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百鬼夜行抄 二次創作

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伶(蝸牛):絹の父・八重子の夫 覚:絹の兄・長男 斐:絹の姉・長女 洸:絹の兄・次男 環:絹の姉・次女 開:絹の兄・三男 律:絹の子 司:覚の子 晶:斐の子

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翌日、仕事の後気が向いて飯田橋へ。
青森の産直ショップへ入った。
りんごチップスやジュース、地酒。
2万ほど散在してから先生のお宅へ足を運んだ。
お勝手から入りジュースを冷やし酒はケースの空いているところに入れた。
居間に顔を出す。
「今日は」
「あぁ山沢さん」
「あら、いつのまにきたの?」
「今です。どうぞ、これ」
「なぁに? りんごのお菓子?」
「たまにこういうの食べたくなるんですよね。沢山買ったのでおすそ分け」
「有難う。お稽古していく?」
「この格好で?」
「あんた着替えておいで。してあげるよ」
遠慮したい。月曜は上級だし。
と思ったが先生の食後、部屋に連れて行かれて着替えさせられてしまった。
今日は八重子先生がメインでお稽古。
円真や真の行のお稽古のお客役をして、私の番。
当然ながらいつものごとく叱られる。
他の生徒さんがちょっと心配そう。
今日は上級と限定されているだけに人数は少なく、いつもより早めに稽古が終る。
水屋の片付けを手伝って居間に戻った。
「あぁ疲れた」
「疲れちゃったわ」
お二人ともやはり上級は疲れるのか。
暫く一服されて先生がご飯作ろうと立たれたが八重子先生に止められた。
顔色良くないからなぁ。
俺と八重子先生で作ることにして先生を少し休ませる。
着替えてから今日は簡単なものを、と仰った。
鉄分多目メニュー。
空芯菜の炒め物に小松菜の豆乳スープ、ひじきのチャーハン。
…洋風?
おいしいからいいか。
食卓を片付けて孝弘さんを呼ぶ。
そろそろ律君も帰ってくるはずだ。
配膳を済ませた頃ただいまの声。
「おかえり、ご飯できてるから手を洗ってきなさいよ」
「はーい」
律君が座って、いただきます。
先生はボツボツ食べている。
「あれ、そういえば今日なんで山沢さんいるの?」
「いやぁおいしいもののお裾分けに寄ったんだよね」
「あ、だからそんな格好なんですね」
「後で食べて。りんごのドライフルーツ」
「パリパリしたやつですか」
「いやもっちりしてる半生タイプ」
「へぇおいしそうだな」
なんて会話をして食事を終った。
台所を片付けて辞去する。
やっぱり先生は帰らせたくなさそうで俺のシャツの裾を掴む。
髪を撫でて、明日来るからと宥めすかして帰宅した。
疲れた。
もう寝よう。
おやすみなさい。

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