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百鬼夜行抄 二次創作

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伶(蝸牛):絹の父・八重子の夫 覚:絹の兄・長男 斐:絹の姉・長女 洸:絹の兄・次男 環:絹の姉・次女 開:絹の兄・三男 律:絹の子 司:覚の子 晶:斐の子

542

帰りの電車の中、どうしてこうなったのかしら、と悩んで。
何がそんなに久さんを苛立たせたのだろう。
思い起こしていく内に、買い物から呼び戻した時には目が笑ってなかった。
そんなことに気づいた。
何か食べたいものがあったのかしら。
そんなことくらいでは怒らないわよね。
悩んでいるうちに駅についてバスに乗り替えて帰宅した。
「ただいまぁ」
「あら早かったね、泊まらなかったの?」
「ちょっと久さんの機嫌が悪くて」
「あらあらあら。またなんかあんたしたのかい?」
それが良くわからなくて困ってるのよね。
とりあえずは着替えて、着物の汚れを確かめる。
軽く手入れをして居間に戻った。
「あら? 律は?」
「友達のうちに泊まってくるって言ってたよ」
「そう…」
落ち着いたら眠くなって、早い時間だけど寝てしまうことにした。
久さんのことは明日、考える事にしましょ。
何か思い出すかも。
布団を敷いてひやりとした中に身を横たえる。
休みの前に久さんがいないのは珍しく、何か寂しい。
眠いのになかなか眠れず、それでもいつしか寝たようで朝が来た。
ぼんやりした頭のまま朝食の支度をする。
三人で食べて片付けて。
郵便物を見て思い出した。一昨日何か渡されたんだったわ。
あれどこやったかしら。
バスの時間が来てたから胸元に入れてそのあと…あ。
久さんのうちで脱ぎ捨てたから…。
一応昨日の鞄の中を探ってみると入っていた。
中を読む。
段々と頭が冴えてくる。
久さんが中を見たのだとしたら怒るわよね。これは。
「どうしたの、あんた。顔色悪いよ」
「あ、お母さん。あのね。これ。もしかしたら久さんが読んだかもしれなくて」
「どれどれ」
老眼鏡を取り出してざっくりと読む。
「こりゃあ怒るだろうね。読んだか聞いてみたら?」
「薮蛇だったらどうするのよ」
「お断りするんだから堂々と言えばいいんだよ」
まさかこんなのだったなんて。わかってたらその場でお断りしたのに。
ちょっと悩んで携帯を手にした。
電話、あ、まだ仕事中ね。
メールを打つ。
暫くして返事が帰ってきた。
あとであちらの部屋で話をしたいと。
少し怖くなったけれどあの部屋は道具はないから…。
お昼御飯はどうするのかしら。
食べてからいくと返事があった。
それまで落ち着かない気分のまま、庭掃除や洗濯物などをして過ごした。
お昼を食べてしばらくした頃、電話が鳴る。
久さんから。そろそろつくからと。
お母さんに言ってあちらへ移動した。
すでに鍵があいている。ためらってドアを開けた。
「いらっしゃい」
「あの、久さん。メールのこと…」
「とりあえず中にどうぞ。座って」
恐る恐る従う。
ん、とお茶を入れてくれた。
「あの。手紙のこと。読んじゃった?」
「読んだ。どうする気でいるのかな。後妻におさまる?」
「そんなわけないわ」
「その場で突っ返せよそんなもん」
「違うの、聞いて」
「何をさ」
「今朝になって中を読んだのよ」
「開封してあった」
「それはバスの時間が来て」
「バスん中で読んだんだろ」
「読んでないのよ、さっきなの。ほんとよ」
「どうせ俺は資産家でも男でもない。そいつの方がいいんだろ」
「あなたの方がいいのに決まってるじゃない。なんでそんなこと言うのよ」
ぷいっと背中を向けてしまった。
後ろから抱き締める。
「手紙、今日お断りの返事を書いて速達にするわ。私はあなたが好きなの」
本当に? と久さんが念を押してくる。
「あんなことをするのにそれでもか?」
