忘れてたみたい。
用意する、と言うのを断って食べに出た。
店で適当に注文して食う。酒も少し飲んだ。
そういえばこういう所へ入るのも久しぶりか。
意外とうまい。
葉唐辛子の炒め物もうまい。
ししとうの辛子天ぷらも意外といける。
長いもの漬物はゆずの風味がする。
野菜の肉巻きはマヨ味噌風味だ。
揚げ物が少ないところを見ると冷凍品をあまり使わない店のようだ。
豆乳鍋を食べた。うーん、満足。
ご飯を投入して締めにする。
ご馳走様でした。
良い店を見つけたようで嬉しくなって帰宅する。
盆中は会えないのも仕方ない、と割り切ってテレビをつけて転寝。
夜更け。
先生が来た。
「遅くなってごめんね」
「別にいいんですよ、忙しいでしょう」
「みんな来てるから抜けられなくて…待ちくたびれた?」
「大丈夫、寝てたから」
軽くキスして抱き締める。
懐に寄せてテレビを見つつ先生のおしゃべりを聞くのが楽しい。
先生が恥ずかしげに聞いてきた。
「あの…しなくていいの?」
「精進でしょ、いいよ。我慢できないわけじゃないから」
「ほんとに?」
「ん、こうしてるだけで良いよ。12時くらいになったら帰りなさい」
「でもそれじゃ」
「どうせ俺また出勤だから。寝てるの見ながら出勤するほうが辛い」
「わかったわ。じゃこのままね」
「うん」
先生の体はしっとりして滑らかで。劣情を誘う。
日曜には出来るからそれまで我慢しよう。
いちゃいちゃしてるうちに12時のニュースになった。
「じゃそろそろ」
「そうね。また明日来るの?」
「うん、多分。今日と同じ感じで」
「わかったわ、ごめんね。構えないけど」
お盆なんだからしょうがない。
キスしてから送り出した。
さて、少し寝ようか。
朝、まだ日の昇らぬうちに起きて職場へ行き、仕事をする。
さすがにお盆の最終日と言うことで。
仕事を終え、売れ残った赤むつを持って先生のところへ。
お精進とは言うが。
直接お勝手から上がりこみ、焼いておいた。
それからあちらの家に行ってクーラーをつけて寝る。
起きたらメールして昨日の店で飯を食う。
今日はブロッコリーとベーコンを炒めたのがうまかった。
ごろ寝をしているとそろそろ時間。
タブレットを開き送り火の中継を見た。
今年は5分早かったそうだ。
夏が終る…。
すべての火が消えてぼんやりとしていると先生が来た。
「寝てたの?」
「いや、起きてました」
「姉さんたち、帰ったから。遅くなっちゃったわね」
「おいで」
帯を解いてすっと俺の懐に来た。
うん、いい匂いがする。
暫く抱いていると寝息が聞こえてきた。
疲れてたようだ。
脱がせて一緒にベッドに入る。
気持ち良さそうに寝ている。可愛いなぁ。
頬をなでて出勤までしばしまどろむ。
アラームの音に目が覚めると先生も起きたようだ。
「あら? やだ、寝ちゃってた?」
「うん、そのまま寝てたら良いよ。日が昇ってから戻りなさい」
「ん、そうするわ」
ぽふっと枕に頭が落ちた。
可愛くてついキスをしてしまう。
「行ってらっしゃい、気をつけてね」
「はい」
先生を置いて出勤だ。
手早く着替え、部屋を出る。
やっぱりちょっとさびしくて振り返ったり。
先生は眠気に負けてはや寝息を立てているようだが。
鍵を閉めて車に乗り込んだ。
Uターンの時期ともあり、早朝でもそれなりに車が出ている。
会社に着き、流石にあまり注文もなく。
だけどある程度の時間までは待機の必要がある。
暇になれば先生は今頃何をしているだろう、とそればかり考える。
よし、時間になった。帰って風呂浴びたら先生に会いに行こう。
今日は電車のほうがよい。
Uターンラッシュに巻き込まれたら車では帰れなくなりそうだ。
帰宅すると電気がついて鍵が開いていた。
「おかえりなさい、暑かったでしょ」
「先生。来て下さったんですか」
「うん、うちじゃゆっくりできないでしょ、あなた」
「嬉しいな。ちょっと待ってて、シャワー浴びてきますから。メシ一緒に行きましょう」
「ステーキ食べたいわ」
「わかりました。待ってて」
いそいそとシャワーを浴びて、出てきてすぐランチの予約を入れた。
髪をタオルで拭いて着替え、先生の手を取ってホテルへ。
神戸牛らしい。
先生と外食もなんだか久しぶりで楽しい。
幸せだなぁ。
「お精進ばっかりだったから余計おいしいわねぇ。あ、昨日お魚ありがと」
「台所、誰もいらっしゃらなかったものですから」
「お墓参りいってたのよ」
「なるほど」
先生が食べ終わられて、デザートをいただく。
うまいね。
あとのコーヒーもさっぱりしてよろしい。
ホテルを出ると暑くて先生がぼやいた。
「本当に都心って暑いのねえ」
「廃熱の多さでしょうね、ただまだこのあたりは風がありますから」
少し道を入ると途端にだめだけどね。
クーラーの効いた部屋に戻って先生が息をついた。
「着替える? 風呂はいる?」
「とりあえず脱いでから考えるわ…」
俺の前でしゅるしゅると帯締め、帯枕をほどいていく。
「…ストリップじゃないんだから和室で脱いできてくださいよ」
「ばかなこと言わないの。暑いじゃない」
ああ、そういうことね。あっちクーラーつけてなかった。
見てると抱きたくなるからベッドに寝転んだ。
「…んー。シャワー借りるわね」
「はいはい」
汗がべたついたらしい。
別にそのままで良いのに。どうせまた汗かくだろうし。
暫くして浴衣を着て風呂から上がってきた。
肌がピンクに染まっていて綺麗だ。
「あー涼しい」
クーラーの直撃するところに陣取って涼んでる。
綺麗だなーとぼんやり。
暫く涼んでた先生が立ち上がってベッドに来た。
引き寄せてキス。
伊達締めをほどいて先生の素肌を楽しむ。
白くて滑らかで。しっとりしている。
お尻をなでる頃には先生の息も荒くなってきていて興奮しているようだ。
ちろりと乳首を舐めると声が出た。
恥ずかしそうにしている。
可愛い。
ひっくり返して沢山に弄ってあげた。
あんまりにもやりすぎたものだから先生はちょっと苦しそうだ。
涙目になっているのも可愛い。
先生はどうしてこうも俺のいじめたいというツボを刺激するのだろう。
ほんの少し落ち着くのを待って更に責める。
可愛らしい声だったのが悲鳴に変わって行くのもゾクゾクする。
悲鳴が途絶えた頃やっと落ち着いた。
先生の足が痙攣している。
ゆったりとマッサージをして先生の体を緩めていく。
先生はされるがままで少し涙を浮かべている。
苦しかったんだろう。
ほぐしているうちに寝息が聞こえてきた。
念入りに整えて、肌掛け布団を着せて俺も一緒に寝た。
夕方痛みに目が覚めると先生が俺の乳首に爪を立てている。
「どうしたの」
「お手洗い。連れてって頂戴」
どうやら立てなかったらしい。
少し声がかすれてる。
可愛くてキスしたら噛まれた。
「連れてかないよ?」
「殴るわよ」
それはちょっと遠慮したい。
脅されたので抱き上げてトイレへ連れて行って座らせた。
「外で待ってなさい」
「その声、ドア越しじゃ聞こえませんよ」
「壁、叩くから。出てて」
「はいはい」
暫く待つと流す音、それから壁を打つ音。
入って抱え上げ、ベッドに連れる。
「たった4日開いただけなのに…どうしてこうなのよ」
「たまにはいいじゃないですか。腹減ってますよね、何が食いたい?」
べちっと鼻を叩かれた。
「お腹すいてるけど、そうじゃなくて。やりすぎないで」
その手を取って舐めると乳首を掴まれてしまった。
「聞いてくれないなら後でひどいわよ」
うーん。それはこわい。
手を離してあげた。
「了解、気をつけましょう」
ふう、と溜息つかれて。
「お鮨取ってくれる?」
「はいはい、いつものところのお任せで良いかな」
「うん」
電話して頼む。
それから先生に洗ってある浴衣を着せて、俺も着替えた。
暫くして持ってきてくれたので支払いをして机に広げ、先生を座らせる。
俺にもたれて食べるしかなく、先生は不満そうだ。
「食べさせてあげようか」
「いらないわよ、自分で食べれます」
「怒って食べたら消化に悪いよ?」
「じゃ怒らさないようにして頂戴よ」
「そりゃ難しいな」
「努力しなさい」
「はい」
くすくすわらってると先生も微笑んだ。
先生が食べ終えて一服し、暫くしてベッドに連れ戻す。
「あんたも食べてきなさい」
「ええ」
軽くキスして食卓につき、俺の分を食べた。
桶を洗って表に出す。
ふー、満腹。と共に眠気が。
先生の寝転ぶ横に潜り込んだ
「ん、眠いの?」
「ちょっとね、眠くなっちゃいました」
「悪いけど寝る前にもう一度お手洗い連れてってくれる?」
「あ、はいはい」
連れて行って、連れ帰る。
「私ももう寝るわ。電気消してくれて良いわよ」
「ん、一緒に寝ましょうね」
「手は出しちゃ駄目よ」
「キスはいいでしょう?」
「いいわよ」
ふふっと笑ってリビングの電気を消し、寝室の電気も消した。
横にもぐりこみ、懐に抱く。
キスしておやすみなさい。
翌日は仕事だから先生を起こす。
眠がっているけれどトイレをさせてもう一度寝かせた。
昼近くまで帰れないからね。
漏らすのは可哀想だ。
どうせ漏らすなら俺の目の前が良い。
出勤して仕事をする。
いつもに比べれば暇だけど、休みでなまった体にはダルい。
その上暑い。
げんなりしつついつもより遅くに帰った。
「ただいま」
電気が消えてる。
寝室を覗くとよく寝ている。
苦笑してシャワーを浴び着替えて先生の横に侵入した。
「…ん? あら、おかえり」
「あぁ起きちゃったか。ただいま。トイレ行く?」
「そうね…連れてってくれる?」
軽々と持ち上げてトイレへ。
待っても壁がならないので声を掛けた。
「寝てます?」
「もうちょっと待ってて」
あ、大きいほうかな。
暫くして水の音と壁が鳴る。
中に入って抱き上げた。
消臭剤が撒かれているようだ。
床に座りたいというので下ろして、昼は何を食べたいか聞いた。
「あ、何か鯛焼きが食べたいわ」
「いや、先生、それはおやつでしょう」
「でも食べたいんだもの。買ってきて頂戴よ」
「他に何かいらんのですか」
「うーん、そうねえ…焼きそば」
「ジャンクなものが食べたい日ですか」
「よろしく」
「はい」
携帯を渡しておいて買物に出る。
お好み焼き屋のミックス焼きそばをご希望だ。
ついでだからと俺は鉄板焼きと牛筋、ゲソも頼んだ。
それからたい焼きを買いに行き、その帰りに焼きそば類を引き取った。
帰宅。
いざって壁にもたれてたようだ。
食卓に食べ物を広げるとにじり寄ってきて、まずはたい焼きにかぶりついた。
「デザートじゃなかったんですか」
「あったかいうちがおいしいのよ」
わからんでもないけども。
お昼ご飯を食べてゆったりと先生の胸を揉む。
先生が興奮しない程度にやわやわと。
やわらかくて気持ち良いなぁ。
先生ものんびりと俺に体を預けてる。
あくびひとつ。ふたつ。
「もう一度寝ましょうか」
「うん」
ベッドに連れて行って二人で潜り込む。
背中をなでて寝かしつけた。
俺も寝た。
夕方起きてメシを作る。
万願寺をとりあえず炒めてしいたけを焼いて。
ピーマンと人参と玉葱とアスパラと肉の炒め物を作った。
少しカボス風味。
ご飯はもうすぐ炊けそうだ。
先生を起こした。
暫く俺の胸に倒れこんでまだまだ眠そう。
「ご飯食べませんか?」
「んー食べるー…けどちょっと待ってー」
暫くして俺の肩を杖にして起きだした。
よろよろとだが歩いてトイレへ。
トイレの扉を挟んで会話する。
「今晩も泊まってったらどうです。その足じゃ帰っても大変でしょう」
「明日の朝になったら大丈夫かしら…」
「俺と一緒に車で行けばいい」
「んー…そうねえ、そうしようかしら。お母さんに電話しておかなくちゃいけないわね」
「そうしてください」
流れる音、ごそごそと身づくろいする音が聞こえる。
ドアが開き先生が俺の肩を掴む。
テーブルにつかせた。
ご飯も炊けたのでよそって渡し、席に着いた。
「いただきます」
「今日は野菜、多いのね」
「あなたとだから」
少し掴みにくそうだ。
先生が三分の一、俺が残りを食べてご馳走様をした。
洗い物を片付けていちゃいちゃすれば後は寝るだけだ。
先生が思い出したようで八重子先生に電話してる。
少し叱られたようで機嫌が悪くなった。
ベッドに入ってから俺の乳首を弄りつつ愚痴を言う。
「いてて、千切れるって」
「これくらいで千切れたりしないわよ」
腫れちゃうじゃあないか。
俺の乳首をひとしきり痛めつけた挙句、眠くなったって背を向けてしまった。
後ろから腕を回して先生の胸を揉む。
「こら、寝るって言ってるでしょ」
「触らせて」
「もう、しょうがないわね。でもえっちはだめよ」
「うん」
揉んでるうちにどちらともなく寝てしまった。
翌朝、起きて置き去りに仕事へ行く。
やっぱり暇!
とっととやることを終えて帰宅。
いつもはメシ食ってから帰るけど今日はあとで。
「先生、ただいま」
「あらお帰りなさい。ご飯まだなのよ」
「先生のおうちで食べませんか」
「そうする?」
「とりあえず帰りましょう、用意して。俺ざっとシャワー浴びるから」
「はーい」
先生が身づくろいしている間にシャワーを浴びて着替えた。
バッグを取って、忘れ物はないか見回す。
後部座席に乗せて先生のお宅へ。
「ただいまー」
「お邪魔します」
あ、まだお稽古されてるようだ。
「今の内に何か作りましょうか」
「そうね、お願いするわ」
台所へ行き冷蔵庫を見る。うーん。
あるもので三人分作ってると八重子先生が戻ってきた。
「あ、おじゃましてます」
「はいはいこんにちは。あんたねえ、あんまり無茶するんじゃないよ」
「すいません」
三人で食卓を囲み、俺は早飯食い。
先生は驚いた顔、八重子先生は渋い顔。
さっさと食べ終えて水屋を整え、用足しをして待機。
暫くして生徒さんが来られた。
今日は台子で薄茶をしたり、貴人をしたり。
台子はみなさんお忘れのようだ。
俺はそのまま行之行を稽古してもらってお終い。
水屋を片付けてるとおいしそうな匂い。
今日は何だろう。
楽しみにして片付け終えて台所に顔を出す。
肉じゃがだ!
豚じゃなくて牛肉の肉じゃが。
嬉しいなぁ。
にこにこして配膳する。
他のおかずもおいしそうで、これだから家で自炊がしたくない。
八重子先生に感謝していただきます!
いいなぁ律君はコレが当たり前で。
孝弘さんに俺のお茶碗を狙われたのを先生が察知した。
「あらお父さん、駄目よ。おかわりしますから」
て先生が言ってるのに俺のを食うなっ。
律君が頭を抱えてる。
先生は先に食べ終えてたので自分のお茶碗によそって俺にくれた。
「足りないでしょ?」
「ありがとうございます」
もう取られないよう左手に持ったまま食べた。
満腹になって先生と洗い物に立つ。
「ごめんね、ご飯」
「ははは、いいですいいです」
片付け終えてコーヒーを入れて居間へ。
のんびり。
順繰りに皆がお風呂に入った。
俺も仕舞い風呂で入り、掃除をして出る。
「ちゃんと服着なさいよ、律が困っちゃうでしょ」
「暑い…」
先生がうちわで扇いでくれてやっと冷めた。
八重子先生もそろそろ眠そうだ。
戸締りをして火の元を確かめ、寝間へ。
寝る前に肌の手入れをしている先生を見ると少しむらむらするが…。
今日は先生を寝かせておこう。
布団に入ってきたので胸や腹を揉みつつ寝かしつけた。
夏バテとまだ回復していないようだからね。
「おやすみ…なさい」
「ん、おやすみ」
すぐに寝息へと変わった。
気持ち良さそうだなぁ、俺も寝よう。
朝起きると先生の伊達締めが解けていて、先生の白い肌が目に毒だ。
夜中に無意識で脱がせてしまったと思われる。
触り心地が良いんだよなぁ。
しばし楽しんだがさすがにそろそろ起きなければ。
軽く寝巻きを直してあげて台所へ。
朝ご飯を作って八重子先生と配膳する。
先生も起きてきた。
二人を呼んできてもらい朝ご飯をいただく。
ニュースで山崩れの報告が相次ぎ、先生も眉間に皺を寄せている。
「うちの裏、大丈夫かしら」
「うーん。危ないな、と思ったらみんなでうちにきてくだされば」
「…みんなじゃ狭いでしょ」
「体育館や教室よりはましかと。取敢えずですよ取敢えず。真夜中でも構いませんし」
「そうねえ。大丈夫とは思うけど」
律君が学校へ行って孝弘さんは離れへ戻った。
八重子先生はお出かけ。
広い母屋に二人だ。
「あつーい…」
「ですねえ」
そういいつつも先生と二人、洗濯や掃除をして過ごし、昼を食べた。
「ねえ。昨日あなた…脱がせた?」
「うーん、多分?」
「多分って」
「起きたら解けてたんでよすね」
「昨日のうちにしたら良かったのに」
「いやバテてるのわかってますしね…」
「まとめてするからじゃないの」
「はは、じゃ後でしますか?」
「いよや、暑いもの」
断られてしまった。
残念。
一服してからも掃除を続ける。
茶室は上から下まで念入りにしないといけない。
汗を掻いて掃除を済ませ先生と買物に行き、風呂に入る。
思わず胸を弄ってしまい叱られて。
やっぱり自宅に昼間と言うのは駄目らしい。
明日のお稽古のあとか、土曜までお預けにされてしまった。
しょうがないね。
お夕飯を作ってる最中に八重子先生が帰ってこられて、律君は今日は遅い。
と言うことでさっさと食べた。
それから別れて帰宅。
明日も会えるだけにあまり切なくはない。
帰宅し、寝た。
翌日出勤したものの、西からの荷物が少なくまたお客さんもまだ盆休みのところが多く。
暇な一日だった。
暑さにくたびれつつもお稽古に行けば生徒さんも消耗気味。
先生には滋養剤を飲んでいただいた。
精のつくもの食べさせたいけど、強いものは却って毒かもしれない。
そう思っていると八重子先生に呼ばれ、代わりに買物を頼まれた。
俺が作るから好きなもの作って良いと言うことだ。
少し考え、豚肉と枝豆炒めとインゲンの胡麻和えにしようと決めた。
トマトのスライスも良いな。いや冬瓜の冷やし煮の方が良いか。
それからデザートはグレープフルーツ。八重子先生だけオレンジ。
よし、そうしよう。
先に決めて買物に出て急いで帰る。
やっぱり外、暑い。
稽古場の声を聞きつつ調理にいそしみ、生徒さん方が帰られた頃できた。
水屋に顔を出して片付けを交代し、先生方は一服。
片付けて料理を配膳し、孝弘さんを呼ぶと律君が帰ってきた。
「お帰り、シャワー浴びたら?」
「そうする」
先に食事を始めて、すぐに律君がさっぱりして戻ってきた。
先生がいそいそとご飯をよそっててほほえましい。
「あれ、なんでおばあちゃんはオレンジ?」
「高血圧の薬とグレフルは相性悪いんだよね」
「へぇ」
「ザボンとか、文旦とかね。HIVの薬とか、偏頭痛の薬もね」
「あなた変なことに詳しいわよねえ」
「高血圧とグレフルは有名ですよ? まだ」
「そういえば橙は食べるなって言われたんだけど」
「グループですね、みかんはOKですって言われました?」
「そういえば言われたような?」
ぺろりとすべて食べ終えてお片付け。
その後、帰る段になった少し先生が引き止めたそうにした。
でも今日は駄目、この時間からは無理。
ちゃんと寝て体力戻すことを心がけてくれ、と別れた。
ま、俺もね、寝ないとね。
ベッドにもぐりこんで先生とメールを交わして寝た。
翌日、仕事を終え今日は予定もなし、昼寝することにした。
先生は今頃…稽古中だな、うん。
夕方までたっぷり寝て買物に出た。
胡瓜と塩昆布、それから梨。
小鯛を造っておいたからもうコレで良いや。
少しの酒とで夕飯にする前に、面性に写メを送る。
先生からも今日の夕飯の写真。
さばの味噌煮かな? 何かのおひたしと筑前煮、胡瓜とこれはちくわかな? 胡麻和え。
うまそう。
ご飯に手抜きがない。
今日は早めに寝るとある。
明日抱くのも軽めにしよう。
疲れたりしない程度に。
暫く飲んでると早々にお休みのメールが届く。
…まだ7時半なんだが。
よっぽどお疲れか。
俺も寝るとしようかな。
ベッドにもぐりこみ、就寝。おやすみなさい。
さて土曜日は流石に少しは忙しく、やや疲れて先生のお宅へ。
でも先生の笑ってるのを見ればやる気も出て来る。
「具合、どうですか?」
「昨日早く寝たから今日はいいわよ~」
「それは良かった」
居間から下がって水屋の用意をして先生を待つ。
今日の生徒さんもバテ気味だ。
軽めのお稽古。
途中で八重子先生と交代して買物、食事の支度。
胡瓜と山芋の梅おかか和え、豚の冷しゃぶなどをメインに用意した。
今日は作り終えて水屋を覗くと稽古をつけてもらえた。
いくつか指摘されて直された。
「疲れちゃったわ…」
「お疲れ様です、あとでマッサージしましょうか」
「お願いできる?」
「ええ。ちょっと横になってたらどうです」
「うん」
そう言いつつも座ったまま片付ける私を見ている。
片付け終えて先生と居間に行けば既に配膳されていた。
「あ、孝弘さん呼んできて頂戴」
「律は?」
「さっき帰ってきたよ」
会話を尻目に離れへ呼びに行くと寝てるようだ。
「ご飯ですよー」
「む? 腹減った」
起きたおきた。
俺も腹減った。
先生にご飯をよそってもらって沢山食べて後片付けをする。
「山沢さんって元気だよねぇ」
「暑いのはなれてるから。こっちのほうが涼しいしね」
夜クーラーなしで寝られるだけ随分楽。
暫く団欒し、順繰りにお風呂に入る。
その後、マッサージするからと早めに二人で寝室に入った。
寝巻きを着せたまま布団に伏せさせゆっくりと揉み解す。
いつしか寝息に変わった。
う、今日は抱きたかったんだけどなぁ。
参ったな。
寝てるところをひっくり返してリンパの流れに沿って流す。
足首からふくらはぎ、太腿。
股関節を開いて。
不純なことをしたくなるけどぐっと我慢した。
気持ち良さそうな表情もそそりはするがおさえて寝巻きを直し、布団に入れた。
俺はちょっと今すぐは眠れず庭をうろついた。
ふと気づけば早くも虫の音。
そうか、もう夜は秋なのか…。
コト、と音がして振り向けば八重子先生。
「眠れませんか?」
「ちょっとねぇ、あんたこそどうしたんだい」
「いや、はは、先に寝られちゃいまして」
「あぁ」
頭をなでられてしまった。
「明日昼から連れて出て良いよ」
「いや、バテるでしょうしいいです」
「まぁ気が乗ったら連れて行ったら良い」
「すいません」
「もう秋が見えてきたねえ」
「そうですね」
リ、リ、リと虫の音。
「あの人ともよくこうして虫の音を聞いたものだけど」
暫くぼんやりと二人でたたずんで、それから各々引き上げ寝た。
朝方、早くに目が覚めた。そろそろ夜明けか。
身じろぎしたことで先生が起きてしまった。
「まだ起きるには早いから寝てて」
「ん、でも…寝れないわ」
「どうして?」
「その…」
そっと俺の手を掴んで股間へ引き寄せた。
「…してもいいの?」
こくりと頷く。
緩く、疲れさせはしないよう気をつけながら丹念に性感帯を弄る。
逝かせたがもうちょっとと言うので更に二回逝かせると寝てしまった。
今から寝て朝ご飯食べるのかなぁ。
そう思いつつ始末し俺は起きて台所へ。
朝食を作っていると八重子先生も起きてきた。
「ん? あんた嫌にすっきりした顔してるね」
「えーと、ははは…」
「朝御飯食べるのかねぇ」
「どうでしょうね」
作って配膳する。
パタパタと先生が出てきた。
「ごめんなさい、寝坊しちゃったわね」
「あ、あぁおはよう」
「昼まで寝てるかと思いましたよ」
「あらどうして?」
「…覚えてないなら良いです」
先生は首を捻ったままごはんをよそってる。
律君が起きてきてお父さんの食事を持っていった。
今日は部屋で食うようだ。
休日の朝御飯は気が急かなくていいね。
先生は食べつつあくびをして八重子先生に叱られた。
俺はそんな先生が可愛いから気にはならない。
食器を洗って片付け、お茶を入れて先生方とまったり。
「こんにちはー、おばさんいるー?」
「あら、司ちゃん。いらっしゃい」
「丁度良いところに来たね、山沢さんに梨をむいてもらおうと思ってたところだよ」
梨ってあったっけ?
