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百鬼夜行抄 二次創作

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伶(蝸牛):絹の父・八重子の夫 覚:絹の兄・長男 斐:絹の姉・長女 洸:絹の兄・次男 環:絹の姉・次女 開:絹の兄・三男 律:絹の子 司:覚の子 晶:斐の子

428

翌日。
仕事を済ませ、着替えて京都へ。
京都はやはり暑い。
東京とは違ったじっとりとした暑さだ。
げんなりしつつ、観光客にもまれつつ清水道より1つ北の停留所へついた。
六道参り、と道の上に幕が張ってある。
坂を下って六道珍皇寺へ。
塔婆を書いてもらって鐘の列へ並ぶ。
相変わらず暑いのに沢山の人だ。
行列は角を3つ分。
この日差しの中待つのは辛いが仕方ない。
首の汗を拭い扇子で扇ぎ、麦茶を飲む。
やや曇っていてこれだから晴れてなくて良かった。
汗が滴る。
列はじりじりと進みやっと寺の裏口が見えてきた。
もう少し。
寺内に入る。
鐘を突いてからお参りし、水回向。
それから西福寺。
ここは地獄絵図で有名だ。
九想図絵もある。
そして六道珍皇寺で鐘を突き、お参りをした。
実家に帰ってその足で先に墓参り。
親たちは盆の連休に行くそうだ。
ついでに結婚はしないのか、などと言う話が出た。
一応考えている人はいると返しておいたが…。
あまりに汗だくなのでシャワーを浴びて着替えてから東京へ戻ることにした。
風呂から出るとメシが出来ていて久々に食う自宅の飯。
肉が沢山、魚はちょっと。
ガッツリ食って満腹。
そのまま寝てたいけど明日も仕事だから。
「んじゃ帰るわ。暑いし体調崩さないように」
「あんたも気ぃつけや」
「あ、服」
「洗て送ったげるから」
「頼むわ」
「はいはい、ほなね」
「またね」
タクシー呼んでもらって京都駅へ。
京都駅も暑い、蒸してる。
時間はあるので少し先生に土産を買った。
新幹線に乗って転寝、終点だから問題ない。
次は新横浜のアナウンスで目が覚めた。
車販のコーヒーを買って飲み終えると東京だ。
あくびひとつ。
バスに乗り換えて帰宅した。
暗くて暑い部屋の電気をつけクーラーをパワフル運転にする。
眠い。
やらなきゃいけないこともなし、寝ようか。
携帯がなる。
先生からだな。
手首と足首の写真。
手首はほぼ残ってないようだが足首はしっかり残ってる。
あの時八重子先生来たからマッサージできてなかったもんなぁ。
風呂でよくマッサージする事と、写真は削除するように言う。
証拠は残すべきじゃない。
今からお風呂と言う返事があった。
どれほど残っているか確認したいところだが。
土曜のお稽古では流石に残っちゃ居ないだろう。
俺は先に寝る、と返してベッドに潜り込んだ。
おやすみなさい。