「…してくれないのが一番なのだけど。好きよ」
じゃなかったらとっくに、そうね、紹介状でも書いてよその先生に渡してるわね。
現金収入が減るのは痛手だけどもきっとそうしてる。
「わかった。でもな」
「なぁに?」
「来る前は電話入れてくれ。それとハンガー使え」
あっ。勝手に行ったことと脱ぎ散らしてたのもいけなかったみたい。
「ご、ごめんなさい。つい」
「いや。おれも口で言えばよかったな。すまない」
ついつい最近は気を抜いていて何をしてもいい、そんな風に思っていたみたい。
親しき仲にも礼儀あり、だったわ。
久さんはあまり内心を言わないからやりすぎるのよね。
そっとキスをして。
気が緩んだとたん眠くなってきた。
「眠いのか?」
「昨日眠れなかったの」
「昼寝すればいい。俺も今日はこの後行くところがあるから」
「どこ行くの?」
「作業着屋。仕事着の補充にね」
じゃついていっても仕方ないわね。
「夕方、拾いに来るから飯食いにいこう」
「いいの?」
「このへんのうまい店、連れてってくれよ」
「わかったわ、待ってる」
「待たなくていいよ、寝てろ」
「はい」
頭を撫でられて、それじゃまた後でと久さんが出ていった。
お母さんに電話をして昼寝して夕飯を食べにいくと告げ、着物を脱いだ。
寝巻きに着替えてベッドへ潜る。
ここへ一人で寝るのは珍しいこと。
と思いながらもあっという間に睡魔に飲み込まれた。

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541

ある日の夕方、他出より戻れば電気がついている。
消し忘れたかと戸を開けると草履が揃えて脱いであった。
どうやら先生が来ているらしい。
だが気配がない。
不審に思って寝室に入れば寝息をたてていた。
待つのが暇で寝てしまったと見える。
着物がその辺りに脱ぎ散らしてあるのはどうしたのだろう。
とりあえず和室のハンガーにかけに行き、落ちていた紐なども片付けた。
よく寝ている。
俺は腹が減ったんだが、一人食うわけにもいかない。
何か作ろうという気分ではなかったのだが仕方がない。
まずは買い物、と家を出た。
スーパーで何を作ろうかと品物を見ていると電話があった。
「久さん、どこ?」
「あ、起きましたか。何か作ろうと思って買い物へ」
「どこか食べにつれてって欲しいわ」
「はいはい、じゃ帰ります」
甘いものだけ買って戻ると先生はすでに着替えていた。
「おかえりなさい」
「ただいま、どうしたんです。お稽古は。今日お花の日でしょう?」
「私はあれよ、出稽古」
「あぁたまに行ってる支部とか本部の?」
「そう、それでこっちに来たんだけど疲れちゃって」
なるほどね、それで俺と飯を食いにいこうってことか。
「なに食べたいんですか?」
「ステーキか天ぷら」
「了解」
いつものホテルに電話をする。
天ぷらは満席。ステーキなら空いている。
30分後にということで着替えて支度する。先生は化粧を直し、トイレに行った。
連れだって食いに行く。
鉄板焼のコース料理は旨く、先生は軽く飲んでいる。
ほのかに頬が染まるのがなんとも良い。
「あぁおなかいっぱい」
といいつつデザートを食べて、連れ帰る。
部屋に入って先生が脱ぎ始める。
「なんで脱ぐんだ。帰るんだろう?」
「あら、泊めてくれないの?」
「明日お稽古でしょう」
「言わなかったかしら、明日おやすみよ」
「聞いてない」
「お母さんにもこっち寄るの言ってあるから問題ないわ」
「今晩も明日の夜もしちゃいますよ」
「疲れないくらいがいいわ」
「一月くらい立てないようなのしちゃおうか」
「そんなの困るわよ」
リビングでじゃれながら、先生がみたいというテレビを見る。
ゆっくりと胸を揉んだりして先生が濡れた頃、道具を取り出す。
そろりと陰部に当てがう。
「きゃっ、なに、なによ」
「気持ち良い?」
ローターで狙い撃ちである。
すぐに先生は逝った。
