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百鬼夜行抄 二次創作

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伶(蝸牛):絹の父・八重子の夫 覚:絹の兄・長男 斐:絹の姉・長女 洸:絹の兄・次男 環:絹の姉・次女 開:絹の兄・三男 律:絹の子 司:覚の子 晶:斐の子

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朝、気分よく起きて出勤。
その気分も束の間、温かさと土曜日と言うのもあり怒涛のように荷物が動く。
ぐったりして時計を見上げれば8時過ぎだ。
早いなぁ。
あ、メール入ってる。
先生からだ。
今朝からemoji …ああ、生理かな? 月のマークか。
ちょっと残念に思いつつも残りの仕事を片付けて帰宅し、お稽古の用意をした。
さて先生のお宅へつくと先生はちょっとぴりぴりしてらっしゃる。
ま、この時期は仕方ないね。
八つ当たりされるかもしれないなぁ、気をつけて振舞おう。
意外とそんなこともなく、生徒さんにも優しげにお稽古が進む。
凄いな、お稽古だと大丈夫なんだな。
生徒さん達が帰られて水屋を片付けてたら何か不機嫌そうだ。
手を掴まれた。
「どうしました?」
手が白くなるほどに俺の腕を掴んでるけどそれほどには痛くない。
握力20くらいかな、この感じは。
「早く片付けましょう、足冷えますよ? ここ板の間ですし」
「あ、ああそうね」
「じゃなきゃ居間に戻ってコタツにもぐっててください」
「そうさせてくれる? 悪いわね…」
もしかしたら不機嫌じゃなくて生理痛だったかな?
手早く片付け台所を覗く。
「ああ、もうできるから食卓片付けとくれ」
「はい」
食卓を片付けていると先生がする、と言い出したが、そのままそのまま、と。
台所からおかずや味噌汁などを運び出して展開し、孝弘さんたちを呼んだ。
今日はご飯をよそうのも私だ。
先生は気だるげに黙々と食べている。
律君はそんなお母さんの様子はスルーだ。
いつものこと、と言うところか?
孝弘さんは、あれ? ちょっと気にはしてるのか。
おかわり、と言いにくそうにしている。
気配を察知して聞いてあげたり、先生の取り皿におかずを乗せたり。
食後、先生はこたつに横になった。
「布団敷きましょうか?」
「ちょっとこうしてたいだけだから」
眠いのかな。
背中が冷えないようハーフケットを掛けて、片付けに立った。
洗い物を終えて戻ると八重子先生が痛み止めまだ持ってるかと聞く。
「あ、ありますよ、鞄に。どこか痛むんですか?」
「絹がねぇ…」
「ああ、生理痛ですか。それじゃあ先日の薬でいいですね、取ってきます」
「悪いわね」
渡すと八重子先生がお白湯を渡して飲ませている。
横に座ると先生が俺の手を握る。
痛いときって心細いのかもしれない。
そのうち薬が効いてきたのか、あふ、とあくび、そして寝息。
握る手から力が抜けて畳の上に落ちた。
可愛いなあ、とついニヤついてしまった。
「布団、敷いてきます」
「あ、お風呂どうする? 入る?」
「最後に浸からせて貰っていいですか?」
「ん、それならお湯は落としといてくれるかい」
「ついでに風呂洗っときましょう」
「そうしてくれると助かるよ」
寝間に布団を敷いて先生の寝巻きを出す。
さて、部屋につれてきて着替えさせるべきか。
あちらで着替えさせ布団に突っ込むべきか。
とりあえず居間にもって行くか。
戻ると八重子先生は既にお風呂に行った様だ。
先生の横に座って寝顔を眺めて。幸せ。
髪をほどいて帯を緩めて行く。
帯締めをほどいて、帯枕を抜いて。
さて、帯は流石にほどけないな、起こさないと。
髪を撫でて人の気配がないのを良いことに軽くキス。
ゆったりとお茶を飲んでいると八重子先生がお風呂から上がってきた。
交代で入る。
ぬるめの湯にしっかりと温まって、湯を落とし風呂を洗う。
先生は明日はいるだろう。
ん、ピカピカになったはずだ。
体を拭いて浴衣を羽織って出れば律君と行き会った。
律君は顔を赤くして立ち去る。
ん?と思ったら羽織ってるだけだから見えてたか、いろんなものが。
先生も裸でうろうろしないから見慣れないのだろうか。
苦笑し、居間に戻る。
まだ先生は寝ていて八重子先生にここで着替えさせていいか聞いてみた。
構わないというので上体を起こして抱きとめて帯を解く。
紐をすべて抜いてまとめて脱がせ、浴衣を着せる。
「相変わらず上手にするもんだねえ」
「着せるほうは無理ですけど脱がすんなら簡単ですよ」
「さて、寝ようかね。ああ、火の始末と戸締りはもう確かめてあるから」
「ありがとうございます、おやすみなさい」
コタツを切って先生を担いで寝間へ行こうとしたらさすがに目が覚めたようだ。
「お手水行ってくるわ…」
と、よろけて柱にぶつかった。
苦笑して手を引いてトイレにお連れする。
「中で寝ないで下さいよ、着物片付けてきますから」
「ん…」
片付けて寝間に戻ればまだいない。
一応トイレに声を掛けるとやっぱり寝てた。
ちょっと笑って出てくるのを待ってつれて帰る。
先生は布団に入ってすぐに寝てしまった。
俺も寝よう、おやすみなさい。

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