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427

夜半、先生がモゾモゾと擦り寄ってくる。
クーラーを止め、窓を開けた。
効きすぎて寒かったようだ。
トイレへ行ってからベッドに戻る。
肌がひんやりとしていて風邪を引いてないか心配だ。
密着させてお腹だけでも温まれば良いかな。
朝になって、暑くて目が覚めた。
先生も布団を蹴っ飛ばしてるのでクーラーを入れた。
トイレから戻ると流石は部屋が狭い、良く効いている。
設定を緩めて再度添い寝をした。
涼しくなるとちゃんと俺にくっついてくる。
年上なのに可愛い、と思ってしまうんだよね。
あ、むらむらとしてきた。
久々に朝からしちゃおうかな。
緩めたクーラーを再度強くして先生の胸をなでる。
乳首、立ってきた。
寝てると乳首だけでは逝かないから適当なところで下に指を這わす。
うん、ちゃんと濡れ始めてる。
暫く弄ってたら起きてしまったようで鼻をつままれた。
キスをしてから股間に潜り込む。
敏感なところをうまく舐めると声が溢れる。
中に指を入れくじる。
ちゃんと感じてくれてるようだ。
ひっくり返して腰を持ち上げて弄る。
よがってる隙に尻の穴を舐めた。
「っあ…、だめ」
そっと小指を入れる。
「あ…ぅ…」
突起を責めつつなので力が入らないようだ。
ゆっくりと出し入れすると感じてきたようで背中を反って喘ぐ。
3点攻めで逝った。
指をぬいて手を洗いに立ち、戻ると枕で叩かれた。
枕ごと抱き締めて押し倒してキスを。
「もうっ…ばかっ」
いてててて、乳首に爪を立てるなって。
それでもそのまま抱き締めてキスをすると次第に抵抗がうせる。
ペニバン持ってきてたらもう一度抱きたい程度にまだしたい気分なんだが。
そういうと恥ずかしそうだ。
先生の乳首を弄っていると股間に誘導された。
よしよし、いい子だ。
沢山啼かせて楽しんだ。
風呂の湯を落としてないので風呂に入らせてから喫茶店に朝ご飯を食べに行く。
たまには良いだろう。
手を洗って着替え、風呂上りの先生にキスをして着替えさせた。
喫茶店でモーニングをいただく。
「あら、珍しいですね、先生」
昔生徒さんだったらしい。
「ほほほ、たまにはね」
先生のウインナーを貰って食べる。
「そうそう。戻ったら天気も良いから布団を干すわよ」
「あ、はい」
ゆったり紅茶を飲んで支払い、店を出た。
まずは部屋に戻り、干す。
それから家へ戻って孝弘さんや律君の布団も干した。
「良く乾きそうねえ」
「そうですね」
チラッと手首の痕が見えた。
あ、いかんな、さっき喫茶店で気づかれてないと良いんだが。
「先生、もしこれなんか言われたら…昨日庭仕事してたらそうなったと言って下さい」
一応手拭の上からかけたんだけどなぁ。
クリームを取ってマッサージする。
薄くなってきた…ような気もするが。
ふと顔を上げキスをした。
頭に拳骨一発、八重子先生が戻ってきてた。
あいたたた。
ま、でもクリームが消えるまで暫くマッサージ。
八重子先生が入れてくれたお茶を頂いて買物に出た。
今頃先生は昨日何されたか聞かれてるのか。
聞かないであげて欲しいけどね。
買物から帰ると冷たい濡れタオルと麦茶をいただいた。
「暑かったでしょう?」
「いやぁもうギラギラ油照りですね」
背中を拭いてくださってすっきりして台所へ向かう。
今日は豆乳のスープスパゲティ。
お豆腐と油揚げとネギを炊いてつけた。
同時にお夕飯の下拵えを済ませて冷蔵庫に入れて置く。
孝弘さんが居ないときはスパゲティやパン食でも良いと言われている。
「あら、おいしそう」
「どれどれ」
「結構いけるわね」
「スープもおいしいねぇ」
嬉しくなる。
その後、家事を手伝って、お三時。
おやつをいただく。
「あんたお盆はどうするの?」
「あー。そうだ、忘れるところでした。明日お稽古お休みしていいですか」
「いいけどどうしたの?」
「六道参り、明日からなんですよ。だから」
「なぁに、それ」
「ええと。六道珍皇寺または六波羅蜜寺で鐘を突いて。
 先祖を呼び出してもらい連れ帰る行事がありましてそれをするために戻ります」
ただ、実の所、市中心部の慣わしと見えて市周辺部の出身者の俺は良くわかってない。
それでもしないのは変な気がする。
そういうわけで毎年帰省して迎えに行くのだが。
「そんなのあるのねぇ」
「結局お盆はどうするんだい」
「えーとですね。何もしないで居られる自信がないんで来ません」
スパーンと先生に新聞で叩かれた。
「むしろですね、盆明けに俺、岡山に出張あるんで一緒にどうかと思ってるんですが」
「岡山?」
「ええ、もし来られるのなら有給とれますから近くの温泉に三日ほどと」
「この暑いのに温泉?」
「プールがよければそちらでも」
「行ってきたら。どうせ生徒さんもちらほらお休みだからねぇ」
「でもお母さん大変でしょ。いいわよ」
「わかりました、じゃ涼しくなったら考えましょう」
「そうして頂戴」
うーん、残念だ。キングベッドの部屋をとっているのだが。
と言うかその部屋しかなかった。
温泉の仮押さえしてあったのを断っておやつをつまむ。
「お夕飯、何作る予定なの?」
「一応ささみアスパラ炒め、小松菜と厚揚げの煮びたし、金目を煮ようか焼こうか」
お夕飯の支度をするにはまだ早いのでしばし団欒を楽しむ。
「はらへった」
孝弘さんにお饅頭を渡してそろそろ夕飯に取り掛かろう。
「あ、待って。その前にあっちの布団取り入れて頂戴」
そうだった、忘れてた。
取り入れに行って戻ってくると先生方が調理を開始している。
「お帰り、うちの布団も取り入れてー」
「はいはい」
各々の部屋に取り込んで、洗濯物も取り入れた。
しかし律君のか孝弘さんのか、下着は良くわからん。
流石に何履かしてるまでは把握してないからなぁ。
とりあえず畳んで積み上げた。
八重子先生が戻ってきて仕分けしてくれてそれも各々の部屋へ。
孝弘さんのは箪笥の中へ。
食卓を用意していると律君が帰ってきた。
「おかえり、洗濯物は部屋に置いておいたよ」
「あ、すいません」
部屋へ行って、すぐに引き返して台所へ行った。
何か先生と喋ってるようだ。
暫くして律君が孝弘さんを呼びに行く。
配膳を手伝って夕飯をいただいた。
金目は焼いたようだ。
おいしい。
先生が楽しげに俺や孝弘さんを見る。
どうも沢山食べるのが見ていて楽しいらしい。
ご馳走様をしてしばし団欒を楽しめばもはや帰る時間。
明日、明後日と会えないから少しさびしい。
玄関先で頭をなでられた。
「土曜日待ってるから。明日気をつけて」
「はい。じゃ、また」
「またね」
送り出されて帰宅した。