「土間のところに箱であるからおいしそうなの選んで頂戴」
なるほど、お勝手の土間の箱、あれか。
席を立って剥きに行った。
3個くらいでいいか、足りなきゃまた剥けば良い。
先生と司ちゃんの話し声が聞こえる。楽しそうで良いなー。
と羨んでたらすこし指を切った。
むっとしつつ、切り分けて皿に盛り、居間に持って出た。
柱にもたれて先生たちがおしゃべりするのを見つつ食べる。
あ、うまい。
梨食うの久しぶりかも。
ふと、帰ろうかという気になって先生に告げて帰った。
珍しく昼前に帰宅して軽く食って寝た。
夕方の先生のメールで目が覚める。
司ちゃんたちと夕飯を囲む写真。
楽しそうだ。
俺も夕飯…面倒くさい。このまま寝てしまおう。
先生だって俺にかまわず寝るんだし、いいじゃないか。
寝返りを一つ打って寝た。

拍手[0回]

h34

夜半。
俺にとっては朝。
先生を置いて出勤するのは本当にいやなのだが仕方ない。
きっと帰ったらもう居ないんだろうなぁ、稽古日だし。
クーラーを入れたまま速やかに出勤する。
会社は既に暑い。
仕事中出来るだけ水分を取っているが。
うなぎの後と言うこともあり、全体的に暇で仕事を終えた。
暑い。
一旦帰ってから何か食おう。
帰宅。
すぐさま風呂に直行し、ぬるま湯で体を冷やした。
お帰りなさいの声が追いかけてきていたが。
やっと冷えて人心地つき、風呂から上がるとバスタオルで拭かれた。
「どうしたの?」
「ありがとう。 ただいま。暑くて」
頭をタオルで拭かれてそのままクーラーの効いた居間に。
「浴衣、もうちょっとしてからで良いから着て頂戴ね」
少し心配げだ。
腕を取って引き寄せる。
ん、いい匂い。
「だめよ、ご飯食べるでしょ」
「もうちょっと」
暫くして解放した。
浴衣に着替える間においしそうな匂いがしてきて、すぐにお昼ご飯が出てきた。
「暑くなかった? 買物いったんでしょう?」
「行ったわよ、朝のうちに。でもこっちは朝から暑いのね」
「夜に温度が下がらないから。メシおいしいです」
「メシなんてダメよ。ご飯ってちゃんと言いなさい」
「ご飯。うまいです」
「だからねえ…。もういいわ」
呆れられてしまった。
食べ終わって先生がお皿を洗っている。
一服していると洗い物を終えたらしく横に座ってきた。
手が伸びて俺の頭をなでる。
「ん? あれ、そういえば今日稽古…」
「今気づいたの? お母さんにお願いしちゃったわ」
「あー…。計画的行動だったんですね?」
「そうよ。たまにはいいじゃないの」
「お稽古サボりはダメだって言ってるでしょう」
あ、いじけた。
「しょうがない人だ」
ひょいと膝に乗せて背中を撫で、キスをする。
かわいいなぁ。すねてるのも。
「でもまだ終ってないのよ…あれ」
「えー。あ、そうか。まだか」
生理中はなぁ俺は良いけど先生の体に障るよなぁ。
「ごめんね」
「ま、そういう日もありますよねぇ。出来ないけど一緒に居たいとか」
「そうよ、うちだとこんなことできないもの」
バランスを崩して押し倒された。
「いてて」
「大丈夫? 頭打ってない?」
「ん、大丈夫。そのままそのまま」
床でごろごろするのも悪くない。
浴衣や寝巻きだとこういう格好はするが、先生がお太鼓のままと言うのも珍しく。
絽の紬だから襦袢がすけてうつるのも色っぽい。
やっぱり夏は透け感がいいよね。
麻も良いんだけど、涼しくて。
「うっ?」
先生が俺の乳首を摘んで遊んでる。
夏の浴衣だから透けてるし薄いしでわかりやすかったらしい。
「これもうちではできないから、ですか?」
「してもいいわよ?」
「できないくせに」
むっとしたらしく強くつねってきた。
「痛いよ」
「痛くしたんだもの、当然でしょ」
手が侵入してきた。
さわさわと撫でられてるうちに寝息が。
あー、寝ちゃったよ。
しょうがないなー、と帯を解いて脱がせた。
寝巻きを着せて一緒にベッドへ潜り込む。
お昼寝お昼寝。
夕方、おいしそうな匂いで目が覚めた。
「久さん? そろそろご飯よ」
「うー」
「早くいらっしゃい」
「はーい…」
もそもそと起きて食卓に着く。
先生は寝巻きのままだ。
珍しく着替えなかったらしい。
「そーいえばあなたの襦袢って重くないですか」
「ん? なぁに?」
「ほら、冬の襦袢。俺のより重いでしょ」
「袷の? だってあれは裏ついてるもの。久さんのはついてないでしょ」
「裏?」
「着物と同じよ、全部裏がついてるの。暖かいわよ」
「なるほど。先生のお宅寒いですもんね、冬は」
「そうなのよ。はい、これ出して」
おかずを渡されて並べる。
「ん」
お茶碗とお味噌汁。こぼさないように。
「足りる?」
「余裕」
先生の作るご飯はうまい。幸せ。
「あまりご飯しないのに良いお米使ってるのねぇ」
「米がまずくて一人で食べるの辛いでしょうが」
納得されたようだ。
食後ゆっくりしてから風呂に入り、再度ベッドへ。
「明日は帰ったら居ないのかな」
「いるわよ。あさってもいても良いわよ」
「お稽古サボっちゃダメだよ。あなた。俺も仕事サボりたくなるじゃないか」
「久さんはダメよ」
はいはい。
サボってでも一緒にいたい気分らしい。
たまに甘えるよね。可愛いけど。
でも良妻賢母をくずさないという約束をしてるのになあ。
耳を舐めるも反応がない。
あ、寝た。
諦めた。俺も寝よう。
明日もうちにいるみたいだし。
おやすみなさい。
よく寝たなぁ、と目が覚めて横で眠る先生を見れば涎。
俺の胸が濡れてる。
枕もとのティッシュで拭いて布団を整えて。
出勤の用意をしようか。
部屋を出て出来るだけ静かに用意をして、出る前にそっと先生の様子を伺う。
気持ちよさげに寝ている。
行くか。
出勤、今日も暑い。
ぬるい空気と湿気の中、仕事をする。
やはり30度を超えると辛くなってきた。
お客さんも皆すぐ送風口の前で座ってしまうくらいだ。
近くで何かイベントがあるお店しか忙しくないのが最近で、どこも困っているようだ。
仕事を終え、いそいそと帰ろうとしていると先生から電話があった。
松屋にいるからくる気があるなら来いとな。
時計見て30分の猶予を貰って慌てて帰宅、シャワーを浴びて着替えて駆けつけた。
「どこにいます?」
「3階にいるわよ」
携帯にかけるとそう仰る。
エレベータで上がり再度電話した。
「上がりました」
「ヴィトンのところにいるわよ。すぐ近くにサービスカウンターのあるところよ」
ああ、あそこか。
でも3階は紳士ものじゃなかったっけ?
思ったとおり先生はヴィトンではなくその向かいの靴を見ていたらしい。
「ねぇこれどうかしら?」
「こっちは?」
「ん、それと悩んでるのよ」
「履いてみました?」
「まだよ」
「じゃ履いてみましょうよ」
先生を座らせ、足袋を脱がせサンダルを履かせた。
「はい、立って」
手を取り少し歩かせる。
もう一度座らせ、履き替えさせた上で歩かせた。
「どうしよう…」
「どちらがよかった?」
「どっちもいいのよ、悩んじゃうわ」
「両方買ってあげましょう」
「良いの? でも悪いから一つは自分で買うわ」
「はいはい、気になるんですね。そうしましょう」
それから中でお昼を食べて呉服売り場を経巡ってキッチン用品を見る。
女の人だよなぁ、凄く楽しげだ。
ほしいというものはすべて買ってあげたくなる。
流石にそれをすると八重子先生からお叱りが来るんだが。
真鍮の風鈴を買った。
先生のうちの俺の部屋につけたいと先生が言うので。
後は結局帯を買った。今締めれる帯。
帰宅後も買ったものを眺めて嬉しそうにしている。
可愛くてつい頭をなでてしまった。
持って帰れるように包んで車に入れて、疲れたというので暫く床に寝転んだ。
自堕落な生活も楽しい。
「今晩…帰るわ」
「わかりました、送りますよ」
「いいわよ。荷物土曜に持って来てくれる?」
「いいの?」
「だって明日もあなたお仕事じゃない。帰したくなくなるもの」
ついキスしてしまって深くしっかりとキスをしなおして。
着物を脱がせ一度抱いた。
ちょっと先生の色香に耐えかねた。
幸いアレは終ってたから良かったけれど。
先生が落ち着いてシャワーを浴び、洗濯してある肌襦袢を身につけた。
買って来た弁当を食べ、駅までお送りする。
「じゃまた明日ね」
「はい。おやすみなさい」
「おやすみなさい」
見送って帰宅。
明日も早い、寝よう。
おやすみなさい。
先生を置いて出勤するとき寝ている先生を穏やかに見れるのは…。
きっと昼にはまた逢えるとわかっているからだ。
いつも本当に気持ち良さそうに寝ていて幸せな気持ちになれる。
性癖はクリアできなくとも、十分だ。
いやいつかある程度は許容してくれたらいいとは思うけれど。
出勤。
今日は更に暑いとの予報だ。
土曜日の割にそこまで忙しくなく、ただ暑さに負ける。
仕事が終わり帰宅、シャワーを浴び先生のお宅へ。
暑い…。車なのに。
少しいらいらしつつ先生のお宅に着いて、でも先生の笑顔を見て少し治まった。
茶室のクーラーをつけ暫く扇風機を独り占めさせてもらい、それから支度。
先生が来られて俺に一つ点ててくださった。
「落ち着いた?」
「はい」
「生徒さんも暑くていらだってるかもしれないから」
「気をつけます」
わかってたらしい。
気を良くして生徒さんを待つことが出来た。
やっぱり気遣いの人だなぁ。
俺とは違う。
しかし先生の点てるお茶はおいしいなぁ。
いつものように水屋をして、俺のお稽古をつけていただく。
少々厳しいのには慣れた。
水屋を片付けて夕飯をいただく。
んー、うまい。
「山沢さんってさ、いつもおいしそうに食べるよね」
「実際おいしいからね」
それでも苦手なものはこっそり孝弘さんに食べてもらっているが。
先生に見つかると叱られる。
「明日お昼味噌炒めにしようかしら」
「あ、いいですねえ」
「あなた好きだったわよね、じゃ多い目に作るわね」
「茄子入れて欲しいな」
「う…」
「はいはい、分けて作ってあげるわよ」
「すいません」
律君が笑ってる。
食後はテレビを見つつ団欒。
「律、お風呂沸いたからお父さん呼んで来てー」
「うん」
順繰りにお風呂に入って俺が最後に掃除をして出た。
「ふー…」
と、息をついて先生の横に座る。
冷たい麦茶を貰って一服。
ぷに。
先生が俺の乳をつかんで玩ぶ。
「何してんですか」
「出来ないくせにって言ってたからよ」
八重子先生が呆れてるじゃないか。
「律君きたら困るんじゃないですか。いつもなら怒るでしょうに、胸はだけてたら」
「律、もう寝ちゃったのよねえ」
早っ。
先生の太腿に手を置いたらベシッとはたかれた。
ったく。
一旦立ち上がり帯を解いて着なおす。
先生の後ろに膝を突いて肩に手を掛けた。
「え…ちょっと」
肩を揉む事にした。慌ててるの可愛い。
八重子先生は声を上げて笑ってる。
先生は一人恥ずかしがっている。
胸の辺りもマッサージするともう良いから、なんて。
慌てて戸締りしに行ってしまった。
そろそろ寝る時間のようだ。
八重子先生も引き上げたので火の元を確かめ、先生と寝間へ。
うーん、クーラー要らずというのは体が楽だね。
扇風機すらつけずとも先生の体がひんやりしている。
乳房、とか。
太腿とか。
でもすぐに先生の体温は上がってしまう。
熱い息。
ゆったり抱いてると先生は幸せそうだ。
一度逝かせるともはや眠たげだ。
キスして寝かせた。
俺はホットタオルを作って先生の体を清めてから寝た。
朝、すっきりとした目覚め。
先生が先に起きていたけれどまだ布団から出たくはないようだ。
まぁたしかにいつも起きたら俺が居ないわけで。
朝のひと時は大事だね。
身支度をして今日は二人で台所に立つ。
朝飯を食った後、先生が風鈴を俺の部屋につけた。
ちりん、と涼しげな音だ。
ふと引き寄せてキスをした。
「だめよ…」
先生はするりと腕から抜けて買物へと誘う。
お昼と夕飯の買出し。
暑いから夕方に買物したくないらしい。
昨日言っていたとおり味噌炒めの材料と、それから夜は筑前煮を作るらしい。
後はなぜかカプレーゼが食べたいとのこと。
チーズは多めに買った。
なす入りの味噌炒めを作って律君を呼ぶ。
配膳したり、孝弘さんを呼んできてもらう間に先生が俺の分を作ってくれた。
野菜、妙に多い。
先生は俺を健康にしたいらしい。
律君が俺への野菜責めを見て笑ってる。
先生がご飯をよそってくれておいしくお昼をいただいた。
お皿を洗って戻ると先生が何か読んでいる。
ああ、教本か。
「珍しいですね」
「んー、それがねぇ。私のと生徒さんのでは違うみたいなのよ」
「お家元が代替わりしたからでは」
「あら…そうね、そうかも」
「八重子先生は?」
「お母さんならさっきお友達のとこ」
「うーん、また講習会でお聞きになっちゃどうでしょう」
「そうねえ」
パタン、と閉じて片付けて、帳面を開いてなにやら書き物されている。
暇で、眠い。
あくびをしたら手招きされて昼寝。
先生の尻に俺の背をつけて。
ふと次に目が覚めたら先生が居なくて晶ちゃんが居た。
「あれ? こんにちは。先生は?」
「こんにちは。今おばさんお手洗い」
「あぁ」
ぼんやりしてると先生が戻ってきた。
「あら起きたの? まだ眠いんじゃない?」
「うん…じゃない。もうメシの支度する時間では」
「ご・は・ん」
「…ご飯。しないと」
晶ちゃんが横で笑ってる。
台所へ立って下拵えをして先生と交代。
まだあくびが出る。
と、自分の足に蹴躓いてこけた。
「あっ…」
「痛っう」
「どうしたの!? あらぁ…山沢さん、立ちなさい」
晶ちゃんを巻き込んでたようだ。
「すいません、こけました。晶ちゃん、どこかぶつけてない?大丈夫かな」
先生が晶ちゃんに見えないよう俺の背をつねってる。
「うん、大丈夫。でも山沢さん、もうちょっと寝たほうが良いんじゃない?」
ふぅ、と後ろで先生が息をついて。
「そうしなさい、出来たら起こしてあげるから」
「はい。すいません」
部屋の邪魔にならないところで座布団を枕にもう少しだけ寝た。
ご飯のおいしそうな匂い。
揺り起こされた。
「ご飯よ」
むく、と起きて食卓を片付ける。
八重子先生はもうお戻りだったようだ。
晶ちゃんが孝弘さんと律君を呼びに行って夕飯をいただく。
おいしいなぁ。
「これなに?」
「チーズの味噌漬け。お昼に山沢さんが作ってたのよね」
「へぇそんなのも味噌漬けになるんだ?」
「あ、おいしー」
黙々と俺は食べる。
うまい。けど眠い。
これはきっとアレだな、先生のが感染った。
ご飯の後洗い物をし終わり、居間に戻ると先生が特別に濃い濃茶を点ててくれた。
車で来ているから眠気を飛ばさないといけない。
頂いて暫くすると目が覚めてきた。
「やっと起きた、という感じねえ…大丈夫?」
「ん、今なら帰れそうです。効いてるうちに帰ります」
頭をなでられた。
「気をつけて帰るのよ? また明後日ね」
「はい、気をつけます」
なんとか眠気を追い払って車で帰宅できた。
着替えてすぐにベッドに潜り込む。おやすみなさい。
翌朝出勤するも台風の影響で入荷減。
ま、月曜で需要もそうないんだが。
あまり商売にもならず帰宅した。
眠気に負けてずっと寝てしまい昼を食いそびれ、目が覚めたらもはや夕方だ。
カレー、でいいか。
レトルトのカレーを温めて食べた。
侘しい。
あ、メール。
先生のおいしそうなお夕飯。
明日になったら食える。
あ、今から食いたいもの頼んどこう。
返事、返ってきた。
お肉ばっかりじゃダメよ。なんて。
野菜は先生のセンスに任せりゃ大丈夫だろうし。
と少し甘えれば何か考えておいてくれるとのこと。
嬉しいなぁ。
あぁ。
抱きたい。
逢いたい。
メールは後に残るから。
電話しよう。
せめても声を聞きたい。
先生の食事が終るころを見計らって電話をした。
声を聞きたくなった、といえば少し間が空いて…。
私も…、と返って来た。
どうやら自室に戻ったらしい。
明日、抱いて良いね? そう問えば恥ずかしげに。はい、と言う。
「たとえ台風が来ようと。行くから」
それはだめ、とか言われてしまった。なぜだ。
「逢いたくないのか?」
違う、と言う。
何かあって二度と逢えなくなる方が嫌、と。
なんだ、そういうことか。
その後暫く喋って、先生も電話を切りたくなさそうだ。
あぁでも八重子先生が呼ぶ声がする。
渋々、という風情で先生がまた明日来てね、と言う。
勿論と返して電話を切った。
心の充電完了。
よし、寝て明日は頑張ろう。
おやすみなさい。
本日は昨日に増して暇だ。
台風の余波は相当酷いが関東は別段まだ何もなく、先生のところに悠々と到着。
先にあちらの部屋に色々仕込みをして鼻歌を歌いつつ気楽に玄関くぐれば微笑む先生。
「いらっしゃい。暑かったでしょう」
「ええ、少し」
麦茶を頂いて一服入れてから支度をする。
整った頃生徒さんがいらっしゃった。
先生が冷たい麦茶を振舞われてからのお稽古。
生徒さん方も先生の気遣いがうれしいようでなごやかにお稽古が進む。
今日は俺への厳しいお稽古も気にならない。
お稽古を終え水屋を片付ける。
先生と目が合った。
ふっと笑むと目をそらせ、早く片付けるよう言う。
可愛いね。
昨日山沢さんから電話を受けた。
声を聞きたいって。嬉しくて。
抱きたいって言われて暫くドキドキしたわ。
もっと喋っていたかったけどお母さんが呼ぶから電話を切って。
でも珍しいわねぇ、電話してくるなんて。
居間へ戻って喋っているとお盆について山沢さんはどうするのか、と言う話に。
「帰省するのかしらねぇ」
「正月も帰らなかったしどうだろうね」
「ふふ、またうちに泊まるのかしら」
「どうだろうね、お盆は流石に来ないかもしれないしね」
「明日聞いてみるわ」
そういうことで今日山沢さんが来たのだけど機嫌が良さそうで、鼻歌まで歌ってる。
何か良いことでもあったのかしら。
暑いから麦茶を飲ませて支度してくれている間にお昼を食べた。
お手洗いも済ませて着物や化粧を直してお稽古に望む。
生徒さん方も外の熱気に辛そう。
冷えた麦茶を差し上げて山沢さんに指示を出しつつお稽古。
いつものように何人かのお稽古が済み、山沢さんを厳しくしごく。
機嫌がいいときは少々厳しくてもいいみたい。
二回、上のお点前の稽古をつけてあげるといい時間になって片付けることにした。
指示を与えなくてもうちの水屋はちゃんと山沢さんがわかっていて教える事はない。
ふと目が合う。
山沢さんの笑みにドキッとしてつい目をそらせてしまった。
片付け終えて居間へ戻り食卓を片付け、律とお父さんを呼びに行く。
山沢さんはお母さんを手伝って配膳をしてくれる。
今日は山沢さんのリクエスト通りのお夕飯。
「あれ、珍しいね。おばあちゃんこんなの作るんだ?」
「そうだろ、今日は山沢さんが作って欲しいって言ってね」
キッシュとブロッコリーのベーコン炒め。人参の金平かしら?
