すべて脱がせて首筋に舌を這わせる。
先生は全くもって気が乗ってないようだ。
仕方ないから、と言う気分がありありと見えてちょっと悲しい。
「先生…土曜なら気が乗りますか?
も、いいです、こうやってくっついてるだけで今日は」
「しないの?」
「全然やる気ないですよね?」
「したくてしょうがないんじゃなかったの?」
「反応薄いときにしても面白くもなんとも。男なら射精したいからするんでしょうけど」
「困ったわねぇ」
「したくないの我慢してされてもね」
「あらいつもしたくないことさせるくせに」
「あれは恥ずかしくてしたくないことでしょう? 今日のは気分が乗らないんでしょ」
「しないんなら帰ろうかしら」
「それは駄目です。気が乗らないならってだけで俺はあなたに飢えてるんですから」
「あなたってよくわからないわ…」
「する気がないあなたのテンションをあげれるほどの自信はないってことです」
何か言いたそうだけど一つ溜息を落とされた。
「じゃ、こうして一緒に寝てたらいいのかしら?」
「ええはい、それで結構です」
思い通りにならず少しいらつきつつも、先生に触れて。
先生もこちらへの感情はすっきりしないようだ。
触れても嬉しそうでもない。
時計を見る。そんなに遅くはない、往復しても少しは寝れる。
「着物、着て下さい。うちまで送りますから」
「そうね」
ささっと身づくろいをしてすぐ車に乗り込まれる。
先生のお宅まで無言のドライブ。
おうちの前につけてそのまま別れた。
帰宅してすぐに寝る。
翌朝、仕事。
寝不足だ。
少し考えて八重子先生が電話に出そうな時間を選び、電話した。
お稽古を今日は休みたいと。
疲れが出たと言うことにして。
許可を得て電話を切る。
仕事が終わり、帰宅して昼も食べずに寝た。
夕方目が覚めたがメールも着信もなし、ふーん…。
所詮は。
と、良くない方へ考えが向く。
起きているのはよくない。何か食ってもう一度、寝よう。
冷蔵庫から常備菜を出して軽くお腹に入れ、それから寝る。
夜、また目が覚めた。
メールは、なし。着信、なし。
先生のことだから疲れが出たと言うのを信じ込んでいる可能性も有るのか?