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百鬼夜行抄 二次創作

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伶(蝸牛):絹の父・八重子の夫 覚:絹の兄・長男 斐:絹の姉・長女 洸:絹の兄・次男 環:絹の姉・次女 開:絹の兄・三男 律:絹の子 司:覚の子 晶:斐の子

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何度か目が覚めてトイレに行き、朝になった。
出勤し、物がない、寒いなど暇な火曜日。
早く仕事が終らないものか。
はぁっと息をついてふぐを何本かさばいてもらった。
先生のところに持っていこう。
メールを作成。今日はふぐ、と打ち込む。
返事は夕飯に鍋、だ。
寒いから丁度いい。水菜をちょっと買って持っていこう。
追加でメールが来た。
あなたは豚、とだけ。
…あぁ、豚肉で何かしてくれるんだろう。うん。
双方仕事中だと電報以下になってしまうなぁ。
客も早く引けた。
仕事を早めに終らせて、ふぐと水菜を積んで先生のお宅へ。
「こんにちはー」
「はい、こんにちは」
「いらっしゃい、ごめんね、さっき。充電がなくなっちゃって」
「ああ、そうだったんですか。何かと思いましたよ」
「なに送ったんだい?」
「あなたは豚、が本文のメールです」
「山沢さんそんなに太ってるように見えないけどねえ」
「先生より10キロほど重いですよ」
「へぇ意外だねえ」
「じゃなくて豚の炒め物かしゃぶしゃぶか何か、と書きたかったのよ」
「わかってますよ」
ふふっと笑って水屋へ入る。
朝の後始末とお稽古の準備をして、待機。
いつもの生徒さん、いつものお稽古。
今日は寒いといいつつ皆さんいらっしゃって生徒さん達が引けてから俺のお稽古。
「随分よくなってきたわねぇ。もうちょっとね」
「有難うございます、精進します」
お稽古を終えて水屋を片付ける。
夕飯に豚と水菜を炊いてくれるそうだ。
冷しゃぶでも良いんだけど。
「明日の朝御飯、一緒だけどいいわよね?」
なるほどそれは名案。
と言うことで水屋を八重子先生と交代されてお台所へ。
「そうそう。昨日の展覧会どうだった?」
「お雛様がありましたよ。節句が終ってから飾ってあるとは思いませんでした」
「へぇまだ飾ってるんだねえ」
「先生からお聞きじゃなかったんですか」
「バーに連れてってもらったのが印象的だったみたいでね」
「そりゃあんまり行くところじゃないでしょうけど。
 展覧会の後はそのまま帰るほうがいいのかな…」
「だけどそうそうあんたと出かけさせるのもねぇ、律に言いにくいし」
「そうなんですよねぇ。ほら、青梅の梅祭り、あんなのも行きたいんですけど」
「あんたあれ来年はないよ、行くなら早くいかないと」
「え、なんでですか?」
「梅の病気で全部切っちゃうらしいよ」
「ええー、あれをですか、勿体無い」
「感染る病気だからしかたないんだってさ」
「ありゃー…そんじゃ絶対今年行かないと見納めですねえ」
「来週の春分の日にでも行ったらどうだい?」
「あ、いいですねえ、次の日仕事ですけどまぁ一日だけですし」
「その日なら律も旅行に行くって言ってたからね」
「じゃ孝弘さんとお留守番ですか」
「そういうことになるね」
「いいんですか? みんなで一緒にでもいいですが」
「あたしらが一緒だと気を使うだろ」
「ああいうところで羽目を外したら後で噂になりますよ」
「だったら一緒に行ったほうがいいのかねえ」
「お暇でしたらお願いします」
水屋の片付けも終わり、台所に向かえば孝弘さんをそろそろ呼ぶようにと言われた。
離れへ行ってごはんできたそうですよ、と呼び一緒に食卓に着く。
「今日はふぐ鍋よ~」
お鍋から白菜や豆腐やしいたけを貰いつつ、豚水菜を食べる。
うまいなぁ。
「塩分取りすぎになるわよ」
汁まで全部飲んだら叱られた。
「鍋のあとのポン酢飲むのも好きです」
「も~だめよ~」
律君も笑ってる。
お鍋以外を片付けて、雑炊。
俺は雑炊は一杯だけいただいて後は孝弘さんがペロリだ。

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