翌朝、少し辛いまま仕事をして疲れて帰る。
明日は休みだからなんとかなるだろう。
すぐに布団に入った。身体が冷えている。
そういえば昨日もメールはなかったな。
明日、問い詰めようか。他に良い人でも出来たのかもしれない。
ぼんやりと考えているうちに眠気が下りてきた。
そのまま寝る。
寝汗が酷く、自分の声で目が覚めた。
「大丈夫?」
「うぅ…う? …なんで、お稽古は?」
「もう7時半よ?」
「いやそれより何で来たんですか」
「お母さんがお夕飯差し入れたらって言うから」
「あー…」
「食べるでしょ?」
とりあえず起きてトイレに立ち、食卓についてご飯を食べる。
「掃除したのね」
「ええ、昨日」
黙々と食べ終わって、食器を台所へ返す。
「洗い物はしてあげるから布団入ってなさい」
ベッドに入らされた。
暫くして先生が着替えて布団に入ってきたからキスをする。
「ダメよ」
「どうして。他に良い人でも出来たのか」
先生を下にして押さえ込む。
「え、ちょっと、何でそういうこと言うのよ」
「この間からずっとさせてくれないじゃないか。したくないわけが有るんだろ」
「えっ…、痛っ、ちょっと、ね、離して…怖い…」
睨め付ける。
「言えよ、理由あるんなら」
目を伏せて黙る。
「早く。言わないならケツにぶち込む」
「待って、それだけは…。お願い…」
「じゃあ言え」
「…暑くて」
「クーラーつける」
起きてクーラーつけた。24度に設定した。
「で?これだけか?」
「先週の頭は疲れてただけなのよ…。
ここ数日は暑いから…したくなくなっちゃっただけで」
他意はなかったらしい。なんなんだよ。
「それならそれで暑いから嫌だとはっきり言やぁいいのに」
「だってあっちの家でってことになるでしょ、恥ずかしくて」
「今更。うちに来るのもあちらも変わらんでしょう」
「あなたの家ならご飯食べたりお出かけしたりもするじゃない。
あっちはその…えっちのためだけだから…」
息をついた。
「あなたの家の俺の部屋、クーラーつけますよ? いいですね?」
「は、はい」
ひんやりした空気に包まれだして先生が身を添わせてきた。
「あの…する?」
「したくないなら今日はもう良い、寝なさい」
「ごめんなさい」
トイレへ行って布団に潜り込む。
クーラーの温度設定が28度に戻っていた。
「あなた、寒いと思って」
「抱いてればあったかいから平気。それよりキスくらいはいいでしょう?」
「したくなっちゃうからだめ…」
「なったらクーラー強めて抱かれたらいい」
そっと唇をなでる。
それだけで体温が上がったようだ。
どきどきしてるようだが、困った顔もしているのでそのまま懐に抱きこんだ。
「寝ましょう」
「いいの?」
「今日のところは。明日、クーラー効かせてしましょうね」
先生から軽くキスしてきた。
「あの、あまり酷くしないでね…」
「さぁね。寝るよ」
電気を消した。
いらいらしたままではあるものの、先生の体臭が心を穏やかにする。
腕を掴む先生の手が緩んできた。
暫くして寝息。
暗いとすぐ寝れるのはうらやましい。
おやすみなさい。