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百鬼夜行抄 二次創作

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伶(蝸牛):絹の父・八重子の夫 覚:絹の兄・長男 斐:絹の姉・長女 洸:絹の兄・次男 環:絹の姉・次女 開:絹の兄・三男 律:絹の子 司:覚の子 晶:斐の子

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294

「先生、夜、どうなさいます? 食事にどこか、ってんならこのまま行きましょうか」
「んー…あなた何か作って頂戴よ」
「いいですけどなに作りましょうかね」
「お魚の焼いたのと、煮物とおひたしでいいわよ」
「煮物、うぅん、何作ろうかな。大根はどうです?あと南瓜とか」
大根と昼のちくわの残りを炊いてしまえ。
南瓜を炊いたら彩りもいい。
おひたしはホウレン草だ。
魚は昼に食おうと思って持って帰ってたメバルがある。
酢橘か何か買って帰ろう。
算段をして帰り道に買物をし、帰宅。
着替えて手を洗ったら調理開始。
先生は居間でテレビを見てる。
しばらくしてご飯も炊けて魚が焼けた。
先生が台所に来て盛り付けて配膳してくれる。
冷蔵庫から佃煮を出した。
食卓について、いただきます。
「味付けがうちとはやっぱり違うのねぇ。けどおいしいわ」
「あぁおいしいならよかった」
ぺろりと食べ切ったが佃煮は流石に残った。
冷蔵庫に戻してお茶を入れる。
先生にもお茶を渡して横に座ると頭をなでられた。
なんだ?
そのまま俺の頭を先生の膝へ持っていかれて、ああ、膝枕ね。
先生の手が頬をなでる。
唇を細い指がなぞる。
その指を少し舐めると手が止まった。
先生の膝頭をなでる。
びくっとしているが…着物じゃ何も出来ないんだよね。
寝巻きの浴衣なら割と簡単に突っ込めるんだが。
「ねぇ先生。お腹落ち着いたら抱かせてください」
「あ…」
何も言わずに俺の腕をなでている。
一時間ほどして足が痺れた、と膝から下ろされた。
その足をつついてみたりとじゃれて、立てるようになったころ。
「脱いで」
「あ、うん…」
肌襦袢一枚になって着物を片付けてる先生にむらむらとして襲い掛かりたくなった。
片付け終わってこっちへ向いた先生が後ずさりするほどに。
抱き上げてベッドへ。
今晩は割と普通に抱いて、でも少し羞恥を煽って。
先生も軽く煽るとますます濡れて、どこか被虐のケがあるようだ。
リバってやつか? 俺を弄って楽しむところもあるからな。
「自分でして見せて」
そういうと出来ない、したことがない、という。
「俺を泣かせたいなら稽古が足りないな。
 自分で稽古してどうすれば気持ち良いかしてみればいい」
そういって先生の手を掴んで先生の股間に持っていくものの、やっぱりできないようだ。
泣きそうになってて可愛くてたくさんキスをしてしまった。
そのままもう一戦して眠い、と言うので寝かした。

