忍者ブログ
百鬼夜行抄 二次創作

let

伶(蝸牛):絹の父・八重子の夫 覚:絹の兄・長男 斐:絹の姉・長女 洸:絹の兄・次男 環:絹の姉・次女 開:絹の兄・三男 律:絹の子 司:覚の子 晶:斐の子

[PR]

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

289

居間に戻ると先生がコタツに入って頬を赤くしてる。
「あぁ驚いたわ~」
「こんなとこであんなことするからですよ。さてと」
「なぁに?」
「部屋に布団を敷いてきます。早いけど寝る用意しましょう」
「え、まだ兄さん居るからダメよ?」
「わかってますよ、用意だけ」
ついでに歯も磨いてこよう。
布団を敷いて寝間を整え、寝巻きに着替えて歯磨きし戻る。
居間では覚さんが先生と喋ってた。
先生がお茶を入れてくれる。
横に座ってコタツに足を入れる。温かい。
春とはいえ夜はまだ冷えるからなぁ。
会話を聞くのも楽しい。
先生の声をぼんやり聞いてるのがいい。
覚さんが煙草を吸ってるのを見て先生が一本頂戴、と言う。
「えっ吸うのか?」
「違うわよ、はい、どうぞ」
俺に渡してくれた。
「山沢さん煙草まだ買ってないでしょ?」
「良いんですか?」
「あ、ああ、どうぞ」
「じゃ失礼して」
と一服、久々の煙草がうまい。
しばらくして覚さんがそろそろ、と席を立った。
お見送りして戸締りをする、その玄関でキスした。
「だめよ…ほら、早く火の始末して部屋戻りましょ」
「さっき俺にあんなことした罰に…こういうところで抱かれる、とかどうですか」
「いや…勘弁して、ね、ほら、部屋…」
もう一度キスして引き寄せると先生は抵抗しつつあまり力が入ってない。
抱えあげて寝間へ。
「え?」
「火の始末してきます。今のうちに化粧も落としちゃっててくださいね」
「あ、うん」
お勝手へ行って火消壷とガスの元栓をチェック。
煙草の吸殻も湿してから始末する。
勝手口の鍵を確かめたら寝間へ。
寝巻きに着替えて化粧を落とした先生は…綺麗だ。
ちろり、と耳を舐めると少し声が出た。
「今日は声、出しちゃいますか?」
「いや、お母さんに聞こえちゃうのは」
「孝弘さんとしてたとき、声出してなかったのかな?」
「す、少しくらいは出てたかもしれないけど」
「だったら気にすることはない」
「いやよ…ゆるして、ね、いじめないで、お願い」
「可愛いな、本当に」
そのまま襲って声が出そうで出ない程度に抱いて。
疲れ果てた先生が眠りに落ちた。
可愛いなぁ。と撫でて。でもちょっとし足りなくって。
寝てるのに弄って起こしてしまって叱られた。
叱られてるのに手を動かしていたら反応してて。
「だめっていってるのに、もうっ…」
といいながら俺の腕を噛む。
「もう一度だけ、そうしたら終わりにするから」
最後は少し声が出てしまい、八重子先生に聞こえてないといいけど、と思う。
俺の気分も落ち着いて懐に抱いて寝かしつける。
荒い息が収まり、寝息。
おやすみなさい。

拍手[1回]

