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百鬼夜行抄 二次創作

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伶(蝸牛):絹の父・八重子の夫 覚:絹の兄・長男 斐:絹の姉・長女 洸:絹の兄・次男 環:絹の姉・次女 開:絹の兄・三男 律:絹の子 司:覚の子 晶:斐の子

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出勤した。
うなぎの日ともあり、うちは扱わないため暇だ。
誰かがコンビニからうなぎパンを持ってきて笑えた。
よしお稽古前に買って先生に見せてやる。
孝弘さんが食ってくれるだろ。
うな丼は先生のところに出入りしている魚屋さんから買うことに決まっているらしい。
食べるなら俺の分だけもってこいとのこと。
持っていく予定ではあったが予約ミスで余分に買って欲しいといわれた。
いいけどね、多い分には。
うなぎパンと3匹のうなぎを持ってお稽古へ。
渡さず先に台所へ。
そのままお稽古をこなす。
先生の顔色も今日は良いので俺に厳しく生徒さんには優しい絶好調のようだ。
疲れて水屋を片付けた。
台所に顔を出すとうなぎをどうしようか迷ってる八重子先生が居た。
「あんた多いよ、これ」
「あー…ですよね」
たすきをかけて手伝う。
ご飯、うなぎの短冊、ご飯、うなぎ。
そう乗せて渡す。
「ん、これ背開きじゃないんだね」
頭ついてます、はい。
先生方のにも仕込んだ。
2匹分多いからね。
律君が帰ってきたようだ、配膳しましょう。
お吸い物をつけて配膳。
いただきます。
暫く食べていると律君がまず気づいた。
「2段になってる…」
「あらほんと」
「山沢さんが多く持ってきたからね、あんたらのは多目だよ」
そう、八重子先生は脂で胃もたれしそうだからと少なめにされた。
うな丼を食べて精気を養う。
ふと一瞬先生が不安げな顔をされた。
なんだろう。
食後洗い物をして寝室の布団を敷いたり風呂に入ったり戸締りを確かめたり。
それから先生の横に落ち着いた。
眠いな。
そろそろ、と八重子先生に促されて寝間へ。
着替えて先に入って待つ。
女の身支度は時間のかかるものだ。
それからおそるおそると入ってきた。
「どうした? 何を怖がってる」
そっと胸に顔をつけてくる。
背中をなでているうちにこちらがダウン、寝てしまったようだ。

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