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百鬼夜行抄 二次創作

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伶(蝸牛):絹の父・八重子の夫 覚:絹の兄・長男 斐:絹の姉・長女 洸:絹の兄・次男 環:絹の姉・次女 開:絹の兄・三男 律:絹の子 司:覚の子 晶:斐の子

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休み明けの仕事は暇で早く終ってしまう。
ゆっくりと支度をして先生のお宅へ向かい、稽古の助手。
俺への稽古もつけてもらった後、水屋を片付けていると先生が背中に触れた。
「ん? どうされました?」
「ね、旅行、連れてってくれる?」
「旅行?」
「ほら、連休に京都って行ってたじゃないの」
「あぁ旅行ね、旅行…台風来てるのに?」
「だって13日の夜からって言ってるわよ、京都」
「足が遅くなってるとは聞いてますけど。新幹線止まったらどうするんですか」
「止まったらあなたの家に泊めて頂戴」
「あー…はい。いつから行きますか」
「土曜、お稽古終ったらすぐでどうかしら」
「お夕飯は」
「新幹線の駅弁で良いでしょ」
「じゃ八重子先生に話を通して置いてください」
「ちょっと待っててね、今言ってくるわ」
宿と電車手配しないといけないな。
さっとタブレットで調べてみるとキャンセルがあるようで良い宿が手配できた。
電車の手配もする。
禁煙車のできればグリーン。
余裕で有った。やっぱりキャンセルが多いのかな?
手配を済ませた頃、先生が戻ってきて水屋の片付けを再開する。
「どうでしたか」
「構わないって。水屋も律に片付けてもらうわ」
「いいんですか?」
「そうしないと電車の時間遅くなるわよ」
「まぁそうですけど」
「荷物どうしたら良いかしら。あなた全部持ってくれる? それとも送っちゃう?」
「台風の影響あると困るからお持ちしましょう」
「じゃ明日のうちに荷物作っておくわね」
「はい、俺も用意してから来ますね」
片付け終えて食卓へ。
今日は何かなぁ。
へぇ、先生方はエビしんじょのお吸い物か。
また面倒なものを。
俺には豚バラの炒めたのに大根おろしと薬味、ポン酢を添えたのをメインに。
先生が律君に色々といない間の家の事について言ってる。
「おばあちゃんは家にいるんだよね?」
「いるわよ。でもほら。おばあちゃんだってお出かけするかもしれないでしょ」
「そうなったら食事は出前取ったら良いからね」
「お父さんの分はご飯炊いて頂戴ね」
「何しに行くんだっけ」
「展覧会と資料館と博物館の予定してるのよ」
「やっぱり京都だと沢山あるの?」
「常設展が随分有るからね、あっちは」
「大西は行きたいわ」
「はい、ぜひ」
食べ終わって片付けて帰る段になり、先生が見送ってくれた。
「じゃ、あさって楽しみにしてるわね」
「楽しみですね。じゃあ失礼します」
「またね」
機嫌よく帰宅して、明日の仕事に備えて寝た。
翌日は連休前なのにそこまで忙しくない。台風の影響だろうか。
仕事を終えて食事をして帰宅。
昼からは旅行の荷物を作ることにした。
着物バッグにあれこれ詰め込み、更にボストンを。
下着や小物類、縄とペニバンだけだが。
なんせ何か足りなきゃ家から取れば良いわけで。
勝手知ったる京都では特にさしたる荷物も要らない。
すっかり作り終えればそろそろ夕刻。
小鯛を造っておいたのでそれをアテに少し飲んでから寝た。

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