するりと脱いで私の前に膝を突く。
「久さんも脱いで…」
そういってシャツのボタンを外された。
頬を引き寄せてキスをし、懐に抱く。
「あれ、入れるのと入れないのとどっちが良い?」
「…久さんがしたいほうでいいわ」
「嫌だったんじゃないの?」
「その…恥ずかしいんだけど使うほうがあなたにしっかりと抱きついていられたから。
だからその、それならそんなに嫌じゃないかなって。
でも前みたいに道具だけ使われるのは嫌よ?」
ああ、なるほど、いつもだとどうしても半身がずれるから。
「つまり体が離れるような体位なら嫌なままだった?」
うなづく。
最初が肝心、普通の体位にしてよかった。
「まぁ、今回は入れないでいきましょうかね。まだ何か抵抗感じてるでしょ?」
「わかる?」
「わかりますよ。今そういった瞬間に力抜けたし余計にね」
「だってやっぱりああいう形のもの、と思うと」
「ちょっとづつでいいですよ、今はね。それより案外見るのは平気なんですね」
「あれだけあると現実味がないっていうか」
「お道具鑑賞のノリですか?」
「そう、そういう感じよ。買えない値段のお茶碗並べられた感じというのかしら」
くっくっくっと笑ってると、何よ、もう。と胸を叩かれてしまった。
「一本だけじっくりみて触ってっていったらどう?」
「無理よ、恥ずかしくて嫌よ」
「拝見に出た道具と思って」
「ばか、そういうこと言わないで」
「お稽古のときに思い出しちゃうかな?」
「それは困るわよ」
「むしろ舐めてる所見たいな」
「えっ」
「私に装着して、あなたがあれを舐める」
「や、だ…そんなの」
「あなたに入れる前にしっかり濡らさないと痛いですからね?」
「でもさっきは」
「ローションつかってましたから、あれ。後口美味しくないんですよね~」
「まずいの?」
「化粧水舐めちゃったときのような」
「…まずそうね。でもそんなのなめて大丈夫なの?」
「そのまま飲むとかじゃなければ。飲む可能性が有るなら別のローション使いますが」
「別の?」
「味付とかまずくないやつ」
「知らなかったけど色々有るのねえ」
「まさかコンドームの味つきも知りませんか?」
「そんなの有るの?」
「コンビニにも売ってたような気がするんですが…イボつきは?」
「知らない…」
「ちょっと待って、お兄さんたち居たんですからなんか見てるでしょ?
あなた純情な乙女のままじゃないですか。子供いるのに。なんでだー?」
「だってお友達ともこんな話しないし、兄さんだってそんなもの見せなかったもの。
夫しか知らないし…。そんなに笑わないでよ」
「いや、もうマジ可愛い。そういう純情な乙女、いいね、好きだよ」
抱きしめてキスすると首に先生の手が回る。