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百鬼夜行抄 二次創作

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伶(蝸牛):絹の父・八重子の夫 覚:絹の兄・長男 斐:絹の姉・長女 洸:絹の兄・次男 環:絹の姉・次女 開:絹の兄・三男 律:絹の子 司:覚の子 晶:斐の子

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「ねえ山沢さん?アコのあらってそのままあら煮にしてもいいんじゃなかったかしら?」
ん?そうだった気もしなくもない。
ちょいちょいとノートパソコンからキジハタを調べる。
なるほど潮汁もあら煮もよいとある。
シャワーを浴びる。ざっと洗ってすすぎ、温まる。
どうしても冷えるんだよなあ、職場。
風呂を出てささっと拭き、浴衣を羽織る。
台所へ行くと先生は調理中だ。
包丁も火も使ってないのを確認して後ろから抱きつく。
「あっ駄目よ、もう。包丁使ってたらどうするの」
「ちゃんと確認済みですよ」
今日のお昼ご飯は鮭のムニエルだ。
ちゃんちゃん焼きにしようと思って冷凍庫に突っ込んであった奴だな。
うまそう。
「もうできるわよ、机の上片付けてね」
はいはい。
片付けて台拭きで拭いて。
先生ががムニエルのお皿ともう2品ほどを渡してくれるのを並べて、
昨日一緒に買ったお茶碗を渡し、お箸を並べ、取り皿をを置く。
ふふふ、夫婦茶碗である。お箸と湯飲みもおそろいだ。
ご飯をよそって貰った。
お櫃が無いからなあ、この家。
先生がお茶を片手に台所から戻ってきて、座って。
お茶をついで。いただきます。
ムニエルとか面倒くさくて長いこと作ってなかったなあ。うまい。
ふんわりとしてて、よくこんな面倒なもの作るなぁとまじまじと先生を見てしまった。
「どうしたの?」
「いや、美味いな、と。私こんなに手間かけるの面倒で。だから今幸せです」
てきとーに作ると固くなるんだよなー。
ああ、先生も照れている。
他の二品も美味しくて、家でしっかり昼を食べるなんて久しぶりだ。
前回しっかり食ったのも先生に作ってもらったときだったな(笑)
完食。ごちそうさまでした。
お茶をいただいて一服してから洗い物を片付ける。
使ったフライパンなどはちゃんとすでに洗われていて、後始末は食器だけだ。
きっちり洗って拭いて、仕舞う。
そのタオルと台拭きを漂白剤と台所洗剤の混ぜたものに漬ける。
夕飯前に濯いでおけばいい。
手をよく洗ってぬめりをこそぎ落として。
先生の横に戻る。
「そういや朝何時ごろ起きました?」
「うーん、寝過ごして6時過ぎてたわよ」
やっぱり疲れるのかな?
「山沢さんは眠くないの?」
「ん?昨日寝たの10時くらいですよ?5時間寝たら十分でしょー」
「えぇ?そうなの?」
「ああ、でも休みの朝はやっぱり気が抜けるから寝過ごしますね。
 先生と一緒に寝過ごしたこと有りましたでしょう?」
あ、頬染めてる。可愛い。
「ねえ、先生。していいですか?」
「ご飯食べたところなのに駄目」
出した手を叩かれて、渋々戻す。
拗ねてたら後ろから抱きしめられた。
ぞわっとしたの半分、温かいと思ったの半分、微妙な心持だ。
あ、トリハダ立ってるわ。
落ち着け落ち着け。

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