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百鬼夜行抄 二次創作

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伶(蝸牛):絹の父・八重子の夫 覚:絹の兄・長男 斐:絹の姉・長女 洸:絹の兄・次男 環:絹の姉・次女 開:絹の兄・三男 律:絹の子 司:覚の子 晶:斐の子

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無題

「いってぇ・・・」
「オオシマ少尉、大丈夫ですか!」
なんかおっさんが言ってる・・・ってどこ、ここ?だれ?おまえ?
横に女が俺と同じように倒れてる。
あれ?もしかして・・・
「先生?」
「う・・・あれ、大島さん、どうしてここに?」
彼女は俺が事故で入院していたときのリハビリの先生だった。岡野先生だ。
なんでここにいるんだろう。
「少尉、怪我しとられるんだったら救護室行ってください。行けますか?」
少尉って俺のこと?このおっさん知り合い?
うわっ!おっさんに抱え上げられた。彼女もおっさんの横にいた兄ちゃんに担がれて救護室まで連れてかれた。
-救護室-
白衣の男性が居る。医師だろう。
ここは一つ情報収集するしかない。
「あの、ここ、どこですか?」
医師が驚いた顔をしている。
「頭を打ったんだね、たまにあるんだよね。記憶が混乱することが。
いいかい?この艦はレオニダスという。いまがいつかはわかるかな?」
「いや、わからないです」
かんって軍艦とかの艦かな?それとも監?まぁいい。
「今は宇宙暦792年8月29日だ。」
うちゅーれき?・・・まさかな?
「現在わが艦隊はアルレスハイム星域にて帝国軍と戦闘中だ。幸い勝ってるようだがね。」
てーこくぐん・・・あるれすはいむ・・・いやまさかの銀英伝?司令官はやっぱりパストーレ?
原作ざっとしか読んでないよ・・・勝ったよね?全滅とかしないよね?
「あのぅ・・・司令官はパストーレ、ええと・・・大将?でしたっけ」
一応確認しとこう。
「いや、閣下はまだ中将だ。一応記憶はあるようだね。
ではそちらの衛生兵は君の従卒かい?」
医師は彼女を見て聞いてきた。何も言葉を発さないから間違われたか
「いえ彼女は自分が事故で入院していたときのリハビリの先生です」
彼女は呆然としているように見える。本当に頭を打っちゃったんだろうか。
「岡野先生?大丈夫ですか?」
「きみ、大丈夫かね?」
かぶった・・・
「あの・・・私はさっぱり理解できません。帝国軍とか艦隊とか何の話ですか?」
あ、銀英伝読んでないのか。
そりゃ読んでないならわけわかんないよね。
「こちらの方が重傷か。そうだな、しばらく後方というわけにいかんから、
思い出すなり別人として生きる気になるなりするまで少尉の私室で面倒みたまえ。
ああ、誰か部屋まで案内をつけてあげよう。」
-オオシマ少尉私室-
部屋に連れてこられたがなんか雑然とした部屋だ。
この世界でも雑然としてるのね・・・俺って
先生は困った顔をしている。そりゃそうだ、俺と同室は困るだろう。
そうだ、従卒用に部屋があるはずだ。なかったっけ?よかった、あった。
「先生、こちらの部屋だとドアに鍵掛かりますよ。なんでこっちの部屋使ってくださいね」
「あぁ、うん・・・」
あれ?この件じゃないのか?
「どうしたんですか?」
「わからなくて・・・ここのこと」
そうだった。銀英伝のことだった。かといって原作の粗筋もイマイチ記憶にないぞ、困ったな。
「とりあえず、どうやら以前流行った銀英伝という小説ベースの世界にいるようです。」
昔の方が正しいのだろうか。まぁいいや、流行していたのは事実だ。アニメはあまり記憶がないけど。
記憶にある限りの原作知識を披露する。先生もなんとなく理解はできたようだ。
あと階級章からみて先生の階級は軍曹か伍長か兵長だと思うことも付け加える。
階級が上の人に欠礼で殴られでもしたら可哀相だし。
少尉に軍曹をセットするって小隊の基本だよね。衛生兵じゃなく戦闘員だと。
「そういえば先生はなにをしてたらこうなったんですか?
俺はマンホールでタイヤとられて転んだ瞬間でしたけど。」
そうだ、あの雨と非常に相性の悪いマンホールだ。ちくしょう。
「あ・・・私は介助していて階段で滑ったんだと思いますけど・・・」
足とかの怪我のリハビリだな。
それにしても会話が弾まない。混乱しているからかな。それとも・・・
