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百鬼夜行抄 二次創作

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伶(蝸牛):絹の父・八重子の夫 覚:絹の兄・長男 斐:絹の姉・長女 洸:絹の兄・次男 環:絹の姉・次女 開:絹の兄・三男 律:絹の子 司:覚の子 晶:斐の子

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さて。
まずは家に帰るか。
タクシーに乗り込み自宅へ。
家に入ってストーブをつけてあたたまる。
流石に火の気のない家は寒い。
少し温まったので昼寝。
やはり人の家というのは疲れる。
先生もうちに滞在すると疲れるのかな。いや体力と言う意味じゃなくて。
うとうとして夕方、腹が減って目が覚めた。
食事に出ようか。
電話。
先生からだ。
京都駅に着いたらしい。
迎えに行きます、と言ってストーブを消し着替えを持って駅に向かう。
駅近くの喫茶店を指定しておいたのでそこに向かい先生を確保する。
宿に連絡をする。一応のためだ。
ちゃんと予約は取れていて、二人で一緒に向かう。
「飯、食いました?」
「ううん、まだよ」
「じゃ、チェックインしたら食いに行きましょ」
今回取った宿はホテルだ。
普通のダブルの部屋。
衣桁を二つ、組み立ててセットし、その下に敷きたとうを置く。
先生の持ってきた、明日お稽古で使う紋付を掛けて広げた。
「ね、あなたは明日どうするの?」
「仕事終わったらすぐ着替えて向かいます。昼の最初に間に合えばいいとは思いますが」
「わかったわ、先に行ってるわね」
部屋を出て降りる。
レストランはどこが空いてるだろう。
日本料理にまずいってみよう。
幸い空いていて、二人お願いして席に着く。
懐石の一番高いの、と思ったらすっぽんが嫌だと仰る。
ワンランク落としたものを頼んだ。
酒は、と言うといらないと。
炊き合わせも焼き物も美味しくいただいて最後の水物まで綺麗さっぱりお腹におさまる。
「お昼もラーメンだったから幸せ~」
「ああ、まだあちら流通が?」
「そうなのよ、私が買物出た頃には早朝に入った分すべて売り切れちゃってたの」
「こっちはこれこのように、と言うようですがでも値上がりはしてますね」
ふうっと一息ついて部屋に戻る。
先生は沢山食べてお腹が苦しい、と敷きたとうの上で脱ぎ、衣桁にかける。
肌襦袢を脱いで寝巻に。
…おいしそう。
食欲を感じ取られたのか急に目をそらされた。
うん、まぁもう少しお腹がこなれたらね。
「意外と早く来ましたね、明日になるかと思ってましたよ」
「お母さんが、いけそうなら早く行ったらいいって言うから」
「まぁ明日の予定を考えればそのほうがいいでしょうね」
「それに、心配だったから」
「心配?」
「その…あなたこっちに馴染みの方とか…」
「あーそういう心配ね。昨日も大丈夫って言ったでしょう?」
「それでも気になるものなのよ」
「そうみたいですね」
「怖い空気出さないで頂戴よ」
ちょっと引いてる肩を掴んで強引にキスする。
「…もうっ」
ふふっと笑って抱きしめた。
「明日の夜、沢山啼かせてあげます」
ああ、みるみる頬から首から赤くなってる。
可愛いなぁ。
「…今日は、しないの?」
「したくないならば。前日に乱れるの、あなた好きじゃないでしょ?」
先生はほっとした表情だ。
「そろそろ風呂入ってきたらどうです?」
「そうさせてもらうわ」
シャワーと浴槽、と言うホテルには珍しい風呂でそれなりにゆっくり入れるはずだ。
俺はその間にビールを飲む。
半分ほど空けると先生が出てきた。
「あなたも入って」
はい、と続いて風呂に入る。
ざっくりあたたまる。
出ると先生が俺の飲みさしのビールを飲んでいる。
「新しいの開けたらよかったのに」
「そんなに飲まないもの、これくらいがいいわ」
「飲み終わったら寝ましょうかね。移動、疲れてるでしょう?」
「そうね、あなたも明日早いでしょうし」
とクイッと飲み切る。
さっさと寝巻に着替えられてベッドに入られた。
俺はもう少ししないと汗が引かない。
寝巻に着替えるだけは着替え、横に腰掛けた。
ぐいっと首に腕をかけられ引き寄せられる。
「なんです?」
がぶ、と胸を噛まれて驚くやら痛いやら。
なのにくすくすと笑い声。
「噛むの好きですね、ったく。痛いですよ」
先生はうふふ、と笑いながら俺をベッドの中に引き寄せる。
横にもぐりこんで懐に抱いて、寝る用意だ。
ぬくいなぁ。
「おやすみなさい」
「はい、おやすみなさい」
髪をなでて寝かせる。
暫く寝顔を見て、俺も寝る。
翌朝、先にホテルを出る。
京都の市場だ。
久々の京都の市場、だが時化の影響で荷物が少ない。
ゆっくりと東京の概況などを報告できた。
客も引けたので食事を取って古馴染みと別れ、自宅へ。
紋付を着て袱紗等用意して直接稽古場へ移動した。
事前に聞いていた場所へ行くと着物姿が数人。
この方たちもかな?