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426

本日は昨日に増して暇だ。
台風の余波は相当酷いが関東は別段まだ何もなく、先生のところに悠々と到着。
先にあちらの部屋に色々仕込みをして鼻歌を歌いつつ気楽に玄関くぐれば微笑む先生。
「いらっしゃい。暑かったでしょう」
「ええ、少し」
麦茶を頂いて一服入れてから支度をする。
整った頃生徒さんがいらっしゃった。
先生が冷たい麦茶を振舞われてからのお稽古。
生徒さん方も先生の気遣いがうれしいようでなごやかにお稽古が進む。
今日は俺への厳しいお稽古も気にならない。
お稽古を終え水屋を片付ける。
先生と目が合った。
ふっと笑むと目をそらせ、早く片付けるよう言う。
可愛いね。


昨日山沢さんから電話を受けた。
声を聞きたいって。嬉しくて。
抱きたいって言われて暫くドキドキしたわ。
もっと喋っていたかったけどお母さんが呼ぶから電話を切って。
でも珍しいわねぇ、電話してくるなんて。
居間へ戻って喋っているとお盆について山沢さんはどうするのか、と言う話に。
「帰省するのかしらねぇ」
「正月も帰らなかったしどうだろうね」
「ふふ、またうちに泊まるのかしら」
「どうだろうね、お盆は流石に来ないかもしれないしね」
「明日聞いてみるわ」
そういうことで今日山沢さんが来たのだけど機嫌が良さそうで、鼻歌まで歌ってる。
何か良いことでもあったのかしら。
暑いから麦茶を飲ませて支度してくれている間にお昼を食べた。
お手洗いも済ませて着物や化粧を直してお稽古に望む。
生徒さん方も外の熱気に辛そう。
冷えた麦茶を差し上げて山沢さんに指示を出しつつお稽古。
いつものように何人かのお稽古が済み、山沢さんを厳しくしごく。
機嫌がいいときは少々厳しくてもいいみたい。
二回、上のお点前の稽古をつけてあげるといい時間になって片付けることにした。
指示を与えなくてもうちの水屋はちゃんと山沢さんがわかっていて教える事はない。
ふと目が合う。
山沢さんの笑みにドキッとしてつい目をそらせてしまった。
片付け終えて居間へ戻り食卓を片付け、律とお父さんを呼びに行く。
山沢さんはお母さんを手伝って配膳をしてくれる。
今日は山沢さんのリクエスト通りのお夕飯。
「あれ、珍しいね。おばあちゃんこんなの作るんだ?」
「そうだろ、今日は山沢さんが作って欲しいって言ってね」
キッシュとブロッコリーのベーコン炒め。人参の金平かしら?
食べてみたら金平じゃなくてサラダ。
「おいしいわねぇ」
「うまいです。嬉しいなぁ」
ぱくぱくと食べていて可愛いかも。
いつもは格好良いのに食べてる時は子供みたいなんだもの。
「おかわり」
お父さんのご飯をよそって渡す。
「はい、どうぞ」
お父さんも嫌いじゃないようで結構食べているわね。
「今日本当、暑かったねー」
「そうね、今年最高なんじゃない?」
「そうみたいだよ、こっちで37.2度だってさ」
「うわ、道理で暑いと思った」
「あっち、クーラー予約かけてありますから」
「えっ」
「あれ、後で飲むからって昨日約束しましたよね」
「あ、うん」
吃驚するじゃないの、もう。律の前なのに。
「あと風呂もお湯張り予約してありますんで」
「わかったわ」
「山沢さんってお酒好きなんだねー」
「うん、そうだね。取り寄せる程度には好きだよ」
こちらを向いて笑顔で今日は特別なの用意してるから、と言う。
…お酒よね、そうよね。
食後、山沢さんが洗い物をしてくれる。
お母さんは今朝のうちに山沢さんに聞いていたみたい。
