鬱々としていると突然玄関が開いた。
ぎょっとすると先生だ。
「こんばんは。具合大丈夫?」
「え。来るなら来るで電話とかメールとか…下さらないと」
「どうして? 浮気してるんじゃなければ突然来ても問題ないでしょ?」
「うちにいないかもしれないでしょうが」
「具合悪いのに?」
「仮病で遊びにいってるとか考えませんか」
「あら、そんなことするの?」
「昔はそれなりに」
「駄目よ、そんなことしちゃ。それよりご飯は食べたの?」
「えっあぁ、はい、食いました」
「それなら良いのよ。まだだったら作ろうと思ってたけど。それで具合は?」
「…なんでもありませんよ」
「そう?」
くしゃり、と頭を撫でられる。
「寝癖、酷いわよ」
そのまま引き寄せるとダメよ、という。
「脱がないと皺になっちゃうわ。ちょっと待ってて」
なんだ、そっちか。
その間に手を洗って口をすすいで戻れば先生が寝巻きを羽織って戻ってきた。
「その前にお茶いただいていい?」
「どうぞ。あ、でもお湯沸かさないと。ペットボトルでよければありますが」
先生はケトルに浄水器の水をとり、沸かして急須にお茶葉をいれた。
「ペットボトルよりは温かいお茶がいいわ」
お湯が沸いて、急須に注いで湯のみを二つもって台所から戻ってきた。
「二つ?」
「あなたも飲むでしょ?」
「いただきます」
温かいお茶をすすってなんとなくささくれた心が落ち着く。
見計らったのか、すっと先生がもたれかかってきた。
キスして抱き寄せる。
温かい。
「おうちの方、いいんですか」
「お母さんが…様子見てきなさいって。だからいいのよ」
「あなたはどうなんです?」
「逢いたくなければわざわざここまで来ないわよ」
「本当に? だとしたら嬉しいな」
先生はふふっと笑って俺の手を先生の胸へ。
やわやわと揉めばゆったりと体重をもたせ掛けてくる。
そのままお茶を飲み終えて、お手水、とトイレに行ってしまった。
うーん。