きっと先生のSっぽいのは八重子先生の遺伝だな。
玄関を出ると寒い、そういえば冬将軍が居座ってるとか言ってたな。
来るときは昼だったから暖かかったがもはや夕間暮れ、寒い。
先生がマフラーを貸してくれた。
首もとを暖めると随分違うからと。
暖かくて嬉しい。
気持ちが暖かい。
明日からの仕事がんばろう。
ほんと、好きな人がいないと仕事を続けるのってしんどいんだよなあ。
心の張りというものがやはり必要だ。
明けて月曜仕事は暇で。
作業はあるものの忙しいなんて気分でない。
黙々とこなす。早く終ればそれが睡眠時間の確保になる。
特に明日は早上がりをするのだからちゃんとしておくべきだ。
しっかりこなして夕5時半。帰宅して食事。面倒だな。
羊羹を食べて寝てしまおう。日持ちするから助かる。
翌朝、仕事をして申し訳ないが早帰り、いそいそとお稽古に行く。
「こんにちはー」
「はい、こんにちは」
お稽古をして、すぐ帰ろうとしたら食事を取るように言われた。
どうせまともなもん食ってないからと。大当たりだ。
食事をいただいて、洗い物をして帰った。
やっぱり嬉しいなあ。考えてもらえてるんだな。
寒い外気だが心はぬくい。
一日おきに仕事、稽古と頑張ってこなして土曜日だ。
今日、抱いたら後は会うのは大晦日、抱くのは三ヶ日終るまでお預けか。
きついなあ。
それでも予定があるのだからまだしもだな。
先生も思いは同じなのか、少し激しいのに嫌とは言わない。
私が求めるままに、辛そうな顔をしつつ答えてくれる。
愛おしい。
離し難い。
息を切らせて辛そうな先生を上に乗せ背中を撫でる。
「…まだ、…物足りないんでしょ…?」
「これ以上したら、あなたを壊してしまう…だからいいんです」
「壊れても」
「だめです」
困ったような顔をしている。
「そんな顔をしないで…私は大丈夫ですから。
あなたの今日の、そう思ってくれた、その心が嬉しい」
これを燃料に大晦日まで頑張ろうじゃないか。
キスをして、背中を撫でて寝かしつける。