「ねぇ、散歩しない?」
「いいですよ」
そのままではひんやりするので、と羽織を着て外を歩く。
また、海岸へ。
さく、さく、と歩く先生の顔が月に照らされて美しい。
「綺麗だ…」
「いい月夜ねぇ」
「あなたがですよ」
先生の頬に朱が差して、恥ずかしそうだ。
「あ、そうだ。重陽の節句、やるんですか?」
「ん?」
「菊酒、被せ綿、菊湯に菊枕。あとは栗ご飯でしたっけ」
「あ、お風呂に菊の花を入れたり、おかずに散らしたりはするわよ」
「やっぱりするんですねぇ」
「それより覚えてる? お花。床の間のお花も菊をいけるのよ」
「そういえばそうだったような…」
「ちゃんと五行に添っていけるの」
「五行…お花にもあるんですね」
「お稽古の日も今度は当たるから御菓子も菊の形のものになるわね」
「いいですね」
「あなたの分のお干菓子もお願いしてあるわよ」
「嬉しいなぁ」
抱きついたら恥ずかしがってる。可愛い。
「体、冷えてきてますね」
「そう?」
「お風呂、一緒に入りましょうか」
うん、とうなづき先生は俺を従えて宿へ戻った。
大浴場は数人先客が。
脱衣所を先生が覗き込み今なら大丈夫と呼ばれ、急いで脱いだ。
それから入って先生の背中を流し、自分も洗って湯に入る。
「あぁ良い気持ちねえ」
そう言いつつ、俺が他の人を見ると水面下でつねる。
おばあちゃんの裸を見たからとつねられるのは勘弁して欲しい。
露天風呂にも入る。
月の下で見る先生の裸身は美しい。
これが外ならばきっと羞恥もあって色っぽくなるに違いない。
暫くして先生がもたれかかってきた。
「ねぇ…」
「ん?」
「他の人、見ないで」
「はいはい」
可愛い嫉妬だ。
そっと湯の中で膝小僧をなでる。
「だめよ…こんなとこで。他の人が見たらどうするの」
「足を開いて」
「そんなの…無理よ…」
くくっと笑いつつ膝裏をくすぐる。
「ね、もう上がりましょ。お願い、やめて」
「騒ぐと注目されますよ」
「でも、やだ…お願い、ねっ、上がりましょ」
「可愛いなぁ、本当に」
笑って引き上げて風呂から上がった。
すっかりされるがままに先生はバスタオルで拭かれてる。
少し股間がぬめっているのも確認した。
浴衣を着せて、それから俺の身仕舞いをする。
先生の手を引いて部屋に連れて入った。
布団が敷かれている。
「ちょっと飲みましょうか」
「そうね」
すぐに脱いでするのはやはり抵抗があるようだ。
軽く飲んでそれから脱がせた。
膝の上に乗せて、先生の手を持って自身の手で胸をなでさせる。
股間も同じように。
「ほら、自分でいいところ探って」
三つの突起を弄るのは何とか出来るようだが指を中に入れるのは抵抗があるようだ。
入れさせて、自分で良い所を探らせた。
自分の指で気持ちよくなる、と言う恥ずかしさに耐えかねて。
抱いて欲しいとお願いされた。
もう少し焦らしても良いけれど俺も焦れているから体位を入れ替えて抱いた。
二度逝かすと満足したのか眠そうだ。
キスを交わし背をなでると寝てしまった。
少し熱が冷めるのを待ち、掛け布団を着せて俺も寝た。