食べてみたら金平じゃなくてサラダ。
「おいしいわねぇ」
「うまいです。嬉しいなぁ」
ぱくぱくと食べていて可愛いかも。
いつもは格好良いのに食べてる時は子供みたいなんだもの。
「おかわり」
お父さんのご飯をよそって渡す。
「はい、どうぞ」
お父さんも嫌いじゃないようで結構食べているわね。
「今日本当、暑かったねー」
「そうね、今年最高なんじゃない?」
「そうみたいだよ、こっちで37.2度だってさ」
「うわ、道理で暑いと思った」
「あっち、クーラー予約かけてありますから」
「えっ」
「あれ、後で飲むからって昨日約束しましたよね」
「あ、うん」
吃驚するじゃないの、もう。律の前なのに。
「あと風呂もお湯張り予約してありますんで」
「わかったわ」
「山沢さんってお酒好きなんだねー」
「うん、そうだね。取り寄せる程度には好きだよ」
こちらを向いて笑顔で今日は特別なの用意してるから、と言う。
…お酒よね、そうよね。
食後、山沢さんが洗い物をしてくれる。
お母さんは今朝のうちに山沢さんに聞いていたみたい。
明日のお昼以降に、って。
はい、って栄養剤渡されちゃった。
「お酒飲むだけかもしれないじゃない…」
「ないだろ」
袂を弄って恥ずかしがってたら山沢さんが戻ってきた。
「さて、いいですか?」
「ほらほら。いっといで」
「あ、はい…」
慌てて立って山沢さんに手を引かれた。
外は昼に比べると涼しいけど…。
いつもの部屋に着いて中へ。
「あら涼しいわね」
うちより涼しくて。あら何か敷物が敷いてあるわね。
「座ってて」
山沢さんが冷えたグラスとお酒を持ってきた。
京都の淡麗辛口大吟醸を4本も。
高そう。
「まぁ俺には辛くてなんなんですが、あなたなら甘く感じるでしょう」
そういって4つのグラスに注いでくれる。
「どうぞ」
少しずついただくとどれもおいしい。
山沢さんは違う瓶を飲んでいる。
「ね、あなたのもちょっと頂戴」
「いいですが甘いですよ」
新しいグラスを取ろうとするのでそのまま止めて山沢さんのをいただいた。
「あら。凄く甘いわねぇ…」
「すいすい飲めて一升瓶が空になるような、でしょう」
「危ないわね」
私のグラスが空いたのを見て新たに注いでくれる。
「どれだけ飲ますつもり?」
「ふふ、もう少し飲まないと出来ないんじゃないですか。普段と違うこと」
ドキッとして、横を向くと引き寄せられた。
「特別、っていったでしょう?」
一気に酔いがまわってきて。
耳まで熱くなっちゃった。
その耳に山沢さんの唇が触れて。
「あ…」
そのまま着物を脱がされて敷物の上に運ばれた。
「なに、するの?」
少し冷たい液体を体中に塗られ、山沢さんの手が這うごとにゾクゾクする。
なぜか下帯をつけられ、腕と、足を縛られた。
何をされるのかしら…。
「これ、わかるね?」
あ…蝋燭…。
怖い。
背中から私を抱いてまず山沢さんが自身の手に落として確認してる。
「ん、よし。大丈夫だから力、抜いて」
そういわれても怖くて。
身をすくめてると笑ってる。
ほつ、ほつっとお腹に落とされ、そのたびに体がはねる。
段々と慣れてきたころ乳首に落とされた。
「あぁっ」
お腹より熱くて吃驚しちゃった。
山沢さんは私がはねて声を上げるのを楽しんでいる。
乳首も乳輪も見えなくなるほどにされてもう熱くはない。
すると今度は太腿、あそこに近いところに落としてくるの。
酷いわ、本当に楽しんでて…。
体中を赤く染められたころ、やっと蝋燭が尽きた。
山沢さんにキスされて縄をほどかれ、痺れはないか確認された。
それから蝋をはがしてあげる、と乳首を弄られて気持ちよくなり…。
喘いでたらそのまま下帯を剥ぎ取られて一度逝かされちゃった。
すべてはがしてもらってお風呂に入って出てくると敷物もすべて片付いていた。
「続き、飲みましょうか。それとも」
「飲むわ、注いで頂戴」
ふふっと笑って注いでくれた。
暫く飲んでから山沢さんがお風呂に入って。
その間にグラスを片付けてると寝巻きの袖から縛った痕が見える。
これ、明日消えるのかしら。
お風呂から出てきた山沢さんと一緒にベッドに入る。
「ねぇ、久さんこれ」
「あー随分暴れてたから。お稽古ないから大丈夫でしょ?」
「お母さんにわかっちゃうじゃない」
「いいじゃないですか」
「恥ずかしいのよ?」
「わかってますよ、可愛いなあ」
髪をくしゃくしゃと撫でられてキスされた。
私のほうが先生で年上なのに、すぐこうやって子供みたいに扱うんだから。
「好きだよ」
「私もよ」
本当は好きになっちゃいけないんだけれど止められない。
そのまま背中をなでられているうちに眠くなって。
おやすみなさい。
夜半、先生がモゾモゾと擦り寄ってくる。
クーラーを止め、窓を開けた。
効きすぎて寒かったようだ。
トイレへ行ってからベッドに戻る。
肌がひんやりとしていて風邪を引いてないか心配だ。
密着させてお腹だけでも温まれば良いかな。
朝になって、暑くて目が覚めた。
先生も布団を蹴っ飛ばしてるのでクーラーを入れた。
トイレから戻ると流石は部屋が狭い、良く効いている。
設定を緩めて再度添い寝をした。
涼しくなるとちゃんと俺にくっついてくる。
年上なのに可愛い、と思ってしまうんだよね。
あ、むらむらとしてきた。
久々に朝からしちゃおうかな。
緩めたクーラーを再度強くして先生の胸をなでる。
乳首、立ってきた。
寝てると乳首だけでは逝かないから適当なところで下に指を這わす。
うん、ちゃんと濡れ始めてる。
暫く弄ってたら起きてしまったようで鼻をつままれた。
キスをしてから股間に潜り込む。
敏感なところをうまく舐めると声が溢れる。
中に指を入れくじる。
ちゃんと感じてくれてるようだ。
ひっくり返して腰を持ち上げて弄る。
よがってる隙に尻の穴を舐めた。
「っあ…、だめ」
そっと小指を入れる。
「あ…ぅ…」
突起を責めつつなので力が入らないようだ。
ゆっくりと出し入れすると感じてきたようで背中を反って喘ぐ。
3点攻めで逝った。
指をぬいて手を洗いに立ち、戻ると枕で叩かれた。
枕ごと抱き締めて押し倒してキスを。
「もうっ…ばかっ」
いてててて、乳首に爪を立てるなって。
それでもそのまま抱き締めてキスをすると次第に抵抗がうせる。
ペニバン持ってきてたらもう一度抱きたい程度にまだしたい気分なんだが。
そういうと恥ずかしそうだ。
先生の乳首を弄っていると股間に誘導された。
よしよし、いい子だ。
沢山啼かせて楽しんだ。
風呂の湯を落としてないので風呂に入らせてから喫茶店に朝ご飯を食べに行く。
たまには良いだろう。
手を洗って着替え、風呂上りの先生にキスをして着替えさせた。
喫茶店でモーニングをいただく。
「あら、珍しいですね、先生」
昔生徒さんだったらしい。
「ほほほ、たまにはね」
先生のウインナーを貰って食べる。
「そうそう。戻ったら天気も良いから布団を干すわよ」
「あ、はい」
ゆったり紅茶を飲んで支払い、店を出た。
まずは部屋に戻り、干す。
それから家へ戻って孝弘さんや律君の布団も干した。
「良く乾きそうねえ」
「そうですね」
チラッと手首の痕が見えた。
あ、いかんな、さっき喫茶店で気づかれてないと良いんだが。
「先生、もしこれなんか言われたら…昨日庭仕事してたらそうなったと言って下さい」
一応手拭の上からかけたんだけどなぁ。
クリームを取ってマッサージする。
薄くなってきた…ような気もするが。
ふと顔を上げキスをした。
頭に拳骨一発、八重子先生が戻ってきてた。
あいたたた。
ま、でもクリームが消えるまで暫くマッサージ。
八重子先生が入れてくれたお茶を頂いて買物に出た。
今頃先生は昨日何されたか聞かれてるのか。
聞かないであげて欲しいけどね。
買物から帰ると冷たい濡れタオルと麦茶をいただいた。
「暑かったでしょう?」
「いやぁもうギラギラ油照りですね」
背中を拭いてくださってすっきりして台所へ向かう。
今日は豆乳のスープスパゲティ。
お豆腐と油揚げとネギを炊いてつけた。
同時にお夕飯の下拵えを済ませて冷蔵庫に入れて置く。
孝弘さんが居ないときはスパゲティやパン食でも良いと言われている。
「あら、おいしそう」
「どれどれ」
「結構いけるわね」
「スープもおいしいねぇ」
嬉しくなる。
その後、家事を手伝って、お三時。
おやつをいただく。
「あんたお盆はどうするの?」
「あー。そうだ、忘れるところでした。明日お稽古お休みしていいですか」
「いいけどどうしたの?」
「六道参り、明日からなんですよ。だから」
「なぁに、それ」
「ええと。六道珍皇寺または六波羅蜜寺で鐘を突いて。
 先祖を呼び出してもらい連れ帰る行事がありましてそれをするために戻ります」
ただ、実の所、市中心部の慣わしと見えて市周辺部の出身者の俺は良くわかってない。
それでもしないのは変な気がする。
そういうわけで毎年帰省して迎えに行くのだが。
「そんなのあるのねぇ」
「結局お盆はどうするんだい」
「えーとですね。何もしないで居られる自信がないんで来ません」
スパーンと先生に新聞で叩かれた。
「むしろですね、盆明けに俺、岡山に出張あるんで一緒にどうかと思ってるんですが」
「岡山?」
「ええ、もし来られるのなら有給とれますから近くの温泉に三日ほどと」
「この暑いのに温泉?」
「プールがよければそちらでも」
「行ってきたら。どうせ生徒さんもちらほらお休みだからねぇ」
「でもお母さん大変でしょ。いいわよ」
「わかりました、じゃ涼しくなったら考えましょう」
「そうして頂戴」
うーん、残念だ。キングベッドの部屋をとっているのだが。
と言うかその部屋しかなかった。
温泉の仮押さえしてあったのを断っておやつをつまむ。
「お夕飯、何作る予定なの?」
「一応ささみアスパラ炒め、小松菜と厚揚げの煮びたし、金目を煮ようか焼こうか」
お夕飯の支度をするにはまだ早いのでしばし団欒を楽しむ。
「はらへった」
孝弘さんにお饅頭を渡してそろそろ夕飯に取り掛かろう。
「あ、待って。その前にあっちの布団取り入れて頂戴」
そうだった、忘れてた。
取り入れに行って戻ってくると先生方が調理を開始している。
「お帰り、うちの布団も取り入れてー」
「はいはい」
各々の部屋に取り込んで、洗濯物も取り入れた。
しかし律君のか孝弘さんのか、下着は良くわからん。
流石に何履かしてるまでは把握してないからなぁ。
とりあえず畳んで積み上げた。
八重子先生が戻ってきて仕分けしてくれてそれも各々の部屋へ。
孝弘さんのは箪笥の中へ。
食卓を用意していると律君が帰ってきた。
「おかえり、洗濯物は部屋に置いておいたよ」
「あ、すいません」
部屋へ行って、すぐに引き返して台所へ行った。
何か先生と喋ってるようだ。
暫くして律君が孝弘さんを呼びに行く。
配膳を手伝って夕飯をいただいた。
金目は焼いたようだ。
おいしい。
先生が楽しげに俺や孝弘さんを見る。
どうも沢山食べるのが見ていて楽しいらしい。
ご馳走様をしてしばし団欒を楽しめばもはや帰る時間。
明日、明後日と会えないから少しさびしい。
玄関先で頭をなでられた。
「土曜日待ってるから。明日気をつけて」
「はい。じゃ、また」
「またね」
送り出されて帰宅した。
翌日。
仕事を済ませ、着替えて京都へ。
京都はやはり暑い。
東京とは違ったじっとりとした暑さだ。
げんなりしつつ、観光客にもまれつつ清水道より1つ北の停留所へついた。
六道参り、と道の上に幕が張ってある。
坂を下って六道珍皇寺へ。
塔婆を書いてもらって鐘の列へ並ぶ。
相変わらず暑いのに沢山の人だ。
行列は角を3つ分。
この日差しの中待つのは辛いが仕方ない。
首の汗を拭い扇子で扇ぎ、麦茶を飲む。
やや曇っていてこれだから晴れてなくて良かった。
汗が滴る。
列はじりじりと進みやっと寺の裏口が見えてきた。
もう少し。
寺内に入る。
鐘を突いてからお参りし、水回向。
それから西福寺。
ここは地獄絵図で有名だ。
九想図絵もある。
そして六道珍皇寺で鐘を突き、お参りをした。
実家に帰ってその足で先に墓参り。
親たちは盆の連休に行くそうだ。
ついでに結婚はしないのか、などと言う話が出た。
一応考えている人はいると返しておいたが…。
あまりに汗だくなのでシャワーを浴びて着替えてから東京へ戻ることにした。
風呂から出るとメシが出来ていて久々に食う自宅の飯。
肉が沢山、魚はちょっと。
ガッツリ食って満腹。
そのまま寝てたいけど明日も仕事だから。
「んじゃ帰るわ。暑いし体調崩さないように」
「あんたも気ぃつけや」
「あ、服」
「洗て送ったげるから」
「頼むわ」
「はいはい、ほなね」
「またね」
タクシー呼んでもらって京都駅へ。
京都駅も暑い、蒸してる。
時間はあるので少し先生に土産を買った。
新幹線に乗って転寝、終点だから問題ない。
次は新横浜のアナウンスで目が覚めた。
車販のコーヒーを買って飲み終えると東京だ。
あくびひとつ。
バスに乗り換えて帰宅した。
暗くて暑い部屋の電気をつけクーラーをパワフル運転にする。
眠い。
やらなきゃいけないこともなし、寝ようか。
携帯がなる。
先生からだな。
手首と足首の写真。
手首はほぼ残ってないようだが足首はしっかり残ってる。
あの時八重子先生来たからマッサージできてなかったもんなぁ。
風呂でよくマッサージする事と、写真は削除するように言う。
証拠は残すべきじゃない。
今からお風呂と言う返事があった。
どれほど残っているか確認したいところだが。
土曜のお稽古では流石に残っちゃ居ないだろう。
俺は先に寝る、と返してベッドに潜り込んだ。
おやすみなさい。
出勤し、仕事。やはり暇だ。
というか荷物が来ないから売るに売れず。
普段三千円の魚も八千円ではねぇ。
外は暑い。
ああでも昨日の京都に比べれば涼しいね。
今日行けばよかったか?
