「なにかねえ、食べられるような気がするわ」
「食欲、確かに近いかもしれませんね」
そういいつつ撫でまわす。
うう、先生の素肌気持ち良い。
「かさぶたを…」
「ん?どうしました?」
「無理やりめくられるような気分がするの」
うん?どういうことだ?
聞いてみると私の手の内に居るといつもは封じている女の部分を
無理やり解放させられるような、そんな何か怖い気分がするらしい。
「孝弘さんは…ああなってからは一度も?」
「ええ。お医者様にも相談したのよ」
「…したいのに勃たないと?」
「ばか、そんなこと言ってないわよ…もう一人律の下に欲しいって相談したの」
「人工授精とか言われませんでした?」
「うん、それしかないって」
「まぁ…お尻の中に指突っ込んで刺激してなんてあなたじゃ無理でしょうし」
「なんなの、それ」
「男性を無理やり勃起させたり射精させたりする方法」
「知ってても出来なかったと思うわ、それは」
「今でも無理でしょ(笑)」
「無理よ」
「ですよね」
「だから…ずっと、だったのよ。あなたがするまでは」
「だったらあなたのその女の部分、俺にもっと見せて。嫉妬も、性欲もすべて」
「性欲だなんて」
「あるでしょう?
孝弘さんや私にして欲しいと思ったこと、一度もないわけじゃないでしょう?」
「そうね…」
「だから全部俺に下さい。あなたの思い。したくなったらしたいって言ってください」
「そんなの。いえないわ」
「言うのは淫乱だとか思ってますか?」
軽くうなづいた。
「だれかれなしに、なんてのは淫乱でしょうが俺に言う分には違います。
恋人としたくなるのは当たり前のことです」
「そう?恋人…ねえ」
「恋人じゃないんですか、俺」
そういえば好きとか言ってくれない。
「はいはい、あなた一番は孝弘さんですもんね。愛人でいいです」
「あ、違うのよ、そうじゃなくて」
「愛人でも何でも俺と孝弘さんになら求めても淫乱なんかじゃないです。いいですね」
それ以上の会話を封じるように強く激しくして。
終ったころには涙目になっていた。
「今日はこの辺にしてあげます。帰らないといけないでしょう?」
「いやよ、帰らない」
「なぜです?帰りなさい。帰らなきゃいけないでしょう、あなたは」
「いや」
「わがままはいけません」
「わがまま、聞いてくれないの?」
「きけません」
「どうして?」
「明日初釜でしょう、朝から。欠席できないんでしょ?」
「あ…」
「まさか忘れてたんですか…送ってあげますから、ほら、シャワー浴びてきなさい」
慌ててシャワーを浴びに行く先生を見て溜息。