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百鬼夜行抄 二次創作

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伶(蝸牛):絹の父・八重子の夫 覚:絹の兄・長男 斐:絹の姉・長女 洸:絹の兄・次男 環:絹の姉・次女 開:絹の兄・三男 律:絹の子 司:覚の子 晶:斐の子

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あまりの暇さに溜息が出るような、今日の仕事。
早々に終らせてお稽古へ行ったが生徒さん方も夏ばて欠席。
急に涼しくなったから風邪を引いたり。
先生も昨日の晩からアレでお稽古も早めに終えて別れた。
翌日は金曜と言うのに暇で思いやられる。
まぁ先生も稽古に来られる生徒さんにお休みが多く休養に当ててるそうだ。
遊びに誘ったら却下されてしまった。
やっぱりなぁ。
明日はどうなんだろう。
まだ終ってないからだめ、か?
仕方ないけど。
暇すぎて疲れてなくて眠れない。
涼しいから散歩に出る気になった。
ぶらりと。
寄席、いくか。
行ってみると丁度、太神楽が始まるところだった。
久々に楽しんでゆったりとした気分で帰宅の途中、夕飯を取った
あとは寝るばかり。
先生も夕飯を食べたら寝るとメールしてきている。
こんな調子では明日は望むべくもない。
諦めて寝ることにした。
翌朝も涼しく、もう秋なのかなぁという気候。
涼しいものだからハモが売れない。
何本かを持ち帰ることにした。
マツタケも売れ残ったので回収。
途中、ごぼうを手に入れて稽古場へ。
八重子先生に手を触れないようお願いする。
「今日は何するの?」
「柳川と土瓶蒸です、そのつもりで他のおかずお願いします」
ちゃんと柳川鍋、人数分持ってきたんだよね。
「どじょうはちょっと」
「ハモでやりますからおいしいですよ」
「そう?」
「ええ。じゃ、水屋の支度してきますね」
土曜と言うのにやはり生徒さんが少ない。
今日は俺のお稽古を少し長めにしていただいた。
「山沢さーん、そろそろ作って頂戴」
片付けてると八重子先生が呼びにきて交代。
今日は下処理を済ませてきてあるので前掛けとたすき。
いつも作るように柳川に仕立てて順次熱々を食べていただく。
今日ばかりはそろって食べる、をすると冷める。
最後に先生と俺で食べた。
土瓶蒸もおいしくて、八重子先生の作るおかずもおいしい。満腹で幸せ。
先生も満足そうな顔をしている。
さてそのかわり洗うものは沢山だ。
頑張って洗い物をしていると先生がコーヒーをいれに来た。
「あら。いつもの、もうないわ」
「ありゃ、そろそろ買わないとですね。
 取敢えずその緑の、そうそれ。それなら割といけますよ。フルでも」
「じゃいれてみましょ」
お盆に三つ、カップを載せて帰っていく。
暫くして洗い終えた頃先生がカップを持って戻ってきた。
「これもお願い」
そういって洗いあがったお皿を拭いて仕舞い始めた。
ちゃんと手伝ってくれる。いらだったりはすまい。
一緒に拭いて仕舞って、居間へ戻る。
ゆったりと過ごす土曜の夜。
秋だなぁ、虫の音が。
蚊遣りを焚いて思い思いに…。
先生は半襟をつけている。
そういうのを眺めるのも好きだ。
ふとこっちに気づいたようだ。
「あんたのも持ってきなさいよ、つけてあげるわよ」
「いや、いいですよ」
「いいから持ってきなさい」
「すみません」
つけてもらう代わりといっちゃなんだけど、と肩を揉んであげた。
気持ち良さそうにしている。
律君が風呂に入って、八重子先生が入って。
先生と一緒に俺も入った。
アレは終りかけているようだ。
触っていたら怒られた。
舐めようとしたらピシャッと頬をぶたれた。
打ってからしまった、と言う顔をする。
無言で手を濯いで先生の体を洗った。
湯に浸かって膝に先生を乗せ、ゆっくり揉み解すと縮まりこんでいた体がほどける。
怖いなら気をつければ良いのに。
そろそろ、と出して俺も出た。
体を拭いてやって手早く寝巻を羽織らせ、始末をさせた。
それからゆっくりと俺も体を拭いて寝巻を着る。
その足で戸締りをし火の元の確認をして居間へ行き、八重子先生に先に寝ることを告げた。
先生が追随して俺と布団に入る。
俺は背を向けて寝た。

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