「ば、か…何するのよ…」
「たまには違った道具も良いかと思ってね」
「そんなのいらない…」
「これをね、テープで固定して。外を歩こうか」
あ、耳まで赤くなった。想像したらしい。
「やだ、そんなの無理よ…」
「歩けるかな、あなた」
首を振る。
「ディルドも入れて固定しようね。着物だと見えないから大丈夫」
「何を…言ってるの…そんな。できるわけないでしょ」
ディルドを押し当てる。
細身のそれがぬるりと入る感覚に先生は身をよじった。
俺の下帯を使って固定する。
「ほら、立って」
肩の下に手を入れて無理矢理立たせた。
浴衣を整えてやる。
「鏡、見てごらん」
特に凹凸が見えるわけでもなく、収まっている。
顔が赤い以外は常のように。
手を拭いて用意してあった俺の着物を着せる。
嫌々をするが身じろぐと異物感があるらしく呻き声をあげた。
帯は矢の字に。
手を引いて部屋を歩かせる。
玄関に近づくとへたりこんだ。
「あ、うっ、外は勘弁して、お願い、お願いよ」
俺は楽しげに笑い、また立たせた。
たぶん座り込んだときに押し込むことになったのだろう。
「わかってるよ、さすがにこのまま出たりしない」
そうだな、するなら先生の家の裏山が良いだろう。人目につかない。
「どうしてこんな、酷いことするのよ」
「わからない?」
こくり、とうなづく。
「わかるまで今日は抱いてあげる」
ひっと軽く息を飲んでいる。
玄関先ですべて脱がせた。
下帯は先生のもので汚れている。
「足を開きなさい」
それを外してゆっくりディルドを抜くと白く汚れている。
先生に見せつけ、舐めさせた。
「細いだろう。もっと太いのがあなたは良いよね」
おいで、と納戸に連れて入る。
「どれを入れたい?」
先生は首を振って見ようともしない。
「言わないならこれだよ?」
先生のあそこには大きすぎるブツを示すと渋々ながら指をさした。
その指し示すのは、いつも使ってるペニバン。
ふふ、と笑って装着しその場で犯した。
手の届くところに、目に触れるものすべてがその手の道具。
そんな場所で犯されるのは先生には辛かったようだ。
ずいぶん泣かせた後、抱えあげてベッドに入れるとほっとした表情になった。
「なに落ち着いてるんだ? 次はこっちだ」
尻の穴にペニバンの先を押し付ける。
かちかちと先生の歯が鳴った。
ぐりぐりとやると本当に押し込まれるのだと思って悲鳴をあげた。
それから何やら言葉にならないなにかを言って泣き出した。
泣かれるのは面白くない。
口を塞ぐことにした。
ペニバンを外してからキスをする。
落ち着かせるべくゆっくり頭を撫でて。
恐慌状態の先生はしばらくは抵抗していたけれど半時ほどで落ち着いた。
それからは恋人同士のセックスと言おうか、ゆったりとした愛撫。
気持ち良く逝かせるとすぐに先生は寝てしまった。
俺は後片付け。
脱ぎ捨てた着物や使ったディルド、ペニバン。
仕舞い終えてから身支度を整え、出勤した。
久しぶりの完徹につかれつつも仕事に勤しみ帰宅した。
先生はまだ寝ている。
俺もその横に入って寝た。
昼をすんだ頃先生に揺り起こされる。
トイレへ行きたいそうだ。
連れていき用を足すのを眺める。
ぼんやりした頭で先生の恥じらう顔を見ているうち、臭いで気づいた。
「あ、すまん」
トイレを出てやる。大きい方だったようだ。
しばらくして先生が呼ぶ。
ベッドへ戻した。
腹が減る。
寿司で良いというので寿司を頼んでぼんやりと先生の腹に頭をおいて待った。
先生の腹も鳴っている。
届くまでに気がつく。何か着せないといけない。
昨日の寝巻きは汚したから別の寝巻きを先生にまとわせる。
白い乳房にいくつもキスマークがあることに気づく。
先生が慌てて胸をしまった。
かわいい。
座椅子を出してこよう。
段々と目が覚めてきて昼を食う用意をする。
先生を座椅子に座らせて膝掛けを渡すとチャイムがなった。
寿司桶を受けとり、机に置く。
いただきます。
