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百鬼夜行抄 二次創作

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伶(蝸牛):絹の父・八重子の夫 覚:絹の兄・長男 斐:絹の姉・長女 洸:絹の兄・次男 環:絹の姉・次女 開:絹の兄・三男 律:絹の子 司:覚の子 晶:斐の子

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3

5時半。目が覚めた。良い天気だ。
二度寝を楽しもう。ごろごろ。
7時、朝飯の匂いに耐え切れない(笑)
身支度して台所の先生たちに挨拶をした。
もうそろそろ起こそうと思ってたと言われる。
朝食の後、司ちゃんと律君は大学へ行った。
茶の間で歓談していると八重子先生が男着物を持ってきた。
これに着替えろということだ。
少し長いが、絹先生がうまく着せ付けてくれた。
「似合うわねぇ」
だから男物が似合うといわれても(笑)
「ああ、そうだ。諸津さんとこの展覧会、今日までだろ。
あんたら行ってきたらどうだい?」
「良いですが、この格好だと絹先生が男と二人で歩いてるとか言う
うわさになりませんか?」
「そうかねえ?堂々としてれば噂になんかなんないだろ」
私は別に噂になっても困らないけどな。
「行きましょ、山沢さん」
昨日は外で会おうと言ったら嫌がってたのに展覧会は良いのか。
ちなみに諸津というのはこのあたりでは有名な呉服屋だ。
無理に売りつけたりしないから安心して良いものを見せてもらえる。
9時半、絹先生の支度も整ったので二人で家を出た。
バス停通りを通って会場へ向かう。
平日の昼に外を歩くのは久しぶりだ。良い女が横にいるから尚更嬉しい。
会場についた。
さすがに着物姿の女性が多い。
見たことのある顔も何人か。数名はお茶関係だな、多分。
色々と良いものが出てきて、絹先生の手荷物を預かった。
肩から掛けるのを見ていると、似合う色柄だなあって思うものや、
反物だと良いのに当ててみると今一つのものがある。
意見を求められたが私の好みでは、先ほどの大島が良いと思うといった。
納得した顔をされている。
ということは先生もあれが良かったのか。
価格を聞いて交渉する。
先生は言い値で買うつもりだったようだが、このマルキでこの値は、と
担当に交渉した。手織りじゃないし。
先生はすでに別のエリアに行ってしまったことだし。
折角男に見えるんだ。強気で行こう。
うまくいって、この着物に合う正絹・国産の帯揚・帯締を3種つけてもらう。
先生はといえばすでに決まったので後は楽しむモードのようだ。
打掛を見てうっとりされている。
「こういうもの、着たいですか?」
「やぁねぇ、今更よぉ」
お昼を過ぎ、そろそろ出て食事をどこかでという話になる。
そういや前食ってうまかったとこのホテルがこの辺だ。
昨日の飯のお礼におごるということで連れて行った。
和食のランチだ。ここはランチでも懐石を出せる。もちろん懐石を頼んだ。
好きな女と美味しい飯。
気分はすっかりデートだ。八重子先生お墨付きの堂々デート。
もうこのまま部屋を取ってしまいたい気分だ。
ま、さすがにこの状況でやると噂が怖い。
何もない実績を積み重ねれば、簡単に外で会えるかもしれないしな。
さすがにお茶の先生だ、食べ方が美しい。私も見習わねば。
食事も終わり、先生が化粧直しに立たれている間に清算を済ます。
二人で2万いかないからランチは気軽だ。
そういえば今日は普段されてない口紅してて綺麗だったなー。
お茶のとき口紅されないもんなー。
カップについた口紅拭う動作すら綺麗だと思った。
マナー的にはNGだけど、癖で拭ってしまうのはわかる。
私もやってしまうことがある。
まぁ、拭うのは男性に対して云々という裏の意味をご存知ではあるまい。
戻ってこられたので席を立つ。レストランを出て、
「帰りますか?それとも部屋、取りましょうか」
というとバッグで殴られた(笑)

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