明日のお昼以降に、って。
はい、って栄養剤渡されちゃった。
「お酒飲むだけかもしれないじゃない…」
「ないだろ」
袂を弄って恥ずかしがってたら山沢さんが戻ってきた。
「さて、いいですか?」
「ほらほら。いっといで」
「あ、はい…」
慌てて立って山沢さんに手を引かれた。
外は昼に比べると涼しいけど…。
いつもの部屋に着いて中へ。
「あら涼しいわね」
うちより涼しくて。あら何か敷物が敷いてあるわね。
「座ってて」
山沢さんが冷えたグラスとお酒を持ってきた。
京都の淡麗辛口大吟醸を4本も。
高そう。
「まぁ俺には辛くてなんなんですが、あなたなら甘く感じるでしょう」
そういって4つのグラスに注いでくれる。
「どうぞ」
少しずついただくとどれもおいしい。
山沢さんは違う瓶を飲んでいる。
「ね、あなたのもちょっと頂戴」
「いいですが甘いですよ」
新しいグラスを取ろうとするのでそのまま止めて山沢さんのをいただいた。
「あら。凄く甘いわねぇ…」
「すいすい飲めて一升瓶が空になるような、でしょう」
「危ないわね」
私のグラスが空いたのを見て新たに注いでくれる。
「どれだけ飲ますつもり?」
「ふふ、もう少し飲まないと出来ないんじゃないですか。普段と違うこと」
ドキッとして、横を向くと引き寄せられた。
「特別、っていったでしょう?」
一気に酔いがまわってきて。
耳まで熱くなっちゃった。
その耳に山沢さんの唇が触れて。
「あ…」
そのまま着物を脱がされて敷物の上に運ばれた。
「なに、するの?」
少し冷たい液体を体中に塗られ、山沢さんの手が這うごとにゾクゾクする。
なぜか下帯をつけられ、腕と、足を縛られた。
何をされるのかしら…。
「これ、わかるね?」
あ…蝋燭…。
怖い。
背中から私を抱いてまず山沢さんが自身の手に落として確認してる。
「ん、よし。大丈夫だから力、抜いて」
そういわれても怖くて。
身をすくめてると笑ってる。
ほつ、ほつっとお腹に落とされ、そのたびに体がはねる。
段々と慣れてきたころ乳首に落とされた。
「あぁっ」
お腹より熱くて吃驚しちゃった。
山沢さんは私がはねて声を上げるのを楽しんでいる。
乳首も乳輪も見えなくなるほどにされてもう熱くはない。
すると今度は太腿、あそこに近いところに落としてくるの。
酷いわ、本当に楽しんでて…。
体中を赤く染められたころ、やっと蝋燭が尽きた。
山沢さんにキスされて縄をほどかれ、痺れはないか確認された。
それから蝋をはがしてあげる、と乳首を弄られて気持ちよくなり…。
喘いでたらそのまま下帯を剥ぎ取られて一度逝かされちゃった。
すべてはがしてもらってお風呂に入って出てくると敷物もすべて片付いていた。
「続き、飲みましょうか。それとも」
「飲むわ、注いで頂戴」
ふふっと笑って注いでくれた。
暫く飲んでから山沢さんがお風呂に入って。
その間にグラスを片付けてると寝巻きの袖から縛った痕が見える。
これ、明日消えるのかしら。
お風呂から出てきた山沢さんと一緒にベッドに入る。
「ねぇ、久さんこれ」
「あー随分暴れてたから。お稽古ないから大丈夫でしょ?」
「お母さんにわかっちゃうじゃない」
「いいじゃないですか」
「恥ずかしいのよ?」
「わかってますよ、可愛いなあ」
髪をくしゃくしゃと撫でられてキスされた。
私のほうが先生で年上なのに、すぐこうやって子供みたいに扱うんだから。
「好きだよ」
「私もよ」
本当は好きになっちゃいけないんだけれど止められない。
そのまま背中をなでられているうちに眠くなって。
おやすみなさい。

