電車に乗り15分、越後湯沢へ。
湯の街、湯沢。
一応宿は取ってある。
だけど夜9時になったら先生をお返しせねばならない。
本日の一人寝は確定事項である。
宿に行く前にで駒子の湯へ。
脱衣所で男性はあちらです、などといわれ先生にすごく笑われる。
今日は女物のスーツなのになあ…。
ざんぶりと湯を楽しんで、あたたまって。
それから宿へ移動する。
駅から5分もかからないここにしたのはやはり利便性だ。
先生をお返しする段になって離れ難くとも、なんとか新幹線に間に合わせることが可能。
中々に良い宿で、普通に先生と泊まりたくなってしまった。
部屋に露天風呂もついている。
まずは大浴場のお風呂へ。
気持ちが良い。やはり宿の風呂のほうが落ち着くね。
「あら…もうこんなに薄くなってるわねえ…」
胸の噛み痕か。
「部屋に戻ったらまた噛みますか?」
「そうね、浮気されちゃ嫌だもの」
「…まぁいいか」
「なぁに?」
「なんでもありませんよ。しかし、綺麗ですね、先生」
「あら、嬉しいわ」
「肌も綺麗だし、白いし。だから温まるとピンクになる」
あ、顔も赤くなった。
パシャッと音をさせて先生が私の肩に手を置いて。
「ね、帰る前に…」
ガラガラッ!
先生は慌てて俺から離れた。
うう、他の宿泊客かっ。
「そろそろ上がりますか?」
「うん、そうしましょ」
体を拭いて、ふと見ると先生、背中が拭けてない。
さっと拭いてあげて浴衣を羽織らせる。
部屋に戻って布団にごろりと転がると先生が上に乗っかってきた。
「なんだ、さっきの帰る前にって、してほしいってことでしたか?」
「恥ずかしいわ…」
「可愛いな。壊してしまいたくなる」
求められることの嬉しさよ。
わかっているのかな、こんなに嬉しいのを。
「でもね、もう少しでメシの時間なんですよね」
「あら?あらそうなの?」
「そうなんです、だから食べた後に、ね?」
「じゃ着替えないといけないわね」
宿の浴衣ではだめかというと、はだけたときに私以外に見せるのが嫌という。
なんという嬉しがらせを言うんだ。
もうなんというか、言葉に出来ない。
あ、わかった、こういう時に格好いいことの一つも言えないから不安を抱かれるのか。
「後でたっぷり見せてくださいね」
「…ばかねえ。ほら山沢さんも着替えて」
「ん?俺も?」
「だってあなたのも見せたくないもの」
あ、さいですか。ささっと着替えて一緒に飯を食べに行く。
おお、和食かと思ったらちょっと違った。
ワインにするかお酒にするか。
お酒だなお酒。
軽くいただいてご飯を食べて。美味しいなあ。
先生も嬉しそうに食べていて幸せを感じる。