なんとなく唇にキスを落とす。
そのままディープキス。
むさぼっていたら先生のお腹がなった。
「…腹減りました?」
「そうみたい。お昼あんなに食べたのに…」
恥ずかしげで可愛いな。
「メシにしますか」
「そういいながら腕に力入れたわよね。まだしたいの?」
「したいですねぇ。もっと声聞きたいな」
「ご飯食べてからでいいじゃないの」
「それもそうですね」
「でも離してくれないのね」
ぺろりと唇を舐めて。
「あなたを食べ足りない」
「少しお腹がすいてるほうがおいしいものよ?」
「言うようになりましたね」
あきらめて腕を緩め、先生を起こす。
ベッドから降り立とうとして先生がふらついた。
背中を抱きとめて、そのまま抱き上げる。
「そういえば結構筋肉質よね…」
壁際で一度降ろし、寄りかからせてさっき脱がせた浴衣を着せた。
また抱えあげて食卓の前で降ろし、お弁当を先生の前に広げる。
俺は…先生の後ろ。背中を抱きしめる。
「食べにくいわ。横に来なさいよ」
「ここが…」
「食べさせてあげるわよ?」
……横へ移動。
「口移しはありですか?」
「してほしいの?」
「ええ」
「やっぱり山沢さんって…」
「ん?」
「変態よねえ」
「今更ですよ。してくれます?」
天麩羅を咀嚼して。口移しにしてくれた。
飲み込む。
「こんなのでいいの?」
「ええ、嬉しいですね」
「後は自分で食べなさいよ」
笑ってる。なにか面白かったようだ。
苦笑して横でお弁当を半分個ずつ食べる。
両方有名店と言うこともあり、うまい。
先生も美味しそうに食べている。
最後の一つを先生が口にし、キスされた。口移しにしてくれる。
飲み込んでそのまま舌を絡める。
口を離すと、お茶入れてくれる?と言われた。
お湯を沸かす。
「先生、紅茶か緑茶か中国茶どれがいいです?」
「なんでもいいわよ~」
では老水仙を。
「あら。こんなお茶もあるのねえ」
「おいしいでしょう?」
二杯目を注ぐ。
「あら?あらあら?」
「面白いでしょう?これ。八杯目くらいまで味が変わっていきますよ」
更に三杯目。
「あらほんと。でもそんなに飲めないわよ」
「適当に飲みやめりゃいいですよ。
お茶だけなのもなんですし、お酒も持ってきましょう」
伏見の酒から大鷹と嵯峨紅梅を。
錫の酒器に一つずつ注ぐ。
先生には杯、俺はぐい飲み。
「大鷹、甘くて美味しいわね」
そっちは中口だよ…。
俺の飲んでるほうを一口飲ませる。
「これ凄く甘いわねえ…」
「覚えてます?ほら、最初に先生とした時。あの時のですよ」
「そういえばこんなラベルだったかしら」
「まさかここまで、あなたが私とこうなってくれるとは思ってなかったんですけど」
「そうねえ。思わなかったわ」
「まぁどうしてとは思いはしますが嬉しいんでいいです」
「どうしてかしらねえ」