「とりあえず休みますか?落ち着いてからメシにしましょう。
あと1時間位したら食事を持ってきてくれるそうです。」
「そうですね、ちょっと休ませてもらいます」
先生はふらつく足どりで続き部屋に入って行った。
俺もちょっと転がるか。
「オオシマ少尉、食事をお持ちしました!」
おっとメシのようだ。
ドアを開けると少年のような兵が持ってきてくれていた。
おお、意外とフツーの飯だ。銀英伝カフェのパンケーキ想像しちゃってたよ。
先生は起こすべきかどうすべきか。
「それと、これ艦内見取り図です。明日よりは食堂にきてもらえ、と。
主計課課長からの伝言です。」
だよねー。
少年兵が去ったら先生が起きてきた。メシ食おう。
受信音?電話か。この世界はTV電話だっけ。誰だ?
「はい、大島少尉です」
「こちらはエーリッヒ・ヴァレンシュタイン中尉です。君かな?記憶喪失って。」
・・・うわぁ・・・エーリッヒ。つまり銀英伝そのままの世界ではないのか。
「は、そうですというかそうでないといいますか。ええと。」
どう説明しよう。困ったな、と思っていると中尉が救いの手を出してくれた・・・のかな。
「何かいいづらい事情があるようだけど、2時間後に部屋へ行っていいかな?
なに、尋問とかじゃないよ。興味があってね。どうかな?」
そりゃ助かる。そのへんの人に説明するより転生者なら説明しやすい。
「はい、よろしくお願いします。」
敬礼をしたら答礼を返してくれてTV電話が切れた。
先生は電話終わるのを待っててくれた。ぬるくなっちゃったけど仕方ない。
後刻ヴァレンタイン中尉が事情聞きに来ると伝えた。
彼も似たようなもののはずだから説明は普通にしたらいい。
飯は結構うまかった。
飯がうまいと士気が下がらないからな。いいことだ。
しかしコンソールの字が読めるのとは思わなかった。どういう仕組みだろう。
俺は英語が苦手だから助かるが・・・
-オオシマ少尉私室- 夜
ヴァレンタイン中尉がやってきた。女の子を連れている。
これはあれか、ミハマだっけ。情報部の。
簡単に事情を説明する。すぐに納得してもらえたが情報員は不審げだ。
とりあえず、「後送して検査後、負傷兵向け職業訓練か、再任官に必要な情報を再教育」
ということになるんじゃないかって結論になった。
新米少尉とは言え前の世界では参謀や戦闘訓練どころか補給すら訓練受けてないし
その方が有難い。まったく軍人としての教育は受けてないし。
原作知識でもちゃんと有ればいいけど粗筋しか覚えてねーよ。
でもこっちの世界で少尉ってのはまだよかったかもしれないなぁ。
中佐くらいになってて全部忘れました、じゃ再教育とかついていけないだろうし。
少尉なら任官してすぐだろう。士官学校に出戻り再教育がいいな。
元の世界で自衛隊員になりたかったが反対されて入れなかったしね。
でも頭の方はよくないからなぁ。あ・・・。
「私はどの部署に配置されていたんでしょうか。あと彼女はやはり衛生ですか?」
「ええと、オオシマ少尉は兵站、オカノ伍長は衛生ですね」
ミハマさんが教えてくれた。
兵站かーこれで士官学校でも兵站専攻なら頭悪かったってことか、こっちでも。
岡野先生はやはり伍長ね。
でもやっぱり再教育だよなぁ。サイボーグみたいな技術になってたはずだし。
「来週くらいにはハイネセンに戻れるんじゃないかな。
オカノ伍長、しばらく申し訳ないけど我慢して下さい。個室が空いてないんですよ」
「それは仕方ないと思います。内鍵もありますからいいです。」
「このタイプの居室は変形ですから2段ベッド入らない代わりに
士官と従兵で、という部屋なんです。運がよかったですね」
あれ・・・ハイネセンに戻ると家族とかいるんだろうか。俺たち。
「すみません、私達の家族ってどうなってるかわかりますか?」
ミハマさんが端末叩いてる。わかるのかな。
「どちらも家族はいないと届けられています。詳しくはわかりません。
オオシマ少尉は官舎に住んでますね。オカノ伍長も官舎ですがアパートメントタイプです。」
独り暮らしかーイヤかもしれない。ヤンみたいな部屋になりそう。いや、なってそう。
家電製品なんかも随分変わってるんだろうなー。
「さて、明日からはここの生活に早くなれるようにしてください。
私は食堂に良くいますから何かわからないことが聞きにきてもかまいません。
他の方よりは「違い」は説明できると思います」
そう言い置いてヴァレンタイン中尉は去って行った

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