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425

翌朝出勤するも台風の影響で入荷減。
ま、月曜で需要もそうないんだが。
あまり商売にもならず帰宅した。
眠気に負けてずっと寝てしまい昼を食いそびれ、目が覚めたらもはや夕方だ。
カレー、でいいか。
レトルトのカレーを温めて食べた。
侘しい。
あ、メール。
先生のおいしそうなお夕飯。
明日になったら食える。
あ、今から食いたいもの頼んどこう。
返事、返ってきた。
お肉ばっかりじゃダメよ。なんて。
野菜は先生のセンスに任せりゃ大丈夫だろうし。
と少し甘えれば何か考えておいてくれるとのこと。
嬉しいなぁ。
あぁ。
抱きたい。
逢いたい。
メールは後に残るから。
電話しよう。
せめても声を聞きたい。
先生の食事が終るころを見計らって電話をした。
声を聞きたくなった、といえば少し間が空いて…。
私も…、と返って来た。
どうやら自室に戻ったらしい。
明日、抱いて良いね? そう問えば恥ずかしげに。はい、と言う。
「たとえ台風が来ようと。行くから」
それはだめ、とか言われてしまった。なぜだ。
「逢いたくないのか?」
違う、と言う。
何かあって二度と逢えなくなる方が嫌、と。
なんだ、そういうことか。
その後暫く喋って、先生も電話を切りたくなさそうだ。
あぁでも八重子先生が呼ぶ声がする。
渋々、という風情で先生がまた明日来てね、と言う。
勿論と返して電話を切った。
心の充電完了。
よし、寝て明日は頑張ろう。
おやすみなさい。