とはいえ昨日の疲れで眠い。
だから今日行ってたら明日お稽古が辛くなってるはず。
仕事を終え、帰宅してすぐに寝た。
夕方起きて食事を取る。
先生からメール。
明日台風の様子を見て来れないようなら来るなと。
きっと台風は来ない大丈夫。
だから行く。
逢いたいし。
心配させてもいけないから、その時の判断で行くか行かないか連絡すると返す。
来れるなら来て、と書いて返って来た。
勿論だ。
何度かメールを交わし、お休みの挨拶を交わした。
シャワーを浴び、寝た。
翌朝テレビを見ると九州四国方面は大変そうだ。
しかしながら関東にはこなさそう。
先生のところへは余裕でいけるだろう。
時化と台風で出足が悪いのとで大して売れず。
さっさと先生のお宅へと移動した。
「あら、いらっしゃい」
「こんにちは」
「早かったねぇ」
「あ、そうでしたか?」
「いま朝の生徒さん帰られたところよ」
「ああ。じゃこれからお昼ですね」
「あんた食べてきたの?」
「ええ」
部屋に鞄を置きに行って水屋の支度。
さっと茶室の畳を拭き掃除した。
一旦居間に戻ると見合い写真の山を先生が見ている。
「あ、あんたも見る?」
「…開さんの?」
「そう。いい加減身をかためさせないとねぇ」
「え。俺とって話は消えたんですか」
「だってあんた、最近会ってないだろ」
「そういえば見ませんね」
「これ」
「ん? あ、先生じゃないですか。孝弘さんとの見合いの?」
「あら違うわよ、成人式の時に撮ってもらったのよ」
「うーん、やっぱり綺麗で可愛いですね。清純ってかんじ」
そういうと頬染めて可愛らしい。
「あとは晶の見合いが来ててね」
いくつか見せてもらった。
「を、これイケメン」
「あらほんと」
「先生もこういうの好みですか?」
「んー私はちょっと」
「孝弘さんが好みなんですもんねぇ、先生は」
ほほほ、と笑っている。
「さてと、そろそろ生徒さん来るよ」
「あらもうそんな時間? お手洗い済ませておかなくちゃ」
ぱたぱたと行かれた。
先生が戻られる前に生徒さんがいらっしゃったのでお相手を。
おいでおいでをされて近寄る。
「先生まだいらっしゃらないから聞くけど…あなたAVお持ち?」
「え、ああ、はい」
「息子がね。変なAV持ってたのよ。誰か相談できないかと思って…」
「変な、と言うと」
「先生には変態って言われそうなものなのよ、だから相談できないの」
あ、足音。先生が来た。
「お稽古が終ったらお聞きします」
「お願い」
先生が入ってこられた。
「こんにちは、中村さん」
「先生、こんにちは。よろしくお願いします」
「はい、じゃ今日は…」
お稽古が始まる。
長板をお稽古される間に次の方の用意を整えた。
そして中村さんのお稽古を終えるころ、次の生徒さん。
ご挨拶。
入れ替わられたあと隣の部屋で話を聞く。
聞いてみたが軽いSMが入ってただけでたいしたものではなかったようだ。
部屋に道具類があるかも確かめる。
まだそういうものはないそうだ。
「一過性で憧れを持ったりすることはよくあると思います。ただ…」
これからそういう道具やビデオを集めるようになったら諦めるように、と。
のめりこむ人は一定数いるし。
「非難しても性癖はどうしようもありませんから」
「そういうものなの?」
「軽いものなら普通に暮らせますよ。奥さん貰って子供も作って」
「重いと?」
「奥さん以外にプレイ相手が必要になります」
「浮気なんじゃないの?」
「そういう感覚ではない人が多いでしょうね。奥さんにはできないことをしているだけ」
気持ちはわかる。俺はしてないけど。
少し納得されたような。
内緒にして欲しい、と言われて帰られた。
お稽古に戻る。
夜になって先生と寝間に入った折に聞かれた。
「なんだったの?」
「ん、ああ。息子さんの部屋からAV見つけたって」
「あら。なんだそんなこと」
「律君の部屋にあっても平然としてるのかな、あなたは」
「男の子だもの…」
「ふぅん? そうかなぁ」
「第一あの子の部屋、テレビないわよ」
「あ、そうでした。じゃエロ本。俺が見てるようなのとかどうです」
「あなたが見てるようなのならお説教ね」
「見せてみようかな」
「やめなさい」
「選択肢」
「許しません」
「あなたは見るだろう?」
「見ないわよ」
「俺の部屋の、読んだくせに」
「あれは…」
後ろから抱いて耳を舐める。
「あれはなに?」
胸に手を差し入れて揉みしだくと喘ぎそうになっている。
股間をまさぐると体がはねて。
耐えてるのが可愛い。
ぎゅっと俺の腕を掴む力が強くなり、すぐ脱力した。
逝った様だ。
ハァ、と息をついてもたれてくる。
「もう、だめよ…布団入りましょ」
ふふっと笑って引き入れた。
「明日、また縛ってあげようか」
「だ、だめよ。それは。痕残っちゃって大変だったんだから」
「見るたびに思い出した?」
「…その…やだ、何言わせるのよ」
「ほんと、かわいいなぁ。いつかここにも蝋燭落としてあげるよ」
股間を弄り回しながらいうと随分と濡れている。
「や、こわい…」
「こわくないこわくない」
中を弄りつつキスをして気持ちよくなってる隙にまたお尻に指を入れた。
「んぅぅ…んっ、んんっ」
俺の胸に手をやり押し返そうとしているが力は入ってないね。
いや入らないんだろう。
尻の穴だけでは無理だけど他のところも同時刺激で逝けたようだ。
うー、色っぽい。
「抜いて、ねぇお願い…」
あんまりにも可愛らしくてお願いを聞いてしまった。
「手、洗ってきて頂戴よ」
「はいはい」
布団から出て洗面所で洗う。
その前に嗅ぐ、なんてことはしない。
スカ趣味はないからな。
浣腸も必要があれば、だ。
出すところを眺める趣味はあるが。
それはそれ、恥ずかしがるから見たいんであって。
部屋に戻り、布団に潜り込む。
背を向けてる先生を抱き締めた。
「お尻、駄目よ…。ね、聞いてるの?」
「んー、ふふ、可愛かった」
「ばかっ、もうっ」
そろりとお腹に指を這わす。
「もう一度、する?」
「お尻、しないで」
「しょうがないな。わかった」
今度はゆったりと普通に抱く。
「愛してる…」
「嬉し…ん、キスして」
深く浅くキスも交わし、逝かせて眠くなった先生を寝かせた。
俺も寝るか。
おやすみ。
翌朝、やはり先生は良く寝ている。
しょうがないよね。
寝顔も可愛い。
朝飯の支度をしてると八重子先生が起きてきて一緒に用意。
もう最近は遅い理由は聞かれない。
配膳する頃先生が起きてきて孝弘さんと律君を呼びに行った。
「いただきます」
食事中先生が律君に今日の予定を聞いてる。
台風来るからね。
今日はレポート片付ける、と言う。
朝食後は家事。
先生はまだ眠たげだがお昼寝はお昼食べてからね。
お風呂を洗って茶室の掃除をしてお買物。
お昼と晩、明日の朝の分も。
台風がどうなるかわからないから。
眠そうな先生は置いていくことになった。
リスト片手にお買物。
帰宅すると先生は繕い物をしている。
「痛っ」
「今日は止めたらどうだい、さっきから何度刺してるの」
ぷっくりと指先に血を出して、困った顔している。
「お昼にしましょう。そんでお昼寝したら良いじゃないですか」
「ん、そうね」
てきぱきとお昼を作って出す。
嵐の前の静けさか、のんびりとした雰囲気だ。
テレビでは関西が大変なようでL字枠が出ている。
「あんた実家のほう大丈夫なの?」
「ああ、あっちは災害来ないですから」
「電話くらいしたほうが」
「良いですよ、問題ないですって」
いっつも警報すら出なくて子供の頃は腹が立ったもんだ。
食べ終わって洗い物を済ませて戻れば座布団枕に先生が寝ている。
浴衣だからお太鼓じゃない分寝易そうだが…文庫に結んだ帯を貝の口にしてあげた。
寝息が気持ちよさげだ。
ゆったりのんびりしているとテレビで関西の状況をやり始めた。
なんだ、また桂川氾濫注意か。
「…あんた本当に電話したら?」
「うち、川も山も近くないんで大丈夫ですよ」
「そう?」
「ええ」
まったりとお茶を飲んでゆっくり。
少し雨だが気温が下がって気持ち良いようで先生はよく寝ている。
こんな休みも良いね。
玄関から物音。
「おばさーん、律いる?」
んん、と先生が呻く。
ばたばたと司ちゃんが入ってきた。
先生起きちゃったじゃないか。
「んー…、あ、司ちゃん。律なら部屋よぉ」
「あ、ごめんなさい、寝てたんだ」
司ちゃんが律君の部屋に行って先生が寝返りを打つ。
俺の膝を枕に。
すっかり甘えるようになった。
ほつれ髪を直してあげる。
夕方、八重子先生が夕飯を作る、と立った。
先生をそろそろ起こすべきかと思ったがそのままと仰る。
二人でいるとちょっかいを出したくなって困るんだが。
ふっくらとした胸とか。
気配がわかったのか先生が起きた。
「ん、何時?」
「もう夕方。5時半ですよ」
「あら。お夕飯…どうしよう」
「いま八重子先生が」
パパッと身づくろいして慌てて台所へ。
俺は痺れが切れて悶絶。
流石に足の組み換えなしはきつい。
「山沢さん? どうしたの」
「痺れ切れただけです、って触ろうとしてますよねっ」
「うふふ」
「くすぐるのもナシっ」
くっくっくっと笑い声がして振り向けば律君。
「絹ー」
「あ、はーい」
ぱたぱたと先生が台所へ戻ってった。
「うー…律君、メシはまだだよ、まだ」
「いや、ね。司ちゃんがお酒切れたっていうから」
「あぁこの間補充したの持ってって。良いよ」
「ありがとうございます」
暫くしてやっと治ってきた。やれやれ。
食卓を片付けて台拭きで拭く。
台所に顔を出した。
「あ、そろそろお父さんたち呼んでくれる?」
「はーい」
離れへ行って孝弘さんを呼び、律君の部屋へ行き二人を呼ぶ。
先生が配膳するのを手伝ってお夕飯。
今日もおいしい。
お味噌汁の具が麩。みんなは茗荷。
この家はなすと茗荷の味噌汁好きなんだよなぁ。
ご馳走様をしたら帰らねばならない。
「また明後日来ますね」
「気をつけてね」
「またね、山沢さん」
「おやすみなさい」
「おやすみ」
先生がちょっと寂しそうだが仕方ない。
流石に司ちゃんもいるからキスどころか手も触れなかった。
残念。
帰宅してベッドに潜り込む。
あ、そろそろ股間の白髪抜いて上げなきゃなぁ。
なんて思いつつ眠りに落ちた。

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h33

車で来て正解。
電車だと1時間半早く出なきゃいけない。
家に帰って1時間半なんて寝た気もしないし。
そのまま出勤し仕事。
朝から暑い、たまらん。
やる気なく暇な火曜日で客も定休日が多い。
だらだらと仕事を終え先生のお宅へ向かった。
「いらっしゃい、あなた昨日いつのまに帰ったの?」
「こんにちは、12時くらいですよ。よく寝ておいででしたよ」
鞄を置いて水屋を整え、待つ。
生徒さんも来られて御菓子は…うん、昨日の。
楽しそうだ、先生も生徒さんも。
お稽古が終った後、俺にはチーズケーキをくれた。
濃くてうまい。
「ご飯前だけど、おいしいですね」
「あ、そうだったわね。一つだけね。あとはご飯済んでから」
頭をなでられてしまった。
夕飯に期待しつつ食卓を片付ける。
今日はぶりの照り焼きがメインにカボチャの煮物や切り干し大根、お味噌汁。
それと揚げの炊いたんに蕗が入ってる鉢。
俺へはぶりの変わりに鶏の照り焼き。
八重子先生の作る飯はおいしい。
おいしくいただいてご馳走様をして洗い物にかかる。
先生が台所に来て俺の背に手を置いて甘えてきた。
「もうちょっと待って。眠いんですか?」
「わかる?」
「手、あったかいですし」
「ごめんね…出来ないの…」
「眠いなら仕方ないかな」
片付け終えて居間に先生を置き、布団を敷いて戻った。
「寝ますか?」
「うん。じゃおばあちゃん、お先に」
「おやすみー」
「あんたも早く寝なさいよ、おやすみ」
「おやすみなさい」
部屋で着物を脱いで着替え髪も解いた先生はやはり色っぽくて。
抱いちゃ駄目とはやはり辛いね。
懐に抱いて背中をなでると入っていた力が抜けてすぐに寝息を立てる。
熟睡し始めたら居間へ行ってお茶でも飲もうかな。
流石に今寝たら朝日が昇る前に起きてしまう。
とか思いつつも先生の体の感触や寝息、匂いに意識が飛んでいつしか寝てしまった。
まぁ結局一般的には夜中と言われる時間帯に目が覚めてしまったわけだが。
気持ち良さそうに寝てるなぁ。
少し悪戯心が沸く。
そっと胸に手を滑り込ませ胸をやわやわと揉む。
良い感じにまだ寝てる。
やはり興奮してない時に揉んでもたいしたことはないようだ。
だったら俺が満足するまで触ってても良いかな?
起こさないように気をつけながら。
気持ち良いなぁ、先生の肌。
伊達締めをほどいてお腹や毛、その下もまさぐる。
あれ? ぬめってる。
…普通の寝息、だよな。
感じてるという風もない、が。
反応はしてるのかな。
これだけ濡れてたら良いか…入れても。
いや、流石に入れたら起きるよね。
折角寝てるんだから起こすのは忍びない。
ぬめった指は舐め取って着せなおそう、うん。
ごそごそと着せて伊達締めを結んで。
「うぅん…ん?」
あ、起きた。
「何してるの?」
「あー…ほどいたから結んでる?」
「…触ってたのね?」
「はい」
むぎゅっと鼻をつままれた。
「寝てるのに変なことしないで頂戴」
「うー」
「うーじゃありません。寝なさい」
「はい…」
怒られてしまった。うーむ。
仕方なく抱きかかえて寝る努力。
先生は本当にすぐに寝息を立ててる。
可愛いな。
まあそのままうつらうつらと夜明けを迎えた。
さて、メシ作ろう。
そっと枕にされてる腕を抜いて身づくろい。
台所で支度をしてると八重子先生が起きてきた。
「おはよう。相変わらず早いねえ」
「昨日早く寝てますから」
暫くして先生。
「ねむーい…」
「あんた早く寝たじゃないの」
「だって夜中この子触るんだもの。起きちゃったわよ」
「すいません。もうちょっと寝てても良かったんですよ」
「もういいわよ」
朝飯を出して皆で食べて。
律君が学校に行ったあと先生が洗濯をする。
その間に俺は草むしり。
そろそろお昼ご飯と呼ばれたり、おやつの時間と呼ばれたり。
あっという間に水曜は過ぎ去っていく。
庭広いって大変だったんだな…。
ご飯前にシャワーに入るように言われ浴びた。
あ、着替え出てない。
しかたないなーとペタペタと部屋に向かって着替えて出たとこで先生に会った。
「あら、着替え出すの忘れたと思って取りに来たのに」
「遅うござった。着替えちゃいました」
「…裸で歩いちゃ駄目」
「…はーい」
「ご飯できたからそろそろ食べる? おなかすいてるでしょ」
「皆そろってからで良いですよ。それより」
ひょいっと先生の頬に手を当ててキスしてみた。
「あなたを食べたいな、なんて」
「ばか、こんな時間に…」
「うーん、先生可愛いなぁ。好きだな」
後ろ向いちゃったので抱き締める。
「良い匂い」
「汗臭いでしょ…」
うなじにキス。
「臭くないよ」
すっと胸に手を差し入れて軽く揉んだ。
「駄目よ」
「わかったよ、明日。うちに来るかあちらで」
「そうね。それがいいわ」
離したくなかったが玄関で物音がしたので諦めた。
ささっと先生が胸元を直し終えて一緒に居間へ行く。
「おかえり、律」
「ただいまー。もー暑いよ、外」
「あんたもシャワー入ってきたら?」
「そうする」
「着替え持って行くのよー」
「んー」
律君が部屋に行ったのを見て早くも食卓におかずを出そうとする。
「待たなくて良いんですか?」
「すぐ出てくるわよ」
配膳してしばし待つとタオル片手に戻ってきた。
本当にすぐだな。
「お父さんは?」
「いらないんですって。じゃいただきましょうか」
4人で食卓を囲み団欒を享受する。
いいなぁこういうの。
ご飯を食べて一服したら帰宅、家の中が暑い。
クーラーをうんと効かせて就寝。
寒くなって目が覚めたがどうせそろそろ起きる時間だ。
支度をして出勤。
いつもの暇な木曜日。
だらけつつも仕事をしてるとメールが来た。
夜に来客のため遊べない旨、先生から。
残念だ。
土曜日の夜に回収するかな。
昼前に仕事を終え、帰宅して先生のお宅へ。
お稽古を手伝い、自分のお稽古をつけてもらっている時に訪なう声。
来客、だな。
八重子先生が応対している。
俺へのお稽古が終ったので水屋は引き受け先生を送り出した。
「勝手に帰りますから。構わなくて良いですよ」
「ごめんね。じゃ」
「ん、また明後日来ますから」
頭を一撫でして先生は居間へ行かれた。
俺はゆっくりと水屋を片付けてから帰宅。
今日はタイマー設定してあったので極楽だ、部屋涼しい。
シャワーを浴びベッドにもぐりこんだ。
おやすみなさい。
朝。起きると先生が横にいた。
またか…。
多分終電でうちに来たんだろう。
来客は夜には帰ったのかな。
頬を撫でて出勤の支度をして置いて出た。
暇だから本当なら会社を休んで一日、先生と遊びたいが…。
会社勤めの悲しさ、勝手にゃ休めない。
いや自営業でも勝手休みは中々難しいご時勢だろうが。
仕事を頑張って昼前に帰宅した。
電気がついていない…。
帰ったか、寝ているかどっちだろう。
玄関を開けた。草履がない。
帰っちゃったか…。
ちょっとがっくりした。寝に来ただけか。
腹減ったなぁ…。
シャワーを浴びて風呂から出ると台所から物音。
覗き込むと先生がいた。
「帰ったんじゃなかったのか」
「買物行ってたのよ。冷蔵庫何も入ってないじゃないの」
「週の半分以上あなたの家で食ってるからね」
「お昼簡単なものだけど作るから。服着なさいよ」
「んー」
もそもそと着替えるとすぐ、出来たわよと声がかかる。
「今日は冷製パスタね」
さっぱりとうまそうだ。
オリーブオイル多目にトマトとバジルとなんかの葉っぱ?
「有機ベビーリーフが売ってたのよ」
なるほど。
食べると少し塩は薄いものの冷たさが嬉しい。
そしてアイスコーヒー。
体の中から冷える。
クーラーの設定温度が高めなのはそういうことか。
ごちそうさまをして洗い物をしていると先生が寝巻に着替えている。
片付け終わったのを見て先生が手招きして寝室に入った。
していいんだな?