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293

まぁいつもの暇な火曜日、と言ったところである。
仕事が終りそうなころ、先生からメール。
そろそろ終るから帰ると返事をする。
しかしピーマンを食べさせたがるのはなぜだろう。
別に苦手ではないんだが。偏食のイメージ=ピーマンなのか?
ゴーヤは遠慮するが。
帰宅すると先生が炒め煮をしていて、3色+ちくわだった。
待ちきれない、と言うとこれ食べる?とくれたのはピーマンのチーズ焼き。
「あ、冷蔵庫に佃煮もあるから明日食べるなら食べて」
「どんだけピーマンかったんですか」
「だって安くていいものだったからつい、買っちゃったの」
えへ、と笑ってるのはかわいいんだけどさ。
「明日半分持って帰るから、ね」
メインは生姜焼きだった。
飯がうまい。
お味噌汁は麩と人参少々。
佃煮に入りきらなかったようだ。
手は掛けてない、と言うがちゃんと美味しくて、その辺が長年の主婦と言うことか。
おいしくいただいてごちそうさまをする。
お茶を飲んでふうっと一息ついた。
「そろそろ着替えてお化粧直すわ。洗い物してくれる?」
「はい」
フライパンや鍋を洗い、味噌汁の残りは冷蔵庫へ。
夜うちで食べるのなら温めなおそう。
あ、佃煮。こんもりと鉢に入ってるな。
台所も食卓も片付いて、じゃ俺もそろそろ用意をしようか。
着替え終わったころ先生も化粧が終わり、トイレに行ったようだ。
一応袱紗なども用意しておく。
「さ、そろそろ行きましょうか」
「はい、そうしましょう。忘れ物ありませんか? 袱紗とか懐紙とか」
「あ、一応確認しなきゃね、うちなら予備有るけれど」
確認して二人連れ立つ。
まずは新宿アルタ前へ移動した。
暫くすると和服の奥さん二人が見える。あれがそうだろうか。
先生も気づかれて会釈を交わす。
それから近くまで寄ってご挨拶を。
弟子の山沢です、と挨拶し、男の方って珍しいわねーなどと話題にされる。
女の先生と男の弟子、と言うのが珍しいのである。
いや年寄りの女師匠に男弟子、というのは良くあるんだが。
その方々にご案内いただき連れて行ってもらった。
結構なお宅で、茶室もしっかりとしたものだ。
いらっしゃい、と迎えてくださったのは老齢の先生で、七事式がお好きな方だとか。
後お二方見えるから、と和室に通され、昆布茶をいただいた。
うーん、うまい、体が温まる。
ほどなくしてお二方が見えられた。少し先生より上くらいかな。
その方々も用意されて少しお茶を飲んで落ち着かれて茶室へ入る。
さぁ、見学だ。
大変にややこしい花月の一種をスムースにこなされるのを見るとやはり凄いと思う。
見とれているとあちらの先生からお茶を一服いただいた。
あ、濃茶。お一人でどうぞ、と仰っていただき一口。
お服加減は、と聞かれる。
大変に甘くて美味しい、と答えすべて飲み、どこのお茶か聞いた。
あぁ、お家元好みか。
器は黒楽。口当たりが良くて素敵だ。
お返ししてお礼を言えば、濃茶を美味しいといわれるのが嬉しいと仰る。
自分はまずい濃茶を練ってしまう確率は高いから…美味しいといわれるのは嬉しい。
だけどこの先生方だとそういうことじゃないのでは?
と思えば、最近の方は濃茶の美味しさを知らない、と仰った。
一番最初が安い薄茶だと、あれが濃くなったもの=苦そう、または本当に苦かった。
そうなっちゃうから仕方ない。それに…練るの下手なもの同士で飲むわけで。
先生方が練られたお茶を最初にいただければ、お茶の甘みがわかるのかもしれない。
お稽古は進み、〆に数茶、との事で先ほどの先生と私も席へ。
これは絵合わせの趣向で同じ絵柄を引いた人が飲める。
煙草もOK。
って煙草盆回ってきた。
スルーしようかと思ったら吸いなさい、と仰って一服いただく。
ちょっと辛いのは乾燥してるんだな。
ゆったりとしたお茶のお稽古が終わり、一旦和室へ。
そこで生姜湯が出されて、いただく。
「外は寒いから」
とのことだ。
亭主の気遣いとはこういうものか。
ではそろそろと皆さんで辞去し、各々別れた。

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292

先に飲み終えた先生が俺の膝を枕にしてテレビを見ている。
30分ほど見ていまいち、と俺の股間を玩び始めた。
「明日仕事でしょとか断っといて人の、触るのかな?」
「あなたタフなんだからいいでしょ」
「それ以前の問題として触られても嬉しくないんですけどね」
「ふぅん」
そういってるのに触るのをやめない。
「そんなことしてると抱きますよ。それとも。お仕置きのほうがいいのかな」
あ、止まった。
「明日、立つのが辛いほどしちゃいましょうか?」
「…ずるいわ」
「ほら手を離して。シャワー浴びてきてくださいよ」
むくり、と起きて不機嫌そうに俺の手を引く。
「背中流して頂戴」
「はいはい、風呂行きましょ行きましょ」
苦笑して一緒に風呂場へ。
スポンジに泡を沢山作って背中をマッサージするかのように。
段々機嫌が良くなってきた。
そのまま泡を滑らせて胸もマッサージ。
「だめよ。前は自分で洗うから」
残念。
先生が洗い終えて濯ぐ。
髪はどうするかと聞けば明日朝洗うとのこと。
「先に出てるわよー」
と出られて俺はざっと頭も身体も洗う。短髪だからすぐ洗えてすぐ乾く。
浴衣を引っ掛けて居間へ行くと先生がプリン食べている。
「もらったわよ」
うーん、食われた。
いいけどさー。
「太りますよ?」
「やなこといわないでよ、折角美味しいのに」
「食べたら歯を磨いて寝ましょう。布団かベッドかどっちがいい?」
「どっちでもいいわ」
「じゃ客用布団でどうぞ、和室にしいてありますから」
結局俺の胸にもたれて眠くなるまでテレビを見ていた。
あくびをして歯を磨きに立ち、それからおやすみなさい、と声を掛けられた。
「おやすみなさい」
俺も居間の電気を消して部屋に入り、ベッドへ。
朝、気づくと先生が懐の中にいた。
ああ、またか。
しょうがないな、と寝てる唇にキスを落とし出勤した。