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424

朝、すっきりとした目覚め。
先生が先に起きていたけれどまだ布団から出たくはないようだ。
まぁたしかにいつも起きたら俺が居ないわけで。
朝のひと時は大事だね。
身支度をして今日は二人で台所に立つ。
朝飯を食った後、先生が風鈴を俺の部屋につけた。
ちりん、と涼しげな音だ。
ふと引き寄せてキスをした。
「だめよ…」
先生はするりと腕から抜けて買物へと誘う。
お昼と夕飯の買出し。
暑いから夕方に買物したくないらしい。
昨日言っていたとおり味噌炒めの材料と、それから夜は筑前煮を作るらしい。
後はなぜかカプレーゼが食べたいとのこと。
チーズは多めに買った。
なす入りの味噌炒めを作って律君を呼ぶ。
配膳したり、孝弘さんを呼んできてもらう間に先生が俺の分を作ってくれた。
野菜、妙に多い。
先生は俺を健康にしたいらしい。
律君が俺への野菜責めを見て笑ってる。
先生がご飯をよそってくれておいしくお昼をいただいた。
お皿を洗って戻ると先生が何か読んでいる。
ああ、教本か。
「珍しいですね」
「んー、それがねぇ。私のと生徒さんのでは違うみたいなのよ」
「お家元が代替わりしたからでは」
「あら…そうね、そうかも」
「八重子先生は?」
「お母さんならさっきお友達のとこ」
「うーん、また講習会でお聞きになっちゃどうでしょう」
「そうねえ」
パタン、と閉じて片付けて、帳面を開いてなにやら書き物されている。
暇で、眠い。
あくびをしたら手招きされて昼寝。
先生の尻に俺の背をつけて。
ふと次に目が覚めたら先生が居なくて晶ちゃんが居た。
「あれ? こんにちは。先生は?」
「こんにちは。今おばさんお手洗い」
「あぁ」
ぼんやりしてると先生が戻ってきた。
「あら起きたの? まだ眠いんじゃない?」
「うん…じゃない。もうメシの支度する時間では」
「ご・は・ん」
「…ご飯。しないと」
晶ちゃんが横で笑ってる。
台所へ立って下拵えをして先生と交代。
まだあくびが出る。
と、自分の足に蹴躓いてこけた。
「あっ…」
「痛っう」
「どうしたの!? あらぁ…山沢さん、立ちなさい」
晶ちゃんを巻き込んでたようだ。
「すいません、こけました。晶ちゃん、どこかぶつけてない?大丈夫かな」
先生が晶ちゃんに見えないよう俺の背をつねってる。
「うん、大丈夫。でも山沢さん、もうちょっと寝たほうが良いんじゃない?」
ふぅ、と後ろで先生が息をついて。
「そうしなさい、出来たら起こしてあげるから」
「はい。すいません」
部屋の邪魔にならないところで座布団を枕にもう少しだけ寝た。
ご飯のおいしそうな匂い。
揺り起こされた。
「ご飯よ」
むく、と起きて食卓を片付ける。
八重子先生はもうお戻りだったようだ。
晶ちゃんが孝弘さんと律君を呼びに行って夕飯をいただく。
おいしいなぁ。
「これなに?」
「チーズの味噌漬け。お昼に山沢さんが作ってたのよね」
「へぇそんなのも味噌漬けになるんだ?」
「あ、おいしー」
黙々と俺は食べる。
うまい。けど眠い。
これはきっとアレだな、先生のが感染った。
ご飯の後洗い物をし終わり、居間に戻ると先生が特別に濃い濃茶を点ててくれた。
車で来ているから眠気を飛ばさないといけない。
頂いて暫くすると目が覚めてきた。
「やっと起きた、という感じねえ…大丈夫?」
「ん、今なら帰れそうです。効いてるうちに帰ります」
頭をなでられた。
「気をつけて帰るのよ? また明後日ね」
「はい、気をつけます」
なんとか眠気を追い払って車で帰宅できた。
着替えてすぐにベッドに潜り込む。おやすみなさい。

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