PR

288

「イテテテ、ところで孝弘さんは?」
「律に呼ばれて開兄さんが送ってったのよ」
「あぁー…そうでしたか」
ヘルプだな、そして相変わらず電車に一人じゃ乗れないのな。
洗い物をしていると先生は俺の首を舐めてみたり胸をつついてみたりとじゃれてくる。
八重子先生に見られたら雷落ちるぞ。
「ダメですよ、俺がやったら怒るくせに」
「いいじゃない」
あれだな、律君も孝弘さんも居ないから気が緩んでるな。
「そんなことしてるとここで抱きますよ」
「いじわるねぇ」
きゅっと乳首に爪を立てられた。
地味に痛い。
片付け終わって居間に戻る。
温かいお茶を貰ってコタツで温まる。
ふー、と落ち着くと先生が俺の手を弄る。
それを八重子先生が見ていたようだ。
「さてと、私は寝るから。あんたらもさっさと寝なさいよ」
と席を立ってまだ早い時間なのに部屋へ帰っていかれた。
多分見てられないって奴だろう。
するっと先生が俺の懐に入ってくる。
うぅ、先生の匂い、体温。
「戸締り、しないと」
「あとでいいじゃない」
びくっとなった。先生の手が俺の股間に伸びている。
相変わらずぎこちなくて。
「ぐぅっ…」
そこに爪を立てるのはやめろ…。
「やっと声が出たわね」
「先生、それ、違う。メッチャ痛い…。痛めつけるの趣味ですか」
「あら?」
あいたたた、なんちゅうとこに爪を立てるんだ。
乳首ならまだしも。
「自分のそこ、同じ強さでやって御覧なさいよ。痛くてたまんないと思いますよ」
「そんなに痛かったの?」
「乳首噛まれたときくらいは痛かった」
「ふぅん…じゃ後で噛んであげるわ」
「勘弁してくださいよ…」
クスクス笑ってる。
「ほら、手を離して。部屋行きましょうよ」
カラカラカラ、と玄関の開く音に先生が慌てて飛びのいた。
「おーい、母さんいるかー?」
あの声は覚さんか。
先生をおいて玄関へ向かう。
「八重子先生ならお部屋ですよ、今晩は」
「ああ、こんばんは。もう寝てるのか」
「どうでしょうかねぇ」
そのまま覚さんが八重子先生の部屋に向かう。

拍手[2回]

287

朝起きて、また仕事か、と思う。
でもまぁ今日は。先生に逢いにいけるし。
忙しい思いをしつつも何とかこなしてると先生からメール。
いつもの肉屋が休みだからすき焼き食べたければ肉を買って来いとな?
了解していつも買ってる肉の量を聞き、自分の分も足して買って先生のお宅へ。
先にお勝手から入り冷蔵庫に入れて、居間へ。
「こんにちは。冷蔵庫に入れときましたんで、肉」
「あらありがと。今日も花月だけど人が足りないから。私も入るわよ」
「で、私が指導するからね」
「豪華ですね。今日の生徒さんはラッキーだ」
「用意してきて頂戴ね」
「はい」
茶室に行くと台子が出ている。
「先生、台子でされるんですか?」
「あ、仕舞っといて頂戴~、片付けるの忘れてただけよ」
「はーい」
「あ、ねぇねぇ山沢さん、勉強会一緒に行かない? 東貴人仙遊なんですって、次回」
「…絶対無理です」
「あら楽しいのにどうして?」
「短歌とか突発で詠めませんって。その上東が貴人なんて絶対無理」
「あら見学でもいいのよ、行きましょ、ね?」
「絶対に混ぜないと仰るならですよ! 混ざるのは無理ですから」
「うふふ、じゃ予約しておくから」
「っていつですか?」
「今度の火曜日のお昼からよ」
「ここのお稽古は?」
「お母さんが見てくれるわ」
「そうですか。場所はどちらで?」
「ええと、新宿のどこだったかしら。とりあえず駅で待ち合わせなのよ」
「新宿駅で待ち合わせというと。アルタ前?」
「そう、そこ」
八重子先生が戻ってきた。
「ああ、山沢さん来てたのかい」
「こんにちは、お邪魔してます」
「いま山沢さんに勉強会一緒にって言ってたのよ」
「濃茶付で大変なのに大丈夫かねえ」
「や、見学で」
「じゃないと無理だろ」
「だからお母さんお稽古お願いね」
「はいはい」
トイレを借りて、それから水屋に待機していると生徒さんが来始めた。
今日は3人しか集まらない。
やっぱり3連休だからね。
「八重子先生、絹先生、こんにちは」
と皆さんご挨拶。
「今日は他の方お休みだけど花月しますよ」
花月と聞いてみんな微妙な顔をする。
お菓子を運んで食べる。
「あれ、先生も?」
「そう、他の方お休みだから私も入るわよ」
「山沢さんは?」
「入りますよ」
食べ終わったのを見計らって折据をまわす。
月!花!一!二!三!と先生が次客、俺が四客。
八重子先生にお稽古お願いします、とご挨拶。
そして正客からお先にと挨拶を送って座に着く。
今回の亭主は中井さん。
迎えつけの挨拶。すんだら客は袱紗をつけ四畳半へ移動。
「今日は繰り上げするよ」
うっ、ややこしいな。
折据が正客に座った下西さんの前へ。
亭主が仮座に入ったので折据が回りだした。
さぁ初花は誰だ。
一斉に札を開ければ三客の堀田さん。
繰り上げて俺が三客の場所へ、四客の場所へ亭主が来る。
あとは普通に花月だ。
幸い私は何度かで平花月では怒られなくなっていたが、
後の3人は足がわからなくなったり、見とれて動きが遅くなったり。
優しく指導が入る。
俺以外にはすごく優しいよね…。
3回繰り返し、お稽古が終ってご挨拶。
生徒さん達が帰られてご飯の支度を。
「今日はすき焼きだからね、下拵え要らないから楽でいいよねぇ」
「お水屋よろしくね用意してくるから」
「はいっ」
すき焼き♪
にんまりして水屋を片付ける。
仕舞い終わったので食卓を片付けて拭く。
「できたわよ、これコンセント挿して頂戴」
IHのクッキングヒーターか。
1000Wか…ブレーカー大丈夫なのかな。
500Wに設定した上にすき焼きの鍋が載る。
「先生、一応お聞きしますがこの家のブレーカーはどこですか」
「大丈夫よ、この部屋は他よりかなり大きくしてもらったの」
「そうそう、前に何回か落ちちゃってね、それで変えてもらったんだよ」
「ならいいですけどメシ食ってる最中に落ちると大変ですから」
「なんだかんだこの部屋は結構電化製品あるからねえ」
はい、ごはん。と先生がお茶碗を渡してくれた。
「食べましょ」
先生も笑顔だ。
おにくおいしー。麩もよく味をすっている。
しいたけに人参、玉葱も入ってる。しらたきかな、これは。
春菊がうまい。
八重子先生はやっぱり肉少なめに野菜沢山食べている。
お豆腐♪
おいしーーく頂いて綺麗さっぱり。
「〆になにかいる?」
「いや、満腹です」
「お父さんだとこの後うどん入れるのよ」
「ああ、定番ですよね」
ご馳走様をして後片付けを手伝う。
「ご飯に卵とこの汁をかけて食べるのは好きですよ」
と言うと塩分取りすぎ、と背中をつねられた。

