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百鬼夜行抄 二次創作

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伶(蝸牛):絹の父・八重子の夫 覚:絹の兄・長男 斐:絹の姉・長女 洸:絹の兄・次男 環:絹の姉・次女 開:絹の兄・三男 律:絹の子 司:覚の子 晶:斐の子

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翌朝、出勤の支度をする。
帰ったようだ。
と思っていたら草履がまだある。
和室に布団敷いて寝たのか。
まぁ稽古日だし仕事から帰ったらもういないだろう。
サボろうかなぁ…、稽古。
テンション低いまま暇な火曜日、仕事は暇。
昨日のマグロを事務に計上してもらい支払った。
暑さにげんなりして帰宅。
あ、まだ草履、ある。
「ただいま」
「おかえりなさい、お昼もうすぐできるから」
風呂に入る。
涼しくなるまで浴びて上がるとテーブルに先生が色々並べてる。
「昨日はごめんなさい、折角作ってくれたのに」
「もう帰らないといけないんじゃない?」
「ごめんなさい、迷惑だったわよね…」
「いや、稽古。良いのか?」
「えっ、今日お休みよ?」
「八重子先生、昨日稽古に来いって言ってたけど…」
「ちょっと待って」
慌てて携帯で家にかけてる。
「え、あ、そうなの? あ、はい。はい、わかったわ」
電話を切って俺に向き直った。
「お稽古は今日はないわ。ついあなたにそう言っちゃったって」
「なんだ…」
サボろうとか思ってたのにな。
「ご飯食べてくれる?」
「あぁ。いただきましょう」
少しぬるくはなってしまったが久々の先生の作る飯だ。
やっぱりうまいな。
少し機嫌が良くなったのを見計らって先生がもう一度謝った。
「いや、俺も悪かった」
双方謝り、この話は終わったことに。
昼寝したいか聞くと朝良く寝たから別に、と言う。
「あの…し、したいなら、いいわよ…」
顔を赤らめてそんなことを言う。
「食事時にする話じゃないっていつもは怒るでしょう」
「あ、そ、そうね」
まったく。
食事を終えて洗い物をしようとすると私がする、と言い出した。
「いいから。座ってて」
ちょっと気まずそう。
洗い終えてコーヒーを入れて持って出た。
「ん」
「ありがとう」
ほい、と一口羊羹を渡す。
「貰いもん。俺食わないから」
客から箱で貰ったとらやの一口羊羹。
先生がいるなら消費するのは今しかあるまい。
「おいし…」
笑顔になって随分空気がほぐれた。
コーヒーを飲み終える。
「おいで」
「あ…はい」
そそくさと割烹着を外し、帯を解いた。
紐を外そうとする手を取り抱え上げベッドに連れて行く。
「あ、あの、脱いでからじゃいけないかしら」
そのまま組み敷いて何事か言おうとする唇をむさぼる。
着物の上から胸を揉んだ。
少し抵抗されてまた少しいらだつ。
ベッドに座り背を向け、脱ぐように言うと先生は慌てて脱いでる。
脱げたようなので押し倒し、抱いた。
それでも気を抑えて抱いているのにいつまでも身を硬くして怯えてるのがわかる。
何かもう面倒くさくなって寝かしつけて一緒に寝た。
夕方、起きて夕飯の買出し。
二人分だから、と考えつつ買物して帰ると先生が不安そうな顔で俺を待ってた。
「飯、作りましょう」
「うん…」
こりゃ、駄目かな。一度家に帰したほうが良いかもしれない。
そう判断して食事の後、車に乗せて自宅へ送り届けた。
「じゃ、またあさって」
別れて自宅へ戻ると見せかけ、いつもの部屋へ。
流石に疲れた。
ピンクのシーツ、相変わらず微妙だな。
そう思いつつ酒を出しつまみを食う。
ぐいぐい飲んでいると八重子先生から電話だ。
何があったというけれど別に特になく。
どこにいるかと聞かれてここにいると答え電話が終った。
そのまま暫く飲み、寝た。

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