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百鬼夜行抄 二次創作

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伶(蝸牛):絹の父・八重子の夫 覚:絹の兄・長男 斐:絹の姉・長女 洸:絹の兄・次男 環:絹の姉・次女 開:絹の兄・三男 律:絹の子 司:覚の子 晶:斐の子

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むくり、と夜に起きる。
トイレへ行って気づいた。
なんだ、いらいらしたり落ち込む理由わかったぞ。
時計を見れば9時か、まだ電話していい時間だ。
携帯を拾い上げる。
あの後電話やメールはなかったようだ。
掛けると2コールで先生が出た。
「昨日はお疲れ様、あのね、明後日なんだけど…」
どうやら家元初釜はこちらの近くなのでうちで着替えてもいいかと言うことだ。
なるほど、うちから30分と言うところだが。
「八重子先生とお二人ですよね。もしかしたら俺、家にいないかもしれませんが。
 鍵、お持ちでしたよね?」
「持ってるわ」
「じゃ俺がいなければそれで開けて和室使ってください」
「ありがとう。そうそう、今日環姉さんが来てね、怒られちゃったわよ」
「何をですか?」
「お客様居るのに二人とも寝てるとかご飯作らせるとかどうなってるのって」
「環さんから見たらそうもなりますよね」
「山沢さんのことつい身内のように扱ってしまうのよねぇ」
「まぁ一緒に居る時間結構長いですしね」
「昨日はご飯作ってくれてありがとう、って言ってなかったわね。ごめんね」
「いつも作っていただいてるんだから構いませんよ」
「ねえ…土曜日泊まっていいかしら」
「抱かれたいんですか」
「すぐにそういうこと言わないの」
「俺はあなたを沢山抱きたいと思ってますよ」
「…ばか」
「じゃ、明後日。会えるといいな、あなたの綺麗な姿を見たい」
くすくすと笑い声がする。
「お部屋、お借りするわね。よろしく」
「はい、では」
「ええ、またね」
電話が終って、空腹に気づく。
あ、昼食ってない。
コンビニへ行って弁当を買って戻る。
食って、テレビを見て、暫くして寝直した。
翌日、翌々日とぐったりしつつ仕事をし、家に戻ればすでに先生方が着替えていた。
「あら、お帰りなさい。お邪魔してます」
「こんにちは、山沢さん、お邪魔してるよ」
「ああ、もう来られてたんですか、こんにちは」
手を洗って着替えて和室を覗くとほぼ着付けを終られている。
うん、綺麗だ。
「どう?」
「綺麗です」
「さて、そろそろ行こうかねえ」
「タクシー呼びましょうか?」
「あ、呼んでくれるかい?」
電話を掛けて呼ぶ、到着予定時間を告げ、必ず間に合わせるようにと。
5分と経たずに来た。
「じゃ、行ってきます」
「お気をつけて」

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