おいしい、と先生が嬉しそうに食べている。
そして食べ終わったら先生とまたベッドへ戻った。
食後の眠気にまどろむ。
夕方まで寝てさすがに目が覚めた。
寝ている先生のあそこをいじる。
徐々に滑りを増す中に侵入させるとさすがに目が覚めたようだ。
止めたところで止まらないことは知ってる先生はそのまま最後までさせてくれた。
終わった後窓を開ける。
匂いと熱気がこもっているから。
暫くして落ち着いた先生は風呂に入ると部屋を出た。
先生と交代に俺も入り一服する。
腹がへった。
スパゲティを希望する先生と食いに出る。
先生はほうれん草のクリームパスタ、俺は白味噌のハンバーグパスタ。
食後、先生が帰るというので駅まで送った。
このまま夜もうちというのは疲れすぎて無理なようだ。
帰りたくはないけれど、といいつつ稽古に支障が出るからと帰っていった。

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540

背後で先生と律君がなにやら喋っているのを聞きつつ、隣の部屋に敷布団を敷いた。
その上に防水シートを敷き、バスタオルやタオルを置く。
かなり大きめなのでシートの外にこぼす事だけはない。
湯を貰って来てオイルを温める。
その間に吸水シートを乗せ、固定した。
そろそろ良かろう。
「先生、これますか?」
首を振る。
「先、トイレ済ませましょう。失礼」
抱えあげて連れて行く事に律君はもう見慣れたようだ。
戻ってきて浴衣を脱がせ、湯文字も取らせた。
紙パンツは穿かせたが恥ずかしそうにしている。
伏せさせて温めたオイルをたっぷりと掛け、ゆっくりとほぐして行く。
触れていない場所にバスタオルを掛け、冷えないようにしつつ。
最初はくすぐったそうに、それからだんだんと気持ちよさそうな顔になってきた。
お尻を揉むのにパンツをずらすのはさすがに恥ずかしそうだったけど。
律君は途中で目のやり場がないのか部屋に逃げてしまった。
仰向けになってもらって丹念に解す。
乳首や、股間は触らないように。
とはいえ鼠蹊部はリンパがあるのでどうしても手が当たるのだが。
少し色気のある顔でこちらを見るのは欲情してしまったのだろうな。
「あら、あんたたちさっきお風呂入ってなかったっけ?」
「八重子先生。ええ、うっかりしてました。夜にもう一度と思ってます」
「あっそういえばそうよね。せっかく入ったのに」
会話をしつつ丁寧に。
足の指の間まで。くすぐったそうだ。
最後に全体的に流して終わり。
「あぁ気持ちよかった」
ある程度ホットタオルを使って拭き取り、持って来た服を着せた。
浴衣着ると洗うのが大変だからね。
靴下を履かせると何か微妙という顔をした。
居間に追いやって後始末をする。
オイルのついたものは基本廃棄、さっさと仕分けして片付けた。
「あんた眠いなら部屋で寝なさい」
振り返れば先生が舟を漕いでいる。
使っていないバスタオルをもって先生のお部屋へ行く。
敷いてある布団にバスタオルをさらに敷いた。枕の上も覆うように。
ふらっと先生が来て布団にもぐり込む。
「おやすみなさい」
「うん」
すぐに寝息になった。
かわいいなぁ。
しばし見とれてから部屋を出た。
戻って片付けて、それから八重子先生に引き止められるまま夕食をいただいた。
やっと先生が起きて来て、風呂に入れるとの約束通り洗うことに。
膝をまたがらせて座らせた。
「お昼みたいなこと、しないでちょうだいね。律もいるんだから」
「わかってるよ」
今回は軽くオイルを取る程度にする。
冬なら洗う必要はないけれど、これから夏へ向かうだけに洗わねばならん。
汗をかくことが多い先生はあまり残すのは好ましくないようだ。
キスをしたくなって唇を合わせる。
「こら、だめよ」
「連れて帰りたくなっちゃうな」
「明日もお稽古なんだからだめよ」
「じゃあ明日の晩を楽しみに。ねぇ、気づいてますか、俺の膝に押し当ててるの」