明日俺も仕事で先生もお稽古なのはネックだが…今日はペニバンを用意してみた。
ちょっと顔が引きつってる。
装着したまま挿入はせずゆったりと抱いているが気になるようだ。
「入れてあげよう」
「やだ…」
「というかたまには入れさせなさい」
真っ赤になって身を縮めている。
「無理強いしないと駄目なのかな?」
あ、うなづいた。
「恥ずかしいから出来ない?」
再度うなづく。
そういうとこ可愛いよなぁ。
「今更恥ずかしがらなくても良いじゃないか」
「でも…」
ひょいと先生の片足を肩に担ぐ。
「やっ、やだ」
あてがいゆっくりと擦り付けると腰が前に出てきた。
体は正直だ。
じっくりと入れていく。
ん、もう入らないな。
「ほら、入った。動かすよ」
蠕動を繰り返すと喘ぎ声が出る。
先生の良いところを狙いつつ逝きそうな所でやめた。
「あっ、なんでっ」
「んー?ふふ、動いて欲しい?」
「やだ、ちが…」
「動いて欲しけりゃ言いなさい、じゃないとこのままだよ?」
体が治まらないよう適度に動いたりして焦らす。
「あぅ、お願い、もう…」
「なにかな?」
「お願いだから、最後までして…あっ」
一挙に追い詰めて昇り詰めさせた。
言葉にならない声が沢山出て、俺の足に先生の足が絡みつく。
ぎゅっとしがみつかれつつ暫く腰を動かすとひときわ強くしがみつかれた。
逝った様だ。
入れていたものをゆったりと動かす。
徐々に脱力してきた。
整いかけた息をまた乱させる。
再度逝かせて抜いた。
外してから寝転がって先生を上に乗せた。
ゆっくり背を撫でて落ち着かせる。
暫くして息も整ってきたようだ。
「お疲れ様。ちょっと寝ますか?」
「うん…」
ふぅ、と息をついて寝る体制に入られた。
俺も疲れて眠くなり、そのまま寝た。
ふと目が覚めると既に外は暗く、8時を過ぎていた。
あー、メシ、なんか食わせて帰さないといかん。
冷蔵庫を漁る。
昼に先生が色々買って来てたのでそれを調理して3品ほどだが用意した。
先生を起こす。
「んー?」
「もう8時過ぎですよ。メシ食って帰らないとあなた明日お稽古あるでしょう?」
「うー…」
上体を引き起こしてもずるずると崩れてしまう。
「ほら、起きて。明日の朝帰るつもりですか?」
「そうするわー家に電話しといて」
苦笑して布団をかけて先にお宅へ電話することにした。
最近眠い眠いといってるからか、すぐにOKが出る。
とりあえずは俺だけ飯を食って残りは冷蔵庫に仕舞った。
明日の朝食うかもしれんし。
ざっとシャワーを浴び、着替えて先生の横にもぐりこんでおやすみなさい。
いつものように寝ている先生を置いて出勤した。
なんだか忙しい。
途中で気づく、そうか、三連休か。
お稽古、ないんだった。
道理でうちに来ちゃったわけだ。
忙しくて仕事が終わらない。
先生から電話が来た。
まだ帰れない、少し遅くなると伝えて仕事に励む。
やっと終ったころには昼前で。
急いで帰宅。
「ただいま」
「あ、お帰りなさい、遅かったわね。先に食べる?」
「もうちょっと待てますか? シャワー浴びたいです」
「はいはい、入ってらっしゃい」
ざっと浴びて出るとちゃんと着替えが用意してあった。
羽織って食卓につくと熱々のお味噌汁やおかずが用意されていた。
部屋も掃除されていて洗濯物も干されてる。
良い奥さんだよなぁ、先生。
「ありがとう」
炊き立てご飯をよそってもらってお昼ご飯をいただく。
先生が座って、いただきます。
うーん、うまいなぁ、メシ。
「今日はどうしたの? いつもより遅かったけど」
「すいません、三連休と言うことで忙しくて。久々に忙しいから焦りました」
「忘れてたの? じゃ今日お稽古だと思ってた?」
「勿論。帰ったら先生はとっくに居ないって気でいました」
「だから昨日帰らそうとしてたのねえ」
「だって朝からお稽古のつもりでしたし」
「でもご飯食べたら帰るわよ?」
「えー」
「灰、しなきゃいけないもの」
「あー…そういえば土用ですか、もうすぐ」
「そうよ」
「手伝いますから一緒にいても良いですか」
「あら。嬉しいわ」
じゃメシ食ったら土弄りできるような服持って先生の家に行こう。
「着替えてから来たら良いじゃないの。時間の無駄だわよ」
それもそうか。
ご馳走様をして洗い物をしたら服に着替えて車に乗り込んだ。
先生を後部座席に乗せひた走る。
「このままどこか遠くに行きたいわね。折角のお休みだもの」
「そうしてもいいんですけどね。俺は」
「でも駄目ね、お母さんだけじゃもう出来ないものね」
先生は溜息一つついて。
「まぁ俺はね、あなたがそう思ってくれたんで良しとしますよ」
「ごめんなさいね」
「早く終わるようならどこか行きましょう」
「そうね」
途中で検問。呼気。
こんな時間から? と言うと三連休だから昼酒飲んで走るのがいるらしい。
あと脱法ハーブ。
「そんなことして何が良いのかしらね」
発進してから先生がぽつりと言う。
「どうせエロにでも使うんでしょう。昔からsexと麻薬は切っても切れませんからね」
「そうなの?」
「シャブをコンドームの上から塗ってね、ぶち込むんですよ。
 するとそれなしでのsexじゃ逝けなくなるって話がありましてね」
「えっ…」
「あなたにゃしませんよ」
「…ちょっと待って、持ってたりするの?」
「今持ってませんが簡単に手に入ります。あえて脱法ハーブ選ぶメリットがない」
「そんなに?」
「ああ、単純所持で捕まらないメリットはありますが…。
 脱法ハーブで死んだり後遺症残るくらいなら古い麻薬のほうが安全性は格段…」
「え、そうなの? そんなに違うの?」
「あのですねぇ、昔からある奴はいわばたくさんの人体実験の上で、
 何がどう残るかわかってる薬物です。どれを選ぶかは本人次第。
 脱法ハーブはどうなるかわからないんです。
 吸った時問題なくても翌年に脳みそが溶けるかもしれない」
「溶けるの!?」
「シンナーは溶けると有名です。そういう人学校にいませんでした?」
「居たかもしれないけど知らないわ」
「でしょうね、あなたにそういう友達は似合わない」
「あんたにはいたの?」
「いますよ。第一。市場自体そういうやつらの受け皿ですよ、若い子のね」
ふと笑ってしまった。
「なぁに?」
「いや、俺の場合周囲がこうだからかさっさと風俗遊びもしてましたけど…。
 あなたがね、Mだなんて思ったとしてもそういうお店いけなくて苦しいだろうなって」
「うーん、そうねぇわたしがMって若い頃に思ったら、と言うことよね?」
「ええ」
「多分…ううん、絶対いけないわよ」
「もしか若い頃にあなたと出会ってたらどうなってたでしょうね。もっと酷くしてたかも」
「怖いこといわないで頂戴よ」
「今はもう手加減できるようになりましたからねえ」
「してくれてても怖いのに」
そうこうしてるうちに到着。
「ただいまぁ」
「ん、早かったねえ、おかえり。なんだあんた連れてきたの。いらっしゃい」
「お邪魔します」
「うん、灰、この子にも手伝ってもらおうと思って」
「そりゃいいね。着替えといで」
先生が着替えられる間にお茶を頂いた。
八重子先生もしっかり日に焼けない工夫をされて庭へ。
まずは灰を篩う。
「今日はもうこの時間だからね、篩うだけ篩うよ」
三人で庭で篩う。日陰に椅子を置いて。
家ん中でしない理由わかった、灰だらけになる。
すべて終ったころには日が暮れかけていた。
「あんた顔洗っといで」
手拭で顔を覆ってたのは日に焼けない工夫じゃなく灰をかぶらない工夫だったそうだ。
そのまま庭の水栓で洗う。ぬるぬるする。アルカリか。
「山沢さん、服洗うから上がって脱いで頂戴」
「ここで脱いではたいてからのほうが良くないですか」
「だめよ、人が来たらどうするの」
しょうがないのであちこちはたいてから上がって、脱いだ。
洗面所に行って洗顔料を使って顔を洗いなおすとやっとぬるつきが取れた。
「ごはんどうする?」
「今から作るのも面倒だね、なんかとろうか」
「そうねぇ」
「この間ほら、広告入ってたろ、パエリア」
「それがいいの?」
「肉の入ってる奴も有ったから良いんじゃないかねぇ山沢さんも」
「山沢さーん、パエリアで良い?」
居間からの声に答える。
「良いですよー、何でも」
先生があれやこれや決めて電話した。
「30分くらいですって」
「ああ、じゃ私先にシャワー浴びてくるよ」
「はーい」
八重子先生が風呂から上がって一服してると届いた。
サラダといくつかのサイドメニュー。
おいしく頂いて満腹で先生は少し眠そうだ。
「あぁ、ほら、お風呂入ってきて。じゃないと汗で痒くなるでしょう?」
「ん、そうね。入らないと」
あふ、とあくびをして風呂に行かれた。
「風呂場でそのまま寝そうだねぇ。あんた一緒に入っといで」
八重子先生に言われて風呂場へ行くと先生の着替えも出てない。
部屋に一度行き布団を敷き、先生の分も着替えを持って風呂に行く。
先生は風呂の中でぼんやりしてて俺が後ろに座るともたれてきた。
「もう洗ったんですか?」
「まだよー」
「じゃ洗ってあげますね」
体を泡で洗って髪も丁寧に洗う。
気持ち良さそうで、もう寝そうだ。
「もうちょっとだけ起きててくださいよ」
「んー」
全部洗って拭いて。
髪をタオルで包んで布団に転がす。
バスタオルを枕にして。
戻って俺も頭と体を洗った。
居間へ寄って戸締りをしてくると声を掛け、玄関を確かめてお勝手にまわる。
八重子先生が火の元の確認をしている。
「絹は?」
「寝ちゃってると思いますよ。ドライヤーしてないんでしてあげないと」
「甘やかしてるねえ」
「ですねえ」
頭をなでられた。
「あんたもちゃんとあの子に甘えてる?」
「ええ、十分に」
「ならいいけどね」
鍵を確かめて居間に戻る。
「じゃもう寝るよ。明日は早いからね」
「はい、おやすみなさい」
「おやすみ」
ドライヤー片手に部屋に戻ると先生はすっかり寝ている。
優しく髪を乾かしてから俺も横にもぐりこんだ。
おやすみなさい。
翌朝、食事を取ってすぐに昨日の服を着て庭に下りた。
俺たちが風呂に入ってる間に八重子先生が干してくれてたらしい。
「今日は洗うわよ。はい、これ」
「ゴム手?」
「灰汁でぬるぬるするから使わないと痒くなるわよ」
なるほど。
あとは先生の指示に従って洗って洗って水を替えて。
茣蓙の上に水を切った灰を広げた。
「乾いたら番茶ね」
「とりあえずお昼だね、なんか食べようか」
軽い目のお昼ご飯を食べて
番茶を沸かして回しかけて更に揉む。
何とか日の照っているうちにおおよそ乾いた。
「やっぱり山沢さんいると楽だわねえ」
「そうねえ、助かるわ。律にいつも手伝ってもらってたけど」
服を着替えて先生とお買物へ。
流石に二日続けて店屋物は食べたくないらしい。
でも三人だから簡単にと炒め物にした。
ササッと炒めて食べる。
「たまにはこんなのもいいね」
「ねぇお母さん。明日始末が終ったら山沢さんと遊びに行っても良いかしら」
「いいけどどこ行くの」
「ん、どこか展覧会か何か行きたいわ」
「調べます」
「頼むわね」
にこやかな先生を見てると嬉しくなる。
「遅くなりそうなら泊まって良い?」
「はいはい、好きにしなさい」
ご馳走様をしてお風呂に入りそれから少しおしゃべりをして寝た。
一緒に寝ていると時折乳を噛まれる。
とはいえ寝ているときは血が出るほど、とまでは行かない。
起きてるときのほうが危険だ。
怒らせたりすると千切れるかと思うほど噛まれるからな。
どこで覚えたんだか。
髪を撫でているうちにまた寝た。
朝になって起きてみれば腹にも噛み痕。
先生も苦笑してる。
「夜中降ったみたいですね」
「そうみたいね、乾かしてる間に降らなくてよかったわ」
空はどんより曇り空。
朝ご飯を食べて昨日の後始末をしたら10時過ぎ。
「どうします?」
「うーん…晴れてるなら良いんだけど」
「お疲れなら別に構いませんよ」
「折角なんだからどこか行っといで」
「じゃ着替えるわ」
では俺も。
結局新宿京王百貨店へ行った。
先生のお目当ては粟田焼。
清水焼に吸収されてしまったかのような、京都の焼物だ。
「あら、いいわねぇ」
「俺はなにやら見慣れた感じが…」
「これ欲しいわ」
「売ってるのかな」
店員と交渉する。展示が終り次第ということで話がついた。
その後先生は孝弘さんの甚平を買ったり八重子先生にとパジャマを買ったり。
呉服売り場へ寄っては見たものの気に合うものはなかったようだ。
先生の帯締めと帯揚げは俺が買って。
ふらりと催事を見る。
訪問着で良いのがあったが50万。
リサイクルでそれはちょっとなぁとは思うけど、もし先生が欲しいなら買っても良いか。
結局夏の帯を買ってあげたあとアクセサリーを見に行く。
着物でも出来そうな華奢なネックレスをつけて貰ってみた。
うん、いいね。
お稽古の時は外せば良い。
主張しない程度のアクセサリーもいいね。
「奥様良いですねー、旦那様に買ってもらえるなんて」
とかショップの人が言ってるが上手に先生は笑ってごまかした。
デパートを出て車に乗り込む。
「奥様、ねぇ。ふふふ…先生、俺の奥さん?」
あ、照れてる。
遅い目のお昼を食べに行って一旦うちへ連れ込んだ。
玄関入ってすぐキスをした。
「だめよ。着替えさせて」
胸を押して離れられてしまったので俺も着替えることにした。
お茶を入れて一服。
先生も浴衣に着替えて俺の横に…座るかと思ったら俺を枕に寝転んだ。
「疲れちゃった」
あ、寝る気か。
浴衣と思ってたけど帯じゃなく伊達締め、寝巻き着てきたな。
「寝るんならベッド行きましょうよ」
「本格的に寝ちゃうじゃない。夜寝られなくなっちゃうわよ」
「大丈夫、寝かさない」
「明日仕事でしょ、駄目よ」
「しょうがないなぁ、じゃ今抱いちゃおうかな」
唇を指でなぞってやるとちろりと舐められたのでそのまま舌をなぶる。
濡れた手を伸ばし胸を弄ると息が漏れる。
「疲れてるのに…」
「ふふ、それでも抵抗しないんだ?」
「ばか」
思い立って膝から下ろし、縄を取ってきた。
「怖がらないで俺に任せてごらん」
「ん…」
苦しくない程度にきちり、きちりと縛ってゆく。
菱に縛り終えて鏡を見せた。
息が荒い。
ゆっくりと縄を外すと拍子抜けしたような顔をする。
「期待した?」
「し、してないわよ」
可愛いなぁ照れちゃって。
すべては外さずそこから胡坐縛り。
「やだ、こんなの…」
「綺麗だよ。ほら、ここもはっきり見える」
涎をたらすそこの下、尻の穴をつついた。
「あっ駄目」
ふふっと笑って縄をほどく。
しないの?という顔でこっちを見てる。
すべてほどいて縄を一旦整えた。
それから引き起こしてベッドに連れて行って普通に抱く。
随分濡れてて期待されていたようだ。
そのまま行った後は二人で寝てしまい、夜は鮨を取って食べ更に寝た。
俺は仕事の用意に起きたが先生はまだよく寝ている。
可愛いなぁ。
布団から出ている腕に昨日の縄痕は…ほとんどない。
これなら昼には大丈夫だろう。
キスを落として出勤した。
仕事中に起きた、帰るメールが入る。
痕は残ってないか、気をつけて帰るようメールを返した。
幸い、お腹に少しだけとのことで良かった。
連休明けはやはり暇な火曜で仕事が終わってゆっくりシャワーを浴びれた。
お稽古に行く。
「いらっしゃい」
「おじゃまします。これ忘れ物」
孝弘さんの甚平。
「ああそうなのよ。電車乗った後気づいたの。助かるわ」
先生は八重子先生にそれを見せている。
「あら良い柄ねえ」
「丁度セールしてたのよ。いいでしょ、これ」
俺は一旦部屋、そのあと水屋の支度を整えた。
いつものようにお稽古。
先生も機嫌がよく、暑いわねぇと言いつつお稽古を見ておられる。
適宜水分を取りつつダレ過ぎない程度に冷房を入れて。
皆さんのお稽古が済んで私の稽古。
円草。
忘れていて叱られた。
きっちり厳しくお稽古していただき、片付けてお夕飯をいただく。
暑いから、と冷しゃぶがメイン。
んー、サラダもおいしい。
たまにはこういうのもいいもんだ。
団欒の後風呂。
二人で入って先生の痕を確認するが、さすがにもう残ってないようだ。
そのかわりお腹には肌襦袢で出来た痕がついている。
なぞってるとくすぐったいようで叱られた。
お風呂から出て戸締りをして布団に入る。
今日はゆっくりと撫でて寝かしつけにかかる。
良いの? と問うて来る。
たまには、と答える。
少し嬉しそうで少し残念そうだ。
「して欲しい?」
「どっちでもいいわ、好きにして」
「したいならあなたからしてごらん」
「…今日は良いわ。…恥ずかしいもの」
そっと指を這わすと少し濡れている。
「どうする?」
少し悩んでいるようだ。
「あの…」
「シッ」
人の気配。
廊下をキシキシと歩いて…去った。
「律かしら…」
「多分。今日は止めときましょうか」
「そうね」
先生の股間から手を離して汚れた指をふき取る。
いつになっても恥ずかしそうでそこが可愛い。
抱き締めて背中を撫で、寝かせた。
おやすみなさい。
朝になって先生の寝顔を眺める。
優しげな顔で気持ち良さそう。
クーラーをつけよう、と言っていたけれど要らないかも知れないな。
とりあえず今のところはそんなに暑くはない。
8月の暑さで考えようか。
と言うか暑いのが8月だけならあちらですれば良いわけで。
眺めているうちに目が覚めたようだ。
あくび。
「いま何時?」
そろそろ起きる時間。
身支度をして台所へ向かう。
やや遅れて先生。
朝ご飯を作り、ご飯を頂いて後はいつものとおり家事。
指示されて動くのは結構楽なんだよね。
お昼ご飯できたわよ、と呼んばれて4人で食べた。
食後、先生が新聞を読んでいると何か催し物を見つけたらしい。
「ねぇ、今度これ行かない?」
「はいはい、なんでしょう。あ、いいですね。覚えてたら行きましょう」
午後からは暑いから草むしりはせず風呂を洗ったり床の拭き掃除をしたり。
俺がいると掃除が捗って助かるらしい。
一通り済んでおやつを頂く。
蝉時雨は今の時間聞こえないようだ。
朝うるさいけど。
「夕立ないかしらねえ。暑いわ」
「ここ、まだ涼しいじゃないですか」
「そう? 暑いわよ」
「職場、朝7時には既に今のここより暑いですよ」
「そんなに?」
「湿度も75%は有りますね、大体」
「熱中症とか大丈夫なの?」
「ハイポトニック系飲料持って行ってますから」
「なぁに、それ」
「アイソトニックが体液と同じ浸透圧、
 ハイポトニックはそれよりも体に水分が入りやすい飲料です。
 アイソだとポカリ、アクエリアス。ハイポはアクエリレモンとかH2Oなんかです」
「んー、CMでしてるOS-1みたいなもの?」
「あれは既に脱水を自覚した時に飲むものですよ。まずいし塩が多目です」
「あら、じゃ高血圧だと飲んじゃいけないわね」
「普段に先生方が飲むならポカリをミネラルウォーターで割ると良いかと思います」
「どうして?」
「ポカリはそのままだと糖分が多い。ただの水で割るとミネラルが少なくなる。
 ハイポは汗かいたな、と思う時にどうぞ。脱水時はOS-1もおいしいですよ」
「詳しいのねぇ」
「OS-1買いにいけなくなるほどならLGS作ってましたね。
 水1リットルに一掴みの砂糖、一つまみの塩を溶かしたもの。
 脱水っぽい時は簡単に作れてその場で飲んで回復できますから良く作ってました」
ただ高齢者は塩分制限とかほかにも色々有るから医者行くほうがいい。
少し日が傾いてきた。
一番暑い時間帯が過ぎたのでお夕飯の買物に出る。
肉のレタス巻をねだった。
仕方ないわねえ、と材料を買って下さり帰宅。
夕食を作って律君の帰りを待つ。
俺の分は肉と胡瓜と人参をレタスで巻くもの。
多分孝弘さんに横取りされるだろう。
少しして帰ってきた。
「おかえり。はい」
冷凍したタオルを渡す。
「うわっつめたっ、気持ち良いなぁ、これ」
あちこち拭ったら洗濯籠へ。
すっきりできるから俺もたまにやる。
お夕飯を皆で食べて、やっぱり孝弘さんにちょっと取られて。
団欒を楽しんで帰宅した。
翌日、気温は更に上昇し帰宅する頃にはシャツは水ではなく汗でぐっしょり。
さっさと洗濯機を回して風呂に入り、先生のお宅へ。
暑いですね、が定型の挨拶になりつつもお稽古を済ませお夕飯。
八重子先生はこの暑い中、ちゃんと煮物を作ってる。
凄く偉い人だと思う。
主婦なら当たり前、と一蹴されたけど。
それから帰宅したが同時に雷雨。
酷い雷と雨。
テレビをつけると一部地域で停電のようだ。
先生にメールをする。
あちらは大丈夫とのこと。
安心して寝た。
出勤すると会社の人は何人か、家の前がすごいことになってた!などと言っている。
そんな話でにぎわいつつ仕事を終える。
家へ帰った汗だくの体をシャワーで流し、クーラーが効いた寝室のベッドに転がり込んだ。
このまま夕方まで寝よう。
夕方どころか暗くなって先生のメールで目が覚めた。
メシ、食わなきゃ。
あれ? またメール?
