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百鬼夜行抄 二次創作

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伶(蝸牛):絹の父・八重子の夫 覚:絹の兄・長男 斐:絹の姉・長女 洸:絹の兄・次男 環:絹の姉・次女 開:絹の兄・三男 律:絹の子 司:覚の子 晶:斐の子

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翌朝起きてトイレへ行き、また布団に戻る。
まだ気持ち良さそうに寝ている。
朝は涼しくて心地よい。
起こすのは忍びない、と眺めていたのに起きてしまった。
あふ、とあくび。
「何時?」
枕もとの時計を見る。
「7時半ですね」
「あらいけない、朝御飯作らなくっちゃ」
「腹減ってないならもっと後で良いよ」
「それからじゃご飯炊けないわよ」
ぽんぽん、と腕を叩かれてあきらめて開放した。
もうちょっと抱いてたかったなぁ。
先生がトイレへ行って身づくろいしている間にご飯を炊く。
暫くして台所に来たので交代して洗面所を使う。
あれ? 朝飯になるようなもん冷蔵庫にないんだけどな。
ベーコン焼く匂いがする。
台所に戻るとほうれん草をいためているところだった。
「あ。昨日買物してからうちに来た?」
「そうよ、朝御飯作るつもりだったもの」
人参もいためてたようだ。
「トマト切って頂戴」
「はい」
…これは桃太郎ゴールド?
珍しいものを買ってきたんだなぁ。
「スライスにします?」
「何でも良いわよ」
赤いトマトも有った。
同じサイズ。
スライスして交互に盛り付けようか。
そうしよう。
夏用の皿に盛り付けて涼しげにしてみた。
小細工をしてるうちに出来た様で、洗い物もお願いーと菜箸などを渡された。
早炊きモードだがまだ少しかかりそうだ。
先生がお味噌汁を作る。
具は麩。
「あ、そうだ。これからずっと俺が泊まるときあっちの家で寝てくれません?」
「どうして?」
「前も言いましたが虫が苦手で。あちらは入ってこないから」
「でも…」
「一人で寝るのは嫌です。律君にも私から言いますから。
 なんだったら八重子先生と一緒に寝てもいいです」
「そんなに苦手なの?」
「虫が身近じゃなかったからでしょうかね」
「酷く暑い時はお母さんと寝て欲しいわ」
「うん?」
「お母さんも年だから…寝不足って言ってるときあったのよね、去年」
「ああ、そういうことですか。布団一組増やしましょう」
上は肌掛とタオルケットで良いだろう。
押入れはまだ余裕あったし入る入る。
あ、飯が炊けた。
「お味噌汁注いで頂戴」
先生がご飯をひっくり返して蒸らしにかかろうとする。
「先生、それ蒸らしもできてるやつですから」
「あ、そうだったわね、つい」
ワンプレートにオムレツ、ベーコン、人参とほうれん草を盛り付けて食卓へ。
パンとスープではなく、ご飯とお味噌汁。
「いただきます」
一人でだったらこんな朝御飯は絶対に作らん。
等量に盛り付けたのだが、先生がベーコン一枚こっちにくれた。
食べ終わって洗い物を終えると洗面所から先生が呼ぶ。
「脱いで頂戴」
「へ?」
「洗うから」
「あぁ…何かと思った」
脱がされてついでだから風呂入れといわれてシャワーを浴びる。

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