「言わないでちょうだい、恥ずかしくなるじゃないの」
恥ずかしがって下を向いちゃった。
「可愛いと思ってるよ。少しヌルついてるのは」
「オイルよ、オイル」
「ってことにしてあげましょう」
俺の膝から降りて自分で股間を洗い出した。
やることがかわいい。
背中を拭いたらタオルは奪われた。
「もう自分で出来るから」
「はいはい」
自分を拭いて風呂を上がり、俺は外着。先生は寝巻。
「帰るの?」
「仕事ですよ?」
「そうだったわね」
「お稽古休んでとは言いませんからね、絶対に」
「たまには言ったらいいのに」
小さい声でそう言った。
「律君が就職して独り立ちしたらね、京都に住みませんか」
はっと顔上げた。
「もちろん、心配事がなくなったらの話ですが」
「…その頃にはきっと私、おばあさんだわ」
「それでもいいです」
「期待しちゃうわよ?」
「その頃になってもお茶を続けるつもりなら、家を選ぶでしょうけど」
「だったら貯金しなくちゃね。あんまり外食はよくないわねぇ」
「たまにホテル行くくらいはいいでしょう?」
「そうねぇ。来年、用がなければあちらの部屋は空けたほうが…」
「あー今年あんまり使ってませんね」
などと細々話しつつ居間へ。
八重子先生が羊羹を食べている。
「あんたらもいる?」
「俺はいいです」
「おいしそうねえ。冷蔵庫?」
うん、と八重子先生がうなづいて先生が台所へ。
暫くして戻ってきた。
お盆に自分の分と、俺へはコーヒー、バームクーヘン。
「おお、うまそう」
「おいしそう、でしょ」
「すみません」
「あげないわよ? 言葉づかい直すようにしないと」
「気をつけます。ですから下さい」
「どうしようかしら~うふふ」
「遊んでないで下さいよー」
「はい、じゃちゃんと座って」
足を伸ばしてたのを正座して食卓に向かう。
「良い子ね、じゃ食べていいわよ」
「いただきます」
八重子先生がずっとくすくす笑ってる。
「あれ? これうま…おいしいですね」
「いただきものなのよ。クラブハリエって書いてあったわ」
「あー、滋賀にあるやつ。今度最中買ってきてあげます」
「バームクーヘンのお店で最中?」
「三越にたねやってあるじゃないですか」
「そういえばあるわねぇ。あっそうそう、忘れちゃうところだったわ」
「どうしました?」
「今度でいいからタバコ買ってきてちょうだい」
「吸うんですか?」
「刻みを買ってきて欲しいのよ。ほら、茶事の稽古するから」
「なんだ、吸うのかと」
「むせちゃうわよ」
「八重子先生は吸えるんですか?」
「お稽古で吸ったことはあるよ」
「あぁ、そうですよね」
「姉さんは吸うわよ」
「女だてらにって言ったんだけど」
「まぁ男と対等に仕事してると飲みたくなるものですよ」
「そういえばあなた吸ってたものねえ」
「ヤニ臭いの嫌いでしょう?」
時計が10時を知らせる。
「もうそんな時間?」
「ああ、では俺はこれで」
「おやすみ」
「おやすみなさい。気をつけて」
送らなくていい、と居間で別れた。

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539

さて翌日。
仕事を終えて先生のお宅へ。
奥にいるはずの先生の様子を見に行くとちょうど柱にすがって出てくるところだった。
「あ、久さん。いらっしゃい。お願い」
「ただいま。トイレ?」
「うん」
ひょいっと抱き上げて連れて行く。
「出て待っててくれる?」
「いいよ、終わったら教えて」
きっと大きいほうだ。
うちでなら別だがこの家では意地悪は出来ない。
暫く待っているとノックの音。
入って先生を回収する。
洗面がまだと言うのでどうせだからと風呂へ入れることにした。
丁寧に洗ってやると先生は気持ちよさそうな顔をする。
抱いている時より。
少し意地悪をしたくなって乳首をつねる。
「きゃっ、やだ、痛い」
そのまま股間をまさぐる。
「こら、駄目。こんな時間に。お母さんもいるのよ」