拍手[1回]

286

そしてご飯拵えにかかる。
八重子先生に指示を受けてかぶを適当に切り、椎茸等投入する。
青梗菜とホウレン草を洗って切った。
ホウレン草は湯がいておき、治部煮の皿に投入すべく置いておく。
青梗菜は先生の手により肉と炒めてあんかけに。
「あ。あんかけにしちゃった…」
「あんたばかだねぇ、治部煮をあんかけにしようと思ってたのに」
新たに片栗粉を八重子先生が溶いてるその横で伏見甘長をじゃこと炒めて。
丁度ご飯が炊けた頃全部が出来上がる。
食卓について食べ始めた。
「山沢さん、そんなに野菜嫌いじゃないわよねぇ。なのにどうして食べないの?」
「一人分、色々作るのが苦手なだけですよ」
「そうかねえ?」
「だってホウレン草1把で3食持ちますよ? 他の野菜も食べたいとかになると」
「あ、同じ食材暫く食べることになるのね」
孝弘さんが甘長のじゃこ炒めに手をつけない。
それは青唐辛子の辛くない奴、と言うと手をつけた。
「前に辛いの食べちゃって躊躇するようになっちゃったのよ」
「ししとうですか」
この間俺も当たったよな。
それでも好きなんだよなーじゃこ炒め。
うーん、全部美味しかった、満足満腹!
お夕飯の後お茶をいただいて。
「明日お仕事なかったらこのまま泊まりなさいって言うんだけどねぇ」
「ありますからねー…」
げんなりする
「でも市場の方がお仕事してくれるから私達は新鮮なもの食べれるのよね、仕方ないわ」
「ま、そう思わなきゃやってられませんね」
ふー、っと息をついて気合を入れて帰る用意。
「明日も花月だから。休んじゃダメよ」
「はい」
「休んだりしたら且座の亭主させるわよー」
げっ酷い脅し方だな。
孝弘さんも八重子先生もいないので軽くキスしてやった。
「そんな脅ししなくても…逢いたいから来ますよ」
一気に顔が赤くなった、可愛い、たまらん。
「じゃ、また明日」
「ばか、もうっ。また明日ね」
くすくす笑いながら別れて帰宅する。
すぐに寝ることにした。

