さあ本格的な連休前だ。
荷物も動いて忙しい。
汗をかいてしっかりと仕事をして帰宅する。
シャワーを浴び、空腹のまま先生のお宅へ急ぐ。
「こんにちはー」
「いらっしゃい。お腹すいてる?」
「すいてます」
「すぐご飯にするから待ってて頂戴ね」
「はい。あれ? 八重子先生は?」
「お母さんねぇいま町内会の会合なの。もう少ししたら戻ってくるはずよ」
「じゃお手伝いしましょう」
野菜を先生が切る横でジャガイモを剥く。
ついでに夜の下拵えらしい。
「痛っ!」
「どうしました、ああ、こりゃ痛そうな」
指を少し切ってしまっていてつい舐めてしまった。
「う、痛いわ…」
「おいし…じゃなかった、ちょっと待っててください」
抗生物質と絆創膏を持ってきて血をできるだけ出してから塗りつけて巻く。
暫く圧迫。
先生の腕に垂れた血を舐めとる。
ん、着物にはついてないね。
そろそろ血は止まったかな? そっと離してみる。
にじみ出てこない。良さそうだ。
先生には指示を飛ばしてもらうということで食事の支度は交代。
「ねぇ…血、好きなの?」
「今更何を」
笑ってキスをする。
「だめよ…こんなところで」
「血の味しましたか?」
「…血なんておいしくないでしょ」
「まぁ嗜好品というか」
結構自分の血も舐めるけれど。
お昼を作り終えて配膳。
「いいから座ってて。傷口開いたら困るでしょ?」
「ありがと」
八重子先生の分は台所に残しておくか。
「ただいまぁ」
ナイスタイミングで帰ってきた。
「おかえりなさ~い」
「おかえりなさい、町内会どうでした?」
「ほんっと決まらないねえ。時間の無駄だよ」
八重子先生はそういいつつ手を洗いに行ったのでその間に配膳を済ます。
孝弘さんに食事を持って行って戻って三人でお昼を食べる。
ん、ちゃんとうまい。
先生から指示貰って味見もしてもらったからこれでまずかったらおかしいけど。
「あんた指どうしたの」
「さっき切っちゃったのよ。だから今日は山沢さんが作ってくれたの」
「血、止まってるみたいですけど傷口開くようだったら縫ったほうがいいでしょうね」
「縫うの? 怖いわ」
「縫わない方法はありますが結構痛いですよ? 接着剤で止めるんですけど」
「痛いのもイヤよ」
「痛くないの、指には難しいんですよね。すぐはがれちゃって」
んー、といいつつ悩んでる様子。
「まぁ様子を見て考えましょ」
「そうね」
お昼ご飯を食べ終わってお片付け。
孝弘さんのところから八重子先生がお膳を回収してきたのも洗う。
水がぬるくなったなぁ。