忍者ブログ
百鬼夜行抄 二次創作

let

伶(蝸牛):絹の父・八重子の夫 覚:絹の兄・長男 斐:絹の姉・長女 洸:絹の兄・次男 環:絹の姉・次女 開:絹の兄・三男 律:絹の子 司:覚の子 晶:斐の子

[PR]

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

378

朝は先生が先に起きたようだ。
どうも先生の乳をつかんだまま寝てたらしい。
手の甲を撫でられる。
起きるにはまだ早い時間だ。
そろりとその手をお腹、そのまま下の毛をまさぐると逃げられた。
「朝から駄目よ」
「昨日もしてないのに」
「でも駄目。朝なんだから」
そういって身づくろいをはじめてしまった。
不機嫌に布団で大の字になる。
暫くして部屋に先生が戻ってきたと思ったら顔踏まれた。
「早く支度しなさい、朝御飯作るわよ」
「まだ早い…」
「涼しいうちにしないと駄目よ」
もそもそと布団から出て畳む。
「ほら、早く顔洗って着替えなさいよ」
追い立てられて着替えて台所に行く。
米を炊飯器にセットして、朝御飯の支度にかかる。
「あら、お味噌切れてる」
「あー…赤出汁と白味噌混ぜます?」
「そうね」
適当な割合で混ぜて、味見。
「ちょっと甘いかしら…まぁいいわ」
「おはよう」
「お早う、お母さん」
「おはようございます」
手伝いに回って食卓を片付けたり、洗い物をしたり。
「どうしたの? 何か機嫌悪い?」
八重子先生に聞かれた。
なぜばれるのだろう。
言いづらいのでなんでもないことにして朝ご飯をいただく。
食べた後の片付けもして居間に戻る。
「暑いわねぇ」
「本当に暑いねぇ」
そういいつつおいでおいでをして俺を膝枕させた。
先生の膝は気持ち良い。
暑いけどそれなりに風が有って心地よく、
「お昼どうするー?」
「そうねぇ…」
「なます食べたいです」
「紅白?」
「はい」
「ほかは?」
「小松菜と厚揚げの煮びたしとかどうでしょう」
「いいわねえ。じゃお買物行きましょ」
着替えてくる、と言って先生は俺を膝から下ろす。
途中律君の部屋によって夕飯は何食べたいか聞いてるようだ。
暫くして戻ってきた。
「さ、行くわよ」
「はい」
起き上がり先生の後をついていく。
ふと思い出した。
「そういえば父の日でしたけど何かされたんですか? 孝弘さんに」
「ああ、お父さん? さっき着てた服がそれよ」
「よかった。忘れてたらどうしようかと思いましたよ」
「流石に忘れないわよ…」
お昼ごはんの買出しついでにお夕飯の分も買い、更に和菓子を一箱。
「あ、うまそう」
「これはお父さんのよ。なぁに?食べたいの? 駄目よ」
「なんで? いいじゃないですか」
「太るわよ」
「運動したら」
「屁理屈言わないの、帰るわよ」
手を引かれて渋々帰る。
台所に立ち早速にお昼の支度。
なますと煮浸し、後いくつかの保存食系小鉢。
おいしい。
食べ終わると八重子先生が洗い物に立ち、律君はレポートを書きに行った。
孝弘さんは寝てくる、と部屋へ。
先生は俺の膝に手を突いて膝を崩してテレビ。
段々と胸に肩をもたせかけてきた。
うーん。
「先生、俺、今日は帰ります」
「あらそう? 気をつけてね~」
なんとなく気乗りしないまま帰宅する。
昼を食ったのだからもう寝れば良いだろう。
しかし引き止める気もなかったようだ。
もうどうでも良い相手になっちまったんだろうか。
少し悲しい気分のまま寝た。

拍手[0回]

PR