「あら、もう来たの?」
後ろから先生の声。
「はい、なんとか間に合いまして」
横から声がかかる。
「飯島さんのお弟子さん?」
「ええ、そうなんですの」
「男の方教えるのって難しいわよね、でもここの先生男性だからいいわよ」
「ええ、一度灰形のときにお目にかかりましたんですの」
「ああだからこちらにいらっしゃったのね」
「みなさん、そろそろどうぞー入ってくださいな」
後をついて入る。
良く判らないので他の人のやることに従って挨拶をした。
台子が3つ出ている。
奥は真か。
先生たちがあそこかな。
この稽古場の主の先生が割り振ってゆく。
「飯嶋さんは真之行しましょう。山沢さんは行之行。あちらに座って」
指示が飛びみな移動する。
幸い一昨日お稽古したところであまり忘れてはいない。
どれを使うか聞き、用意を整えてお稽古をお願いしてスタート。
微妙な角度などを直される。
いい感じで終わり、絹先生のお稽古を気配で感じつつ。
先生も微妙な点を直されている。
どうやら家元代替わりのときにほんの少し変わったらしい。
そのまま3時間ほどお稽古も済み、先生のお話があり。
散会後呼び止められて残る。
夜のお稽古も参加しないか、と言うお誘い。
私をちら、と見る。うなづく。
「よろしくお願いします」
と夜のお稽古にも参加決定だ。
「飯嶋さんは綺麗なお点前をするね」
「ありがとうございます」
「山沢さんはもう少し肘を張って大きくお点前をするといいよ」
「はい、わかりました」
「最近の男の子はお点前が小さくてね。もっとおおらかにしなきゃいかん」
「この子、女ですの…」
「えっ」
「昨年の勉強会にこの格好で行ったらあちらで受けてしまいまして。
 それから男の点前をやるようにと勉強会で教えていただいたんです」
「男前だからわからなかったわねー」
あっけらかんと補佐の先生が笑ってる。
「ええと、まぁそれでも男の点前をするならおおらかにね、うん」
「はい」
「じゃ晩御飯食べてからおいで、夜は6時からね」
さっと時計を見る。40分ほどか。
ご挨拶して一旦稽古場から出て晩飯を食いに近くの店へ。
「先生、別に女とわざわざ言わなくとも…」
「あらだって同じホテルの部屋なのよ、うっかり知られたときに困るじゃないの」
「まぁそう言われればそうですが」
軽く夕飯を取り、トイレに行き身づくろいを整えて時間を待つ。
お茶を買って先生に。
少し飲んで私にも飲めと。
新しいの買いますから、と買って飲む。
暫く待ち、夜のお稽古に。
客層と言うかやはり昼と夜は違うね。
私は円草、と指示を受けて…やっぱり苦手だ円草。
絹先生は円真を指示されている。
先生はやっぱり先生で流れるような手つき。
夜は奥の点前をやる人が少ないようだ。
綺麗な点前をされるよなぁうちの先生は。なんて目を細めてしまう。
お稽古が終わり、お話。
台子と言うものはどういうときに使うものか、
だから着物もちゃんと紋付を着てくるべきだとかのお話。
夜なので数人仕事帰りのカジュアルな人が居るから釘を差したって所か。
ご挨拶して辞去する。
またこちらに来るならいらっしゃいとのことだ。
「さて、戻りますか」
「そうね」
「どちらから来られたんですかー?」
若いお姉ちゃんから聞かれた。
「東京からなんですのよ」
「うっわ遠いですねーってゆーか雪大丈夫でしたー?」
「大変でしたけど何とかなりましたの」
「あのお点前難しそうでしたよねー」
