お台所の片付けを済まし、先生方はお風呂。
俺は今日は遠慮して一緒に布団に入る。
先生は今日は疲れていたのかすぐに懐の中で寝息を立て始めた。
夜半、ふと違和感に目を覚ます。
「どうしたんです?」
「ん、起きちゃった?」
「今日は下はダメですよ」
「どうして?」
「生理中ですもん」
「そう…」
そのまま俺の身体のあちこちを気のすむまで触って、ふぅ、と息。
「おやすみなさい」
「うん」
ぺたり、と俺の胸に耳をつけてしばらくして寝息。
ま、そんな時もあるよな、と俺も寝なおした。
翌朝、豚水菜で朝食を済ませ掃除にとりかかる。
先生は洗濯物を干したり座敷を掃除したり。
お昼をいただいたあと縁側で日向ぼっこ。
「暖かくなりましたね」
「そうねえ、お洗濯が良く乾きそう」
手に触れてしばらくゆったり。
「あんたら年寄りみたいだよ」
後ろを振り向けば八重子先生だ。
庭掃除を指示されて庭に下り、先生は風呂掃除へ。
八重子先生は茶道具の手入れだ。
こればかりは俺ではなんともしようがない。
掃除を終えて手を洗って居間へ行くと先生がお茶を入れてくれた。
「おせんべいたべる?」
孝弘さんはその辺でごろ寝しておせんべいを食べている。
あー、折角さっき先生が掃除したのに。
と思ったらちゃんと広告を下に敷いてる。
先生の躾か!
おせんべいを貰って先に袋の中で砕いてから食べる。
「あら。ぼろぼろこぼして子供みたいって言おうと思ったのに」
「さすがにそこまでこぼしませんよ」
ぬるくなったお茶を頂きつつおせんべいを食べて。
「そろそろお夕飯のお買物行かなきゃねえ」
「今日は何されるんですか? 魚?」
「あなた食べて帰るならお肉にするわよ」
「いや今日は暖かいうちに帰ろうかと。明日もありますし」
「そう? お買物は付き合ってくれる?」
「重いものあるんでしょ、行きますよ」
よっこらしょと腰を上げて上着を羽織る。
「じゃ、ちょっと買物に出てきますから」
先生は孝弘さんに言い置いた。
「お母さーん? お買い物行くけど何か買うもの有ったかしら」
茶室にも声を掛ける。特にはないようだ。二人で買物へ。