そういいつつも濡れてきた。
水音はシャワーが床を叩く音に紛れ、外へは漏れない。
先生は声を出さぬよう、俺の腕に爪を立てて我慢している。
可愛い。
「くぅ…うぅ、ひっ、ん…」
突起をしごくとそれでも漏れ出る声。
ふるふるっと身が震え、脱力。逝ったようだ。
「はっはっ、あぁ…、ばか…、もうっ」
先生の手がぴしゃっと俺の太ももを打つ。
「かわいいね、良い子だ」
「あ、ぅ…」
中をまさぐる。
突起と同時にやってやるとすぐに逝く。
「も、だめ…、苦し…」
「このままあちらの部屋に連れて行こうかな」
首を弱々しく横に振る。
「だめ、むり、辛いの…、ね。お願い」
「しょうがないな。可愛いあなたの言うことだ、今は取敢えずここまでにしましょう」
中がきゅうきゅうと締め付けていて、もう一度だけ逝かせたくなった。
「んっ、んぅ…くぅ…、ひぃあぅ、っ…」
それでも必死に声を抑えている先生がいとしい。
俺の太ももを引っかく。
腰が浮き上がって、ふっと落ちた。
少し足が痙攣している。
息が荒い。
ゆっくりと汗を流してやって落ち着くのを待つ。
軽くキスをして風呂から出た。
部屋に連れて戻る。
「そういえば昼は食いました?」
「あ、まだ」
「何か食べたいものあるなら」
「あ、私あれ食べたいわ」
「うん?」
「ほら、あれ。最近CMしているカレーの」
「ハンバーガー?」
「そうそれ。買ってきて欲しいわ」
「了解。他には?」
「サラダもお願いね」
はいはい、と部屋を出て居間の八重子先生に声をかける。
食事も済んでいたのでいらないそうだ。
車に乗って近くの店舗へ買いに行く。
ついでに俺もポテト食べよう。
そんなに待つこともなく出来たのですぐに取って返す。
八重子先生は茶室でなにやらしておられるようだ。
ただいま、と声をかけ先生を起こすと食卓で食べると主張する。
仕方なく担いで連れて行き、座らせた。
買ってきたものを広げる前に手拭で胸元を守る。
「そんなのいらないわよ」
「や、ここのは絶対落とすと思いますよ」
そう言ってさすがに今日は自力で口に運んでいるが、思ったとおりソースが落ちた。
むっとした顔をしている。
「食べにくいのねぇ」
「でしょ、でもうまい」
「それはそうだけど…外では食べたくないわね」
「ただいまー、あれ?」
律君が帰ってきた。
先生はかぶりついたハンバーグを咀嚼してから、お帰りと言う。
「珍しいもん食べてるんだね」
「最近広告よくしてるから食べたくなっちゃったのよね。台所にあんたのご飯あるわよ」
「あ、そうなんだ?」
「たまに食うとうまいだろ、こういうの」
ぺしっと先生が額を叩く。
「言葉遣い。悪くなってるわよ」
「すいません、つい」
サラダも食べ終えた先生の手を拭いてる間に律君が自分の分を持ってきた。
「筋肉痛どう? まだ痛い?」
「そうねぇ、昨日よりはましよ」
「後でマッサージしましょう。オイルも持ってきてるから」
「あら頼める?」
「どうせ肩も凝ってますでしょう?」
「そうなのよー」
「山沢さんって何でも出来るんだね、すごいなぁ」
「マッサージは覚えるといいよ、女の子が群がるよ?」
「あら。そういうことで覚えたのねえ」
「いやいやいや、誤解です」
失言だ。
「用意してきます」
そそくさと席を立つ

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538

いつもの時間に目が覚める。
さすがに習慣だ。まだ疲れは抜けてない。
行きたくないなぁ。こんな日は。好きな女も横に寝ていて。
それでも支度をする。
整えて出勤したが暇で早く帰りたい気分だ。
缶コーヒーを消費しつつ昼近くになりやっと帰れた。
「ただいま」
あ、草履がない。
帰っちゃったのか。
寂しいな、と思いつつ風呂を浴び、着替えた。
和室には昨日の着物がまだある。
持って帰らなかったのか。
居間に入る。あれ、昨日の荷物そのまま?