「そう?」
先生が鞄を整えている間にロッカーからコートを出し、先生に着せ掛ける。
自分も纏いつけて先生の鞄を持った。
「じゃお先に失礼いたします」
「お先です」
二人で連れ立ってタクシーに乗りホテルへ向かう。
「あぁ疲れた…」
「でしょうね」
「ホテルついたらお風呂入ってすぐに寝ていいかしら」
「よっぽどですね、いいですよ」
ホテルに到着し、部屋に上がるとすぐ先生は帯を解いて脱ぎだした。
長襦袢を脱いでばたり、とベッドに転がる。
「寝るなら化粧落としてからですよ」
「ん~化粧落しのシート買ってきてくれない?」
「はいはい、眠いんですね」
普段着に着替え、ホテルから出て一番近いコンビニ…より薬局があった。
薬局でふき取り化粧水のお勧めを聞くとシートよりこれ、とオイデルミン。
懐かしい。
そういえば先生の部屋にもあった気がする。
コットンとともに買って戻ると既に寝息を立てて寝ている。
寝ている先生を起こさないようにコットンに沢山とってそっとふき取る。
スゲー取れる、楽しい。
とりきった後は俺の化粧水で満遍なく拭くといい、と聞いている。
なんでかって匂いが強いから。
強烈だよね、この匂い。
それでも熟睡する先生はよっぽどの疲れだな。
化粧を落としたら髪を解いてあげてベッドの中にちゃんと入れて寝かせた。
さてと。
俺も寝巻き着て寝よう。
おやすみなさい。
翌朝、目が覚めたが先生はまだ寝ている。
時計を見れば6時半、まだいいか。
うつらうつらと二度寝を楽しむ。
次に起きたときは先生は風呂に入っていて風呂場に近寄ると一緒に入ろうと仰る。
まぁどうせ洗顔しないといかんからと一緒に入り、ほんの少し胸など触って楽しんだ。
「昨日はごめんなさいね、眠くて」
「しょうがないですよ、別にね、どうしても昨日しなきゃいけないわけじゃないし」
「でもしたかったんでしょ?」
「まぁね、でも土曜日の夜でもいいですよ」
「今日はいいの?」
「明日朝に先生がお稽古できそうな気がしません」
「あら、それは困るわね」
くすくすと笑って着替えて朝ご飯を食べに出る。
「やっぱりご飯は二人で食べる方がいいわ」
「そうですね、昨日はお一人でしたし」
昨日の朝は一昨日の夜入った懐石の店で昼はカフェに行ったらしい。
朝起きて飯食ってそれから風呂入ってゆっくりして、着替えて飯食って行ったとか。
「一人でホテルにいても面白くないのねえ」
「でもここ色々ありますでしょ?龍村の古袱紗とか宝石とか」
「あ、お茶買ったわよ。お抹茶になるボトル」
「なんであれを。歌舞伎座に売ってましたよあれ」
「あら、そうなの?でも面白いわよね」
「ま、それなりに美味しいですしいいんですが。宝石いりません?」
「していくところがないわ」
「…指輪とか」
「買ってくれるなら古袱紗の方がいいわよ」
連泊、と言うことで朝食の中身が変更されて懐石の店で美味しい朝ごはんをいただいた。
その後、土産物ブースを物色する。
お母さんに、といくつかお菓子などを買って送ってもらう。
古袱紗をこれが良いと言うものを2枚購入した。
そろそろ帰りましょ、と言うので部屋に戻って帰り支度をする。
荷物を纏め、フロントから先生のお宅へ送ることにした。
俺の家では不在が多いからだ。
10時、まだ早いけれどチェックアウトして駅へと向かう。
指定席をとりたいと思ったが1時間ほど先の新幹線のようだ。
それでいいからと発券してもらい、駅の茶房でお抹茶とお菓子をいただいた。
