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百鬼夜行抄 二次創作

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伶(蝸牛):絹の父・八重子の夫 覚:絹の兄・長男 斐:絹の姉・長女 洸:絹の兄・次男 環:絹の姉・次女 開:絹の兄・三男 律:絹の子 司:覚の子 晶:斐の子

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あけて翌日は曇り空。
降るって話だけど。
さて朝御飯をいただいて先生は昨日とは違って元気だ。
「掃除手伝ってくれるかしら」
「はいよ、どこしましょ?」
「お庭お願い。お風呂洗ってくるから」
「風呂は昨日洗いましたよ」
「あらそうだったの? 悪いわねえ。じゃ座敷掃除してるから」
「ういっす」
明らかに雑草、と言うものも片付けて焼き払うべく落ち葉の上へ。
火の番は律君と決まっている。
俺がやるんなら焼却炉置きたい。
どうせ今日は焼けない。湿度からすると雨だし、夜に少し降ったようだ。
明日は晴れるのかなぁと思いつつ落ち葉をはいて草をとって。
鳥に少しおやつをやる。
桜のつぼみがほころんできて美しい。
眺めていると花が一つ、二つ手に落ちてきた。
鳥のお礼か。
先生がお茶を入れてくれたのでそこに浮かべる。
「あら、風流ね」
「あの桜の、鳥のおすそわけですね」
「もう春ねえ」
「春ですねえ…お花見か。宴会はしないんですか?」
「晶ちゃんたちはするかもしれないわね」
「先生は混ざらないんですか?」
「親世代が混ざっても子供たちは面白くないでしょ?」
「先生が混ざるなら俺も混ぜてもらおうかと思ったんですけどね」
「晶ちゃんに手、出しちゃだめよ?」
「出しませんよ」
「だったらいいけど」
「たしかに晶ちゃんも司ちゃんも先生と似たところありますよね」
「まあねぇ姪だもの。だからって」
ついくすくすと笑ってしまう。
「なによぅ」
「可愛いな、と思っただけですよ」
少し膨れてるのも可愛い。
「お昼できたよ、孝弘さんに持ってとくれ」
「あー、はいはい、俺が行きます」
今日のお昼ご飯はオムレツか。色々入ってるなぁ。
それと肉の炒めたの。
スープがついてる。
これはうまそうだな。
「なんだ、お前か。あれは具合が悪いのか?」
「昨日はそうみたいでしたけど今日はそうでもないですね」
お櫃が空になるまで平らげてお膳を返してくれる。
お膳を引いて台所へ返し、戻ると俺の分が遺してあってそれをいただく。
スープはちゃんと温めなおしてくれた。
オムレツにはシャケのフレークとネギか。いやピーマンがまたいた。
昼はどうしても残品整理になるよね。
と思っていたら追加で先生が一品くれた。
「足りないでしょ?」
嬉しいなぁ。
「あんた山沢さんには優しいねえ」
「そうかしら」
「お稽古だと厳しいですよね」
「あらだって上級取るんでしょ?」
「助教授取れたら良いなぁとは思ってますが」
「厳しくしないと覚えられないわよ」
だよなぁ、先生が俺のためを思って厳しくしてくれてるのわかるから反発心がわかない。
お茶をいただいてゆっくりしているとかなり曇ってきた。
そろそろ降るのかな。
見ている間にぽつっと落ちてきた。
「ああ、降ってきましたね」
「明日は晴れるかしらね」
「晴れたら沢山洗濯物を干すんでしょう?」
「お布団もね」
八重子先生に頼まれて道具の目録作りを手伝っていると止んできた。
「あんた今日は早くお帰り」
「何かありましたか」
「今日は冷蔵庫の在庫整理だからね」
「ああ。じゃ、かえって何ぞ食べます」
「あんた…あんまり絹を甘やかすんじゃないよ」
「う、それは難しいです。甘えられると嬉しくて」
「わかるけどね」
「ただ私も生理前だと…ちょっとしたことでイラつくので。
 もしかしたらその時は喧嘩になる可能性はあるかとは思いますが…」
「あぁ人によっては苛々するって言うからねぇ、あんたはそういうタイプなんだね」
「ええ、妙にいらいらすると思ったら翌日とかあります」
なんか頭なでられてしまった。
キリのいいところで終了し、片付ける。
「さてと、それじゃ帰ります」
「あら、もう帰っちゃうの? もうちょっといたらいいのに」
「また火曜日来ますから。その時は、ね」
頬染めて可愛いなー。
見送られて帰途に着く。
帰り道に食料調達して帰ってすぐ手を洗って飯を食い、寝た。

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