もしかして、と寝室のドアを開けると先生が寝息を立てていた。
「先生? 起きて」
「うぅん? ん? あらお帰りなさい」
大あくびと伸び。
「ただいま。帰る支度しないともう11時ですよ」
「あら、そんな時間?」
先生は風呂へ飛んで行った。
シャワーでざっと流して戻ってきた先生は髪が乾かない、と慌てている。
とりあえず着替えをそろえて出してあげた。
「落ち着いて。車の中でお昼を食べたら間に合いますよ」
「あ、うん、そうよね」
それでも気が急くようで却って着物の着付けがうまくいかないようだ。
「ほら、焦らない。手伝いますから」
何とか着替えて化粧も済ませ、トイレに行かせた。
俺は荷物を用意して先生の草履を出す。
着物に合ってないけど仕方ない。
先生が出てきたので戸締りを確かめ、乗車した。
途中、軽いお弁当を買って先生に食べさせる。
「ゆっくり食べたらいいですよ」
「ごめんね、私だけ悪いわ」
「ついたら俺も食います」
少しスピードを出して先生のおうちに到着。
ちょうど朝のお稽古が終わった後らしい。
「あぁ、お帰り」
「ただいま、遅くなっちゃってごめんなさい」
「楽しかったかい?」
「戸隠、すごかったわよ」
「で、山沢さんは?」
「まだ車なの。荷物があるから」
「ああ、そうそう。何か届いてたけど」
「たぶん旅行中のだわ。久さんが送ってたもの」
「じゃ後で開けたら良いかねぇ」
「そうしましょ。お母さんご飯は?」
「食べたよ、あんたは?」
「車の中でいただいたの。時間がなかったから」
「山沢さんは食べたの?」
「まだなのよ。だからお稽古、支度終わったら食べてって言ってあるわ」
「そう?」
しゃべっている間に山沢さんが来た。
「こんにちは、八重子先生」
「はい、こんにちは」
「先生、トイレ行きましたか?」
「あ、まだ。行ってくるわ」
先生がトイレに行って、俺は持ってきたお土産の一つを八重子先生へ。
「美術館、良いところでしたよ。涼しくて広くて、景色も良くて」
「へぇ、そう? 今度一度行ってみようかねえ」
「そうですねー、出来たら次の善光寺の御開帳がいいでしょうね」
「あんた何年後だい、それ」
「七年に一度だそうです」
「その頃まで元気でいられるかねぇ」
「いてくださいよ」
さてそろそろ支度をば。
水屋に入って帳面を繰り、今日のメンバーを確認して用意。
駄目だ、炭する人はいない。
久しぶりに炭をついで、各々の道具をそろえた。
暫くして先生が茶室に入って炭の様子を見る。
「久さん」
「はい」
「下手ねえ」
「…すいません」
先生が手直しをしてくれた。
「お湯、沸いてるの?」
「はい今入れます」
先生が動線を避けて定位置につかれる。
半分を切っている釜にやかんから湯を足す。
「それくらいでいいわ」
「はい」
くぅ、と腹が鳴った。
先生は笑って食べてきたら? と仰るがもう少しで終わるからと支度を済ませた。
それから先生が一服点ててくださった。
うまい。
「あ、ごめんなさい、お菓子出してなかったわね」
「いえ、どうせご飯食べますから良いです」
やっぱねぇ、自分で点てるより先生のはおいしいんだよ。
なんでだろうなぁ。
「もう一服どう?」
「いただきます」
流れるようにお茶をたてる。美しい。
「ねぇ、実は…」
何か言い出そうとしたとき、生徒さんがいらっしゃった。
「また後で…聞いてちょうだい」
「はい」
「こんにちは、飯島先生、山沢さん」
「はい、こんにちは」
「あ、山沢さんいいなぁ」
「ははは。こんにちは」
飲みきって器を返す。
「じゃ、ちょっと」
「行ってらっしゃい」
「あれ? お稽古一緒にされないんですかぁ?」
「お昼まだなんですよ」
「あー」
納得したようだ。
台所に行ってさっきのお弁当を温める。
俺にはちょっと少ない。
「あんたそんなんじゃ足りないだろ」
八重子先生がそう言いつつ台所に来て、冷蔵庫から2品出してくれた。
助かる。さすがに勝手にあさるのはどうかと思っていたから。
食べ終わって居間で旅行の話を問われるがまま話す。
戸隠の奥社は八重子先生は無理だろうという話になった。
「そういえばあの子、草履で上ったの?」
「いや、地下足袋ですよ。草履に見せかけた」
「そんなのあるの?」
「地下足袋に鼻緒つけるだけなんですけどね。私が使おうと思って」
それを山道は想定外という先生に貸したわけだ。
白でも紺でもなく柄つきなのを見て女心を刺激されたらしい。