そして改札をくぐり、中で駅弁を物色する。
これが良い、と二つ別のものを買い込みホームへ。
5分ほどで来て、乗り込んだ。
さすがに平日の昼間、すいてる。
自由席でも良かったかもしれない。
「ねぇ、俺の部屋来ますか?それともそのまま帰ります?」
「部屋行ったら明日の朝までに帰してくれないんでしょ?ダメよ」
「そいつは残念」
そんな話をしつつお弁当をいただいて、時間が過ぎる。
後もう少しで東京駅だ。
惜しい。
もっと二人でいたい。
先生はそうでもないようで、明日も逢えるじゃないと仰る。
ここは我慢のしどころなのか。
頭を撫でてもらって土曜日までお預け、と言われた。
頑張ろう。
東京駅に着き、先生は一人で帰れるからと私を置いて帰宅の途につかれた。
いつまでも見送っていても仕方ないので自宅に帰る。寒い。
部屋が暖まると眠気。
もうフテ寝しよう。
小一時間してメールが鳴る。
先生から無事家に着いたとのお知らせ。
よしよし。
ちゃんと着替えて布団にもぐりこむ。
まだ時間は早いけれどおやすみなさい。
夜中二度三度と目が覚める。
先生としている夢。
そんなにやりたいか、俺。
苦笑して仕事に行く用意をして出勤。
やっと入荷もそろってきたそうだがまだやはり時化の影響は有る。
高値で取引されて荷物がなくなって終了。
京都への出張の報告。
あくび、暇だ。
そろそろ終了して帰宅。
飯を食って風呂に入って着替え、お稽古へ。
かったるい、と思いつつだからか乗り換えを少し失敗。
到着して水屋の支度をする。
よどみなく生徒さん方のお稽古がすすむ
つい先生の手や動きに目が動き、これはいけないと思っているうちにお稽古が終わる。
「じゃ山沢さん、お稽古しましょうか」
「いや、今日はやめておきます」
「あらどうして?」
「集中力がなくてどうもできそうにありません」
「そういう時こそしないと」
「いや、ほんと今日は勘弁してください」
「仕方ないわねえ」
じゃあ片付けて、と言うので水屋を仕舞う。
「お夕飯何が良い?」
「いや、も、このまま帰ります」
「…なにか拗ねてたりするのかしら」
「いや、その。違います」
「じゃどうして?」
「んー…その、あなたに触れたくてたまらなくて。だから今日は帰ります」
「あら」
ぽっと頬を染めて可愛い、くそう抱きたい。
「あの、もしよければ今からうちにこれませんか」
「無理よ。土曜ね?」
「そんなあっさりと…」
「明日、出稽古なのよ。だから無理なの」
「あー…それじゃ仕方ないですね」
がっくりきてると頭を撫でられた。
「土曜日、いらっしゃい。夜あちらの部屋でもいいわよ」
「いいんですか?」
「いいわ、だってあそこならあなた道具使わないでしょ?」
「持ち込んでもいいんですけどね」
「あなたに使っちゃうわよ」
それは遠慮する。
「じゃ俺、帰ります。また明後日来ますから」
「気をつけてね」
と頭をもうひとなでされて帰宅の途についた。
参ったなぁ…。
早めに寝るがまた先生の夢で目が覚めた。
仕事中もあまり忙しくないこともあり、どうしてもちらつく。
困ったものだ。
昼からどうしようか。
家にいても先生のことしか考えられないが外に出たら事故に遭いそうな。
溜息。
道具の手入れでもしよう。
納戸に入り、ドライシート片手に掃除をかねて。
いくつか劣化している道具を捨てたり。
ん?携帯が鳴ってる。
取ると先生、どうした?
