八重子先生が居間から出て行って、絹先生と二人。
「…戸締りしてきます」
「あ…」
「なんです?」
「ん。私、火の始末見てくるからお願いね」
「はい」
玄関の戸締りや庭側の雨戸のしまりを確かめ、勝手口へ。
先生が炭火が消えているか確かめている。
横にかがみこみ、唇を奪った。
「だめ…」
押し戻される。
むっとしていると、ここじゃだめと言われた。
「律が来たら困るから…ね、お願い。手を離して頂戴」
ふぅ、と息をつき手を離して戸締りを確かめ、
火の始末をした先生を寝間に連れて行く。
布団を敷いてもらう間に寝巻きに着替えた。
腕を取りぐいっと引き寄せる。
「えっ? ど、どうしたの?」
むさぼるようにキスをする。
荒々しく乳をつかみ、揉んだ。
押し返される。
構わず弄ると頬に濡れた感触。
泣いたのか。
唇を外すとどうして、と聞かれる。
「嫌がったから」
と答えて黙っていると呆れ顔になった。
「本っ当に子供ね」
そう言われてぶすくれていると先生が寝巻きを脱ぎ捨てた。
「こっち来なさい」
布団の中にいざなわれる。
「落ち着いて。優しくできるでしょ? 焦らなくてもここにいるんだから」
髪をなでられて先生に抱かれるように先生を抱く。
気持ち良さそうな、幸せそうな顔を見て癒され、自分も気持ちよくなる。
まだ少し機嫌が良くないのをわかって居るのか先生から私を触れるのは控えめだ。
優しくしているのにも焦れて、荒くしそうになると封じるかのように噛まれる。
じっと見つめれば震えて怖がる。
組み敷くのをやめて、先生が上になるように体を入れ替えた。
今日はもう抱きたくない、そういう気になったからだ。
「もう寝たらいい。俺も寝ます」
先生は恐々としつつ、もっとしたいんじゃないの?と聞いてくる。
泣きたいですか、と問えば首を振る。
「じゃ寝なさい」
俺が一緒だと落ち着かないようなので布団に残し、部屋を出る。
中庭に下りて裏木戸をくぐり雑木林の中へ。
ここは絶対この家の人は来ないから。