開いてみる。
なんだろうこれ。
うーん。
今の写真は何か聞いてみた。
暫くメールが返って来ないので着替えてコンビニへ。
途中で鳴った。
どうやら携帯を踏んだそうだ。
写っていたのは足の裏だったようで。
怪我はないか確認をしてコンビニに入る。
冷麺で良いか、暑いし。
帰宅して冷たいものをすすっていると寒くなってきた。
食ってすぐに布団にもぐりこんでおやすみなさい。
翌朝出勤して仕事をこなし先生のお宅へ。
今日は抱いていい日。
少し浮き浮きとしてお宅に着いてお稽古の補佐をする。
終わりに近づいた頃、来客があった。
八重子先生がお相手をしている。
俺のお稽古を済ませ先生がお夕飯の続きを。
水屋を一人で片付けた。
終って台所を伺うと来客が泊まられるそうで一緒にお夕飯をとることに。
相変わらずおいしいおかず。
今日は俺が持ってきた鯛とハモ、マグロ、オコゼ、アジをお造りにしてある。
「あら、八重ちゃん良いもの食べてるわねえ」
「この子、魚屋さんだから持ってきてくれるのよ」
「お弟子さん? いいわねえ」
にこっと笑って食事を済ませ先生と洗い物に立つ。
「今日…しないでね」
「いやです」
「お願い」
「うち来て下さい。それならいいでしょ。あちらの家でもいいから」
「どうしても?」
「したいんです。嫌ですか」
「拗ねないで。わかったわよ…お母さんが良いって言ったらよ?」
「了解、ここ終ったら聞いてきます」
食後のコーヒーを入れて先生がお客さんに出しに行った。
台所を片付ける。
よし、綺麗になった。ここまでしたら咎められない…ハズ。
お客さんがトイレに立たれた隙に八重子先生に許可を取った。
酒を一本担いで先生を連れ出す。
部屋に入ってまずは少し飲むことにした。
ぐい飲みで少し酒を楽しむ。
つまみは万願寺の炒め煮。
先生に口移しをねだってしかられたり。
お酒はしてもらえたり。
暫くしたら先生がしなだれかかってきた。
酔ったようだ。
俺を押し倒してキスをしてくる。
「したくなかったんじゃないのかな?」
「うちでは嫌なだけだもの」
「ふぅん。着物、脱がなくて良いのか?」
「どうせ明日洗濯するから…」
珍しい。
そのままであれやこれやとして啼かせてから脱がせた。
やっぱり着たままってのはエロくて良い。
ベッドに連れて行って何度か抱いて。
しょっぱい体のあちこちをなめて楽しんだ後、ぐったりした先生を風呂に入れる。
途中から寝てしまったがさっぱりしてから浴衣を着せて先生の家に連れ帰った。
布団がね、汗でじっとりしてて嫌なんだよね。
静かに勝手口から入って部屋で寝かせた。
明日朝になったら片付けに行かないといけないな。
気持ち良さそうな寝息に引き込まれる。
おやすみなさい。
朝になって先生の寝顔を暫く楽しんで、先に台所へ行った。
ご飯を炊いて鮭を焼き、だし巻を焼いてお味噌汁を作り、お漬物を刻む。
「あら、あんたいつ帰ったの」
「昨晩の間に戻ってましたよ、あと何か作りましょうか?」
「いやいいよ、これで。絹は?」
「まだ寝てらっしゃいましたよ。多分今日からアレでしょ、眠いと思いますよ」
「あぁ」
合点が行ったようだ。
食卓を片付けてお茶碗などの支度をしてもらった頃、お客様も起きてきたようだ。
八重子先生と手分けして配膳し、律君を起こし孝弘さんを呼びに行く。
「あら絹ちゃんは?」
「うん、ちょっとね、今朝は」
八重子先生が濁して食事を始める。
「おばあちゃんこの玉子焼き…」
「あら、だし巻じゃない。珍しいもの作るわねぇ」
「本当だねぇ、玉子焼きじゃないね」
「あぁまた山沢さんが作ったんだ?」
「この子朝早いからね、起きたらほとんど出来てたよ」
「さすが魚屋さんねえ」
律君が卵を全部食べられず残し、それを孝弘さんが食べた。
食後の洗い物。
終ってから先生を伺いに寝間に入る。
良く寝ていて気持ち良さそうだ。
昼までに起きるかな?
ふふ、可愛いなぁ。
穏やかな寝息。
居間に戻ると八重子先生から買物を頼まれた。
快く受けて出た。まだ午前中だから暑さはマシ。
夕飯の分も買物をして帰宅した。
先生はまだ寝てるとか。
よっぽど疲れたか。
あちらの家から昨日の着物やシーツを回収し、洗った。
昼からで十分乾くだろう。
というのも昨日はシルックだったからだ。
楽だよね、洗える着物。
畳んで皺を伸ばし干して行く。
お昼ご飯を作ってもうそろそろと先生を八重子先生が起こしに行ったが…。
ダメだった様だ。
お昼ご飯を食べてお客様は帰られた。
再度先生の寝顔をのぞきに行くと、やっと起きた。
「ん、暑~い、何時なのぉ」
「もー1時半ですよ。腹減ってませんか?」
「あら? もうそんな時間? お客様は」
「帰られました」
「あらららー」
くぅ、と腹の虫が聞こえて先生が恥ずかしげ。
「何作りましょ?」
「えぇーっと…サンドイッチ」
「はいはい、何の具が良いですか」
「野菜。と卵」
「わかりました。着替えてて」
台所に戻ってパンを切り卵を甘く焼いた。
からしマヨではさもう。
居間に出てきた気配がしたのでコーヒーを入れて、サンドイッチを持って出た。
「今日から生理でしょう? 先生」
「あ、うん。どうして?」
「なんとなく。それにそろそろ月末だし」
「あぁ、そうね」
おいしい、とサンドイッチを食べる先生が可愛らしい。
にこにこして見てしまう。
玄関を開ける音、八重子先生が帰ってきた。
「おかえりなさい」
「はいはい、おそよう」
「早くないからですか、ははは」
ちょっと恥ずかしげで申し訳なさげに食べてる姿も良いね。
「あんた自分で片付けなさいよ」
なんて八重子先生が先生に言っている。
板の間だから足が冷えるし、と俺が回収して洗った。
「暑いから良いのに…」
と引き止められたけどこれくらい別に面倒とは思わない。
甘やかしすぎと後で八重子先生に叱られたが…良いじゃないか。
恋人は甘やかすものさ。
夕方まで団欒して洗濯物を取り込む。
すっかり乾いていて先生が畳んで箪笥に仕舞った。
「さてと。ご飯つくろうかねえ」
「そうですね、先生はそのままそのまま」
八重子先生指示の元夕飯を作る。
肉じゃが。今日は俺が買物してるから牛肉。
ずいき。わかめと胡瓜の酢の物。
根野菜と肉のオイスターソース炒め。
後は常備菜を少し。
先生に食卓を片付けて配膳をして貰い、俺は二人を呼びにたった。
丁度離れに二人とも居てくれて助かった。
ご飯を食べて先生たちがくつろいでる雰囲気を楽しみつつも夜が更けてきた。
帰らねばなるまい。
ちょっと先生は帰したくなさそうで。
「明日…来て欲しいなら昼にメールしてくれたら来ますから」
「いいの?」
「ええ、あなたがそうして欲しいなら」
「わかったわ。じゃ今日は…諦めるわね」
頭をちょっと撫でて別れた。
帰宅してすぐに寝る。
眠い。
おやすみなさい。
翌日、仕事の後気が向いて飯田橋へ。
青森の産直ショップへ入った。
りんごチップスやジュース、地酒。
2万ほど散在してから先生のお宅へ足を運んだ。
お勝手から入りジュースを冷やし酒はケースの空いているところに入れた。
居間に顔を出す。
「今日は」
「あぁ山沢さん」
「あら、いつのまにきたの?」
「今です。どうぞ、これ」
「なぁに? りんごのお菓子?」
「たまにこういうの食べたくなるんですよね。沢山買ったのでおすそ分け」
「有難う。お稽古していく?」
「この格好で?」
「あんた着替えておいで。してあげるよ」
遠慮したい。月曜は上級だし。
と思ったが先生の食後、部屋に連れて行かれて着替えさせられてしまった。
今日は八重子先生がメインでお稽古。
円真や真の行のお稽古のお客役をして、私の番。
当然ながらいつものごとく叱られる。
他の生徒さんがちょっと心配そう。
今日は上級と限定されているだけに人数は少なく、いつもより早めに稽古が終る。
水屋の片付けを手伝って居間に戻った。
「あぁ疲れた」
「疲れちゃったわ」
お二人ともやはり上級は疲れるのか。
暫く一服されて先生がご飯作ろうと立たれたが八重子先生に止められた。
顔色良くないからなぁ。
俺と八重子先生で作ることにして先生を少し休ませる。
着替えてから今日は簡単なものを、と仰った。
鉄分多目メニュー。
空芯菜の炒め物に小松菜の豆乳スープ、ひじきのチャーハン。
…洋風?
おいしいからいいか。
食卓を片付けて孝弘さんを呼ぶ。
そろそろ律君も帰ってくるはずだ。
配膳を済ませた頃ただいまの声。
「おかえり、ご飯できてるから手を洗ってきなさいよ」
「はーい」
律君が座って、いただきます。
先生はボツボツ食べている。
「あれ、そういえば今日なんで山沢さんいるの?」
「いやぁおいしいもののお裾分けに寄ったんだよね」
「あ、だからそんな格好なんですね」
「後で食べて。りんごのドライフルーツ」
「パリパリしたやつですか」
「いやもっちりしてる半生タイプ」
「へぇおいしそうだな」
なんて会話をして食事を終った。
台所を片付けて辞去する。
やっぱり先生は帰らせたくなさそうで俺のシャツの裾を掴む。
髪を撫でて、明日来るからと宥めすかして帰宅した。
疲れた。
もう寝よう。
おやすみなさい。
出勤した。
うなぎの日ともあり、うちは扱わないため暇だ。
誰かがコンビニからうなぎパンを持ってきて笑えた。
よしお稽古前に買って先生に見せてやる。
孝弘さんが食ってくれるだろ。
うな丼は先生のところに出入りしている魚屋さんから買うことに決まっているらしい。
食べるなら俺の分だけもってこいとのこと。
持っていく予定ではあったが予約ミスで余分に買って欲しいといわれた。
いいけどね、多い分には。
うなぎパンと3匹のうなぎを持ってお稽古へ。
渡さず先に台所へ。
そのままお稽古をこなす。
先生の顔色も今日は良いので俺に厳しく生徒さんには優しい絶好調のようだ。
疲れて水屋を片付けた。
台所に顔を出すとうなぎをどうしようか迷ってる八重子先生が居た。
「あんた多いよ、これ」
「あー…ですよね」
たすきをかけて手伝う。
ご飯、うなぎの短冊、ご飯、うなぎ。
そう乗せて渡す。
「ん、これ背開きじゃないんだね」
頭ついてます、はい。
先生方のにも仕込んだ。
2匹分多いからね。
律君が帰ってきたようだ、配膳しましょう。
お吸い物をつけて配膳。
いただきます。
暫く食べていると律君がまず気づいた。
「2段になってる…」
「あらほんと」
「山沢さんが多く持ってきたからね、あんたらのは多目だよ」
そう、八重子先生は脂で胃もたれしそうだからと少なめにされた。
うな丼を食べて精気を養う。
ふと一瞬先生が不安げな顔をされた。
なんだろう。
食後洗い物をして寝室の布団を敷いたり風呂に入ったり戸締りを確かめたり。
それから先生の横に落ち着いた。
眠いな。
そろそろ、と八重子先生に促されて寝間へ。
着替えて先に入って待つ。
女の身支度は時間のかかるものだ。
それからおそるおそると入ってきた。
「どうした? 何を怖がってる」
そっと胸に顔をつけてくる。
背中をなでているうちにこちらがダウン、寝てしまったようだ。
夜半目が覚める。
寝たときと同じ体勢。
何が怖かったんだろうかなぁ。
起こさない程度に触れる。
素肌に。
冷やっこくて柔らかいなぁ。
気持ち良い。
お腹に手を当てて温める。ここは冷やしちゃいかん。
寝息を聞いていると俺も眠くなった。もう少し寝よう。
朝、目が覚めると既に先生は部屋に居らず。
身づくろいして台所へ行くと良い匂いだ。
「おはよう。おいしそうだな」
「あら起きたの。おはよう」
「あなたのご飯食べるの久しぶりかも」
「そういえばそうね。ねぇ、昨日はどうしたの?」
「あぁ何か凄く眠くて。いつもと逆ですね」
「おはよう」
「あ、おはようございます」
「おかあさん、おはよう」
「今日は何作ってるの」
「団子汁よ」
「あぁいいねえ」
律君も起きてきた。
「あ、お父さん呼んで頂戴」
「んー」
まだ寝ぼけてるな。
配膳して、いただく。
うまいなー。
食後暫くすると先生がどこからか菅笠を持ってきた。
「はい、草取りよろしく」
「うっ…はいはい…」
かぶって庭に下りてむしる。
ちゃんと麦茶を用意してくれてある。
あまりに暑くて少し水をかぶったりしつつ。
いやかぶっても暑くてすぐ乾いちゃうね。
お昼ご飯まで先生が掃除をしているのを横目で見つつ。
綺麗だな。
たすきがけ前掛けをして畳の拭き掃除とかえらいよなあ。
家事に汗をかく先生を見て気力を奮い起こし草をむしっていると八重子先生の声。
「お昼できたよ」
庭で汚れたズボンやシャツを脱いで上がる。
「あ、もう。だめよ」
浴衣を手早く着せてくれた。
「手を洗ってらっしゃい」
「はい」
食卓に着いてお昼をいただく。
孝弘さんがご飯を食ってしまったらしく俺と先生の分はスパゲティになった。
梅と鰹節のしょうゆ味。
うまい。
丁度汗をかいていたこともあり大変においしい。
ご馳走様をしたらまた着替えて庭へ。
先生は二度目の洗濯物干し。
ああ、腰巻がなびいているな。
昨日したかったのに寝てしまったのは不覚だ。
あれ、でもまだ先生は終ってない気がする。
結局したいのに出来ない、と思わず済んでよかったのかも。
3時半ごろ先生に呼ばれて作業終了。
汚れた服は洗濯機に入れ、シャワーを浴びるようにと。
シャワーから出ると洗い立ての下帯と浴衣が用意してある。
嬉しいね。
さっぱりとして居間へ行くとお買い物行くから汗が引いたら着替えるようにと仰る。
夕飯のかと思えば違って服だそうだ。
律君の服。
それと俺の普段着。
先生の家に置く分らしい。
微妙にセンスが気に入らないのかもしれない。
やっぱり買物は楽しげだなぁ。
楽しそうにしている先生を見るのが好きだ。
そのままお夕飯の材料も買って帰った。
お手伝いをしてご飯を整える。
夕飯をいただいたらもう帰らねばなるまい。
「さて、と」
「じゃそろそろ」
一緒に先生が立ち上がる。
お見送りを受けるもの、と思いきや先生は鞄を持って一緒に着いてきた。
「え?」
「お泊り。良いでしょ」
「ええっ?」
「だめなの?」
「えっいや部屋汚くしてますし」
「掃除くらいしてあげるわよ。それとも誰か呼ぶ予定でもあるのかしらね」
「ありませんっ」
「だったらいいじゃない」
「もー…仕方ないなぁ」
「あら。嬉しくないの?」
「嬉しいですって。拗ねないでくださいよ」
引き寄せて、と思ったが人目があるから。
夜道を歩いて駅に行き電車に乗った。
揺られるうち先生は俺にもたれている。
「眠い?」
「ううん、大丈夫よ」
「帰ったら一緒に寝ましょうね」
「うん」
乗り換えて暫くすると先生が俺の手を握る。
可愛いなあ。
帰宅後、先生が寝巻きに着替えて寝る準備を整える間に朝飯になるものを買いに出た。
こんな時間だからパンとスープ、サラダカップとハムだけど。
冷蔵庫に仕舞いこんで俺も寝巻きに着替えベッドに入る。
「おやすみなさい」
「おやすみ」
先生の背中を撫でつつ寝た。

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h32

朝。
昨日しなかったから先生は早起きだ。
着替えた先生に起こされて台所へ行く。
朝ご飯を作り、食べてから家事だ。
掃除をしたり草引きをしたり、その合間にお昼を頂いたり。
夕方になって来客が有り先生はそちらに手を取られてしまい俺は一人、買物へ。
あなたの食べたいものを、と言われていたのですき煮の材料を買って帰った。
台所で八重子先生に見せると苦笑され、下拵えをしてお客さんの帰るのを待つ事にした。
部屋で繕い物を片付けているが一向に気配がない。
腹減ったなぁ。
と思っていたら孝弘さんがメシまだか、と言ってくれた。
重い腰を上げてお客さんが帰ってくれていそいそとご飯を作る。
「ごめんなさいね、遅くなっちゃって」
先生が孝弘さんに沢山ご飯をよそってて何かほほえましい。
「ただいまぁ、あーおなかすいた」
律君も帰ってきた。
「手、洗ってらっしゃい」
「はーい」
うまいうまいと飯を食って片付けをすればもはや帰る時間だ。
また明日、と別れた。
帰宅してすぐに寝て、翌朝仕事へ。
今日も暇だ。
先生に何か持って行こうか。
物色する。
俺も食えるものが良いな。
金目とかどうだろう。
よし、金目とホタテとでいいか。
仕事が終わる頃、イセエビがずっと売れなくてそろそろと言うのを連れて帰ることにした。
支払ってブクブクをつけて車に載せ、シャワーを浴びてから先生のお宅へ移動した。
到着してお勝手から入り、台所に置いて八重子先生に申告。
お夕飯が楽しみだ。
先生は喜んでくれるだろうか。
お稽古を済ませ、食卓に着いた。
「あら、おばあちゃん今日はどうしたの? こんなに」
「なんか凄いね」
「山沢さんが色々持ってきてくれたんだよ」
「そうなの、ありがと」
「私も食べたかったのでもってきちゃいました」
「でもちゃんと山沢さんの分、お肉焼いてあるんだね」
魚を少し食べてから、お肉を頂く。
サイコロステーキうまいなー。
「山沢さん? ちゃんとお野菜食べなさい」
「あ、はい」
「取らないから」
「あはは…食べます」
煮浸しを取って食べ、胡麻和えを食べる。
先生は孝弘さんの食事の世話をしているときが一番にこやかだ。
おいしいご飯に穏やかな団欒。
いいなぁ。
だけど食事を取ったら帰らなきゃいけない。
次は明後日だ。
ちゃんと来ると約束して帰宅した。
途中検問に引っかかりアルコールの検査をされてしまったが、幸い飲んでない。
何事もなく帰宅してベッドにダイブした。
翌朝、寝ぼけつつも出勤、流石に金曜日、水曜・木曜に比べればそれなりだ。
だが今日は雨だ。
しとしとと梅雨らしい、湿った空気、重い。
こんな日にビアガーデン予約していた奴がいた。
どうする?なんて話をしている。
こんな雨の日に決行するのかなー、風邪引くぞ?