「ね、暇かしら? お稽古早く終ったの、ご飯食べましょ。近くに居るのよ」
今銀座に居るらしい。
場所を聞いてそこまで行き、一緒に飯を食う。
そのまま先生を俺の家に回収した。
「どうしても抱きたいの?」
「ええ、抱きたいです」
「軽くにできる?」
「わかりません」
「それじゃ困るわ、明日お稽古だもの」
「八重子先生に」
「だめよいつもいつも」
むっとしたのがわかったらしい。
「…明日朝一番で帰れるようにして頂戴。それならいいわ」
先生が妥協してくれた。
「すいません」
恐縮しつつも脱がせて行く。
すべて脱がせて首筋に舌を這わせる。
先生は全くもって気が乗ってないようだ。
仕方ないから、と言う気分がありありと見えてちょっと悲しい。
「先生…土曜なら気が乗りますか?
 も、いいです、こうやってくっついてるだけで今日は」
「しないの?」
「全然やる気ないですよね?」
「したくてしょうがないんじゃなかったの?」
「反応薄いときにしても面白くもなんとも。男なら射精したいからするんでしょうけど」
「困ったわねぇ」
「したくないの我慢してされてもね」
「あらいつもしたくないことさせるくせに」
「あれは恥ずかしくてしたくないことでしょう? 今日のは気分が乗らないんでしょ」
「しないんなら帰ろうかしら」
「それは駄目です。気が乗らないならってだけで俺はあなたに飢えてるんですから」
「あなたってよくわからないわ…」
「する気がないあなたのテンションをあげれるほどの自信はないってことです」
何か言いたそうだけど一つ溜息を落とされた。
「じゃ、こうして一緒に寝てたらいいのかしら?」
「ええはい、それで結構です」
思い通りにならず少しいらつきつつも、先生に触れて。
先生もこちらへの感情はすっきりしないようだ。
触れても嬉しそうでもない。
時計を見る。そんなに遅くはない、往復しても少しは寝れる。
「着物、着て下さい。うちまで送りますから」
「そうね」
ささっと身づくろいをしてすぐ車に乗り込まれる。
先生のお宅まで無言のドライブ。
おうちの前につけてそのまま別れた。
帰宅してすぐに寝る。
翌朝、仕事。
寝不足だ。
少し考えて八重子先生が電話に出そうな時間を選び、電話した。
お稽古を今日は休みたいと。
疲れが出たと言うことにして。
許可を得て電話を切る。
仕事が終わり、帰宅して昼も食べずに寝た。
夕方目が覚めたがメールも着信もなし、ふーん…。
所詮は。
と、良くない方へ考えが向く。
起きているのはよくない。何か食ってもう一度、寝よう。
冷蔵庫から常備菜を出して軽くお腹に入れ、それから寝る。
夜、また目が覚めた。
メールは、なし。着信、なし。
先生のことだから疲れが出たと言うのを信じ込んでいる可能性も有るのか?
鬱々としていると突然玄関が開いた。
ぎょっとすると先生だ。
「こんばんは。具合大丈夫?」
「え。来るなら来るで電話とかメールとか…下さらないと」
「どうして? 浮気してるんじゃなければ突然来ても問題ないでしょ?」
「うちにいないかもしれないでしょうが」
「具合悪いのに?」
「仮病で遊びにいってるとか考えませんか」
「あら、そんなことするの?」
「昔はそれなりに」
「駄目よ、そんなことしちゃ。それよりご飯は食べたの?」
「えっあぁ、はい、食いました」
「それなら良いのよ。まだだったら作ろうと思ってたけど。それで具合は?」
「…なんでもありませんよ」
「そう?」
くしゃり、と頭を撫でられる。
「寝癖、酷いわよ」
そのまま引き寄せるとダメよ、という。
「脱がないと皺になっちゃうわ。ちょっと待ってて」
なんだ、そっちか。
その間に手を洗って口をすすいで戻れば先生が寝巻きを羽織って戻ってきた。
「その前にお茶いただいていい?」
「どうぞ。あ、でもお湯沸かさないと。ペットボトルでよければありますが」
