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百鬼夜行抄 二次創作

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伶(蝸牛):絹の父・八重子の夫 覚:絹の兄・長男 斐:絹の姉・長女 洸:絹の兄・次男 環:絹の姉・次女 開:絹の兄・三男 律:絹の子 司:覚の子 晶:斐の子

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翌朝、のんびりと布団の中でまどろみ、朝風呂。
それから朝ご飯を頂いて、身づくろいをした。
きちっと装った先生は綺麗で手を出せない感じがする。
俺も先生に格を合わせて整えた。
「用意、良いかしら。行くわよ?」
「はい」
車に乗って移動し、入館する。
「ねぇ、先生。ここ覚えてます?」
「…覚えてるわ」
「もうすぐ、こうなってから一年経ちますね」
「そうね…こんな関係になるなんて思ってなかったけど」
「色々ありましたね」
「喧嘩も随分したわねぇ。あなた拗ねて出て行っちゃったり」
「最近も…俺が苛々しちゃったりして。ほんと酷い奴だな、俺」
「…でも好きよ」
手を握られた。
嬉しくて照れくさい。
「Hが?」
誤魔化したらバッグの角で叩かれた。
「わっ、暴れない暴れない」
「もうっ、ばかっ」
「拗ねないでくださいよ。俺も好きですよ」
そんな会話をしつつ展示室へ歩き、閲覧した。
先生は絵にはそこまで興味はないらしい。
残念ながら俺もあんまり。春画なら見るが。
まぁそれなりに楽しんでお昼を頂いて。
後はそのまま帰るのも、と仰るので熱海城へ行こうかと思い立った。
ロープウェイの券を買う時気づいた。
秘宝館…これは入らねばなるまい。
往復券とともに購入してロープウェイに乗る。
ぐんぐん上がるロープウェイの中から見る熱海も良いね。
すぐついたけど屋根に秘宝館と大きく書いてあるのがまたなんとも。
そのまま手を繋いで連れて入ろうとしたら抵抗された。
「まぁまぁ、そう仰らず」
引き寄せて連れて入った。
恥ずかしがったりドン引きしたり。
俺にはシュールにしか見えないものに反応してる先生のほうが面白い。
特におみくじは笑えた。
「こんなの持って帰れないわよ、どこかで捨てて頂戴よ」
お願いされてしまった。
「やぁさすが昭和って感じでしたねえ」
「もー、こういうのやめてちょうだいよ」
「うんうん、あなたが可愛かった。楽しかったですねー」
「ばかっ」
「ここ、まだエロくないからいいんですよねー。笑い飛ばせるもの多くて」
ほら、城。行きましょう、と手を引いて連れて行く。
「あら、綺麗ねぇ」
引き寄せてキスした。
「こら、こんなところで…」
「人、いないし」
抱きたくなっちゃって困ってしまった。
さすがにここではちょっとそこまでは出来ない。
気づいた先生が宿に戻ろうと促した。
優しいな。
今度は俺が手を引かれてロープウェーに乗り、バスに乗って戻った。
「お帰りなさいませー」
旅館に着いて部屋に入る。
布団は敷かれてないけれど、脱がせ、抱いた。
一度抱いてしまいさえすれば落ち着いて、先生を部屋の露天風呂に入れる。
「よく我慢できたわね」
ほっこりした先生から頭をなでられた。
「余裕ですね、夜はもうちょっと激しくても良さそうだ」
「だーめよ、うふふ」
もう一度キスして風呂から上がってもらう。
拭いてたら自分からキスしてきた。
「ほんとキス好きですね、あなた」
「ほほほ」
笑って着替えに立っちゃった。
「もうそろそろお夕飯かしらね」
「あ、そうですね」
「じゃあんたも着替えなさいよ、早く」
「はいはい」
さっと着替えて先生と夕飯を食べに行く。
今日もうまそうな食事で、連泊だからちゃんと料理が違う。
安い宿だと同じ物が出るんだよな。
先生の嬉しそうな顔、良いね。
お酒は女泣かせ、またこいつか。
先生がちら、と俺を見る。
この銘柄をと俺が頼んだわけじゃない。
おいしい奴、と頼んだだけだぞ。
食事と酒に満足して部屋に戻った。

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