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百鬼夜行抄 二次創作

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伶(蝸牛):絹の父・八重子の夫 覚:絹の兄・長男 斐:絹の姉・長女 洸:絹の兄・次男 環:絹の姉・次女 開:絹の兄・三男 律:絹の子 司:覚の子 晶:斐の子

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26

翌日のお稽古。
早くつきすぎてしまった。
まだ午前の生徒さんが稽古している。
朝の生徒さんはレベル高い人多いんだよな。
先生との会話聞いててもさっぱりわからん悔しいな。
早く自分も余裕かませるくらいになれれば、なあ。
八重子先生がおいで、という。真之行を見学せよということだ。
今日とってもカジュアルな格好なのですが…。
皆さんちゃんと五つ紋、その中にこの格好はちょっとまずくないですか、
そう聞くと今日は偶発的な見学だから、と正客に。
うーわー…見てるだけでこれ次覚えるのかと。
落ち着いて、すべてを丁寧にやればいいお点前だから出来る様になる、という。
先に見せた理由は心構えだと。
なるほどつまり必要な知識は自習して来いと。
陰陽五行八卦、皆具の違い、まあ色々今は自力である程度はわかるな。
精進します。
でもそれより前回みたいな心の乱れを点前に出さないようにしないと駄目だな。
午前の部はそれでお開き、皆具を片付けて昼の部の用意を手伝う。
用意が終わったところで先生方はお昼ご飯。
私は庭先を借りて喫煙。
外で吸わないと折角の炭に仕込んだ香が煙草の匂いに負けてしまう。
口と手を清めてから先に茶室に戻った。
本日は四ヶ伝の日。
上の方のお点前をするための割り稽古だ。
点前手順は入ってて当然にならないと上に進んではいけない。
道具を見ながら頭の中でざっとさらう。
おおよその流れは思い出したぞ。イメトレイメトレ。
30分前になって絹先生が稽古場に戻ってきた。
すでに先生モードだ、というか今日は厳しい稽古になる予感。
相違せず微妙な角度、持ち方、細かく指導を受けた。
そして今日は私の後に来る生徒さんのお稽古を指導する稽古だ。
人に教えるほど難しいものは無く、自分の中で消化できてないと出来ない事はなはだしい。
結果惨敗、先生からツッコミがすごく来た。
教えてもらったとおりに教える、それが難しい。
結局夕方までみっちり教える稽古や他の方のお稽古の客をして終了。
今日は仕事の都合のため、夜はこちらに居れない。
なぜ居れないかは八重子先生のみぞ知る。
絹先生には絶対知られてはならないのだ…。

まぁつまり、あんなことのあったあとでのお座敷遊びなのである。
同業の集まりでメシと芸者、半玉を呼んで騒ごうというもの。
たとえエロ要素皆無でもまた嫉妬されてああなるのは避けたいものだ。
直接指定の料亭へ移動する。
すでに何人かは来ているそうだ。
今日のお姐さんは誰が来るのか聞くと、大きいお姐さんばかり、ホッとする。
あいてるところへ適当に、というのでいつもの人の横へ座る。
同業としては仲の良い人で、そろそろ80が近い婆さんだ。
火種を借りて一服つけるとぞろぞろと他の連中が到着した。
乾杯して芸者衆の歌舞を楽しむ。
若い連中はトラトラや金比羅で遊んでいる。
宗直姐さんがこちらに来た。
「今日はなにお稽古したんです?」
四ヶ伝、怒られ通しだというと怒られるうちが花、と慰められた。
この方芸者だが同門茶名もち、お茶の話題で盛り上がる。
まあ盛会のうちにお開き、明日も仕事だから皆よそへ行かず帰宅となった。

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