先生はケトルに浄水器の水をとり、沸かして急須にお茶葉をいれた。
「ペットボトルよりは温かいお茶がいいわ」
お湯が沸いて、急須に注いで湯のみを二つもって台所から戻ってきた。
「二つ?」
「あなたも飲むでしょ?」
「いただきます」
温かいお茶をすすってなんとなくささくれた心が落ち着く。
見計らったのか、すっと先生がもたれかかってきた。
キスして抱き寄せる。
温かい。
「おうちの方、いいんですか」
「お母さんが…様子見てきなさいって。だからいいのよ」
「あなたはどうなんです?」
「逢いたくなければわざわざここまで来ないわよ」
「本当に? だとしたら嬉しいな」
先生はふふっと笑って俺の手を先生の胸へ。
やわやわと揉めばゆったりと体重をもたせ掛けてくる。
そのままお茶を飲み終えて、お手水、とトイレに行ってしまった。
うーん。
急須を片付けてるとベッド行きましょ、と誘われた。
今日はする気あったのか。
ベッドの横で先生が寝巻きを脱いで畳んでる。
俺は脱ぎ捨てて先生をベッドに引き込んだ。
「もう、まだ紐…」
「そんなのいいじゃないですか」
しっかりとむさぼるかのようにキスをする。
肌をまさぐり、乳房を掴む。
唇から離し、首筋をなめ、乳首まで来ると先生の息が漏れた。
少しがっつき気味に、それでも先生に傷をつけないように抱く。
二度ほど逝かせて一旦落ち着く。
先生にもそれなりに気持ちよくなってもらえたようだ。
少し経って落ち着いて、顔洗ってくる、と先生が洗面所へ。
それでもちゃんと寝巻きを羽織っていくのは女らしいと言うか。
俺なら面倒くさくて。
しばらくたって戻ってきた。
するり、とベッドの中に入り込んでくる。
「ねぇ?一昨日の化粧落とし。なに使ったの?」
「痒くなった?」
「ううん、化粧のノリがよかったから」
「あなたの部屋に有るのと同じの」
「あら? あれでそんなに落ちるの?知らなかったわ」
「意外ですよね、あれ。安いのに」
そんなことを言いつつ胸を触る。さわり心地良いなぁ。
やわやわと揉んでたのしむ。
「胸、すきねえ」
「感触もいいし、あなたが感じてるのもすぐわかるし、好きですよ」
ぽっと少し頬染めて可愛らしい。
「まぁ、こっちのほうがいい声は聞けますが」
と先生の股間をなぶる。
鼻にかかった甘い声。
潜り込んで舐めつつ中を弄る。
思わず先生は俺の頭に手を掛けて足をじたばたとし、ちょっと蹴られてしまったり。
いてててて。
「ごめんなさ、あ、きゃ、そこ。ん…」
謝る声も中途に喘ぐのが可愛いね。
もう二回ほど蹴られた後、言った。
「ちょっと足縛らせてください、いいですよね?」
縄を取ってきて足首を縛り、ベッドの下をくぐらせてもう片方を縛った。
先生は嫌がりつつも、蹴ってしまった自覚があるから断りきれず。
一応手拭越しにはしてある。
「手は縛らないであげますね」
縄をかけている間ずっと手で隠し、俺が縄を引くたび足を縮めようとしていた。
恥ずかしがってるさまは中々にいいものだ。
その足の間に入り込んで手をどけさせて眺める。
触りもしないのに先生の目が潤み、肌が紅潮して美しい。
膝を折らせて腰を引き寄せ、膝を開かせた。
陰部がはっきりと見える。
「やだ、見ないで…」
「今さらでしょう? おいしそうだ」
ちゅっと濡れているものをすする。
そのまましっかりと舐め、舌をねじ込む。
音を立てて舐めれば恥ずかしげで、膝を閉じようとする。
両手で私の頭を押さえつけて逝った。
あ、白髪。ぷつっと抜く。
「痛っ」
「痛かった?」
「何したの、今…痛かったわ」
「一本頂きました。ここの」
ふさふさした毛を指で触る。
「やだ、そんなのなにするのよ」
「お守りかな」
「やだわ、もう。捨てて頂戴よ」
「大事に仕舞っておきます、ふふふ」

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