まあそういうわけにもいかないわけで。
とりあえず晩飯の支度しないと…って無理、疲れた。
鮨頼もう鮨!
いつものところに電話して持ってきてもらおう。
電話して、先生をベッドに運んで、着物着なおして。
しばらくすると届いた。
先生食えるかな?
お昼も食べずにしてたから腹は減ってるようだけど。
起こしてあげれば食えそう?よしよし。
ベッドの上で裸の先生と鮨を食う。
ちょっかいを出したくなる光景だが、食事中はお行儀が悪い(笑)
「ね、このまま泊まっていきませんか。明日私仕事ですけど」
「そうね…っていいたいけど流石にお母さんに言いにくいわよ」
知らない頃なら言えたかもしれないが知られてからのほうが言いにくいな、確かに。
「でも帰れますか、立てもしないでしょう?」
ぐったりしてるしね。
「疲れさせたのは誰かしらねえ」
私ですな。しょうがない。
「わかりました、私が電話しますよ」
電話を掛ける。
『はい飯嶋です』
「あ、山沢です、こんばんわ。
すいません、絹先生もう一晩お借りしてもよろしいでしょうか」
『……あんたねえ、山沢さん』
呆れられた。絹先生を見ると恥ずかしげだ。
「いや、あちこち連れ回したら疲れちゃったようでして…その」
『しょうがない子だね、あんた。そういうことにしといてあげるよ。
明日の稽古までに戻っといで、と言っといてくれるかい?』
「はい、ではそのようにお願いします」
電話を切る。
「お母さん、どうって?」
「御稽古までに戻れって仰ってましたよ。よかった」
「そう…」
なんとなく眠そうだ。
「ちょっと寝ますか?」
背をなでると寝そうになってる。
裸のままだが布団に入れて桶の始末をして寝室に戻ると寝息。
うん、いいね。この無防備さ。
明日の用意をしたら俺も寝よう。
俺の明日着る服一式と、先生の着て帰る着物一式を用意して、
あとはうちの合鍵をテーブルに書置きと共に残すか。
先生が起きる頃には俺はもう仕事だからな。
用意も整った。さあ寝るか。