さて、食後の一服もすみトイレに行ってから茶室に戻る。
三人目の生徒さんが稽古している。
茶碗や茶巾を清め、水指に水を足した。
先生はにこにことお稽古をつけていらっしゃる。機嫌は良いようだ。
そのままいつものようにお稽古が終了。
見送りに立つのに先生が俺を呼び、杖にした
「今頃筋肉痛きちゃった、いたた…」
「あら先生、大丈夫ですか?」
「ええ、多分…」
「じゃあ、ありがとうございました、また来週お願いします」
見送って戸が閉まったのを見て抱き上げた。
「あ、ちょっと」
「歩くの辛いんでしょう?」
「そうだけど、やだ、ねぇおろしてちょうだい、恥ずかしいわ」
「転んだりされちゃ困りますから。暴れないで」
トイレに行きたいそうなので連れて行って、着物をたくし上げた。
しているところを見ているとすごく顔が赤くて恥ずかしそうで良い。
おならも。
「聞かなかったことにして…」
「寝てるときにしてるの聞いてるから」
「やだ、してる? 本当?」
「みんなしてますよ、普通です」
始末をして、立たせて着物を下ろす。整えるところまでして。
居間へ抱き上げて連れて行く途中、律君が帰ってきた。
「ただいま…ってお母さん? 何!?」
「お、お帰りなさい、あのね、これは違うの」
「違うって何が?」
「おかえり。君のお母さん、今酷い筋肉痛で立てないって」
「あっ、あぁそうなんだ。でもなんで山沢さん?」
「トイレ行きたいっておっしゃったからね、ふふふ」
そのまま居間へ入る。
「なんだねぇ、騒がしいと思ったよ」
下ろして座らせた。
「昨日の今日で来るなんてまだまだ若いですよね」
「本当にねえ」
「じゃ、後始末してきますね」
先生はほっとした顔で汗をぬぐっている。
今晩は先生を抱けないのは残念だけど明後日は抱けるだろう。
その時にいじめてやろう。
不埒なことを考えつつ後始末を終わり、おいしそうな匂いに引き寄せられた。
「山沢さん、あんた絹の横。食べさせてやっとくれ」
「ちょっとお母さん、自分で食べるわよ」
「お茶も飲めないくらいなのに無理してどうするんだい」
「おお、腕まで来ちゃいましたか。そりゃ大変だ。今日はお風呂も入れて差し上げます」
「ちょっ、もう。久さんも悪乗りしないで」
「まぁでも寝るまではいますよ」
「そうしてやって」
先生を食べさせつつ、自分も食べる。
照れくさげなのが可愛い。
いつもより少なめでもういらないという。
夜食を用意しておこう。
食事の後は旅行の土産を開封。
あれやこれやを出して土産話もともに。
暫くして先生がもじもじとしだした。
「トイレ?」
うん、とうなづく。
抱き上げて連れて行く。すごく恥ずかしそうだ。
二人きりの時よりも親や息子の前ではやっぱり恥ずかしいんだろう。
拭くのも体制が辛いようなので拭いてあげた。
ついでに軽くなぞる。
「ひっ…だめ」
「そうだね、こんなところじゃね」
キスをして舌を絡める。
「ばか…」
それから着物を整えて居間へ連れて戻した。
風呂が沸いたので先生はどうするか?と聞いた。
「来る前に入ったから一日くらいいいわ」
「そうですか? 丁寧に洗って差し上げますよ?」
「すぐそうやってからかうんだから」
みんながお風呂に入った頃先生があくびをした
「もう眠い?」
「やっぱり疲れたのかしら」
「じゃ寝ますか。部屋行きましょう」
抱き上げて俺の部屋ではなく先生の部屋へ。
「どうして?」
「俺、今日は帰らなきゃいけないから。抱きたいけど…」
「そう、そうよね、明日平日だったわね」
「明日も来ますよ。きっと動けないでしょうから」
「ありがとう、そうしてくれると助かるわ」
座らせて布団を敷き、先生を脱がせる。
「何か変な気分ね」
「そうですね」
笑いあって寝巻きを着せて、先生を布団に入れた。
「おやすみ」
「おやすみなさい」
口付けを落として、少し撫でているとすぐに寝息になった。
暫く寝顔を楽しんで、居間に戻る。
「じゃ八重子先生、私もこれで失礼します」
「ん、そうかい。ご苦労さん。明日は来るの?」
「来ます。お昼は先生と食べます」
「はいはい、用意しとこうかね」
「あればうれしいです。お願いします」
「じゃまた明日。お休み」
「おやすみなさい」
別れて車に乗り込み、走らせる。
帰宅して布団に潜ればすぐに睡魔がやってきた。俺も疲れていたようだ。

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