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百鬼夜行抄 二次創作

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伶(蝸牛):絹の父・八重子の夫 覚:絹の兄・長男 斐:絹の姉・長女 洸:絹の兄・次男 環:絹の姉・次女 開:絹の兄・三男 律:絹の子 司:覚の子 晶:斐の子

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朝になって先生と風呂に入り、朝食を頂いて帰る用意をする。
ニュースを見ていると今日は白露、十五夜らしい。
「今日もうち、来る? 明日にする? お月見する予定だけど」
「行って良いですか」
「勿論よ」
うちで見るよりきっと先生のお宅のほうが綺麗に見えるだろう。
荷物を送ってもらい、宿泊費の精算をしてチェックアウト。
早く帰らねば昼からの稽古がある。
お昼は駅弁だっ。
電車に揺られて先生のお宅へ。
「ただいまぁ」
「お邪魔します」
「あら、お帰り。早かったね」
「着替えてくるわー」
「これ、お土産です」
「はいはい、ありがと。昼のお稽古、一人お休み。1時半からだよ」
「あ、じゃ俺も着替えてきます」
「お昼は食べたの?」
「はい、駅弁で」
部屋に行って稽古着に着替え、小用を済ませて水屋の支度をした。
上級の方ばかりなので俺は見学。
混ぜるな危険。
やはりいつもの日と違い、問答が細かい。
新鮮で聞き入ってしまったり、みとれたり。
いつかこの中に混ざれるのかな、精進しよう。
お稽古も終り、夕飯を頂いてお月見を。
団子を供えて一つはいただいた。
早めに今日は帰宅し、また明日と。
翌朝出勤し、土産を配る。
魚屋だけに魚を土産に出来ないのが難だ。
火曜らしく暇で、半分くらいはお客と喋って今日の仕事終了。
帰宅してお稽古に向かう。
玄関先から既に菊の香りが漂う。
今日は花の稽古はないからと茶室や部屋、玄関にしか飾ってないそうだ。
いつものようにお稽古を済ませ、今日はお風呂もいただく。
菊が入っている。
湯の中で「菊のませ垣、七重八重菊、御所御紋の菊は九重♪」
などと歌っていたら先生が変な顔をしている。
「菊づくしって曲ですよ」
「色んな事知ってるわねえ」
「三味線弾くの知ってるでしょう?」
「あら、そうだったわね。忘れてたわ。最近は弾かないの?」
「あなたのことでいっぱい一杯ですよ」
「やぁねぇ、ほほ」
「さ、背中流しましょう」
「ありがと、おいたは駄目よ?」
「はいはい」
背中を洗ってあげて一緒に風呂から出た。
浴衣を素肌の上に羽織り、腰巻をつけるのを見ていると早く着替えるよう叱られた。
綺麗なものに見とれて何が悪い。
その後、寝る段になって布団へ入り、胸を触ってると先生が寝てしまった。
またか…。
しょうがないなぁと暫く感触を楽しんで諦めて寝た。
翌日はいつものように食事の支度や家事をして夕方帰宅した。
旅行中の洗濯をしなければ。
普段のように何事もなく木曜、金曜が過ぎた。

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