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291

翌朝仕事をこなして帰宅。
連休明けは暇だね。
さあ部屋の掃除と台所やトイレや風呂の掃除をしなければ。
昼を食べて汗だくになりつつ掃除を完了。
もう夕方か。
作業していると時間が経つのが早い。疲れた。
晩飯を買いに出てコンビニで真空の惣菜などを買い、帰宅。
ドアを開けると…先生がいた。
「お帰りなさい」
「……メシ食いました?」
「うぅん、まだよ」
「そうですか、じゃどこか行きましょうか」
「あのね、ここ行きたいの」
と冊子を見せられる。ステーキ特集?
「んー、いいですが予約とかしないと一杯のような気が」
「電話してくれる?」
「はいはい。第一候補はどこです?」
「ここ、赤坂のがいいわ」
電話を取って席があいてるか聞く。
OK、あいてた。
40分後、と予約を入れ電話を切る。
手を洗って着替えよう。
着替えつつ聞く。
「どうして急に?」
「明日、出稽古でしょ。こっちからが近いからいいかなって思ったのよ」
「それなら電話くださいよ。俺がメシ食っちゃってたらどうするんですか」
「あら、それなら何か買いに行って食べるわよ。その羽織よりこの羽織の方がいいわね」
「これのほうが合いますか。あなたは着替えなくても良さそうですね」
「明日着る物はそこに掛けてあるから。あなたはいつものお稽古のでいいわよ」
「はい、じゃトイレ行ったら行きましょうか」
「先に入るわ」
「鞄用意してきます」
玄関先に鞄を置いて先生と交代でトイレに。
「さてと。じゃ行きますか」
「うん」
先生から手を繋いできた。
タクシーに乗って赤坂へ移動。お店の前で降りた。
時計を見れば丁度かな。
入って予約した山沢、と告げると席に案内され、飲み物を聞かれる。
軽いものを選ばねば俺は明日仕事だし先生はお稽古だし。
お勧めのワインをハーフボトルにした。
先生が何を食べても美味しいというのが楽しい。
機嫌良いなぁ。
ご馳走様、と全部食べて幸せそうだ。
お会計をして出ると少し冷えてきている。
さっと羽織を着せると笑ってる。
「何度目かしら、ショールだけ持ってきちゃって寒くなるの」
「さぁ、3回目くらいですかね?」
車を拾って乗せ、家まで帰る。
「あぁおいしかった」
そう言って和室に入り着物を脱ぎ浴衣に着替える。
「あんたも着替えなさいよ」
はいはい。
「で、この後どうするんですか」
「んん? 寝るだけよ?」
「えっちは」
べしっと額を打たれた。
「明日お稽古よ」
「んじゃあ別に布団敷きます」
「どうして?」
「だって懐に居るのに抱けないのは切ない」
「そろそろ慣れて頂戴」
「無理。抱かせろー」
っと床に押し倒した。
「だめよー。あなたも明日お仕事でしょ。どいて頂戴よ」
ごろり、と先生を上にして転がる。
「しょうがないな。じゃ俺の腕から逃れられたら抱かないであげる」
「もうっ、そんなこと言って。あなたが本気出したらどうやっても逃げれないでしょ」
「あははは、確かにそうですね。逃がさないことは出来ますね」
「明日ならいいけど今日はダメよ」
「じゃ、キスして」
「しょうがないわねぇ」
深いキスをたっぷりとしてもらい、手を離す。
俺の胸に手をついて起きた。
「一緒の布団だと危ないから、お布団敷いて頂戴」
「はーい」
布団を敷いて枕を置く。
「お茶入れたけどいる?」
「あ、いただきます」
うーん、おいしい。

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290

翌朝、中々起きない先生を置いて台所へ。
八重子先生が先に起きてきていて、昨日のことを揶揄された。
やっぱり聞こえてたようだ。
朝御飯はトーストとオレンジジュース、サラダにベーコンエッグ。
「珍しいですね」
「孝弘さんが居るとご飯炊かなきゃだけどね」
なるほどね、この家がパスタ・パン食じゃないのはそういうことか。
朝飯を食って一時間ほどして先生が起きてきた。
「あぁおなかすいた」
「はいはい」
台所に立ってトーストとベーコンエッグを用意する。
サラダとジュースは冷蔵庫から。
「旦那を尻に敷く妻、みたいだねえ」
先生がちょっとむせて、俺は笑ってしまった。
ゆったりとした休みの日を送り夕方、律君たちが帰ってきた。
「じゃ買物行って俺も帰るとしますかね」
「そう?食べて行ったら。お夕飯何にしようかしら」
「晶、何食べたい?」
「うーん、おばさんの肉じゃが好きだな。私」
「あんたは?」
「え、僕? 梅とシソがまいてある奴かな」
「中はささみが良い?お肉が良い?」
「私ささみがいいな」
「晶ちゃんがそれが良いなら僕もそれでいいよ」
「山沢さんは?」
「それでいいですがお野菜足りなくないですか?」
「そうねえ、胡麻和えでもしましょ」
お買物に二人で行って、戻って料理を手伝う。
「ゴマ当たってくれる?」
はいよ、と当たり鉢を取ってごりごりざりざりと。
お砂糖や醤油も入れて。
配膳して食べる。うまいなぁ。
ご馳走様をして食器を洗い、目を盗んで軽く先生にキス。
「さ、そろそろ失礼しますね」
居間へ戻って八重子先生にも挨拶をして、帰宅した。
さて明日は仕事か。
仕事はいいが帰って無人の家でただ寝るだけというのがつまらないじゃないか。
って着物縫わなきゃいけないな、途中にしていた。
あさってはお稽古はお稽古だが新宿か。
帰り、うちにつれて帰れるかな。
だったら明日は掃除もしよう。
布団へもぐり、そんなことを算段しつついつしか寝ていた。

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