出勤し、仕事。やはり暇だ。
というか荷物が来ないから売るに売れず。
普段三千円の魚も八千円ではねぇ。
外は暑い。
ああでも昨日の京都に比べれば涼しいね。
今日行けばよかったか?
とはいえ昨日の疲れで眠い。
だから今日行ってたら明日お稽古が辛くなってるはず。
仕事を終え、帰宅してすぐに寝た。
夕方起きて食事を取る。
先生からメール。
明日台風の様子を見て来れないようなら来るなと。
きっと台風は来ない大丈夫。
だから行く。
逢いたいし。
心配させてもいけないから、その時の判断で行くか行かないか連絡すると返す。
来れるなら来て、と書いて返って来た。
勿論だ。
何度かメールを交わし、お休みの挨拶を交わした。
シャワーを浴び、寝た。
翌朝テレビを見ると九州四国方面は大変そうだ。
しかしながら関東にはこなさそう。
先生のところへは余裕でいけるだろう。
時化と台風で出足が悪いのとで大して売れず。
さっさと先生のお宅へと移動した。
「あら、いらっしゃい」
「こんにちは」
「早かったねぇ」
「あ、そうでしたか?」
「いま朝の生徒さん帰られたところよ」
「ああ。じゃこれからお昼ですね」
「あんた食べてきたの?」
「ええ」
部屋に鞄を置きに行って水屋の支度。
さっと茶室の畳を拭き掃除した。
一旦居間に戻ると見合い写真の山を先生が見ている。
「あ、あんたも見る?」
「…開さんの?」
「そう。いい加減身をかためさせないとねぇ」
「え。俺とって話は消えたんですか」
「だってあんた、最近会ってないだろ」
「そういえば見ませんね」
「これ」
「ん? あ、先生じゃないですか。孝弘さんとの見合いの?」
「あら違うわよ、成人式の時に撮ってもらったのよ」
「うーん、やっぱり綺麗で可愛いですね。清純ってかんじ」
そういうと頬染めて可愛らしい。
「あとは晶の見合いが来ててね」
いくつか見せてもらった。
「を、これイケメン」
「あらほんと」
「先生もこういうの好みですか?」
「んー私はちょっと」
「孝弘さんが好みなんですもんねぇ、先生は」
ほほほ、と笑っている。
「さてと、そろそろ生徒さん来るよ」
「あらもうそんな時間? お手洗い済ませておかなくちゃ」
ぱたぱたと行かれた。
先生が戻られる前に生徒さんがいらっしゃったのでお相手を。
おいでおいでをされて近寄る。
「先生まだいらっしゃらないから聞くけど…あなたAVお持ち?」
「え、ああ、はい」
「息子がね。変なAV持ってたのよ。誰か相談できないかと思って…」
「変な、と言うと」
「先生には変態って言われそうなものなのよ、だから相談できないの」
あ、足音。先生が来た。
「お稽古が終ったらお聞きします」
「お願い」
先生が入ってこられた。
「こんにちは、中村さん」
「先生、こんにちは。よろしくお願いします」
「はい、じゃ今日は…」
お稽古が始まる。
長板をお稽古される間に次の方の用意を整えた。
そして中村さんのお稽古を終えるころ、次の生徒さん。
ご挨拶。
入れ替わられたあと隣の部屋で話を聞く。
聞いてみたが軽いSMが入ってただけでたいしたものではなかったようだ。
部屋に道具類があるかも確かめる。
まだそういうものはないそうだ。
「一過性で憧れを持ったりすることはよくあると思います。ただ…」
これからそういう道具やビデオを集めるようになったら諦めるように、と。
のめりこむ人は一定数いるし。
「非難しても性癖はどうしようもありませんから」
「そういうものなの?」
「軽いものなら普通に暮らせますよ。奥さん貰って子供も作って」
「重いと?」
「奥さん以外にプレイ相手が必要になります」
「浮気なんじゃないの?」
「そういう感覚ではない人が多いでしょうね。奥さんにはできないことをしているだけ」
気持ちはわかる。俺はしてないけど。
少し納得されたような。
内緒にして欲しい、と言われて帰られた。
お稽古に戻る。
夜になって先生と寝間に入った折に聞かれた。
「なんだったの?」
「ん、ああ。息子さんの部屋からAV見つけたって」
「あら。なんだそんなこと」
「律君の部屋にあっても平然としてるのかな、あなたは」
「男の子だもの…」
「ふぅん? そうかなぁ」
「第一あの子の部屋、テレビないわよ」
「あ、そうでした。じゃエロ本。俺が見てるようなのとかどうです」
「あなたが見てるようなのならお説教ね」
「見せてみようかな」
「やめなさい」
「選択肢」
「許しません」
「あなたは見るだろう?」
「見ないわよ」
「俺の部屋の、読んだくせに」
「あれは…」
後ろから抱いて耳を舐める。
「あれはなに?」
胸に手を差し入れて揉みしだくと喘ぎそうになっている。
股間をまさぐると体がはねて。
耐えてるのが可愛い。
ぎゅっと俺の腕を掴む力が強くなり、すぐ脱力した。
逝った様だ。
ハァ、と息をついてもたれてくる。
「もう、だめよ…布団入りましょ」
ふふっと笑って引き入れた。
「明日、また縛ってあげようか」
「だ、だめよ。それは。痕残っちゃって大変だったんだから」
「見るたびに思い出した?」
「…その…やだ、何言わせるのよ」
「ほんと、かわいいなぁ。いつかここにも蝋燭落としてあげるよ」
股間を弄り回しながらいうと随分と濡れている。
「や、こわい…」
「こわくないこわくない」
中を弄りつつキスをして気持ちよくなってる隙にまたお尻に指を入れた。
「んぅぅ…んっ、んんっ」
俺の胸に手をやり押し返そうとしているが力は入ってないね。
いや入らないんだろう。
尻の穴だけでは無理だけど他のところも同時刺激で逝けたようだ。
うー、色っぽい。
「抜いて、ねぇお願い…」
あんまりにも可愛らしくてお願いを聞いてしまった。
「手、洗ってきて頂戴よ」
「はいはい」
布団から出て洗面所で洗う。
その前に嗅ぐ、なんてことはしない。
スカ趣味はないからな。
浣腸も必要があれば、だ。
出すところを眺める趣味はあるが。
それはそれ、恥ずかしがるから見たいんであって。
部屋に戻り、布団に潜り込む。
背を向けてる先生を抱き締めた。
「お尻、駄目よ…ね、聞いてるの?」
「んー、ふふ、可愛かった」
「ばかっ、もうっ」
そろりとお腹に指を這わす。
「もう一度、する?」
「お尻、しないで」
「しょうがないな。わかった」
今度はゆったりと普通に抱く。
「愛してる…」
「嬉し…ん、キスして」
深く浅くキスも交わし、逝かせて眠くなった先生を寝かせた。
俺も寝るか。
おやすみ。