さて。ちょっと寝よう。
外出する気は失せ、2時間ほど寝てお昼を食べた。
ゆっくりしていると電話。
お茶しない?と言うことで外出することに。
ええと、先生の格好に合いそうな着物…これか。
いそいそと出て待ち合わせ場所に行く。
少し待つと先生方。
「この子、うちの弟子で山沢というのよ、よろしくしてやって」
「あ、山沢です、よろしくお願いします」
「こちら準教授の畠中さんと山下さん」
「よろしくねー」
「あなたはお初釜行かないの?」
「はい。まだ早いかと思いまして」
「あら早くないわよー、引次いただいてるっていうじゃないの」
「来年は応募しなさいよー」
「先日欠席者の身代わりにされそうになりましたけどお断りしました」
「あら勿体無い」
「流石に京都の二日目の朝のお席に加わるのは怖かったものですから」
「…それは確かに怖いわね、直門かベテランの先生方ばかりよね」
「あとは大企業の社長や奥様ですし」
「行きたくないわね、それ」
「むしろ何も心得がないほうがいけそうです」
「そうよね」
なんて話をしつつお茶をしてケーキを食べて散会、先生方と帰宅した。
着物を脱ぐとシャワー借りていいかしら?と言うので貸した。
先日置いて行かれた湯文字を出す。
八重子先生は普段着に着替えて絹先生の着物も片付けている。
「あー、気持ちよかった」
と湯文字だけつけて和室に先生が戻ってきた。
「これ、絹、あんたそんな格好で」
「いいじゃない、女ばかりなんだし」
と手渡した浴衣を羽織る。
「疲れちゃったわー」
「緊張するからねえ仕方ないけど」
「山沢さん、お水ー」
「はいはい。八重子先生は要りますか?」
「私はいいよ」
先生にお水を渡すと一気に飲んだ。
いい飲みっぷり。って酒じゃないな。
少し落ち着いた後、ササッと普段の着物に着替えられた。
「お母さん、そろそろ帰りましょうか」
「そうね、お邪魔したわね」
「じゃ、またね」
「はい、お気をつけてお帰りくださいね」
先生方を見送って、ふうっと一息。
さてさて、結構に俺も疲れたぞ。
女の人たちと喋るのって疲れるな、しかも弟子の立場では。
何か腹に入れて寝よう。
…やはりコンビニへ買いに行って食って寝た。