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百鬼夜行抄 二次創作

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伶(蝸牛):絹の父・八重子の夫 覚:絹の兄・長男 斐:絹の姉・長女 洸:絹の兄・次男 環:絹の姉・次女 開:絹の兄・三男 律:絹の子 司:覚の子 晶:斐の子

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片手で裁縫箱をしまい、繕い物を片付けた。
「律、あんた戸締り見てきてくれるかい、私ゃ火の始末見るから」
こっちを向いて、俺にはもう部屋に行って二人で寝とけと。
はいはい、と先生を担いで寝間に入る。
布団を敷いて寝かせた。
ったく気持ち良さそうに寝息を立てて。
吃驚したよ、本当に。
さて律君はあれで納得してくれたかなぁ。
トイレと歯磨きを済まし、寝巻きに着替えて布団にもぐりこむ。
先生がぬくくて気持ちいい。
もぞもぞと先生が動いた。
…俺の胸を触るの好きなのかな。寝てるとき割と触るよな。
ま、いいか。
おやすみなさい。
朝、起きてまだ先生は寝ている。
多分あれだけ酔ってたら起きてくるのは昼前かな?
台所に行って朝ごはんを作る。
八重子先生も起きてきて新聞を読んでいる。
お味噌汁が出来た頃律君も起きだしてきて孝弘さんを起こしに行った。
配膳をして、いただきます。
「お母さんは?」
「まだ寝てたよ。多分昼ごろには起きてくると思うけど」
「滅多に飲まないからねぇ」
「おかわり」
はいはい。
お櫃も空になってお片付け。
八重子先生も手伝ってくれて、手早く昼の下拵えもしておく。
居間に戻ってお茶をいただいた。
「頭いたーい…」
先生が起き出して来た。
「むかつきは?」
「それは大丈夫だけど…」
うー、と唸って私の横に座ってもたれてくる。
「あら?なんで山沢さん居るの? 泊まらないって言ってなかったかしら」
「昨日あの後律君のご帰宅が遅くなって、律君が帰ってきて30分くらいか、
 そのあたりで先生方が帰ってこられたんですよ。で、遅いからと」
「あー、そうだったのねー…」
「あんた山沢さんにキスしてそのまま寝ちゃったから大変だったんだよ。律の前で」
「ええっ?」
頭を押さえてうめきつつ。自分の声で頭が痛いとと言う奴だな。
「酔うとキスをするタイプと言うことにしておきましたけどね、焦りました」
「勢い良く抱きついたから山沢さんの手に針は刺さるし」
「ま、それはもうふさがりましたけどね」
「あらー…あいたたた、お母さん、痛み止め頂戴」
「はいはい、ちょっと待ってなさい」
暫くして戻ってきたが何も持ってない。
「切らしちゃってたよ」
「あ、じゃちょっと待っててください」
と先生の横から抜け出して部屋へ行き、鞄をあさって鎮痛剤を出す。
居間に戻ってハイ、と渡し飲ませた。
お白湯で薬を飲んだ後、お茶を飲んでいる。
意味ないよな、お白湯で飲む意味が。
「あんたなんでも持ってるんだねぇ…ペンチとか」
「胃腸薬・風邪薬・鎮痛剤・安定剤・ニトロ・気管支拡張剤くらいは持ち歩いてますよ」
「ニトロ?なんで?」
「むかし目の前で発作起こされて大変だったんでつい持ち歩くように…」
安定性の問題から定期的に更新してるけど。
まだなんか眠そうだな、先生。
いや薬が効いてきたのか?

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