拍手[1回]

285

いい気分のまま抱いて寝入って朝が来る。
起き抜けにキスされて朝からしたくなって困らせ、一戦交わして起床する。
先生が朝風呂に入って俺が朝御飯の支度。
八重子先生も起きてきた。
「おはよう。絹は?」
「お風呂です、昨日入り損ねたからって」
「今日どうするんだい? 天候は回復したけど」
「散っちゃってませんかねえ…」
「あそこは期間長いから大丈夫だよ」
「じゃ行きましょう」
「それじゃお弁当の下拵えもするかね」
「はい、なに入れる予定ですか?」
「御節と似たようなもんだけどね、春らしくしようね」
ちらし寿司の稲荷とか桜でんぷで彩を添えていくようだ。
先生がお風呂から上がってきて、律君も起きてきた。
「おばあちゃん、ご飯できた?」
「はいはい、もうちょっとだよ。お父さん起こしといで」
下拵えをしてから朝御飯。
うん、おいしい。
「律、今日はどこ行くの?」
「晶ちゃんとフィールドワーク。三連休だから泊りがけ」
あ、そうか世間は三連休か。
「そう、私達は梅を見に行くからお昼間はいないから」
「結局行くんだ?」
「お天気よくなってるからね」
「お弁当作らなきゃね」
「もう下拵えはしてあるよ」
「あれ、お父さんも連れてくの?」
「どうして? 皆で行ったほうが楽しいじゃない」
食器を下げて洗い物をしたらお弁当の準備。
変な気分だ、食後に飯の支度。
雨が降ったらいけないから絹物はやめとこう、なんて話をされてる。
シルック小紋にしようと仰る。
「おばーちゃん、おかーさん、行ってくるから」
「ハイハイ、気をつけなさいよ」
「いってらっしゃい」
お弁当を作って、着替える。
さあ俺たちも行こうか。
現地へついてルートどおりに進む。
「綺麗ねえ」
「いいですねえ」
「あらこれまだつぼみだわ」
「遅咲きなんでしょうか」
「はらへった」
ハイ、とお饅頭を渡す。
ゆっくり観覧してそろそろお昼に、とござを敷いてお弁当を囲む。
自分も作ったとはいえ、やっぱり美味しい。
孝弘さんも美味しく食べてるので先生も嬉しげだ。
八重子先生がでんぷでピンクに色付けしたおにぎりをくれた。
甘い、うまい。
少しだけお酒もいただいてお重を空にする。
ゆったりと腹ごなしに歩いて残りの梅を観覧。
暖かくて雨も降らないうちに帰れた。
一度帰宅して先生とお買物に出る。
「明日もあなた来るんでしょ、お夕飯何が良いかしらね」
「あ、俺すき焼き食べたいです!」
「すき焼き?」
「鍋にしてもすき焼きにしても一人だとわびしいんでやらないんですよね」
「そうねぇ、そうかもしれないわね。でも律いないときにしたら恨まれるかしら」
「うーん、またしたらいいじゃないですか、居るときにも」
「じゃ明日、すき焼きにしましょ」
「それで今日は何作るんですか」
「今日はねぇ、なにしよう」
野菜の前で悩んでいる。
「あら先生、お夕飯の買物ですか?」
「吉崎さん。そうなのよ~何にしようかと思って」
「山沢さんもお買物?」
「先生の荷物もちで。その代わりお相伴させていただいてます」
「白菜なんか重いでしょ、助かるのよ」
「カサ高いものとかも一人じゃ大変ですしね」
「仲が良くてうらやましいですわ」
ホホホ、オホホと先生たちは会話をしている。
俺は青梗菜が食べたくなっていつ言い出そうかと思って悩む。
吉崎さんがそれでは、と言って肉屋の方へ行った。
「先生、俺、青梗菜の炒め物が食べたい」
「んー、そうねぇ。お肉が良い? 揚げが良い?」
「勿論肉です」
クスクス笑ってわかったわ、と仰って青梗菜を。
「後は何にしようかしら」
「治部煮」
「はいはい、決まりね」
お買物をして帰宅。
「お帰り、なに買って来たの?」
「治部煮と青梗菜の炒め物にするわ」
「あらそう、じゃ支度しようかね」

拍手[1回]