翌朝、起きて置き去りに仕事へ行く。
やっぱり暇!
とっととやることを終えて帰宅。
いつもはメシ食ってから帰るけど今日はあとで。
「先生、ただいま」
「あらお帰りなさい。ご飯まだなのよ」
「先生のおうちで食べませんか」
「そうする?」
「とりあえず帰りましょう、用意して。俺ざっとシャワー浴びるから」
「はーい」
先生が身づくろいしている間にシャワーを浴びて着替えた。
バッグを取って、忘れ物はないか見回す。
後部座席に乗せて先生のお宅へ。
「ただいまー」
「お邪魔します」
あ、まだお稽古されてるようだ。
「今の内に何か作りましょうか」
「そうね、お願いするわ」
台所へ行き冷蔵庫を見る。うーん。
あるもので三人分作ってると八重子先生が戻ってきた。
「あ、おじゃましてます」
「はいはいこんにちは。あんたねえ、あんまり無茶するんじゃないよ」
「すいません」
三人で食卓を囲み、俺は早飯食い。
先生は驚いた顔、八重子先生は渋い顔。
さっさと食べ終えて水屋を整え、用足しをして待機。
暫くして生徒さんが来られた。
今日は台子で薄茶をしたり、貴人をしたり。
台子はみなさんお忘れのようだ。
俺はそのまま行之行を稽古してもらってお終い。
水屋を片付けてるとおいしそうな匂い。
今日は何だろう。
楽しみにして片付け終えて台所に顔を出す。
肉じゃがだ!
豚じゃなくて牛肉の肉じゃが。
嬉しいなぁ。
にこにこして配膳する。
他のおかずもおいしそうで、これだから家で自炊がしたくない。
八重子先生に感謝していただきます!
いいなぁ律君はコレが当たり前で。
孝弘さんに俺のお茶碗を狙われたのを先生が察知した。
「あらお父さん、駄目よ。おかわりしますから」
て先生が言ってるのに俺のを食うなっ。
律君が頭を抱えてる。
先生は先に食べ終えてたので自分のお茶碗によそって俺にくれた。
「足りないでしょ?」
「ありがとうございます」
もう取られないよう左手に持ったまま食べた。
満腹になって先生と洗い物に立つ。
「ごめんね、ご飯」
「ははは、いいですいいです」
片付け終えてコーヒーを入れて居間へ。
のんびり。
順繰りに皆がお風呂に入った。
俺も仕舞い風呂で入り、掃除をして出る。
「ちゃんと服着なさいよ、律が困っちゃうでしょ」
「暑い…」
先生がうちわで扇いでくれてやっと冷めた。
八重子先生もそろそろ眠そうだ。
戸締りをして火の元を確かめ、寝間へ。
寝る前に肌の手入れをしている先生を見ると少しむらむらするが…。
今日は先生を寝かせておこう。
布団に入ってきたので胸や腹を揉みつつ寝かしつけた。
夏バテとまだ回復していないようだからね。
「おやすみ…なさい」
「ん、おやすみ」
すぐに寝息へと変わった。
気持ち良さそうだなぁ、俺も寝よう。