朝。目が覚めたが先生はまだ寝ている。
時間はまだ早い。
朝食の支度をしないで良いからもう少しこのまま先生の寝息を聞いていよう。
ゆったりと時間が流れる。
7時半を過ぎた頃、先生が目覚めた。
「おはよう…」
「おはよう」
「何時かしら。台風どうなったの?」
「7時40分かな、台風はちょっと待って」
テレビをつけて確認する。
「まだ遠いかな。どうします?」
「ここ、今日チェックアウトよね」
「いや予備日取ってましたから今日も泊まれますよ」
うーむ、と先生が悩んでる。
「俺はもう一日、あなたといたいけど」
「じゃ昨日ね、資料館行ったでしょ。もう一度行きたいのよね」
「だったら午前中ですね、やっぱり」
もそもそとベッドから出て身づくろい。
「ん? ねぇ。昨日化粧…」
「落としておきました、痒い?」
「ううん、ありがと」
キスしてくれた。
身支度を整えて食事へ。
朝食は軽めの懐石風味でまぁまぁいけるね。
それからお出かけの支度。一応雨支度を整えて。
先生の希望通り資料館へ行き、ゆっくりと見歩く。
流石に台風当日と有り人が少なく、先生は落ち着いて楽しんでおられる。
俺はその先生の様子を見るのが好きだ。
昨日よりしっかりと見て退館すると小雨。
「降って来たわねぇ」
「これから強くなるんでしょうね」
先生が少し考えてから表千家の会館を希望された。
流派は違えどあちらのお道具も見たいとのことで一応のため電話で問い合わせて伺った。
流石にすばらしいお道具ばかりで先生の溜息が聞こえる。
ひょうたん型の水差しとか使いにくそうだけど。
その後、お昼ご飯を近くで食べることにした。
先生が色々注文してくれてるが、あまり愛想を振りまかないようにお願いしたいところだ。
次は北村に行きたいと仰る。
どうやら下調べしていたらしい。
これも一応確認の電話をしてから伺った。
先生は熱心に見ておられるが人のいない日だけに結構目立つね。
流石に雨脚がきつくなってきてホテルへ戻った。
着替えて着物の始末をしてくつろぐ。
先生は満足そうだ。
俺も満足したくなって引き寄せた。
「ぁ…暖かいわ」
「寒かった?」
「ちょっと雨だったから冷えちゃってたみたいね」
「温めてあげよう」
「ん…、ぁ…」
胸をまさぐると軽く喘ぐ。
左手で裾を割って股間に手を差し入れる。
はっはっ、と先生の荒い息が心地よい。
「ぬ、脱ぐから待って、お願い」
「はいはい、お手伝いしましょう」
貝ノ口をほどいて対丈の木綿の着物を脱がせる。
すっかり着崩れてたけど。
肌襦袢も腰巻もすべて脱がせれば恥ずかしそうに胸とあそこに手をやって隠そうとする。
キスをして抱くとしっかりと懐に入ってくる。
ベッドに連れ込んで暫く楽しみ、ふと思い出した。
「あ、そうだ。ペニバン持ってきたんだよね」
「えぇ? ちょっとこんな所で?」
「うん」
先生の上から退いて装着する。
「ね、ちょっと。ねぇ、久さん…」
コンドームつけてローションを塗りつけた。
「ん? いいでしょ」
「いや、ちょっ、ダメよ。あっ」
抵抗してるけど入れちゃったもんね。
眉をひそめて抵抗むなしくも気持ちよくなっていく先生は可愛くてきれいでたまらない。
腰を使うたびに啼く。
二人で随分汗をかいて先生が疲れきって寝た。
窓の外は豪雨、まったく気づかなかったな。
後始末をしてから横にもぐりこんだ。
携帯にアラームをセット。
夕飯前には起きないと。
先生の匂いを嗅ぎつつ幸せな気持ちで寝ていたらあっという間にアラームに起こされた。
もっと寝てたいが仕方ない、先生を揺り起こす。
ぐずってはいるが何とか起こして着替えさせ、化粧を直されるのを待ち、食事へ。
眠たげだがおいしそうな食事に心が浮き立ち始めたようだ。
軽くワインもいただきつつのフレンチ。
コースが進むごとににこやかになる先生を見て自然に嬉しくなる。
しかしこの天候でよく食材そろえたなぁと感心しつつ、食事を楽しんだ。
デザートも美しく仕上がってて、手が込んでいる。
甘くて、俺はエスプレッソで口直し。
部屋に戻ると先生は帯が苦しい、と脱いで寝巻きに着替えた。
「おいしいから食べ過ぎちゃったわ」
「うん、うまかったですね」
それから俺の懐に擦り寄ってもたれてきた。
「えっちはダメよ?」
「はいはい」
テレビをつけて台風情報を見始めた。
「明日帰れるわよね?」
「ダメならうちに来て。たっぷり抱いてあげますよ」
ぱっと耳まで赤くしているのが可愛らしい。
手を差し入れて乳をなでるとベチン、と叩かれた。
「だめっていってるでしょ、後でなら良いわよ」
「しょうがないな」
膝の上に載せて抱きかかえた。
「これくらいはいいでしょう?」
「うん」
暫くすると寝息。
やっぱり寝ちゃったか。
しょうがない、化粧落として寝ることにしよう。
昨日と同じように拭き取ってベッドに寝かしつけ、俺も諦めて寝た。