結局決行するらしい。アホだ。
こんな日は…女とクーラーの効いた部屋でいちゃいちゃするのが良い。
なんて考えつつも仕事終了、さびしく一人寝の我が家だ。
クーラーを効かせベッドに潜り込む幸せ。
暫く寝て昼過ぎに起きる。
効きすぎだ。
一旦クーラーを止めて食事に出ることにした。
さてなにを食おうか。
ぶらぶらと歩いていつもの店に入り、結局イタリアンを頼んだ。
いつも行くのでいつも大盛を作ってくれる。
食事を取りつつ携帯のメールチェック。
やっぱり先生から来てた。
今日は軽めにナポリタンスパゲティとある。
写真は…まぁ俺のと同じだね。
俺も写真を撮って送り返す。
三回ほど返信して食事に集中した。
食べ終わると先生から更にメールが来る。
今晩一人で夕飯だからどこか食べに連れて行って欲しいそうだ。
食後に言われても中々思いつけない。
先生のとことうちの中間地点くらいでどこかあったかな。
ジャンルは何が良いかまずは聞かねば。
懐石をご希望だ。
さてあの辺にある懐石なぁ…あぁ、あそこがあるか。
電話して予約を取る。
先生に決まったから待ち合わせの時刻を告げた。
帰宅して少し寝て風呂に入って着替える。
こっちまで来るとは言わなかったところを見ると泊まる気はないようだ。
明日お稽古だから仕方ないな。
電車を乗り継いで待ち合わせ場所に到着。
近くの喫茶店でくつろいでいると先生が来た。
アイスコーヒーを追加して一服。
「ごめんね、急で」
「いいですよ、今日も綺麗ですね」
「あら」
コーヒーを飲み終わって一旦涼んだところで移動を開始する。
まだこのあたりは双方知り合いに会う可能性は捨てきれず、手はつなげないのが残念だ。
並んで歩きお店へ入る。
「予約の山沢です」
そう告げると席へ案内された。
あ、個室だ。
これは…ちょっと嬉しい。
仲居さんが来ない間先生の手に触れたり。
先生がドキドキしてるのが楽しくて、つい部屋にこないかと誘ってしまった。
残念ながらお稽古日だからと断られる。
少しごねては見たものの、土曜はやはりちょっとと言うことでまた今度。
やはりアレのときだけか…性欲溢れるのは。
性欲横溢のときに縛ってあれやこれやしてやりたいな。
キレられる可能性は高いかもしれないが。
「なぁに?」
「なんでもありませんよ」
「そう?」
「ええ、おいしいですね、飯」
「めし、なんて言わないの、ご飯でしょ」
「ごはん」
「良い子ね」
苦笑してお酒を注いで少し酔わせた。
「ねぇ先生。ここね、むかしは連込宿だったんですよ」
「え?」
ぴた、と手が止まる。
「代替わりと同時に建替えてね、ちゃんとした料理屋にしたらしくてね」
あからさまにほっとしてる。
「だけどね、所望があれば…ふふ、わかるよね?」
サッと頬に朱が差す。
「だ、だめよ」
「ここが嫌ならどこかラブホ入っても良いけれど」
追い詰められたような顔しちゃってまあ…可愛い。
ニヤッと笑い、冗談ってことにしてあげてデザートを食べる。
「おいし…」
ほっとして食べるのはさぞやうまかろう。
食後、会計して店を出ると少し離れがたそうなそぶりだ。
「明日お稽古行きますね。だから…」
「うん…」
「それとも。明日お稽古の後うちに来ますか?」
「そうしたいわ、でも…」
珍しく歯切れが悪い。
「展覧会、休みの朝から行きましょう。何か探しますよ」
「あ、それなら出れるわね」
駅で別れる前に少し指を絡めた。
「じゃあおやすみなさい。気をつけて帰って下さい」
「あなたも気をつけて帰って頂戴ね。おやすみなさい」
あー、キスしたい。
我慢して別れて帰宅する。
先生も同じように思ってくれているのだろうか。
帰り着いてすぐ、先生から帰宅のメールが届いた。
明後日どこか展覧会は、と調べてリストアップしたものを返事とする。
暫く待つと行きたい展覧会を二つ書いて送ってきた。どちらかで良いようだ。
明日稽古に行ってから決めようと返事をして、就寝の挨拶を交わした。
おやすみなさい。
翌日は土曜と言うこともあり忙しく、慌ててお稽古へ向かう。
急ぎ挨拶して水屋を整えた。
順々に生徒さんが来てお稽古が進む。
俺のお稽古も終り水屋を片付け夕飯を取った。
すぐに先生を連れて俺の家へ電車で戻ることに。
明日朝からでも、と言ったが朝ばたばたするのが嫌だからと。
ま、確かに暑いし雨気だしで朝用意するのは面倒くさい、その上の1時間半電車では。
二人で電車に乗り座っていると先生が寄りかかってくる。
クーラーが効いている分温かみが気持ちよい。
手に触れてくる。
ひんやりとした指先。
包み込むように握って袂で隠す。
先生は知らぬ振りして窓の外を眺めている。
俺は車窓に映る先生の顔を見つめて降車までぼんやりしていた。
このままどこか遠くへ…いやダメだ、それはしてはいけない。
せめて律君が独り立ちをしてからの話だ。
乗り換えて家に帰宅した。
電気を付けると先生が眉をしかめる。
あ、新聞散らかしたままだ。
「片付けるの手伝うわ」
「うわ待った、ストップ!」
「なぁに?」
「あれ、全部一枚一枚畳むんですよ。だから片付けないで下さい」
「それならそれで手伝うわよ?」
「手、汚れるから。とりあえず着替えて暇なら寝転ぶなり何なりしてて」
「そう? じゃあ」
先生が和室へ行って着替える間に新聞に手をつける。
一枚ずつ離して畳み積み上げ袋に入れていく。
まだ終らないのを見て先生は俺の背中にもたれかかってきた。
「眠いなら少し寝る?」
「眠くはないわよ」
「じゃもうちょっと待ってて」
「うん」
ガサガサと作業を続け10分ほど経った。
暇と見えて人の腹を揉むのはやめてくれ、くすぐったい。
暫くしてやっと終った。
先生が離れてやれやれと手を洗いに立つ。
無駄に時間を使ってしまった。
戻ると先生がお茶を入れてくれててありがたく頂く。
「疲れてる?」
「お稽古してそれから移動だもの。あら? でもあなたいつもそうよね」
「基礎体力の違いでしょうね」
「そうかも」
湯飲みを片付けて俺も着替え、先生の後ろに座る。
「さて、今からして明日展覧会行けるのかな」
「行けなかったらどうしようかしら」
「疲れてたみたいで寝ちゃったとか言いますかねぇ」
「お母さんにはばれるわよね」
「ま、仕方ないでしょうそこは」
ごそごそと胸をまさぐる。
柔らかくて気持ち良いなぁ。
暫く弄っていると体臭が立ち上ってくる。
体温が上がるとどうしても昼にかいた汗が匂うんだろう。
だけど不思議と好きな女だからか臭いとは感じない。
むしろ好きな匂いだ。
あと匂い袋なのか防虫香なのかはわからないがそういう匂い。
先生はそんな匂いよりも俺の動かす指に翻弄されて少し膝が崩れてきている。
浴衣の衿を広く開けて首筋から肩にかけて舐める。
もう少しで胸が見えそうだ。
普段は布団の中だけだから後ろから抱くのは久しぶりで少し興奮する。
そろりと裾を割ってはだけさせると色っぽくて素敵だ。
お腰の中に手を差し入れると温かくて湿っている。
指先がかすかに毛に触れるとビクッとして俺の腕を掴んだ。
指を動かして微かに、かすかに触れて反応を見る。
楽しい。
「足、開いて」
葛藤してるのを見るのも愉しい。
「ん? 犯して欲しいのかな?」
そう言うと慌てた様子で、だがそっと膝を開いた。
指をもぐりこませる。
「あっ」
「ほら、こんなにして…荒々しくされるのも好きなんじゃないの?」
「んっいや、違、うっ」
気持ち良さそうだなぁ。
「ほら、膝を立てて開いて。あの鏡に映るようにね」
少し体の向きを融通して鏡に映るようにした。
はっ、と見て自分の状況を認識したらしい。
浴衣を肩まで露わにされ乳には俺の手が蠢き、裾は乱れてはだけた腰巻と俺の腕。
とろり、と指がぬめる。
恥ずかしがっていて可愛くて。
耳を舐めると声が出た。
そのまま暫く玩び、弄り、十分に満足するまで責めた。
ぐんにゃりと力の抜けた先生を抱えて風呂に入る。
ゆっくりとなでて洗い、頭を洗っていると寝息に変わっていた。
可愛いなぁ。
濯ぎ終えてきっちり拭き取り洗濯できている寝巻きを着せて髪を乾かしベッドに入れた。
横にもぐりこんでお休みなさい。
翌朝はやはり先生はよく寝ていた。
朝御飯の支度をして先に食べる。
と言ってもパンとベーコン、卵だが。
空腹が押さえられたので10時にセットして二度寝することにした。
先生が寝返りを打ち俺の上に乗ってしまう。
ま、いいか。
重いのもそれなりに気持ち良いし。
しかし疲れきってるようだがトーハク行けるかな?
白菜が見たいらしいけど。
うつらうつらと朝寝を楽しんでいると9時半頃目が覚めたようだ。
「ん、おなかすいたぁ」
「ふぁ…うー、お早うございます」
「あ、おはよう。何時?」
「9時半みたいですね」
「随分寝過ごしちゃったわね」
「疲れてたんでしょう、今日いけそうかな?」
「行くわよ。7日までだったでしょ?」
「ええ」
「じゃ朝ご飯食べたら着替えて行きましょ」
起きるのは良いがちょっと立つのに苦労をしていた。
トイレに連れて行ってから食事を作る。
軽めで良いというので軽めに。
先生にはサラダをつけた。
食べて洗顔と歯を磨いて10時半過ぎ。
「さ。着替えたいわ。手伝って頂戴」
「はいよ」
ちょっとは回復したらしく、手を貸さずとも和室に入った。
髪を結ったりお化粧をして先生が調えている間に自分の身支度を整えた。
先生は昨日出してあった着物を着る。
「紐」
「はい」
やっぱり着るの手早くて、そして綺麗だなぁ。
つい見とれてしまう。
それから再度鏡を見直して色々とチェックし、俺の着物を少し直した。
先生がトイレに行く間に鞄や草履を出して後は家を出るばかり。
混む、と聞いていたので念のため飲み物を鞄に入れて、出発。
とはいえ5分ほど歩きすぐに電車に乗ったが。
メトロで上野に出てタクシーを拾う。
「混んでますか?」
「そうだねぇ3時間待ちとか」
「先生、どうされます」
「今日じゃないと…あなたが良いなら私は待てるわ」
「大丈夫ですか」
「ええ」
車を走らせて貰って正門へ。
「お、今日はそこまでじゃなさそうだ」
「あれでですか」
「よかったねえ、お客さん。3時間じゃないよ」
降車して手続きをして列に並ぶ。
やや時雨れている。
「先生、俺に体重預けて」
「ん」
一時間ほどかけてじりじりと列が進む。
途中先生が喉が渇いてそうなので飲み物を飲ませた。
「あ、おいしい」
汗、随分かいてるようだ。
体重を預けるとどうしても密着するからなぁ。
暫くしてやっと入場だ。
列の進むにしたがって見えてきた。
なるほど白菜…。
先生は真剣な顔でじっくり鑑賞している。
俺なんかはこんなもんなんで作ろうと思ったんだ…?なんて。
思っちゃってたわけだけども。
先生の鑑賞している横顔を見てるほうが楽しいわけなんだけども。
立ち止まることは出来ず他の展示物へ流れる。
先生は凄く楽しそうだ。
好きなんだなぁ。
その後常設展も巡って帰宅。
まずは先生を風呂に入れてベッドで休ませた。
流石に昨日の今日で1時間以上の待ち時間は堪えたようだ。
寝ている間においしいお弁当を買いに出た。
急いで行って急いで戻る。
そっと玄関を開けて静かに入り、冷蔵庫に仕舞った。
着物を脱いでそろりと先生の横に潜り込む。
良いにおいだ。
俺の匂いをつけて帰したくなるが。
もう一度抱いてしまったら帰れなくなるだろうな。
それはきっと叱られる。
なんて思っているうちに寝てしまい、7時前に目が覚めた。
先生を起こしてしまおう。
「ん、もうちょっと」
8時と9時に起こしたけど全然ダメだ。
諦めて先生のお宅に電話した。
起こしたけど起きない、そういうと苦笑する気配が伝わってくる。
トーハク1時間以上待ち時間があったので疲れた模様、と言えば納得されたようだ。
電話を切って一人寂しく弁当を食べる。
寝息を聞きつつ。
食べて歯を磨いてコーヒーを飲んでると起きたようだ。
「いま何時ー?」
「10時過ぎてますよ」
「あ、あらぁ?」
「弁当温めますね。それからお家には電話しておきました」
「ええっ?」
「明日朝のお稽古ないんでしょう?」
「ないわよ、ないけど…」
チン、と鳴る。
「はい、どうぞ」
冷たいほうが良いものだけを先によけておいたのでそれを盛り付けなおして渡した。
「お茶入れますね」
「ありがと…あ、あなたもう食べたの?」
「先ほど。もう少し待てばよかったな」
「起こしてくれたらよかったのに」
「ははは、3回起こしましたよ。もうこんな時間ですしね、これから帰すのは怖い」
「12時くらいまでなら平気よ?」
「俺が嫌」
ぷっと吹き出してくすくす笑ってる。
ま、納得してくれたようだ。
ゆっくりとお弁当を平らげてお茶を飲む先生はまだ少し眠そうだ。
「寝ますか」
「食べてすぐはダメよ」
眠そうなのに。
暫くテレビを見てそれから歯を磨いて先に布団へ潜った。
一人うつらうつらしているとそっと入ってくる気配。
温かくて丸みのある先生の体が俺に添う。
「おやすみなさい」
「おやすみ」
懐に抱きこんで寝た。
翌朝、よく寝ている先生を置いて出勤する。
朝のうちに帰るよう書置きをして置いた。
でないと今日は先生はお稽古がある。
暇な仕事をして食事を買って帰宅した。
当然鍵は閉まっていて人の気配はない。
ちゃんと帰ったようだ。
ほっとしつつも少しさびしい。
八重子先生はうちの嫁になれば立場が安定するというけれど。
会えない日にさびしいのは一緒なんだよなあ。
後お付き合いは最低1年くらいすべきではないかと思う、うん。
だからもう少し様子見て欲しいなぁ。
ん? メールが来た。
先生が笹を飾ったようだ、暇なら来て書くようにと
あー今日は七夕か。
夕方行くと返事をして少し寝て。
おやつの時間に起きて風呂に入って着替えて、電車に乗った。
夕飯の用意はしてくれるとのことだから楽しみだ。
最近先生が作る、と言うの食べてないからなあ。
浮き浮きして先生のお宅に着く。
「あら山沢さん、さようなら~」
月曜の生徒さんと玄関前でかち合った。
挨拶を交わして中へ入る。
「あぁ、来たの。居間に短冊あるから書いてね。ご飯は今から作るから」
「はい」
鞄を置いて居間に入ると机の上にいくつか短冊、そして硯と墨と筆。
んん、何を書こうかな。
一人3枚までとか書置きしてあるからとりあえず1枚は上達に関することを。
もう1枚はやはり仕事かな。
後1枚には先生とのことを書きたいが人目に触れてはいかん物はかけない。
けど書かないと拗ねられる気がする。
暫く悩んで書き始めた。
笹に括りつけて手を洗って台所へ。
「書けたの?」
「括りつけときましたよ」
「ご飯もうちょっとだから待ってて」
「あんた律に見られて困るようなこと書いてないだろうね?」
「いやーさすがにそれは書けませんよね」
笑い飛ばした。
暫くして雨に濡れた律君帰宅。
「もー参ったよー夕立」
「あら、おかえり。山沢さーーん、律にバスタオルやってくれる?」
「もう貰ったよ」
「お風呂入ったほうが良いと思うけど。凄いずぶぬれだし」
「そうね、入ってらっしゃい。ご飯まだだから」
そうするよ、と律君が風呂場へ行った。
料理の音って良いなぁ。
今日はご飯、なんだろう。
きっとおいしいものだろうけど。
「あ、ねえ、机の上片付けてお父さん呼んで来て頂戴」
「はーい」
言われたとおりして、呼びに行って戻ると配膳されていた。
うまそう。
「律が戻ったら食べましょ」
皆が席に着いて律君がタオル片手に戻ってきた。
いただきます。
うーん、やっぱりうまい。
胡瓜の酢の物に俺にはなますもつけてくれた。
暑いからさっぱりしたものが良いでしょ、と律君に言ってる。
珍しく揚げ物が並んでいる。
暑いのによくやるなぁ。
と思ったらフライパンで揚げ焼きにしたらしい。
その手の絆創膏はそういうわけか?
ご飯の後聞いてみたら違った。
朝、庭で転んだらしい。
「庭のつっかけが壊れちゃったのよね」
「でどうしたの?」
「お昼に買ってきたわよ」
「手はよく洗いました? 流水で」
「兄さんがいたからホースでしっかり洗ってもらったけど…痛かったわよー」
「でも土は良くない菌が一杯いますからね」
「うん、兄さんもそういってたわ」
「お昼って開さん何しに来てたの? お母さん」
「蔵の鍵貸してっていってたけど…何してたかは知らないわ」
少しお酒を取ってきて縁側に移動した。
「あまり見えないわねえ」
八重子先生が蚊取豚に線香を仕込んでくれた。
先生はうちわ片手に足を崩して俺にもたれてる。
律君も少しだけ飲んで、レポートがあるからと部屋に戻った。
もたれてたのがいつしか枕にされて、可愛いけど困るな。
このまま泊まるなら問題ないけど明日も仕事だし。
小一時間ほど寝かせて八重子先生が起こした。
「あんたそろそろ山沢さん帰さないと。これ、起きなさい」
「ん、もうちょっと」
「これ、絹、起きなさい」
「まぁ10時くらいまでなら何とかなりますから、電車」
「すまないねえ」
ゆったりした時間が流れ、先生が目を覚ました。
あふ、とあくびをして。
「さて、起きられたようですので私はそろそろ」
「あら帰っちゃうの?」
「絹、あんたもう11時半だよ。終電なくなっちゃったらどうするんだい」
「最近お疲れですね」
頭をなでて手を離させた。
「気をつけて帰ってね。明日またお稽古来るのよね」
「来ますよ勿論」
八重子先生が台所に消えた隙に軽くキスした。
頬が赤くなって可愛い。
「じゃ、また明日」
「ん、またね」
「八重子先生、失礼しますねー」
台所に声を掛けて玄関を出た。
振り向くと軒先で見送ってくれている。
手を上げたら先生も手を上げて。
戻りたい気分を抑え、帰宅し、すぐに職場へ向かった。
さすがに暇とはいえ、いやむしろ暇だからこそ徹夜で仕事は辛い。
好きでもない相手のことでこうなったなら随分腹を立ててただろう。
6時半頃、先生から仕事頑張ってるか問うメールが来た。
今日は暇すぎる、と返事をした。
台風の所為で南の方からは荷物が来ないときている。
冷凍庫の在庫整理などを暇つぶしにしていると売る当てのなくなった食材が出てきた。
売っぱらうかそれとも買って先生のところへ持ち込むか。
悩んだが買って帰ることにした。
冷凍だから保冷剤を沢山入れた密閉箱に入れなくては。
あの家なら炭が有るからいざとなりゃこれを焼けば暫く食えるし。
帰宅して風呂入って着替えて先生のお宅へいき、冷凍庫にしまった。
昨日の笹はもはや片付けられて先生の談笑する声が聞こえる。
柔らかい声に心が浮き立つ。
「先生、先生のお兄さん山沢さんと結婚なさるんですって?」
「あら、ほほほほほ、まだそこまでは」
なんて話題だ、顔が出しにくい。
帰られるまで部屋で待機しておこう。
暫くして玄関の締まる音がしたので居間へ顔を出す。
「あら来てたの?」
「話題が話題だったので隠れてました」
「その方が良いわ…もう、困ったわよ」
取敢えずはと先生がお昼を食べてる間にお稽古の準備をして生徒さんと先生を待つ。
暫くして先生が戻って生徒さんも来た。
台風の間はお稽古休みかどうかを聞く生徒さん多数。
これなさそうならお休みの連絡いただけるよう、で落ち着いた。
今は台風はどんなものだろうな。
お稽古は進み俺のお稽古もつけていただいてお夕飯をいただいた。
結構この家にいると先生の作るご飯より八重子先生のご飯を頂く機会が多い。
今度先生にねだろう。
昨日うまかったし。
先生はお風呂に入った後ドラマを見ていて部屋に帰る気配はない。
八重子先生から風呂入れ、と言われた。
シャワー浴びてきているが確かに湿気て汗をかいている。
入らせてもらおう。
暑いけども湯船にはいるとやはりくつろげる。
自宅では湯船には入らずいつもシャワーだからかな。
風呂から上がってもまだドラマを見ていた。
暑くて襟元をくつろげてうちわを使う。
CMに入ってこちらを見た、と思ったら叱られた。
お父さんがが部屋にいるのにって。
いや孝弘さん全然興味ないから問題ないでしょ。
「律が戻ってきたら困るでしょ。律が」
なるほど。
っとCM終った。
仕舞いなさいよ、と言ってTVに向いた。
11時までのようなので戸締りと火の始末にかかる。
戻ればそろそろ終盤だ。
孝弘さんは部屋に帰ってしまった模様。
仕方ない、先に布団敷いてこよう。
暫くして先生が部屋に来て布団に潜り込む。
大あくび。
「先に寝るわよー」
「え、あ、はい…っておーい…」
寝息立ててるよ。
頬をつついても起きないし。
何か疲れてるのかねえ? やらせろよー…。
とは思うものの寝てる女抱いてもあまり面白くはないし。
俺も昨日は寝てないし。
寝るか。
おやすみ。
翌朝、先生は早くに目が覚めたようだ。
ご飯を作るにも小一時間ある。
なので…抱いた。
「朝からダメ…」
っていうけど気持ち良さそうだ。
終った後ホットタオルを作り体を拭いて。
足の指の間まで拭き終えてタオルを洗いに立った。
ざっと下洗いして洗濯籠へ。
部屋に戻ろうとすると先生が洗顔しに来た。
俺の胸に手が伸びて乳首をつねられてしまった。痛い。
後はいつものようにご飯を作って食べ、家事を手伝ってお昼も夕飯も頂いて帰宅した。
平和な日常だ。
木曜日の朝、既に南の方は台風被害が出始めているようだ。
出勤してもパソコンや携帯で台風情報を見たり。
そんなことが出来る程度には暇なんだよな。
こちらに来るのは明日かぁ。
今日のお稽古は行けるし帰れるが明日は先生たちどうするんだろう。
俺が行っても今度は帰れないとなると仕事が困る。
暇ながら仕事が終わり、先生のお宅へ。
お稽古。
台風の話題で持ちきりだ。
まぁこんな日じゃね。
俺はちょっとアレでだるい。
と言うのもあり、先生も諦めて今日は半分サロンモードだ。
お稽古の時間も過ぎて居間のテレビをつける。
今晩は近畿か。
夕飯を取った後ニュースを見ると早くも和歌山を通過したらしい。
「あんた強風圏に入ったって行ってるから早く帰りなさい」
「雨戸打ち付けたりしないで大丈夫ですか」
「大丈夫だよ、昼に孝弘さんにしてもらったからね」
おお、孝弘さんをコントロールしてる。
どうやら食い物で釣ったらしい。
だろうなぁ。
明日の朝6時ごろ、関東に来るようだ。
「気をつけてくださいね。何かあればすぐ連絡下さい」
「あなたもね、気をつけて頂戴」
「ありがとうございます。じゃ…」
帰りたくないなぁ。
土砂崩れとか心配すぎる。
渋々帰る俺を先生が見送ってくれた。
電車に乗って帰宅するしたものの…心配で困ったな、寝付けないぞ。
テレビをつけたままうとうとと寝る。
幸い出勤時刻頃には雨も終わり、仕事が終わるころには温帯低気圧になったようだ。
職場を出てみれば良い天気である。
なんだったんだ。
先生からメールがあって何事もなかった由。
だろうなぁ。
今日は暇だからジムに行く旨メールした。
"がんばって"と珍しく絵文字がついてきている。
何か可愛らしくてほんわかしつつ、がっつりとトレーニング。
アレのときに出る無駄なやる気の消化だ。
いや暫く行ってないと駄目だね。
シャワーを浴びて帰宅してベッドへダイブ。
寝転んだままメールチェックをすると先生はお友達と遊びに行っているようだ。
あーこれじゃ明日もさせてもらえんなあ。
きっと疲れて駄目だって言うはず。
たまにはしょうがないか。
理由、今回はわかってるんだし。
眠気がきたので寝た。
次に目が覚めたのは先生のメールの着信音でだ。
お友達とのお夕飯、らしい。
俺には報告するほうが後々こじれないのがわかったようだ。
遊びに行くと最近はこのようにメールが届く。
俺も食うとするか。
外は雨が降り出した。
職場で作ったハモの落としと酒でいいや。
一杯やっていると玄関から物音?
