パンを台所に持って行ったり、ブランデーを出して氷を出して飲む用意をする。
それから俺も着替えて。横に座ると先生がしなだれかかる。
情人、か。
まったく。捨てられるんじゃないかって思ってるのは俺のほうなのにな。
脱がずに寝巻きだから今晩はもうする気はないようだ。
「今日はもう…できないわ、疲れちゃった」
「へぇ…俺の飢えを埋めてくれる気はない?」
「え、あの、…だめ、むりよ」
くいっと引き寄せて、先生のドキドキして怖がるのを楽しむ。
身を縮めているのが大変に愛らしくて本当に辛そうで。
くすくす笑っていると意地悪となじられる。
「酷いこと、したくなっちゃうな。あなたが可愛すぎて」
「やだ、怖いこといわないで…」
少し飲んで。
「絹、愛してる」
そっと耳元で囁く。
先生が酷く赤面していてかわいくて。
「好きだよ。あなた以外欲しくない」
「か、からかわないで…」
「からかっているように見える?」
あごに手を掛けこちらを向かせ、目を合わせて、問う。
目を伏せた。
「ちゃんと俺を見て」
そぅっとこちらをみた。
「あなたのすべてが欲しい。くれますか」
「……お尻はいや」
っておいっ!
がくーっと来ちゃったぜ。思わず笑ってしまった。
「せんせ、そこはとりあえずハイって言って下さいよ、も~(笑)」
「だってお尻、怖いもの」
はいはい、ブランデー飲んで寝ましょ寝ましょ。
口移しに飲ませて、酔わせて部屋に連れ込む。
ベッドに入れて抱きしめて。
「寝てあげましょう。それがいいんでしょう?おやすみなさい」
ぴったりと俺にくっついて、恐々としている。
「早く寝ないと知りませんよ」
「そんなこと言われたって」
「いっそ一度されてしまいますか?そのほうが脱力できるでしょう。
ほら。随分と体に力が入ってる」
触れれば息を詰める。
泣きそうな顔をしていて。
ああ、また泣かしてしまうのか。
ふぅっと息をついて。
「ちょっと頭冷やしましょう。シャワー入ってきます。寝るなら先に寝てもいいです」
ベッドから出ようとすると袖を掴まれて。
行かないで、と言うので先生を布団に入れて寝かしつける。
なんで今日はこんなに情緒不安定なのだろう。
激しいこともこれではできない。
参ったなぁ。本当に。
怖がらせ、過ぎたか。
ああやっと寝息になった。俺も寝よう。