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百鬼夜行抄 二次創作

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伶(蝸牛):絹の父・八重子の夫 覚:絹の兄・長男 斐:絹の姉・長女 洸:絹の兄・次男 環:絹の姉・次女 開:絹の兄・三男 律:絹の子 司:覚の子 晶:斐の子

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朝、すっきりとした目覚め。
先生が先に起きていたけれどまだ布団から出たくはないようだ。
まぁたしかにいつも起きたら俺が居ないわけで。
朝のひと時は大事だね。
身支度をして今日は二人で台所に立つ。
朝飯を食った後、先生が風鈴を俺の部屋につけた。
ちりん、と涼しげな音だ。
ふと引き寄せてキスをした。
「だめよ…」
先生はするりと腕から抜けて買物へと誘う。
お昼と夕飯の買出し。
暑いから夕方に買物したくないらしい。
昨日言っていたとおり味噌炒めの材料と、それから夜は筑前煮を作るらしい。
後はなぜかカプレーゼが食べたいとのこと。
チーズは多めに買った。
なす入りの味噌炒めを作って律君を呼ぶ。
配膳したり、孝弘さんを呼んできてもらう間に先生が俺の分を作ってくれた。
野菜、妙に多い。
先生は俺を健康にしたいらしい。
律君が俺への野菜責めを見て笑ってる。
先生がご飯をよそってくれておいしくお昼をいただいた。
お皿を洗って戻ると先生が何か読んでいる。
ああ、教本か。
「珍しいですね」
「んー、それがねぇ。私のと生徒さんのでは違うみたいなのよ」
「お家元が代替わりしたからでは」
「あら…そうね、そうかも」
「八重子先生は?」
「お母さんならさっきお友達のとこ」
「うーん、また講習会でお聞きになっちゃどうでしょう」
「そうねえ」
パタン、と閉じて片付けて、帳面を開いてなにやら書き物されている。
暇で、眠い。
あくびをしたら手招きされて昼寝。
先生の尻に俺の背をつけて。
ふと次に目が覚めたら先生が居なくて晶ちゃんが居た。
「あれ? こんにちは。先生は?」
「こんにちは。今おばさんお手洗い」
「あぁ」
ぼんやりしてると先生が戻ってきた。
「あら起きたの? まだ眠いんじゃない?」
「うん…じゃない。もうメシの支度する時間では」
「ご・は・ん」
「…ご飯。しないと」
晶ちゃんが横で笑ってる。
台所へ立って下拵えをして先生と交代。
まだあくびが出る。
と、自分の足に蹴躓いてこけた。
「あっ…」
「痛っう」
「どうしたの!? あらぁ…山沢さん、立ちなさい」
晶ちゃんを巻き込んでたようだ。
「すいません、こけました。晶ちゃん、どこかぶつけてない?大丈夫かな」
先生が晶ちゃんに見えないよう俺の背をつねってる。
「うん、大丈夫。でも山沢さん、もうちょっと寝たほうが良いんじゃない?」
ふぅ、と後ろで先生が息をついて。
「そうしなさい、出来たら起こしてあげるから」
「はい。すいません」
部屋の邪魔にならないところで座布団を枕にもう少しだけ寝た。
ご飯のおいしそうな匂い。
揺り起こされた。
「ご飯よ」
むく、と起きて食卓を片付ける。
八重子先生はもうお戻りだったようだ。
晶ちゃんが孝弘さんと律君を呼びに行って夕飯をいただく。
おいしいなぁ。
「これなに?」
「チーズの味噌漬け。お昼に山沢さんが作ってたのよね」
「へぇそんなのも味噌漬けになるんだ?」
「あ、おいしー」
黙々と俺は食べる。
うまい。けど眠い。
これはきっとアレだな、先生のが感染った。
ご飯の後洗い物をし終わり、居間に戻ると先生が特別に濃い濃茶を点ててくれた。
車で来ているから眠気を飛ばさないといけない。
頂いて暫くすると目が覚めてきた。
「やっと起きた、という感じねえ…大丈夫?」
「ん、今なら帰れそうです。効いてるうちに帰ります」
頭をなでられた。
「気をつけて帰るのよ? また明後日ね」
「はい、気をつけます」
なんとか眠気を追い払って車で帰宅できた。
着替えてすぐにベッドに潜り込む。おやすみなさい。

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