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百鬼夜行抄 二次創作

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伶(蝸牛):絹の父・八重子の夫 覚:絹の兄・長男 斐:絹の姉・長女 洸:絹の兄・次男 環:絹の姉・次女 開:絹の兄・三男 律:絹の子 司:覚の子 晶:斐の子

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11時、一人目の生徒さん到来。
ちゃんと紋付色無地だ。
先生もいつものクラスの生徒さん相手とは少し違い、ほんの少し厳しい。
俺相手のときよりはかなり優しいけれど。
二人目の生徒さんを終えて先生と食事に立つ。
八重子先生が夕方の生徒さんは無理だと電話があったと言う。
やっぱりなぁ。
お昼からの生徒さんお二方は俺の臨席を禁止され、水屋のみお手伝い。
3時半、次の生徒さんから電話。
立ち往生して引き返すしかない模様。
先生にそう伝えると吃驚されて、お稽古の終ったところの生徒さんも慌てて帰宅された。
外を見れば結構に積もっていて、先生にスコップが有るか聞けば蔵に有るはずという。
借りてとりあえず家から道路まで少し雪をよけておく。
滑ったらやだしね。
この降り方なら4時間に一度くらいしておくべきかな?
屋根を振り仰げばまだ大丈夫そうか。
明日の雪かきのときは屋根雪を下ろすほうがよかろう。
安全帯はさすがにないだろうが縄かロープは有るかなぁ。
八重子先生に聞けば庭木用の縄が有るとのこと。
命綱になる。
屋根から落ちるとかイヤ過ぎるし。
どうしてもとなれば青嵐に乗せてもらう手が有るがそれはさすがに夜中だけにしたい。
夕飯をいただいた後、仕事着に着替えた。
ある程度除雪し、部屋に戻り濡れた服を乾かす。
「あとは寝る前にもしておくほうがいいでしょうね」
「そうね、助かるわ」
ゆっくりとお茶を飲みあたたまる。
いい感じで外は更に降っている。
「外、凄いわね…律から電話あったのよ、さっき。帰れないって」
「そりゃそうでしょう」
先生の体温で暖を取るかのように手に触れたりして時を過ごす。
そろそろいつもなら寝る時間が来て、再度防備を固める。
スコップでがんがん道を掘って広げておく、せめて外の道路へ。
その後塩をかけておいた。
戻って服を吊って寝間にもぐりこむ。
先生は起きて待っていてくれたようだ。
一緒に布団に入れば俺の身体が冷えてる、と抱きしめてくれる。
あったかいなー気持ちいい。
柔らかい肌。
暖かい肌。
いい匂いがする。
疲れもあり、すぐに寝てしまう。
翌朝起きると銀世界、どんだけ積もってんだこの野郎!
とりあえず身支度整えて雪かきだ。
道路までの道をつけ、うちから雑木林の太い木までの道をつけた。
一旦火に当たって朝飯をいただく。
そして一服して気を入れなおし、屋根の雪下ろしをする。
まずは腰にロープを結わえて2階の柱に括りつける。
窓から足場を作りつつ出て雪を落とす。
まずはロープの範囲を落とした。
そして先生に新たにロープを投げ勾配と反対側の雑木に端を結んでもらう。
OKが出て八重子先生に柱につけたロープを緩めてもらった。
そうやって雪をあらかた落とし、2階のロープを引いてもらいつつ戻った。
先生はおやつを餌に孝弘さんが縁側近くの雪を蹴散らしているようだ。
上手だよな。
テレビでは都心部のことしかやってないようだ。
7時ごろ律君から様子伺いの電話があったそうだがこちらの状況を伝えたところで、
この雪では律君もこちらへは戻れないだろう。
お昼ごはんをいただいて、うつらうつらとしてしまった。
ふと気づくと先生の膝枕に毛布がかけられていて少し気恥ずかしい。
頭を撫でられて、もう少し寝てたら?と仰るがまた強く降ってる様だ。
後でもう一度、とお願いして身支度を整えて雪の中へ突撃する。

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