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百鬼夜行抄 二次創作

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伶(蝸牛):絹の父・八重子の夫 覚:絹の兄・長男 斐:絹の姉・長女 洸:絹の兄・次男 環:絹の姉・次女 開:絹の兄・三男 律:絹の子 司:覚の子 晶:斐の子

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翌朝、寝ぼけつつも出勤、流石に金曜日、水曜・木曜に比べればそれなりだ。
だが今日は雨だ。
しとしとと梅雨らしい、湿った空気、重い。
こんな日にビアガーデン予約していた奴がいた。
どうする?なんて話をしている。
こんな雨の日に決行するのかなー、風邪引くぞ?
結局決行するらしい。アホだ。
こんな日は…女とクーラーの効いた部屋でいちゃいちゃするのが良い。
なんて考えつつも仕事終了、さびしく一人寝の我が家だ。
クーラーを効かせベッドに潜り込む幸せ。
暫く寝て昼過ぎに起きる。
効きすぎだ。
一旦クーラーを止めて食事に出ることにした。
さてなにを食おうか。
ぶらぶらと歩いていつもの店に入り、結局イタリアンを頼んだ。
いつも行くのでいつも大盛を作ってくれる。
食事を取りつつ携帯のメールチェック。
やっぱり先生から来てた。
今日は軽めにナポリタンスパゲティとある。
写真は…まぁ俺のと同じだね。
俺も写真を撮って送り返す。
三回ほど返信して食事に集中した。
食べ終わると先生から更にメールが来る。
今晩一人で夕飯だからどこか食べに連れて行って欲しいそうだ。
食後に言われても中々思いつけない。
先生のとことうちの中間地点くらいでどこかあったかな。
ジャンルは何が良いかまずは聞かねば。
懐石をご希望だ。
さてあの辺にある懐石なぁ…あぁ、あそこがあるか。
電話して予約を取る。
先生に決まったから待ち合わせの時刻を告げた。
帰宅して少し寝て風呂に入って着替える。
こっちまで来るとは言わなかったところを見ると泊まる気はないようだ。
明日お稽古だから仕方ないな。
電車を乗り継いで待ち合わせ場所に到着。
近くの喫茶店でくつろいでいると先生が来た。
アイスコーヒーを追加して一服。
「ごめんね、急で」
「いいですよ、今日も綺麗ですね」
「あら」
コーヒーを飲み終わって一旦涼んだところで移動を開始する。
まだこのあたりは双方知り合いに会う可能性は捨てきれず、手はつなげないのが残念だ。
並んで歩きお店へ入る。
「予約の山沢です」
そう告げると席へ案内された。
あ、個室だ。
これは…ちょっと嬉しい。
仲居さんが来ない間先生の手に触れたり。
先生がドキドキしてるのが楽しくて、つい部屋にこないかと誘ってしまった。
残念ながらお稽古日だからと断られる。
少しごねては見たものの、土曜はやはりちょっとと言うことでまた今度。
やはりアレのときだけか…性欲溢れるのは。
性欲横溢のときに縛ってあれやこれやしてやりたいな。
キレられる可能性は高いかもしれないが。
「なぁに?」
「なんでもありませんよ」
「そう?」
「ええ、おいしいですね、飯」
「めし、なんて言わないの、ご飯でしょ」
「ごはん」
「良い子ね」
苦笑してお酒を注いで少し酔わせた。
「ねぇ先生。ここね、むかしは連込宿だったんですよ」
「え?」
ぴた、と手が止まる。
「代替わりと同時に建替えてね、ちゃんとした料理屋にしたらしくてね」
あからさまにほっとしてる。
「だけどね、所望があれば…ふふ、わかるよね?」
サッと頬に朱が差す。
「だ、だめよ」
「ここが嫌ならどこかラブホ入っても良いけれど」
追い詰められたような顔しちゃってまあ…可愛い。
ニヤッと笑い、冗談ってことにしてあげてデザートを食べる。
「おいし…」
ほっとして食べるのはさぞやうまかろう。
食後、会計して店を出ると少し離れがたそうなそぶりだ。
「明日お稽古行きますね。だから…」
「うん…」
「それとも。明日お稽古の後うちに来ますか?」
「そうしたいわ、でも…」
珍しく歯切れが悪い。
「展覧会、休みの朝から行きましょう。何か探しますよ」
「あ、それなら出れるわね」
駅で別れる前に少し指を絡めた。
「じゃあおやすみなさい。気をつけて帰って下さい」
「あなたも気をつけて帰って頂戴ね。おやすみなさい」
あー、キスしたい。
我慢して別れて帰宅する。
先生も同じように思ってくれているのだろうか。
帰り着いてすぐ、先生から帰宅のメールが届いた。
明後日どこか展覧会は、と調べてリストアップしたものを返事とする。
暫く待つと行きたい展覧会を二つ書いて送ってきた。どちらかで良いようだ。
明日稽古に行ってから決めようと返事をして、就寝の挨拶を交わした。
おやすみなさい。

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