「ただいまぁ」
「あれ、いらっしゃい。どうしたんです?」
「降られちゃったの、雨宿りさせて頂戴」
そういって着物を脱いでハネが上がってないか確認し始めた。
それが終って居間へ出てきて俺の食事を見た。
「あなたねぇ…またこんな…」
「ま、先生も一つ飲みませんか」
ぐい呑みを渡して注ぐ。
ちょっとだけ、と飲ませれば先生の頬はほんのり桜色だ。
先生の前に座る。
「足、出して」
「なぁに?」
足袋を脱がせてマッサージ。
気持ち良さそう。
暫く揉んでると眠そうだ。
「泊まっていきますか? 朝帰れば間に合いますでしょう?」
「何もしない?」
「して欲しければしますよ」
「しなくていいわよ…」
笑って揉み終えて電話を渡す。
「おうち、電話して」
その間に手を洗って台所を片付けた。
電話をしているその背中もマッサージ。
微妙にだが声が震えている。
気持ち良さそうなので腰へも手を伸ばし揉み解す。
電話が終った。
「もうっ気持ち良いけど変な声出そうだったじゃない」
ははは、と笑って先生が着替えるのを見る。
「ベッドで尻と太腿もほぐしてあげますよ」
あ、顔赤い。
先生をベッドにうつ伏せにさせ、さっき触らなかった部分をゆっくり解す。
尻や太腿の付け根は少し感じてしまうようで困った顔をする。
ただし今日は抱いてといわれないならしない気だ。
解すだけ解して後は撫でて緩めた。
少し迷うような顔をしているが、とりあえずトイレに立って戻ると眠そうだ。
横にもぐりこんで頭をなでていると寝息になった。
可愛いな、お休み。
俺もお休み。
夜半、起床する。
出勤の支度を整えていると先生がトイレに起きた。
「ねぇ、もう行っちゃうの?」
「そろそろ時間だからね。昼にはまた逢えるよ」
それでも昼間は出来ないディープキスをして胸をまさぐり先生を少し煽った。
もしかしたら今晩、とちょっと期待したのもある。
「じゃ仕事行くから。ちゃんと寝ておいで」
布団に入れて頭を撫でて。
もうちょっと構ってたいけれど出勤だ。
「行ってきます」
「行ってらっしゃい」
出勤して仕事に精を出しているうちに6時過ぎ、先生が帰る旨メールしてきた。
気をつけて帰るよう返信して仕事を続ける。
うん、今から帰れば余裕で朝ご飯を食べてお稽古できるね。
とりあえず俺は仕事、仕事。
それなりにばたばたとして気づけばもう良い時間だ。
客も途切れた。
仕舞うとするか。
さっさと片付けて持ち帰る食材を探す。
うーん、海ぶどうなんて一般では使いにくいし。
今日は台風の所為で北のものも南のものもまだ入荷が少ない。
ハモすらあまりないときて。
サワラでいいや。
半分を切って幽庵地を作り漬け込んだ。
後の半分は普通に焼いて貰おう。
作業を終えて車に積み込む。
そうこうしている間に仕入れと売り上げのリストが出た。
つき合わして訂正を頼む。
事務からOKが出て帰宅し、風呂に入り服を着て車に乗り込んだ。
一路、先生のお宅へ。
到着して荷物を台所へ持ち込む。
八重子先生がお昼の支度をしてらしたので丸投げだ。
「あ、山沢さんちょっと」
先生が先にこちらを見つけた。
「お水屋はしておくから頼みがあるのよ」
「なんですか?」
「これ使ってあの桐の横にある松の虫、どうにかしてくれない? うまく掴めなくて」
ピンセット? 虫? えー…。
「ね、お願い」
拝まれてしまった。
「仕方ないなぁ…」
「これ、持って行って」
紙袋。虫を入れて捨てるわけか。
庭に下りて言われた木を探す。これか。
う、凄く多い。
やだなー…と思いつつピンセットで一匹ずつ取って袋に落とす。
気持ち悪いよう…。
げんなりしつつ大方取り去り角度を変えて眺め回す。
いるいる、まだいる。
頑張って取り去った。で、この紙袋どうしよう。
…鳥、食わんかな。いや目の前で食われるのは気持ち悪い。
しばしたたずむ。
遠くで車の音、そうだ。
道路に出て行き車の轍跡に置いた。しばし待つ。
3台ほど通り過ぎ綺麗に轢き潰されたようだ。
中身の見えない袋に入れ口を括って捨てた。
戻ってよく手を洗い一応髪をとかしてから着替えた。
既に生徒さんが来ている。
「遅くなりまして」
さっと水屋を確認して次の用意をする。
生徒さんが途切れたときにどう始末したか聞かれたので教えた。
ちょっと引いてるようだ。
その後もお稽古は続き俺のお稽古へ。
今日は盆点。
色々忘れてることがあって叱られたがしょうがない。
先生と水屋を片付けてる途中キスされた。
「ここで抱かれたい?」
「ち、違うわよ、つい…」
「俺は一度くらいしてみたいけどね」
「駄目よ」
頬を染めて可愛いなあ。
「ほら早く片付けましょう。八重子先生が律君を呼んでる」
「あっ、そ、そうね」
「今晩はあちら行きましょうか」
「えっ」
手が止まって耳まで赤い。
「声、聞きたいしね」
ごくり、と先生は唾を飲み込んだ。
「ばか…恥ずかしいわ」
のの字を書くようにしてる先生をほっといて片付け終えた。
手を取って立ち上がらせ、夕飯を取るべく移動する。
部屋にはいると俺の手を離し、女から母親へ意識を切り替えたようだ。
表情が違う。
切り替え上手でうらやましい。
ご飯を食べる。
サワラは照り焼きに化けたようだ。
俺には豚の生姜焼きがついてきている。
うまい。
「もっとお野菜も食べなさいよ」
注意を受けて菜っ葉を食べる。
お揚げと炊いてある。だしがしみてうまい。
幸せだなあ。
すっかり満腹になってお片付けを引き受けて台所へ。
洗い物をしていたら律君が来た。
コーヒーのボード片手に悩んでいる。
「山沢さん、これ、一番苦くのないのってどれですか」
「そうだなぁこのへんはどうかな。こっちは普通のサイズ、これはエスプレッソがお勧め」
うーん、と悩んで両方作って持って行った。
俺は今日は酒が良いなぁ。
洗い物を終えて居間に戻り先生を誘った。
「八重子先生、酒飲みたいんですけど先生連れてって良いですか」
「ここで飲んだら良いじゃない」
「律君に絡んで良いのなら」
「えっ僕?」
「それは困るわねぇ」
「行ってきたらいいよ」
うんうん、と律君もうなづいてる。
「しょうがないわねえ」
「じゃお酒取ってきますね。行きましょう」
冷蔵庫でよく冷やしたお酒を持って先生とあちらへ行く。
途中近所の人に会い先生が立ち話を始めてしまったものの、時間も遅いのですぐに別れた。
部屋にはいるとまたシーツの色がピンクに戻っている。
あ、クッションもピンクだ。
とりあえず着替えるか。
先生を脱がせると少し恥ずかしげだ。
うん、いいね。
着替えるのやめて抱こうか。
先生の帯と着物を衣桁にかけて俺も着物を脱いだ。
「おいで」
肌襦袢姿の先生を引き寄せてベッドへ。
ハ、とつく息が既に熱い。
「したかったんでしょう?」
こくり、とうなづいて顔を背けた。
恥ずかしいらしい。
紐を解いて更に脱がせた。
胸が大きく上下に動いて息が荒い。
昨日や今朝煽ったのがうまくいったようだ。
ちろりと乳首を舐めるとびくっとしてしがみついてきた。
可愛いねぇ。
そのままいつものように抱くといつもよりは先生の反応が強く。
ぎゅっと俺に抱きついてくる。
軽く一度逝かせ、脱力した先生に寝巻を着せると怪訝な顔をしている。
「お酒、飲みましょう」
少しエアコンをかけて先生をクッションに座らせコップを出して注いだ。
「ありがと」
俺は手酌で。
先生は喉が渇いていたのかクイッとコップの酒を飲み干した。
新たに注ぐとそれも半分ほど。
結構に強い。
俺がコップを空けると注いでくれた。
美人にお酌してもらえる幸せ。
呑みつつキスしてくる。
まだ足りないようだ。
そのまましようとすると床は嫌だというのでもう一度ベッドへ。
「寝巻、着せなくてもよかったかな」
「裸でお酒飲むのはいやだもの」
「俺はそれも色っぽいかもしれないと思うけどね」
ただし恥ずかしそうにはしてて欲しいかな。
大股開きでガバガバ飲まれちゃ興醒めだとは思う。
キスしてゆったりと抱く。
物足りなさに焦れるのが可愛くて。
もっと焦らせたくなる。
まぁあまり焦らせるのも可哀想だから適度に逝かせた。
息が整ったようだからとキスをして上に乗せて背中をなでる。
気持ち良さそう。
暫くしてお風呂入って戻りましょ、と言われた。
完全に落ち着いたようだ。
二人で入るとまたしたくなるから、と俺を置いて一人で風呂に行った。
一緒に入らなくとも一緒に寝るから同じだろうに。
脱いだ着物は明日取りに来ることにして新しい浴衣を出した。
暫くしてすっきりした顔でその浴衣を着て出てきた先生に早く入るよう言われた。
湯上り姿も色っぽくて良いな。
風呂に入って汗を流し裸で出た。
「浴衣出してあったでしょ?」
「まだ暑いから」
どっかりと座ってある程度冷えるのを待つ。
うちわで先生が扇いでくれた。
「早く着ないと襲っちゃうわよ? ふふ」
そういって俺の胸を弄る。
「そんなこと言ってるともう一度しちゃうよ?」
「あら」
手が引っ込んだ。
残念。
何とか汗が引いたので浴衣に着替え、もう少し酒を飲んでから戻った。
「お帰り。泊まらなかったの?」
「まだ起きてたの? もう遅いから寝なさい」
「うん」
「おやすみ、律君」
「おやすみなさい」
戸締りと火の元を確かめて、部屋に入り布団を敷く。
先生は大あくびをして俺が布団に入ると潜ってきた。
俺の胸を枕にすぐに寝息。
やっぱりしてから風呂入って部屋移動は疲れる?
でも汗で濡れた布団では寝たくなさそうだったしなぁ。
もう一組布団を置いて寝る前に取り替える、なんて現実的じゃないよね。
先生の寝息に引き込まれて俺も眠くなった。
おやすみなさい。
翌朝やっぱり先生は起きれなくて俺が朝飯を作る。
今日はご飯の前に八重子先生が先生を起こしに行った。
珍しい。
「今日は9時から町内の会合があるんだよ。だから絹を起こさないと」
あくびをしつつ先生が起きてきて食卓についたがまだ眠そうだなぁ。
「早く食べて支度しないと、ほら」
八重子先生にせっつかれてる。
町内会かぁ、大変そうだな。
草むしりとか側溝は律君が出たりしてたらしい。
食後、着替えて先生が出て行った。
俺はあちらの家から洗濯物を回収して先生の着物は畳んで仕舞った。
八重子先生と家事をして先生の帰りを待つ。
昼前、まだ帰ってこないので買物に出た。
買物袋を提げて戻る途中、先生と出くわした。
「あら、なに買って来たの?」
中を見せる。
「冷麺食べたいって律君が言ってたから」
「あらー」
「何か食べたいものありました?」
「甘いもの欲しかったんだけど…良いわ」
「プリン買って有りますよ。それともホットケーキ食べます?」
「いいわよ」
「なに、俺が食べたいから先生がお相伴と言う形で」
「そう? そうしてくれるならホットケーキにしてくれる?」
「勿論。じゃちょっと寄り道してください。牛乳がない」
「コンビニ?」
「そう」
あ、わらび餅に引っかかってる。
生クリームも一緒に買うことにした。
戻って八重子先生に冷麺を頼んで俺はホットケーキを焼く。
同時にカラメルソース。生クリームも泡立てて甘めに。
「甘そうだねぇ」
「どうせなら甘いほうが良いじゃないですか」
浴衣に着替えた先生が台所に来た。
冷麺を二つお盆に載せて持って行って、またこちらへ。
孝弘さんは出かけちゃったので後はホットケーキが出来たらOK。
カラメルと生クリームとバターを先に持って行ってもらった。
よし、焼けた。
お皿に乗せて食卓へ。
「おいしそう、うふふ」
律君はうんざりした顔で生クリームたっぷり乗せる先生を見ている。
甘党ではない男の子には嫌なのかもしれない。
俺は抹茶のアイスと食べた。
俺は流石に終盤しょっぱいものが食べたくなったが先生は完食。
午後は昼寝したいというのでお付き合い。
雨気にしっとりとした肌、甘く匂う体臭に何か気が緩んで。
ゆったりと部屋で寝ていると人の気配に目が覚めた。
あ、斐さん。
視線は俺の…胸?
あぁ先生ががっちり噛んでた。
何か痛いと思ったら。
先生に用があるようなので揺り起こした。
「んー…、なぁに~」
「絹ちゃん、あんたねえ」
ちょっと呆れてる声を出しているのは寝ぼけて俺の腹を揉んでる点か?
先生の口元を手拭で拭いてあげて、俺の胸を拭く。
歯形と涎でべたべただ。まだ先生はぼんやりしてて、寝が足りない様子。
ぺたん、と斐さんが布団の横に座った。
先生はやっと意識が現実に戻ったらしい。
「あら、姉さん」
腹を揉む手も膝へ行った。
「居間行きませんか?」
「そうね」
身づくろいをさせて髪を直して。
俺は布団を片付けて行く、と部屋から送り出した。
ああ危なかった。
噛まれてる程度の時で良かった。
部屋を整えて居間に戻る。
「あ、山沢さん、コーヒー入れて頂戴」
「はいはい、エスプレッソ?」
「ううん、普通のが良いわ。姉さんの分もね」
「はーい」
俺の分も入れて戻る。
「どうぞ」
「悪いわねぇ」
「いえ。あ、そろそろ買物行かないとですね、何しましょう」
ちょっと考えていくつかメニューを言われたので買物に立った。
買物から戻ると八重子先生が帰っていたので台所に二人で立つことに。
「斐、あんたご飯どうするの?」
「食べて帰って良いかしら、どうせ今日うち誰もいないのよ」
ということで作る。
結婚後に姉妹で仲良く話す機会ってあまりないだろうし。
さっと作ってご飯が炊けた頃、孝弘さんが戻ってきた。
はらへった、と言ってる。
「ちょっと待っててくださいね、律が帰ったら食べましょ」
律君待ちか、俺も腹減った。
バラバラッと音がした。
夕立。
八重子先生がタオルと雑巾を用意してる。
律君が濡れて帰った時のためか。
優しいなぁ。
がらっと戸が開いた。ナイスタイミング。
「ただいま、もー後5分降るの遅かったらなぁ」
タオルだけで済みそうだ。
じゃ食卓にご飯出しましょう。
お盆に載せておかずを運ぶ。
「あ、手伝うわ」
「いいわよ、この子に任せてたら」
「作ってもらったんだからそれくらいはしないとね」
そういっていただいたので軽いものばかり乗せて渡した。
あとはお櫃。
先生の横に置いた。
律君が食卓に着いたのでいただきます。
「あら、結構おいしいじゃない。お母さんじゃないわよね、これ」
「ほとんど山沢さんが作ってるからね、うちの味とはちょっと違うだろ」
「山沢さんの作るの、最初の頃は食べるの辛かったのよねぇ」
和気藹々とご飯を食べて、お片付けをしたらもう帰る時間だ。
今日はさらっと挨拶してさらっと帰る。
怪しまれないように。
帰宅して寝るころ、先生からメール。
斐さんが帰られてちょっと疲れたらしい。
俺ももう寝るから早く寝るように、と返事をした。
一緒に寝れたら一番なのだけどそうはいかない。
そうするわ、おやすみなさい。そうメールが返って来た。素直でよろしい。
おやすみなさい。良い夢を。
翌日は稽古もないし仕事が終わり次第京都へ立った。
何って祇園祭関係の茶菓子を一通り買う気でだ。
先生は昼寝をしたかったようだがお稽古があるから眠くても頑張ってるらしい。
デパートの地下でがっさりと沢山購入した。
明日の夕方までとの事なので余裕だ。
東京へ引き返して車に乗り換え先生のお宅へ行く途中メールが来た。
夕食の写真とともに食べたら寝ると。
俺の胸で寝たい、なんてメールに書いてきたので消すよう指示して。
嬉しいけどさ、一応不倫だし見られて困るメールは駄目だよね。
メールがやんだ。
拗ねちゃったかな?
5分ほどして到着し玄関を開ける。
ガラガラッ。
「お今晩はーお邪魔します」
「はーい…えっ山沢さん…どうして? えっ?」
「これどうぞ、祇園祭の菓子です」
「いいの?こんなに」
「アソートしてみました、今おやつにされるもよし、明日お稽古に使うもよし」
「あら山沢さんじゃないの。どうしたの」
「京都の祇園祭にちなんだ菓子、買って来ました」
「おばあちゃん、ほらこんなに沢山よ」
「凄いわねぇ。あらあんたお夕飯は食べたの?」
「帰ってから食おうかと」
「食べて行きなさいよ。あと出来たらで良いんだけど…」
「ありがとうございます。なんでしょうか」
「一緒に寝てやってくれる?」
「ああ、はい」
先生が俺の分としてパスタを用意してくれた。
鮭とネギのしょうゆバター。それと八重子先生の煮物。
おいしい。
ご馳走様をするころには先生の上体が揺れている。
「後片付けはしておくから。寝かせてやって」
「はーい」
満腹のまま先生を部屋につれて入り懐に抱いて少し寝た。
5時間たっぷり寝て先生の横から脱出し着替えてそっと玄関から出た。
外から鍵を閉めて帰宅する。

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