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百鬼夜行抄 二次創作

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伶(蝸牛):絹の父・八重子の夫 覚:絹の兄・長男 斐:絹の姉・長女 洸:絹の兄・次男 環:絹の姉・次女 開:絹の兄・三男 律:絹の子 司:覚の子 晶:斐の子

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風呂から上がってすぐにトイレへ。
始末をして床に寝転んだ。
「浴衣着なさいって言ってるでしょ」
「暑い…」
「冷えたら痛くなるわよ」
「抱いたらあったまる」
「バカなこと言ってないで早く着なさいよ」
そう言われつつも暫く転がってると先生が干し終わった。
「ん、冷えてきた。おいで」
苦笑してる。やっぱり朝だから嫌っぽい。
「それよりお昼のお買物行かない? 今のうちなら暑くないし」
紫外線か。
諦めてむくりと起き、着替えた。
ほっとした顔をしている。
「何食べたいんです?」
「なにしようかしらねぇ」
「晩飯、あなたが煮物作ってくれるなら昼はハンバーガーでも良いんだけどな」
「そんなのでいいの?」
「うん。どこ行きます?」
「作るわよ。外でなんて食べられないでしょ、こぼしちゃうわよ」
「買ってきてうちで食べれば良いじゃないですか」
「冷めちゃうじゃない」
「強情だな」
「そんなこと…」
「買物、行ってくる」
いらっとしてしまった。ちょっと冷まさなきゃいけない。
先生を置いて雨の中スーパーへ行く。
バンズ用パンと玉葱、トマト、牛ひき肉。チーズ。マッシュルーム。レタスにポテト。
それから夕飯の材料。
先生も腹を立てていたら帰っちまってるかもしれないから日持ちするものを。
買い終えて帰宅する。
あ、帰ってはいないようだ。
「おかえりなさい…ごめんね」
抱きついてくる。
しかし両手に物を持ってるからどうすることも出来ないでいると気づいてくれた。
慌てて荷物を一つ受け取って台所へ。
冷蔵庫にすべて食材を仕舞い終えてから先生にキスした。
「ごめん。いらいらしてた」
「ん…」
「お昼、作る? それとも」
先生が自分から脱ぎ始めた。
いや俺が作ろうか、と続けるつもりだったんだが。
まぁでも思い切りが出来ないと脱げないだろうからここで止めるのは恥をかかせるかな。
でも台所では先生とて本意ではなかろう。
せめてベッドに連れて行くことにして。
先生は肌襦袢に手を掛けて少し止まった。
いまかな。
その手を掴んでベッドへいざなう。
恥ずかしげにしていて可愛い。
思わず抱え上げてしまった。
ベッドに下ろしてキス。
追い詰めないように優しく、優しく抱いた。
少し落ち着いてお昼を作る気になった。
先生をそのままに台所をする。
買ってきた玉葱とマッシュルームをいため、挽肉は焼き、チーズを載せた。
ポテトはオーブンの中だ。
バンズも焼いてそろそろ先生を呼ぼう。
と思ってたら出てきた。
「良い匂い。おなかすいてたみたいだわ」
「もう出来ますよ。一つでいいのかな。二つ?」
「一つで良いわ」
ポテトもそろそろ良さそうだ。
塩を振って温かいハンバーガーとともに出す。
「どうぞ」
「おいしそうね」
俺のは更に朝の残りのベーコンも足した。
「こんなの久しぶりに食べるわねえ」
「でしょうね」
二人でぱくぱくと食べる。
「うっ…塩噛んだ」
ポテトの振った塩がだまになってた。くそう、しょっぱい。
先生がくすくす笑ってる。
食べ終わって一服。
先生を懐に抱いてお座部枕。
「ねぇ久さん。さっきのえっち…」
「んー?」
「優しくて驚いちゃったわ。酷いことされるんじゃないかしらって思ってたから」
「あぁ。だからされたくなさそうだったのかな」
「そうなの。怖くて」
苦笑する。
「そうしたかったけどね。怖がってるような感じだったから。無理だろうと」
緩くなでる。
あふ、と先生があくびをした。
「ご飯食べたら眠くなっちゃったわ」
「一緒に寝ましょうか。4時くらいに起きたら良いんだから」
「そうね」
そのまま寝ようとしたら叱られた。
ベッドに入るのね、了解。
トイレに行ってから潜り込む。
だけどなぁ、ベッドだとしたくなっちゃうんだよね、色々と。
ま、眠いようだし我慢して俺も一旦寝るとしよう。
寝ていると先生に蹴られて目が覚めた。
暑かったようで布団と一緒に俺を蹴飛ばしたのかな。
クーラーをつけて時計を見る。
そろそろ起きてご飯の支度をしようか。
下拵えをして少しテレビを見た。
かすかに音うるさいと聞こえた気がして音量を下げた。
先生の寝息が聞こえる。
さてこのまま寝かせるか飯の時には起こすべきか。
寝息がやんだ。
キシッと音がして起きたようだ。
そのまま俺にもたれかかる。
「何で一緒に寝てくれないの…」
「いやそろそろ飯の支度をと」
「もうそんな時間…?」
テレビが丁度良いタイミングでニュースに切り替わった。
5時半のニュース。
「もうちょっと、だめ?」
「布団だとそのまま朝まで寝ちゃうんじゃないかな」
「ここでいいわよ」
「最近本当に甘えただなぁ。どうした?」
「甘えたいんだもの…」
なんか理由になってない気がするがなでていたら寝てしまった。
しょうがないなぁ。
懐に抱いたままテレビを眺める。
ニュース、エンタメ、スポーツとニュース番組が終わり、チャンネルを変えた。
1時間半。
夕飯どうしよう。
腹減ってきたなぁ…。
と思ったら先生もやっと目が覚めたようだ。
「ん、よく寝たわぁ…あらぁ? どうしてここで寝てるの?」
「あー覚えてませんか。いいですけどね。腹減った…」
「あら」
くーぅ、と先生のおなかも鳴った。
「下拵えはしたんですけどね、後は味付けだけ」
「はいはい、じゃそれはするから食卓片付けて頂戴」
よっこらしょと起きて先生は台所を。
10分ほどで配膳となった。
「おいしいわねぇ」
「うまいです」
食事を取って、暫くして先生が着替え始めた。
帰る準備だ。
「帰したくないなぁ。このままうちにいて欲しい気分です」
「私だって…そういうわけにいかないでしょ、明日お稽古だもの」
「そうなんですよねえ」
なんだかんだてきぱきと着替えて。
さっさと帰っていかれた。
さびしいなあ。
明日お稽古ちゃんと行こう…。
こういう日は寝が足りてようと寝るべきだ。
おやすみなさい。

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