そして土曜日。
今日は前回より少し遅い目についた。
ちょうど買い物から帰る女を追い越して車庫に入れる。
「こんばんは」
「あ、いらっしゃいませ、夕飯、今からですけど」
「居間で待ってるよ。急がなくてもいい」
ほんの少し、前回よりは堅さが取れてはきた。
だが夕飯の後、やはり風呂から上がった後は警戒しているのを感じる。
今日も部屋へ追い返した。
そんな日々が一ヶ月ほど続き、忌明けを迎えた。
女は色喪服から少しトーンを上げた着物を着始める。
それなりに俺が週に二度来る事にも慣れたようだ。
いつものように夕飯を共にする。
暫くくつろいだ後、風呂を立てる、と言うのをとどめた。
鞄から縄を出す。
すっと女の顔色が青くなった。
「なにを…」
「静かに。おとなしくしなさい」
後ろに回り、そっと肩を掴む。
びくりっと身じろいだ。
殊勝にも抵抗せず任せている。
手首を後ろに持って行き縄をかける。
「あぁ…」
諦念の溜息か声が出る。
胸に縄を掛けて行く。
うん、いいね、いい表情をする。
足首に、ふくらはぎに。太ももに縄を掛ける。
十分に楽しんで、解いて行く。
少し解いては違うところを縛る。
いつ終わるとも知れない、そんな思いを抱くだろう。
まだ吊りはしない。
暴れられると危険なのもある。
ほつり、と涙をこぼした。
美しい。
そろそろ疲れを覚えたので縄を解いた。
ゆっくり解き、腕をさすってやる。
痺れはないか動かなくなったりしてないかを確認してから客間に布団を敷きに立った。
着替えられそうにないようなので肌着に剥いて布団に放り込む。
少し抵抗していた。
俺は火の始末や戸締りを確認して女の横に横たわる。
なし崩しのsexかと警戒しているが俺はもう疲れている。
そのまま寝てしまった。